『さくらの親子丼2』は2018年12月から1月にフジテレビ・オトナの土ドラで放送されました。
これは2017年10月から11月に放送された『さくらの親子丼』の続編にあたります。
オトナの土ドラでは初のシリーズものとなります。
それではさっそく『さくらの親子丼2』をネタバレありでレビューしたいと思います。
『さくらの親子丼2』見どころ
主演は強靭なおばちゃん・九十九さくらを演じる真矢ミキです。
パート2では、さくらは長男・悠平の事件を機に知り合った三谷弁護士に頼まれ、子どもシェルター「ハチドリの家」に食事スタッフとして参加することになりました。
パート1では、さくらは古本屋兼自宅の「九十九堂」が舞台でしたが、パート2では子どもシェルター「ハチドリの家」に移ります。
ミルトモ 編集部
児童養護施設の枠から外れてしまう10代後半の子どもたちが安心して暮らせる場所、自立に向けた避難場所です。
そこには壮絶な地獄を見てきた子どもたちが暮らしています。
パート1では「親と子が一緒になって親子丼」を合言葉に、さくらは親子丼でお腹を空かした子どもたちの心までも満たしてきました。
しかし今回は、親子が1つになるということを拒否されてしまいます。
親に裏切られ、大人に絶望した子どもたちに、さくらがどんな風に接していって心を開かせていくかが見どころです。
また、親子丼以外にも色々なメニューが登場します。
脚本は、前作に引き続き清水有が担当しました。
ミルトモ 編集部
記録的な大雨や巨大地震などの災害が相次ぎ、苦難に直面する被災者にボランティアから救いの手が差し伸べられました。
悲しい時も、苦しい時も、人は誰かとつながることで希望を見出すことができます。
それはシェルターの子どもたちも同じだということです。
家族、親子という枠からはじき出されてしまった子どもたちに、さくらが救いの手を差し伸べているのです。
【ネタバレ】『さくらの親子丼2』あらすじ・感想
九十九さくら(真矢ミキ)の魅力
手を使って料理を作って、間違ったことがあったら叩いて、抱きしめる。
それがさくら(真矢ミキ)のやり方です。
さくらの【手】から繰り広げられるものに焦点を当ててみます。
料理する手
第1話で、さくらはさっそく親子丼を作り、子どもたちに食べさせます。
「親と子が1つになっているから親子丼」「流した涙の数だけ、幸せの花が咲く」と伝えます。
しかし、「なんで親子が1つにならなきゃいけないんだよ」「こういうのは嫌いだ」と言われてしまいます。
第2話から、さくらは投票で晩御飯のおかずを決めることにします。
子どもたちは「何食べたい?」と聞かれたことがないから、どう答えればいいか分からないのでした。
投票箱には、白紙が2枚、親子丼、親子丼だけは絶対に嫌、おでんと書かれた紙が入っていました。
その結果、さくらはおでんを作りました。
さくらに促されて、香(塩野瑛久)がおでんを食べると「うめえおでんを食ったの初めて」と感動します。
みんなで食べるのは抵抗のある子どもたちに、その場合譲り合いになるのだと説明します。
そして「自分の好きなものを自分で選ぶ、それが大事」と話します。
すると、みんなおそるおそるおでんを食べます。
拓士(浦上晟周)は抵抗しつつもちくわぶを食べると、美味しくないと口では否定するものの、ちくわぶの美味しさに気付きます。
茜(柴田杏花)は泣き出し、「こういうのっていいんだ。お鍋を囲んで…」と感動しています。
実は「おでん」と書いたのは玲奈(尾碕真花)でした。
玲奈はおでんを盗み出したことがありました。
その時、母に電話を切られ、それ以来食べることを拒否していたおでん。
みんなと食べ、おでんは温かくて美味しいと玲奈は感動しました。
ミルトモ 編集部
嶺井は「何をやっても誰にも相手になってくれず、今の社長に助けてもらった。店があったからこそ地獄に落ちなくて済んだ」と言いますが、悪態はトーンダウンし「俺は俺で精一杯生きてきた」と言い、帰っていきます。
第3話でも、投票で晩御飯を決めます。
投票は、白紙、親子丼、白紙、親子丼、唐揚げ、唐揚げ、親子丼だけは絶対嫌、鍋焼きうどんということで、唐揚げに決定しました。
しかし、さくらは詩(祷キララ)に鍋焼きうどんを運びます。
漢字で「鍋焼きうどん」と書くのは詩だけだからだと、さくらは見抜いたのでした。
詩は勉強の夜食に作ってくれた母の鍋焼きうどんを思い出したのです。
詩は「幸せって何?」と聞くと、さくらは「どうってことないときに幸せを感じる。例えば美味しいものを食べたり、綺麗な景色を見たり、誰かに褒められたり、誰かに大切な存在だと言われたとき、愛する人に抱きしめられたとき」と答えます。
ミルトモ 編集部
第4話では、クリスマスパーティーをすることになり、みんなで飾り付けや料理の準備をしました。
第5話は、お正月です。
さくらはお節料理を作り、お節料理には家族への思いが込められているのだと、1つ1つの料理の説明をしています。
第6話では、赤いものは邪気を払ってくれるとのことで赤飯を用意し、貞子(井頭愛海)の出産を祝うことにしました。
第7話では、拓士がショーパブのママに認めてもらうため、さくらに親子丼の作り方を教わります。
納得のいく親子丼ができると、ゆっきーママに親子丼を振る舞います。
ママは拓士を認めてくれるのでした。
叱る手
ミルトモ 編集部
玲奈の働いていた風俗店の嶺井がハチドリの家に侵入してきて玲奈を連れて帰ろうとする揉め事があった時、それを聞いていたさくらが突然、嶺井の右頬を平手打ちし「幸二郎」と叫びました。
さくらは「ずいぶんと偉くなったね。牛乳飲めなくて泣いて親子丼を食べていたのに。あの時『いじめた奴を見返してやれ、でっかい男になって見返してやれ』と言ったのに、いじめたやつら見返せんのか?あんたにこんなことさせるために親子丼作ってきたんじゃない」と目元に涙を浮かべて悲しんでいます。
抱きしめる手
第1話で、母のもとに帰ったはずの茜がシェルターの前にアザだらけになって倒れており、さくらを見ると泣いて抱きつきました。
さくらはそんな彼女を抱きとめますが、この時はここにはもういられないと重荷に感じていました。
第3話で、さくらは詩の母から「詩はいらない。私たちに関わらずに生きてって」と託されましたが、詩には言えず嘘をつきます。
しかし、嘘を見抜いた詩に「人を憎んで生きるのはやめよう。苦しみの中じゃ生きていけない」とさくらは話します。
「だったら生きるのはやめたら?」と詩は言い出します。
さくらは詩に抱きついて「今の私、こんなことしかしてあげられない、ごめんね」と涙を流します。
「お母さんに抱かれるのはこんな感じ?」と詩は思うのでした。
最終回、詩は大学受験の日、さくらに「抱きしめて」とお願いすると、さくらは愛をこめて抱きしめていました。
赤ちゃんを取り上げる手
第6話では、貞子が陣痛を起こし破水した時、助産婦が間に合わず、自分たちで出産をすることになりました。
さくらは覚悟を決めて、テキパキと子どもたちに指示します。
男の子たちには待機を命じ、女の子たちには手伝ってもらいます。
みんなのがんばりで無事に女の赤ちゃんが生まれました。
ミルトモ 編集部
探偵張りのさくら(真矢ミキ)
第5話では、もはや料理スタッフではなく、探偵張りのさくらが活躍しています。
貞子が子供を産むことになりますが、記憶を取り戻さないと前に進むことができないという局面になり、さくらは自らその糸口を見つけるため出雲大社や警察署に行きます。
そこでなんの情報も得られないと、ホテルの従業員の話から日御碕灯台の写真を見つけ、その灯台に赴きます。
そこでひょんなことからワイナリーの写真を見せてもらうと、そこに出雲観光タクシーのバッジをつけている貞子が写っているのを見つけ、すぐにそのタクシー会社にやってきます。
そこで貞子の写真を見せると、社員の松岡からやっと情報を得ることができたのです。
ミルトモ 編集部
ハチドリの家のスタッフ
ハチドリの家のスタッフは、何かしらの闇を抱えてここにたどり着いた人たちです。
子どもたちの面倒を見ながら自分自身の人生も顧みて、ともに成長していきます。
鍋島真之介(相島一之)
鍋島(相島一之)はハチドリの家のホーム長です。
教師時代の経験による心の傷を持ち、子どもに対して厳しく接しきれない一面を持っています。
第4話で鍋島の父がやってきます。
彼の父は中学校の校長でしたが、認知症で徘徊癖もあります。
子どもたちに意味不明な説教をしたり、横暴な行動をとります。
鍋島が逆らうと「そんなことだから、子どもを殺すんだ!」と大声で言い、鍋島の過去のことがわかってしまいます。
鍋島は教師時代、ネットを使っていじめをしていた生徒をみんなの前で殴ってしまうと、その子は抗議の遺書を残し、飛び降り自殺をしました。
マスコミに散々たたかれた挙句、妻に捨てられ、彼は社会を捨てたのでした。
翌朝、鍋島は父を残していなくなりました。
第7話で鍋島が戻ってきました。
ホームレス状態で焚火をしていたところ捕まったのでした。
もう戻ることはできないと言う彼に、さくらは自分の過去を打ち明けます。
彼女は過去に息子を殺されており、時間が経ち、加害者が30歳を超えてさくらのもとに土下座で謝りにきたが許せなかったと話します。
「これから一生許すことはできないでしょう。私は反省している子を許すことができなかった。こんな私がここにいる資格ありますか」と投げかけます。
すると、何かを感じ取った鍋島は再び働きだす決意をします。
川端哲也(柄本時生)
ハチドリの家では、弁護士として親権者との調整や法的支援をしています。
大学在学中に司法試験に合格するほど知識と熱意、正義感を持っていますが、自身の想いが先行し、子どもたちとうまくコミュニケーションが取れず、四苦八苦しています。
第1話で、周りを気にしながらハチドリの家にさくらを案内します。
子どもシェルターの場所は極秘なので他人に知られてはいけない、表札には鈴木と書いてあり、近所にもシェルターの存在は秘密だと説明します。
第2話から、親身になり相談にのってあげている茜に恋愛感情を抱かれてしまいます。
鍋島は茜のために一生懸命だという川端(柄本時生)を心配します。
子どもたちは優しくされることが少ないため、川端の優しさが茜にとっては仇となってしまうかもしれないのです。
第5話では、大手法律事務所に勤める七海がシェルターにやってきて、川端の真意を探ろうとします。
川端は子どもに対する熱意があるのに自信がなく、七海になぜこんなところにいるのかと突っ込まれてしまいます。
第7話で、茜はとうとう川端と「結婚する」と言い出します。
川端は、このことで桃子(名取裕子)から厳重に注意され、意気消沈しています。
七海に相談し、就職の面接をしたりしています。
最終回で、詩が法学部に進学し弁護士になると決めていることを知ります。
「川端先生や桃子先生みたいな弁護士になりたいんです。」と言う詩の言葉に川端は泣き出しました。
ミルトモ 編集部
三谷桃子(名取裕子)
子どもの人権問題に強い関心を持ち、無償でハチドリの家の運営に携わっています。
子どもの面接、入居判断など、シェルター側から子どもたちを見て、その進路決定に関わっています。
さくらとは長男・悠平の殺害事件の時に被害者家族と加害者側の弁護士として出会い、連絡を取っていました。
シェルターに来てからは、さくらの子どもたちとの関わり方についてアドバイスをしたり、時には注意をしたりします。
弁護士としての考え方があるので、感情が先走るさくらとは相いれない部分があることは否めません。
第3話では、詩の両親のマンションをさくらが訪問することを反対します。
第5話では、貞子の記憶をたどろうと出雲に行こうとするさくらに反対します。
第6話で、赤ん坊を手放すっていうのも愛の形かもしれないと、あゆみの考えに理解を示します。
さくらは反対しますが、あゆみの心の傷を癒すには時間がかかるため、赤ん坊を育てる方法がないと桃子は言います。
最終話、詩の試験の前、抱きしめるのは良くないとたしなめます。
その後、さくらはハチドリの家を去り、由夏(岡本夏美)とともに九十九堂に戻ります。
由夏の面倒を見られるのはさくらしかいないという桃子の判断でした。
ハチドリの家の子どもたち
ハチドリの家の子どもたちは、それぞれが壮絶な過去があります。
ここで2ヶ月間を共にすることにより、今後の人生の方向性を見つけていきます。
古井戸貞子(井頭愛海)
記憶と言葉を失い、本名は不明、妊娠8ヶ月で町を彷徨っているところを緊急保護され、シェルターにやってきました。
みんなから貞子と名づけられました。
第3話から、貞子は頭を抱え、記憶を思い出しかけてきます。
第4話で、クリスマスパーティーの準備の時、貞子はひとり夕焼けの灯台を描いていました。
第5話で、貞子はハチドリの家にて出産することになります。
貞子の記憶が戻らないと自分の名前や本籍もわからないので養育能力なしとみなされ、子どもは養子に出される可能性もあるということで、貞子の記憶を取り戻すことが先決となります。
出雲大社の初詣の番組を見ていた貞子は、突然頭を抱えて苦しみだします。
さらに出雲大社の縁結びの糸を貞子が持っていたこと、出雲日御碕灯台の写真はかつて貞子が描いた絵にそっくりなことがわかります。
さくらが出雲に行っている間に、貞子に異変が起こります。
「高見沢」というワードを発したり、ハサミを取り出し自分の髪の毛を切ったりとパニック状態です。
その後落ち着いた貞子は、出雲大社での楽しかった出来事を思い出します。
そして、高見沢に赤ちゃんをおろしてほしいと言われたこと、海でお金を貞子に渡して去っていったこと、貞子は高見沢を尾行し家族がいることを知ったこと、気がつけば死亡している高見沢の前に立っていたことを思い出し、絶叫します。
第6話で、帰ってきたさくらが主導し、貞子は出産します。
ミルトモ 編集部
貞子の本名は「竹園あゆみ」でした。
あゆみは17歳で、両親不在、大阪で育ててもらった祖父が病気で亡くなっていました。
翌日、あゆみは刑事に当時のことを話します。
「嘘つき」と言ったあゆみを高見沢は追いかけてきましたが、チンピラ2人組にからまれます。
あゆみは逃れましたが、後ろから高見沢の絶叫が聞こえました。
現場に戻ってみると高見沢は死んでいて、それ以降あゆみの記憶はありませんでした。
あゆみは赤ちゃんを育てる気がなく、赤ちゃんと関わりたくないと言います。
その場合、赤ちゃんは乳児院に入り、里親か施設に預けることになります。
翌日、赤ちゃんは児童相談所に連れて行かれることになります。
由夏はまだ間に合うから抱いてやれ、とあゆみを説得し、殴ります。
あゆみも殴り返し、施設にあるものを使って殴ったりと、徐々にエスカレートしていきました。
第7話で、あゆみが口にした白い四駆の車に貼られたステッカー「ゆっくり走ろう 出雲街道」の証言から、新犯人が捕まり無実となりました。
最終話、あゆみは子供を引き取りたいと申し出ました。子どもを育てる覚悟ができたのです。
新城由夏(岡本夏美)
ハチドリの家で1年以上も滞在しています。
過去に悪行の限りを尽くした経緯から出先が見つかりません。
ミルトモ 編集部
第1話から茜が家に帰ることに不満を持ち、彼女のプリンを食べたり、ブラウスや手紙を破いたりと悪態をついています。
お説教をするさくらのポケットにスタッフルームキーを戻すなど悪賢い面がもう見えています。
茜が結局戻ってきたときも、母親には彼氏がいて同じことだったとわかると、由夏は馬鹿だと罵りました。
第3話では詩に好きな人がいると打ち明けられ、どうすればよいか相談されると、いろいろとアドレスバイスしてあげています。
ミルトモ 編集部
第6話では、由夏とあゆみが本気で殴りあう場面がありました。
ミルトモ 編集部
第7話では、由夏は美容師の面接を繰り返していますが上手くいっていません。
最終話で、由夏が美容院で働くことになります。
由夏は13歳から薬物を使用して、少年院の入退院を繰り返し、さらには傷害致死の罪まで背負っていました。
由夏はさくらとともに九十九堂に行くことになりました。
井口茜(柴田杏花)
実の母から暴力を受け、児童相談所経由で入所しています。
第1話で、茜は母親がどうしても茜と暮らしたいということで家に帰りました。
けれども次の朝、茜がシェルターの前にアザだらけになって戻ってきました。
第2話からは、ずっと親身になってくれる川端のことを彼氏だと勘違いするイタイ存在となっています。
愛情表現をうまく受け止められなくて、川端の親切心を勘違いしてしまうのでした。
第7話では、茜はとうとう川端と「結婚する」と言い出します。
最終話でなんとか立ち直って、茜はアイドルへの道を進むことになります。
藤島玲奈(尾碕真花)
母の借金返済のため、風俗店で無理やり働かされていました。
店の売上金を盗み、ハチドリの家に逃げ込んできましたが、それが原因で現在も風俗店の経営者・ヤクザに追われています。
第1話から、さくらが米を研いでいると玲奈が後ろから抱きつき、甘えるふりをしてポケットからスタッフルームの鍵を盗み出し、由夏に投げ渡します。
ミルトモ 編集部
第2話で、鍋島引率で玲奈と由夏はショッピングモールに出かけます。
鍋島の目を盗んでショッピングモールを出た玲奈は風俗店のヒロトに会います。
すると玲奈を尾行してきた風俗店の嶺井が、突然ハチドリの家に侵入してきます。
玲奈を連れ出そうとしたとき、店から盗んだお金を返します。
さくらの計らいで、玲奈の母のための借金はなくなりました。
玲奈はハチドリの家の名前の由来を聞いています。
「ハチドリのひとしずく」という本にあることがわかります。
「私は、私にできることをしているだけ」という意味が込められているのでした。
ミルトモ 編集部
小宮山詩(祷キララ)
病院長の娘として裕福な家庭に育ち、有名進学校に通っていましたが、父の過度な期待に応えられず虐待を受けます。
自殺未遂が原因でシェルターにきましたが、父に復讐をしたい一心で東大理Ⅲ進学を目指しています。
第3話で、気になる人・健吾との対応がうまくいきませんでした。
図書館で相手の方から声をかけられ、勉強を教えてあげるようになりますが、詩はなんでもかんでも健吾に話します。
家が青森県弘前市で東京大学に入るために東京にやってきたこと、そして病院の跡継ぎを期待する父から成績が悪いと暴力を振るわれたため高2で家出をし、AVビデオの撮影をしたと話します。
驚いた健吾は用事を思い出したと帰ってしまいます。
詩は東京大学を受験すると桃子に報告します。
一人暮らしをしたいという詩に対し、桃子は経済的援助のことで扶養調停を家庭裁判所に出しますが、父は裁判所に出頭しませんでした。
母が読み聞かせてくれた絵本を渋谷のマンションから持ってきてほしいと頼まれたさくらと川端は詩の母と遭遇します。
詩のものは父が全部捨てており、さらに見知らぬ男も家にいたのでした。
事実を知った詩は、さくらに抱きしめてもらうことでなんとかバランスを保ちました。
最終話で、詩の東大受験の朝、さくらがお弁当を渡すと「抱きしめてもらっても良いですか?」と言う詩に、さくらは「もちろんよ」と詩のことを抱きしめます。
詩は医学部ではなく法学部に進学し、弁護士になると決めていたのでした。
白鳥マリア(日比美思)
第1話に入所してきます。
本名は太田春菜ですが、名前を変えたいと言い、本棚から1冊の漫画を取り出し、白鳥マリアという名前を申込書の記名欄に記入します。
マリアは、母親の再婚相手から性的虐待を受け母親に助けを求めましたが、母親は「この泥棒猫。人の亭主に手を出しやがって」と壁にマリアを叩きつけました。
第7話で、マリアは高校への復学を望んでいました。
最終話、桃子から呼び出されたマリアは高校への復学ができること、そして母親がマリアに近づかない、就学費用を支払うという誓約書にサインしたということを聞きます。
さらに、マリアの母親が離婚して旧姓の佐々木に戻ったこと、母親が謝りたいと言っていたことも伝えますが、マリアは「私の名前は、白鳥マリアですから」と涙を流します。
ですがその後、マリアは自分の名前「佐々木春菜」と名乗ることにしたのです。
中里拓士(浦上晟周)
性同一性障害を抱え悩み、家庭や学校に居場所が無くなってここにきました。
第7話は、拓士の話です。
拓士の夢は、LGBTの街・新宿2丁目でダンサーとして働くこと。
川端同伴のもと、ゆっきーママのショーパブを訪れた拓士は、女装するダンサーが繰り広げる華やかなダンスに目を輝かせます。
彼は、自分が女性的心理を抱くことを否定する両親を罵倒すると、ゆっきーママは「あなたは親から愛されることだけを望み、あなたが親を愛していない」と諭します。
シェルターに帰った拓士は、さくらに「愛をあげる」ということについて質問すると、親子丼を作るさくらの想いを聞くのでした。
拓士はさくらから親子丼の作り方を聞き、一生懸命に練習を始めます。
納得のいく親子丼ができると、ゆっきーママに愛をこめて作った親子丼を振る舞います。
ママは彼の愛を感じて完食し、拓士を責任をもって育てていく決意をしてくれます。
拓士は夢に向けて大きな一歩を踏み出しました。
大豆生田香(塩野瑛久)
ナイフでの障害事件を起こし、少年院へ入りました。
仮出所後、行く宛てがなく入所してきました。
第4話でクリスマスパーティーの準備をしていますが、香は参加しようとしません。
さくらは香、鍋島の父を連れて買い物に出かけます。
老人はクリスマスに息子と遊園地の観覧車に乗った楽しい思い出を話します。
さくらは老人に「香は母に拒否されてしまい不安定になっているため失礼なことを言っていないか」と尋ねると「なんということだ。私に任せなさい」と言います。
パーティーが始まり、サンタに変装した老人は香の部屋に行きますが、驚く香に突き飛ばされひっくり返ってしまいます。
さくらは香にクリスマスが嫌いな理由を尋ねると、クリスマスの日、突然父が目の前で殺されたという衝撃的な事実がわかりました。
老人がいなくなったので、香はすぐに思い当たる居場所に行ってみると彼はいました。
そして謝罪する香に、老人はクリスマスの楽しい息子との思い出を語りだします。
幸せはずっと続くものではないと言います。
そして、きよしこの夜を一緒に歌います。
認知症の老人との関わりが、彼の嫌な思い出を軽くしてくれました。
第7話で、香はハチドリの家での生活を評価され、仮出所から晴れて出所できるかもしれないというのに、夜に無断外出を繰り返し女の子と密会しています。
さくらは香を尾行し、女の子と会っていた彼を捕まえ、彼の軽率な行動をたしなめます。
最終話、香は窃盗団の一味として警察に捕まりましたが、それは妹を助けるためでした。
しかし、結局少年院に戻されてしまいます。
さくらと出会って変わり始めていた香なのに、残念でなりません。