avexとGCRESTが送るHIPHOPメディアミックスプロジェクト『Paradox Live』がついにアニメ化!
楽曲とボイスドラマを中心に展開されてきた同コンテンツは、キャスト陣によるリアルライブなども開催され、大きな盛り上がりを見せてきました。
物語の舞台は、”ファントメタル”という特殊な金属の発見により、HIPHOPシーンが新たな潮流を迎えた近未来。
任侠一家の「悪漢奴等」は、ある事件のトラウマをともに抱えており、血の繋がりはないものの互いを”家族”として大切に想っています。
ある日、繁華街を訪れた北斎、紗月、玲央は、そこで偶然ゴロツキに絡まれていた人物を助けました。
なんとそれは、次の対戦相手・「cozmez」の珂波汰で……。
早速、第5話「FAMILY」をレビューしていきます。
目次
アニメ『Paradox Live THE ANIMATION』前回第4話あらすじと振り返り
対戦前に「The Cat’s Whiskers」(TCW)の楽屋を訪れた「BAE」。
リスペクトを表明するアレンとアンをよそに、夏準は厳しい評価を送ります。
さらに、リュウの一言がきっかけで激怒した夏準は部屋を飛び出し、追いかけてきたアレンとアンにも冷たい言葉を浴びせました。
一体、夏準に何があったのか……。
眠れぬ夜を過ごした末、アレンとアンは夏準の部屋の扉を叩きます。
彼らは互いのトラップ反応のきっかけとなる過去のトラウマを打ち明け、それぞれが親との関係から心の傷を負っていることを知りました。
一人で抱えていたものを見せ合い、受け止め合うことができたBAEは絆を深め、新たな一歩を踏み出します。
【ネタバレあり】アニメ『Paradox Live THE ANIMATION』第5話あらすじ・感想
翠石組の日常
「泣く子も黙る翠石組」――悪漢奴等は任侠一家。
とある事件をきっかけに現在の5人だけになってしまいましたが、「親父の仇を取る」と決意した依織を筆頭に、改めて「家族」の契りを結びました。
生活をともにしている彼らの日常はなんだかんだ賑やかで、今日も紗月と玲央が痴話喧嘩を繰り広げています。
その拍子に、紗月のスマホがジュースの入ったコップに落ちて壊れてしまいました。
新しいスマホを手に入れるため、紗月、玲央、北斎の三人は繁華街へ出掛けます。
兄貴たち――依織と善の計らいでスマホを買い替えることができた紗月ですが、玲央との喧嘩は未だに続いていました。
そんな中、街頭モニターでParadox Liveの情報を目にした三人は、次のバトルに向けて気合いを入れ直し、先ほどまで喧嘩していた紗月と玲央も息ぴったりで決意を新たにします。
やがて三人は、誰かがゴロツキに絡まれ、一方的に殴られている場面に出くわします。
紗月が暴力で解決しようとしたところを引き止めた北斎は、長身から繰り出す圧でゴロツキを追い返し、路地裏に倒れた少年を助けました。
その少年は、次の対戦相手であるcozmezの珂波汰でした。
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大事な”家族”
珂波汰は行方不明になった那由汰を探していました。
ゴロツキに絡まれていたのも、その矢先の出来事だったようです。
困っている人の手助けをするのも翠石組の信条の一つ。
依織から珂波汰を手伝うよう言われたこともあり、三人は那由汰を探しに行くことになりました。
那由汰が行方不明だと連絡を受けた依織と善は、何かを疑っている、または懸念している様子……。 思い当たることがあるのでしょうか?
紗月と珂波汰、玲央と北斎の二手に分かれてスラム街を捜索中、玲央は北斎に「(珂波汰は)過保護だよね」と呆れたように言います。
ちょっと姿が見えなくなったくらいで那由汰を心配する珂波汰のことをウザイと評する玲央に、北斎は「家族は当たり前じゃないから……」と話し始めました。
例えば玲央がいなくなったら、北斎はウザイと思われようが必死に探すであろうことを語ります。
すると、玲央は「やっぱりウザイ」と返しますが、彼の頬は嬉しそうに赤らんでおり、北斎には照れ隠しだったことが正しく伝わりました。
一方、珂波汰は懸命に那由汰を探してくれる紗月に対し、なぜ手伝ってくれるのかと問いかけます。
紗月は、珂波汰と那由汰が「家族」だからだと答えました。
紗月たちは、それぞれの事情から血の繋がった本当の家族を手放し、離れて暮らしています。
その代わりに、翠石組という家族、居場所を大切にしていました。
だからこそ、珂波汰のたった一人の家族である那由汰を見つけることに意味を感じていたのです。
兄弟喧嘩の理由
実は、珂波汰は昨夜、那由汰と喧嘩していました。
それは那由汰が、cozmezの音楽を良くするためにも、珂波汰はもっと外に出て、世界を広げたほうがいいと言ったことがきっかけでした。
那由汰はBAEとのバトルの経験から、珂波汰には那由汰以外の人から受ける影響や刺激が必要なのだと感じていたのです。
那由汰のその考えを理解できない珂波汰は、どうして自分だけなんだと言い返します。
切なそうに微笑んだ那由汰は静かに答えました。
「俺は行けない……わかるだろ」
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そうして今朝、姿が見えなくなった那由汰。
不安げな珂波汰に、紗月は「音楽のことで喧嘩なんて俺らいつもだぜ」「兄弟なら普通喧嘩するだろ」と明るく声を掛けました。
――夕方。
那由汰は見つからないまま、一同は合流。
そこで珂波汰は、赤の他人に迷惑は掛けられないからと言って、ここから先は一人で探すと告げます。
すると、紗月は珂波汰を引き止め、大切な家族を想うなら他人への迷惑など考えずに頭でも下げて必死になれと喝を入れました。
そして、紗月たちは「家族」に対する気持ちを吐露します。
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――かつて起こった「翠石組襲撃事件」。
組事務所が襲われ、その場にいた全員が殺されていたという凄惨な事件でした。
そこで亡くなった「親父」や「仲間」が、紗月たちにとっての「家族」だったのです。
その日、彼らはもう二度と家族を失わないと決意しました。
……紗月、玲央、北斎は、それぞれの理由で本当の家族を捨てています。
紗月は、ただ何かにムカついている毎日の憂さ晴らしに喧嘩を続け、暴れ回っている彼をコントロールできなかった両親に見放されていたところを翠石組に拾われました。
玲央は、借金で一家離散し、家族みんなが「自分が一番可愛い」と思っている人間だということに気付いて戻ろうとも思えず、翠石組に入っています。
北斎は、父親が刑務所に入っており、もう二度と会うこともないうえ、周囲には犯罪者の息子として扱われることで孤立していたところを兄貴たちに救われたのです。
彼らの生い立ちと、翠石組という血の繋がらない家族への想いを知った珂波汰は、頭を下げ、改めて那由汰を一緒に探してほしいと頼みます。
その時、那由汰が現れます。
あっけらかんとした様子の那由汰は、目の前の状況が理解できないようで、なぜ珂波汰が悪漢奴等のメンバーと一緒にいるのかわからず、悪態をつくほどです。
那由汰はただ一人で出掛けていただけだったようで、紗月は呆れて怒りすら覚えますが、珂波汰の安堵した様子を見て、ひと安心したのでした。
その後、彼らは雷麺亭で夕食をともにして別れます。
次に会う時はライバルだと告げて……。
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那由汰は紗月たちを見送ると、珂波汰に向かって言います。
「珂波汰は変われるよ。 今よりもずっと強くなれる」
それが嬉しいのだと語る那由汰に、珂波汰は不思議そうな表情を浮かべました。
アニメ『Paradox Live THE ANIMATION』第5話まとめ
いかがだったでしょうか。
悪漢奴等の若い衆と、cozmezが交流を深めた第5話。
さまざまな”家族”のかたちが描かれました。
以前、珂波汰が依織のもとでアルバイトをしている姿が描かれていましたが、那由汰がいなくなったと聞いた時の依織と善の様子は普通ではなかったですよね。
依織と善はアルタートリガー社について調べているようなので、cozmezの二人にも何らかの関係があるということなのでしょうか。
明言はされていませんが、雷麺亭の店主=武雷管の修羅も、怪しげな研究所にいたり、店に来たParadox Live参加者を観察していたりと、掴みどころがないまま……。
味方なのか敵なのかすらわからない立ち振る舞いに、ハラハラドキドキさせられます。
熱いバトルが進む中、物語も少しずつ輪郭が見えてきました。
次回、第6話も楽しみです。