avexとGCRESTが送るHIPHOPメディアミックスプロジェクト『Paradox Live』がついにアニメ化!
楽曲とボイスドラマを中心に展開されてきた同コンテンツは、キャスト陣によるリアルライブなども開催され、大きな盛り上がりを見せてきました。
物語の舞台は、”ファントメタル”という特殊な金属の発見により、HIPHOPシーンが新たな潮流を迎えた近未来。
那由汰を失い、暴走する珂波汰。
武雷管に導かれるまま、その歌声はすべてをメタルで侵食していきました。
なぜ10年の沈黙を破り、Paradox Liveが開催されたのか――アルタートリガー社の恐ろしい企みがついに明かされます。
すべてを呪い、荒れ狂う珂波汰と、その光景を目の当たりにしたBAE。
混沌の中、彼らが掴む未来とは……。
早速、第12話「Paradox Live」をレビューしていきます。
目次
アニメ『Paradox Live THE ANIMATION』前回第11話あらすじと振り返り
無情にも「BAE」不在のまま、ステージバトルは進行されます。
抗議する珂波汰の声を遮って登場したのは、伝説の「武雷管」でした。
一方、アンと夏準は、馴染みのライブハウスでアレンを見つけます。
自分の音楽を見失い、絶望しきったアレンに、夏準はある思い出を語り始めました。
それは、二人が出会ったあの日のこと。
夏準はアレンへの想いを伝え、アンとともに失意の底から救い上げます。
改めて三人揃ったBAEが会場へ戻ろうとする頃、現地では混乱が起きていました。
これまでバトルに参加していたcozmezの那由汰は、珂波汰が生み出した幻影であり、ステージ上に現れた武雷管もまた、本物ではなく幻影だったのです。
【ネタバレあり】アニメ『Paradox Live THE ANIMATION』第12話あらすじ・感想
アルタートリガー社の目論み
ライブ会場は、幻影武雷管の言葉に触発され、那由汰を失ったことを自覚した珂波汰の暴走により、大変なことになっていました。
人や建物、すべてをメタルが飲み込んでいき、各チームのラッパーたちも急性侵食に苦しみます。
一方、白衣の男は10年前に手に入れた夜叉のメタルに話しかけるようにして、己の目論みを語ります。
自己を捨て、メタルを通じてひとつになることで、人類はさまざまな悲しみや孤独から解放される、と。
メタルによる人類意識の統合――その実験のためにParadox Liveが開かれたのです。
そうして自らが人類の救世主となるのだと笑います。
そこへ現れたのは、幻影ではない、本物の修羅でした。
修羅は10年前から白衣の男の研究と戦っていたようで、改めて彼の考えを全否定します。
しかし、再び夜叉の隣に立てたことにだけ、皮肉のように感謝しました。
――互いを想う強い気持ちさえあれば、メタルを通じて幻影さえ創り出すことができる。
それこそ白衣の男が研究から得た答えでした。
夜叉のメタルはこの歪んだ研究に役立てられたようで、実際に那由汰や武雷管が幻影として出現しています。
例えメタルの持ち主が死んでいたとしても……。
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幻影ラッパーの絆
白衣の男は、武雷管が成し遂げられなかった「音楽で世界を救う」という目標を達成しようとしている自分が羨ましいかと笑います。
修羅は夜叉のメタルを水槽のような装置から力づくで取り出すと、己を捨てることは救いでも何でもない、「くだらない妄想」だと言い切りました。
そのまま拳銃を手にした白衣の男を殴り飛ばし、夜叉のメタルに「久しぶりだな、相棒」と告げます。
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一方、ステージ上にBAEが到着。
会場内の異変に驚き、暴走した珂波汰や、急性侵食に苦しむラッパーたちの姿に悲痛な表情を浮かべます。
依織は、ステージに現れた武雷管や那由汰が幻影だったことを伝え、自分たちには何もできなかったと詫びました。
遅れてやって来たBAEにも急性侵食が襲いかかりますが、アレンは意識が朦朧としている珂波汰に近付き、真っ直ぐに語りかけます。
「……那由汰が幻影だったとしてもcozmezはcozmezだ」
自分を縛るものや過去は変えられなくても、その苦しみや悲しみが自分たちに音楽をさせる、痛みを輝きに変えることができる、と。
そして、しんと静まり返った会場の中、アカペラでラップし始めます。
アンと夏準も、アレンを支えるように、珂波汰に届くように、リリックを紡ぎ始めました。
その声に導かれるように、各チームのメンバーを襲っていた急性侵食が解けていきます。
メタルによる侵食の影響がないはずのリュウも一時倒れていましたが、「メタルが震えてる……もう寂しくないって」と立ち上がりました。
その時、どこからともなく修羅の声が響き渡ります。
Paradox Live
「……パフォーマンスを続けろ。 仲間を連れ戻せ。 幻影ラッパーの誇りにかけて」
そんな修羅の言葉に立ち上がった幻影ラッパーたち。
BAEに続いて、悪漢奴等、TCWが次々にパフォーマンスを繰り出しました。
最後に、リュウが四季の背中を押します。
那由汰の友達だった四季は、那由汰にとって一番大切なのは珂波汰だと告げ、「だから君は君を捨てないで」と祈りました。
その瞬間、珂波汰の脳裏を過ぎったのは、那由汰に誘われてHIPHOPを始めた頃の思い出でした。
「歌にして残せば消えないだろ、俺たちがここにいたこと」「……二人でいれば最強だ」
那由汰の言葉、二人の誓い、そして仲間である幻影ラッパーたちの歌声を受け、苦しみながらも自我を取り戻そうとする珂波汰。
「帰ってこい!」
アレンの叫びが響き、不死鳥の幻影が飛び立つと、会場中のメタルの侵食は解け、珂波汰の意識も帰還するのでした。
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エピローグ
ライブ後、一夜にして姿を消したCLUB paradoxがニュースに取り沙汰されている中、悪漢奴等は雷麺亭を訪れていました。
本物の武雷管は結局どうなったのだろうか、伝説は伝説のままに……ということなのだろうか、と言葉を交わす舎弟たちに、依織は言います。
雷麺亭の店主こそ、本物の修羅なのだと。
修羅は振り返り、楽しげに口角を上げました。
その頃、TCWは拠点で乾杯をしていました。
ライブ前に要求されていた店の立ち退き話が白紙になり、代わりに格安で土地ごと譲るという急展開を迎えていたのです。
おそらく口止め料なのだろうと予想する西門は、まだ何か裏がありそうだと考えながらも、一件落着だと表情を緩めます。
変わらずルームシェアを続けているBAEにも、いつもの朝が戻ってきました。
曲作りで徹夜をしたアレンと、彼を注意する夏準を、見守るアン。
賑やかな三人の生活は、これからも続いていきます。
一方、珂波汰は廃ビルの屋上に来ていました。
「なんでこんなとこがいいんだよ。 いつ来たって曇り空だし、中は埃まみれ……」
そう呟いた隣から、「特別な場所だったんだ」と声がします。
振り向いた先には、「俺たちの秘密基地、いいだろ」と微笑む那由汰の姿がありました。
アニメ『Paradox Live THE ANIMATION』第12話まとめ
いかがだったでしょうか。
ラストスパートでアニメオリジナルの展開となっていった『Paradox Live THE ANIMATION』。
シリアスな内容にハラハラドキドキさせられましたが、各チーム揃ってパフォーマンスをする大団円となり、HIPHOPで繋がった絆を見せつけられましたね。
ラストには髪が伸びた那由汰が登場し、実は生きていた?! と思わせる嬉しいシーンになっ
ていました。
武雷管にまつわる過去~現在のストーリーや、アルタートリガー社の目論みについては明らかになっていない部分も多いので、続編にも期待したいです。
原作でもあるボイスドラマではまた違った展開になっていたり、新たなチームが参戦しているので、引き続きコンテンツ全体を通して楽しんでいきたいですね。
2024年5月には次回リアルライブの開催も決まっており、ますます進化していくParadox Liveから目が離せません!