本作『男はつらいよ お帰り 寅さん』は、昨年2019年に50周年を迎えた日本が誇る名作シリーズ『男はつらいよ』の最新作で記念すべき50作目です。
作中の主人公を甥の満男に据えつつ、物語の中心人物は渥美清演じる“寅さん”。
過去の名場面、名エピソードを交えて贈るシリーズ史上屈指の傑作になっています。
- 本作は『男はつらいよ』シリーズを知らない世代にも観て欲しい映画
- 日本映画史にまた、名作が刻まれました
- 日本人にとっての“寅さん”と言う大きな存在
それでは映画『男はつらいよ お帰り 寅さん』をネタバレなしで紹介します。
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目次
『男はつらいよ お帰り 寅さん』作品情報
作品名 | 男はつらいよ お帰り 寅さん |
公開日 | 2019年12月27日 |
上映時間 | 115分 |
監督 | 山田洋次 |
脚本 | 山田洋次 朝原雄三 |
出演者 | 渥美清 倍賞千恵子 前田吟 吉岡秀隆 後藤久美子 浅丘ルリ子 夏木マリ 池脇千鶴 桜田ひより 橋爪功 小林稔侍 美保純 佐藤蛾次郎 北山雅康 笹野高史 濱田マリ カンニング竹山 出川哲朗 林家たま平 立川志らく 松野太紀 |
音楽 | 山本直純 山本純ノ介 |
『男はつらいよ お帰り 寅さん』あらすじ・感想【ネタバレなし】
あらすじ
車寅次郎の甥、満男は脱サラして小説家をやりながら、シングルファーザーとして一人娘のユリを育てています。
妻の七回忌に柴又帝釈天に久しぶりに戻ってきた満男は、懐かしい風景や実家の様子を見て叔父の寅さんとの思い出を思い返します。
後日、地震のデビュー作のサイン会を開いていた満男は、そこで初恋の人・イズミと20数年ぶりに再会しました。
現在は海外で働くイズミ。
満男とイズミは彼女の短い日本滞在期間に、寅さんかつてお世話になった人々のもとを訪ねていきます。
そしてイズミが日本に来たのにはとある事情があることが明らかになり…。
満男は戸惑いながらも、「こんな時叔父さんだったらどうしただろうか」と考えるのでした。
シニア世代だけじゃない。ジュニア世代が観るからこそ、価値が出ます
昨年2019年は『男はつらいよ』シリーズの1作目が公開してから、50年目にあたる記念の年です。
鈴木友哉
でも、本当に大切なのは、33作目以降に本格的に登場する吉岡秀隆演じる満男の恋物語です。
本作『男はつらいよ お帰り 寅さん』の主なストーリーは、彼のその後の人生と大人の恋愛模様、そして満男を取り巻く周囲の人物たちの温かい人情喜劇です。
戦後の日本が混沌としている中、国民を元気を与えてくれた渥美清演じる名物キャラクター“寅さん”は、このコメディ作品には欠かせない存在。
特に、シニア世代には、彼と共に激動の時代を生き抜けた、戦友のような感覚なのかも知れません。
劇場に足を運ぶと、冒頭のタイトルロールが流れただけで、年配の方たちが涙する光景に心が揺さぶられてしまいます。
鈴木友哉
名作と言われる映画は、何年時が経とうと失われない輝きがあり、映画には観る者の思い出がたくさん詰まっています。
鈴木友哉
これらの作品が何十年後かに、再上映されることになれば、今のシニア世代とまったく同じ感情を抱くのかも知れめせん。
ただ本作をシルバーエイジのためだけの作品にするのは、もったいない話です。
これから日本映画史に語り継がれていく名作が誕生しました
本作『男はつらいよ お帰り 寅さん』のどこに着目して観ればいいのか、見どころについて考えてみました。
この作品の一番のいいところは、映画を観ながら、在りし日を懐かしむ体験ができるところにあります。
鈴木友哉
49作も続けば、まさに日本を代表する長寿映画シリーズでしょう。
いや、世界的に見てもこんな長く続く映画シリーズはありません。
そんなシリーズの最新作『男はつらいよ お帰り 寅さん』のどこが共感できるのか、考えてみました。
一重に、観る世代によって、作品の共感できる部分が違うところでしょう。
先に述べているように、シニア世代には過去を懐古できるというポイントがあります。
また、本作の主人公・満男は、脱サラして第2の人生を歩もうとしている40代男性の設定です。
この年齢と同じ世代の方にとっては、子育てや仕事に苦悩しながらも、新しい生活やキャリアを形成しようとする主人公の心情に共鳴することでしょう。
鈴木友哉
また、日本映画の顔でもある『男はつらいよ』シリーズが未来永劫、若い世代に語り継がれることを熱望します。
人情味溢れた寅さんは、あなたの味方です
当たり前ですが、時は自然と流れて行くものです。
過去に人気を博した名作も、残念ながら昭和に馴染みのない若者世代には、受け入れられていない風潮があります。
その理由は様々ですが、昭和臭さの残る古い映像そのものが、若者の間で人気が出ない主な原因ではないでしょうか?
鈴木友哉
ただ、デジタルで撮影された映画も大いに迫力がありますが、昔の古臭い映像の中にも新たな発見や斬新な作品に出会えます。
鈴木友哉
本作の過去のシリーズも観直すことで、まったく新しい世界を体験し、新しい考え方や感情を抱くことができます。
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— 映画『男はつらいよ』50周年プロジェクト (@torasan_50th) December 17, 2019
鈴木友哉
ある作品の彼は、放浪先の片田舎の道端で泣いてる女性に声を掛けます。
「辛いことがあるなら、何でも話してみな」と慰め、食事をご馳走する粋な人物です。
別れる間際には「柴又に来たら、寅屋と言う団子に寄りなさい。私がいなくても、私の家族が暖かく迎え入れてくれるから」と。
鈴木友哉
スマホを片手に、他人には素知らぬ顔。
鈴木友哉
人の話を真剣に聞いてくれ、人情に溢れた心の広い寅さんの存在は、日本人の心を豊かにしてくれます。
何か悩み事がある時は、彼の甥の満男のように、風に向かって“寅さん”と呼んでみたいものです。
すると必ず、必ずや、寅さんがあなたの話に耳を傾けてくれるでしょう。
『男はつらいよ お帰り 寅さん』あらすじ・感想まとめ
以上、ここまで映画『男はつらいよ お帰り 寅さん』について書いてきました。
- 若い世代にこそ観て欲しい映画
- 日本映画史に刻まれるであろう傑作
- “寅さん”は、日本人が理想とする人物
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