avexとGCRESTが送るHIPHOPメディアミックスプロジェクト『Paradox Live』がついにアニメ化!
楽曲とボイスドラマを中心に展開されてきた同コンテンツは、キャスト陣によるリアルライブなども開催され、大きな盛り上がりを見せてきました。
物語の舞台は、”ファントメタル”という特殊な金属の発見により、HIPHOPシーンが新たな潮流を迎えた近未来。
数年ぶりに父と再会したアレン。
父はParadox Liveでのアレンの活躍を知っていました。
自分の音楽を認めてほしいアレンでしたが、一縷の希望は残酷にも打ち砕かれてしまいます。
エクストラバトル当日、BAEとcozmezはそれぞれの想いを抱きステージに向かおうとしますが……。
早速、第10話「LOST」をレビューしていきます。
目次
アニメ『Paradox Live THE ANIMATION』前回第9話あらすじと振り返り
エクストラバトルへの出場が決まったBAE。
骨休めと合宿を兼ねて山奥の温泉を訪れると、偶然にもそこで悪漢奴等の一行と出会いました。
宿の女将から、捕まえた者に幸運をもたらすという”ある生き物”の伝説を聞いたアレンと紗月は、ゲットするべく動き出します。
宿には各々の事情でTCWやcozmezもやって来ており、いつの間にかParadox Liveの参加者が集まっていました。
皆一様にParadox Liveへの熱い想いを抱えながら、それぞれに親交を深めます。
そんな中、珂波汰や紗月と健闘を称え合ったアレンは、突然現れた黒服の男性に声を掛けられ、しばらく会っていない父親のもとへ向かうことに……。
【ネタバレあり】アニメ『Paradox Live THE ANIMATION』第10話あらすじ・感想
アレンと父親の確執
ピアニストの父親とオペラ歌手の母親の間に生まれたアレンは、物心ついた時には音楽家になると決まっており、常に一番であることを求められていました。
両親の英才教育のもと、幼くして天才ヴァイオリニストとしての道を歩み始めていましたが、いくら優秀な賞を獲っても、褒められたとしても、そこに自分はいないような感覚に苛まれます。
そんな中、武雷管のレコードを偶然手に入れ、初めて知る音楽――HIPHOPの世界にハマっていきました。
HIPHOPを聴いて「自由の音楽」だと感じたアレンは、これこそ自分の音楽だと閃き、作曲活動を始めます。
しかし、それらが両親に見つかり、レコードや譜面を燃やされ、HIPHOPは音楽ではないと否定されてしまいました。
さらに、「お前は間違っている!」と父親に人格まで否定されると、奪われたのは音楽だけではなく、自分自身もだと思うようになります。
己にとって空気のような、大きな存在である音楽を失いかけたアレンは、家を飛び出しました。
――そして、現在。
父に呼び出され、久方ぶりの再会を果たすと、Paradox Liveに出場していることを知られていました。
BAEが優勝目前だということまで知っていた父に、もう少しで「一番になれる」のだと必死に伝えるアレン。
ところが、誰よりも「一番」にこだわっていた父は、「一番になれば認められるとでも思ったのか」とバッサリ切り捨てます。
幻影ライブはアレンの音楽をダメにすると語る父は、自らが与えた才能や教育を汚れた音楽――HIPHOPに使うアレンに、今すぐやめろと告げました。
アレンは今度こそ「俺はアンタの作品じゃない!」と啖呵を切り、仲間とともに一番になると宣言します。
すると父は、「今度こそお前の音楽で仲間を殺すがいい」と吐き捨てました。
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「人殺しの音楽」
アレンの父は、夏準がファントメタルの急性侵食で倒れた事件を何故か知っていました。
そのうえで、エゴで仲間の命を危険に晒しているのに恥じることもないと責め立て、アレンの音楽は「人殺しの音楽」だと罵ります。
――その後。
クラブでのライブ中に父の罵倒がフラッシュバックしてしまったアレンは、幻影が不発に終わり、ショックを受けていました。
アンはライブ自体は悪くなかったと励まし、夏準はライブに集中できていないアレンの姿を珍しそうに見ています。
エクストラバトルのことで頭がいっぱいで、集中を欠いたのだと誤魔化すアレンでしたが、実のところ不調は続いていました。
――某日某所。
武雷管の修羅は、たくさんのモニターを前に薄く笑い、「これで役者は揃った」と独り言ちます。
そして、そのモニターのひとつに映っていた白衣の男は、夜叉のものと思われるファントメタルを手にして、楽しげに呟きました。
「もうすぐだな、夜叉」
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エクストラバトルに向けて
ついに、BAEとcozmezのエクストラバトル当日。
TCWと悪漢奴等によるオープニングアクトが行われる中、白衣の男はとある装置の前にいました。
そこに夜叉のメタルをはめ込むと、「今宵我々は世界と人類の在り方を変えるだろう」と愉快そうに笑います。
すると、彼の後ろには武雷管と思われる人影が現れました。
その頃、ラストバトルを目前に控えたcozmezの二人は、改めて決意を交わしていました。
優勝賞金を獲得し、この街を出て那由汰の病気を治すという確固たる目標を告げる珂波汰。
そんな珂波汰に、「珂波汰は変わった」と笑いかける那由汰。
那由汰は、珂波汰が他の誰かと向き合えるようになったこと、那由汰以外の人を大切に思えるようになったことについて、それが自分の願いだったように語ります。
「珂波汰は、珂波汰をもっと大切にしてほしい」
そう付け加えると、ずっと珂波汰のそばにいることを誓いました。
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BAEの危機、レジェンドの姿
BAEの控え室では、アンと夏準がモニター越しに悪漢奴等のステージを見ていました。
相変わらずの派手なパフォーマンスに「前座の意味がわかっているのか」と文句を言いながらも、「それでこそ悪漢奴等」だと微笑む夏準。
そんな夏準に、アンは「……自分にも人にも優しくなった。 それってさ、多分すごくいいことだと思うよ」と笑いかけました。
二人が穏やかな時間を過ごしていると、いよいよ本番のステージに呼び出されます。
外の空気を吸いに行くと言っていたアレンを呼び戻そうとすると、ちょうど電話がかかってきました。
ところが、電話先のアレンは「ごめん……ライブには出られない」と呟きます。
さらに、「俺はステージに立てない。 立つ資格がないんだ」「俺はもう幻影が出せない」と続けました。
夏準がメタルの急性侵食の際に閉じ込められていた心の中の部屋……その部屋を出られないのは自分のほうだったと吐露したアレンは、次々に己を責める言葉を重ねます。
アンと夏準は電話越しに励ましの言葉を送りますが、アレンはパニック状態に陥っており、音が聞こえない、からっぽだと涙を流しました。
やがて通話は切れてしまいますが、夏準は「何のためにここまで来たと思ってるんです?」とアンに声を掛け、不安げだったアンも笑顔を取り戻します。
「アレンがいなくちゃBAEじゃない」「僕たちはいつも完璧でなければ」
二人は言葉を交わし、アレンを探すために駆け出しました。
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――そして、エクストラバトルのステージ上。
BAEが姿を消したことが発覚し、cozmez、悪漢奴等、TCWはそれぞれに不穏な空気を察知します。
そんな中、何かを感じ取ったリュウは「来る……メタルが騒いでる」と身を固くしました。
やがて、BAEは棄権扱いになり、cozmezの不戦勝が決定。
観客のブーイングは止まず、敵ながらアレンと健闘を称え合った珂波汰も憤りを露わにします。
その時、会場の照明が落ち、どこからともなく声が聞こえてきました。
おもむろにせり上がったステージに現れたのは、武雷管の二人でした。
アニメ『Paradox Live THE ANIMATION』第10話まとめ
いかがだったでしょうか。
突如としてステージに現れた武雷管。
その裏を歩いていく修羅の姿。
引きがありすぎるラストシーンに、謎は深まるばかり!
今まで行方がわかっていなかった夜叉が出てきたかと思えば、修羅が二人いる?! という不思議な展開に……。
さらに、アンと夏準は行方不明のアレンを見つけ出すことができるのか。
エクストラバトルはcozmezの不戦勝のまま終わってしまうのか。
そして、Paradox Liveの本当の目的は何なのか。
衝撃のラストスパートに、どんな結末が待っているのか期待が高まりますね。
次回、第11話も楽しみです。