赤塚不二夫の国民的作品『おそ松くん』をベースに作られたアニメ『おそ松さん』シリーズ。
2015年のアニメ放送以来、爆発的な人気を博して2017年には第2期が放送されました。
さらには舞台化もされ、そして今作の劇場版リリースと勢いが止まらない作品です。
大きなスクリーンで何をやらかすのだろうかと恐る恐る見てみましたが、想像以上の感動作品になっていました。
- 過去のおそ松さん達は「黒歴史」だらけ。かわいそうなくらい面白い!
- 6つ子も仲が悪い時があった。その理由に心が痛む
- クズでニートで彼女ナシの童貞、しかし清々しい
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目次
『えいがのおそ松さん』作品情報
作品名 | えいがのおそ松さん |
公開日 | 2019年3月15日 |
上映時間 | 108分 |
監督 | 藤田陽一 |
脚本 | 松原秀 |
原作 | 赤塚不二夫 |
出演者(声優) | 櫻井孝宏 中村悠一 神谷浩史 福山潤 小野大輔 入野自由 遠藤綾 鈴村健一 國立幸 上田燿司 飛田展男 斎藤桃子 井上和彦 くじら |
音楽 | 橋本由香利 |
『えいがのおそ松さん』あらすじ・感想【ネタバレなし】
人の黒歴史ってこんなにも笑える
同窓会でニートであることを隠すも、長男・おそ松があっさりとバラし、同級生たちから「ニート村」という謎の名称で呼ばれる6つ子。
大人になり切れていない6つ子たちは、自宅に帰ってお酒をあおり、ふて腐れて眠ると、過去の世界に行ってしまいます。
それは誰かの思い出の中で、大きな後悔を残している人物がいると、デカパン博士に言われた6つ子たちは、この世界が誰の思い出なのかを探り始めます。
そうして発見されていく、高校の卒業式前日の6つ子たちですが、これが面白いのです。
三男チョロ松は優等生を演じ、先生や周囲にこれをアピールします。
しかし、カバンの中身は低い点数のテストやエロ本の山です。薄っぺらさに現在の兄弟は大爆笑します。
末っ子トド松は甘えん坊で、兄弟の誰かが一緒にいないと不安で仕方がないです。
常に目を潤ませて、誰かの袖を掴んで歩いていました。未来のトド松は、みんなに笑われ、もうイライラ全開です。
現在は他人とコミュニケーションを取ることを極端に嫌う四男の一松は、同級生と仲良しアピールをしたり、陽気にハイタッチをしているではありませんか!
そんな姿は一松には相当の黒歴史だったのでしょう。首を吊ろうとしたり、過去の自分を殺そうとします。もちろん止められます。
ただみんなが盛り上がっていると、なんとなく疎外感を感じるところは、今と同じです。
つまりは……無理をしていたということなんでしょうね。
無理をしていた人が、実はもう一人いました。当時の十四松は尖っていて、道行く人にメンチを切ります。
タバコを吸ったりバイクをふかしたりと、不良らしい行動をして見せますが、すべてエアーです。
未来の十四松も恥ずかしさのあまり頭を抱えます。
しかし、誰も見ていないところではポカーンと口を開けて、何も考えていないような表情です。やっぱり無理をしていたのでしょう。
次男・カラ松に至っては大人しく、そばかすが頬にありました。
過去から未来に繋がる物語を描いているはずなんですが、カラ松に至っては、どこで自己主張が激しくなり、ナルシストになってしまったのかが謎です。
チビ太には髪の毛があったり、トト子ちゃんは可愛いといわれると謙遜していました。
現在のトト子ちゃんは謙遜なんて全くしません。
「可愛いねー」と言われれば「知ってるー」と返し、女子から中傷されれば、ストレートにブスと言い返します。
総じて、昔のカラ松たちやトト子ちゃんは、本当の自分を隠して生活していたといえます。
あれ?長男のおそ松は?と思った方もいるかもしれません。
おそ松に関して言えば、何も変わっていません。
とっても素直に空気を読まず、今も昔も変わらないうえに、自分を見て笑っていました。
ここまで表裏なく生きられるとか……羨ましいくらいです。
一通の手紙と黒猫
今回のカギを握るのは、1匹の黒猫と、高校生時代のカラ松が持っている手紙なんですね。
その手紙の差出人は「高橋」という人でした。
高橋という人は、本編には出てきません。いったい何者なのか、きっと気になるところだと思います。
実は、同窓会でトト子ちゃんが言っているんです。
「高橋さん、会えると思ったんだけどなあー」
高橋『さん』ということは、女性であることがわかりますね。
しかし、誰に充てた手紙なのかということがわかりません。
『松野くんへ』と書かれていたのですから。
卒業式の前日に手紙をもらったということで、6つ子の思考はこうなります。
「この中の誰かが、高橋さんから告白をされる」
それに気づいた6つ子は服を脱ぎすて大はしゃぎします。
なぜ脱ぐ必要があるのか?と言いたくもあるのですが、人生で彼女ができたことがない6人なので仕方がないのでしょうか。
高橋さんは誰に、どんなことを伝えたいと思っていたのか。
そして6つ子について歩く黒猫はいったい何者なのか。
これは最後まで見ないと分かりませんでした。
しかしいざ分かると、それだけでもちょっとウルっとしてしまいました。
6つ子ならではの悩みと発想
高校生のころのおそ松さんたちは、それはそれは仲が悪かったみたいです。
しかし、最初から悪かったわけではありません。
周囲が6つ子独特のノリに付いて行きにくかったり、6つ子同士を比べたりすることがあったのです。
これがきっかけで、互いに距離を取るようになっていたみたいです。
そのせいでカラ松は、高橋さんからの手紙を手にしても、どうしていいかわかりませんでした。
卒業式が終わった後、兄弟たちを屋上に呼び出して話し合おうとすれば大喧嘩し、結局手紙の中身は誰にもわかりませんでした。
これであきらめるニートたちではありません。
彼女ができるかもしれないというわずかな可能性を胸に、6人は全力で過去の自分たちの喧嘩を止めようと参上します!
その登場の仕方がおそ松さんらしく、ヒドイです。
その名も「思春期バスターズ」。
ここはもう、アニメのスタンスが継続されていて笑えました。
『おそ松さん』といえばギャグのオンパレード
おそ松さんたちを代表する言葉といえば、「クズでニートで彼女なしで童貞」です。
TVアニメの『おそ松さん』シリーズでは、ニートなのに競馬やパチンコに行き、チビ太のおでん屋のツケは払いません。
常に女子に飢えるモテない6人でした。
今回の劇場版ではどうだったのかって……?
もちろん健在ですよ。
アニメ映画『えいがのおそ松さん』まとめ
⭐本日公開!!⭐
完全新作劇場版「#えいがのおそ松さん 」公開初日を迎えました!!
皆さまのお越しを劇場で、お待ちしています!!▶公開劇場はこちら→https://t.co/5k2GI93FLM pic.twitter.com/1J1mxP2SqL
— 劇場版「えいがのおそ松さん」公式 (@osomatsu_movie) 2019年3月14日
以上、ここまで『えいがのおそ松さん』について感想を述べさせていただきました。
- おそ松たち6つ子は……やっぱり6つ子でした
- 黒歴史は思い出に変えることができる
- 「過去の世界」とは、結局誰の後悔だったのか……自分の目で確かめて!!
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