『俺俺』あらすじ・ネタバレ感想!亀梨和也主演!なりゆきでオレオレ詐欺をしたら、俺の前に別の“俺”が現れた

映画『俺俺』

出典:matome.naver.jp

ひょんなことから自分が増殖し、“俺”同士が削除しあう世界!

亀梨和也が1人33役を演じた星野智幸原作の日常逸脱系サスペンス!?

ポイント
  • 『インスタント沼』『音量を上げろタコ!なに歌ってんのか全然わかんねぇんだよ!!』を手掛けた三木聡監督・脚本
  • ジャニーズ主演の映画かぁ、なんて先入観で見ずにいるのはもったいない!
  • 深く考えずに目の前で繰り広げられていくカオスを楽しむのがおすすめ!

それではさっそく映画『俺俺』をネタバレありでレビューしたいと思います。

『俺俺』作品情報

作品名 俺俺
公開日 2013年5月25日
上映時間 119分
監督 三木聡
脚本 三木聡
原作 星野智幸
出演者 亀梨和也
内田有紀
加瀬亮
ふせえり
音楽 上野耕路

【ネタバレ】『俺俺』あらすじ


永野均(亀梨和也)、28歳。オリジナルの俺。

集合団地の一角、母は息子を“君”と呼び、自分のことを“昌枝”と呼べと言います。

男の名は永野均(亀梨和也)。

カメラマンを夢見ていましたが志半ばで諦めて、今は家電量販店で働いています。

母・昌枝(キムラ緑子)は「40歳になったときに私は母から昌枝になった」と言い、均に名前で呼ぶことを命じていたのですが均はそれに応じることなくずっと“おふくろ”と呼んでいました。

均は勤務先の家電量販店でタジマ主任(加瀬亮)から契約社員上がりなことを小馬鹿にされ、正社員になったというのに“契約くん”と呼ばれています。

『俺俺』

(C)2012 J Storm Inc.

職場の人たちはみんなタジマ主任の態度が鼻についていて、あるとき均が主任に頭突きを食らわせた時は仕事終わりの居酒屋で「スカッとした」などと盛り上がったほどでした。

均はその飲み会で成り行きでみんなに奢るはめになってしまい、ATMでお金を下ろします。

その足で入ったファストフード店でたまたま隣に座ってきたサラリーマン風の男性が均のトレイに携帯を落としました。

一緒に来た男性とのお喋りに夢中で携帯の行方に気付いていない様子に、魔がさした均はその携帯を持って店を出てしまいます。

どうしたものかと考えながら手の中で携帯を持て余していると、持ち主の母から着信がありました。

ディスプレイに表示される“母”の文字にたじろいで出ずにいたら、“母”は留守電に「大樹、クラス会の知らせが届いたわよ」というメッセージを残しました。

携帯の持ち主の名前が“大樹”だとわかった均は、ファストフードで耳にしていた大樹の口調を真似てみます。

ほどなくして再び“母”から着信があり、勢いで出てしまう均。

“母”は均の声や口ぶりに違和感を抱くこともなく、多少ぎこちなくはあるものの会話は進んでいきました。

しかし、均が癖で「おふくろ」と言ってしまった時、“母”は違和感をあらわにします。

大樹は母親のことを「母さん」と呼ぶ人だったのです。

均は機転を利かせ、最近うまくいってない、悩み事がある、心配はかけたくないなどと言い、最終的に「友達の車で事故を起こしてしまったから100万円借金をしている」と嘘をついてしまいます。

“母”はお金のことなら心配しなくても良いと言うので、つい10万は自分でどうにかしたからと残りの90万を友達の口座に入れてくれと言ってしまいました。

友達の口座として伝えたのは均自身の口座でした。

そして、あっさり90万円を手に入れます。

いわゆるオレオレ詐欺に手を出してしまったのでした。

均(亀梨和也)の前に現れた別の“俺”

翌日、均は出勤前に大樹の携帯を川に捨てました。

携帯は一瞬浮かんだものの結果的には川の底へと沈んでいき証拠隠滅、となったはずでした。

その日の仕事のあと家につくと、なぜか部屋の電気がついていて、鍵も開いていました。

ビビりながらも中に入ると知らない女性がいて、「友達の問題は解決したの?」と言いました。

均が盗んだ携帯の持ち主・大樹の“母”(高橋恵子)でした。

“母”は迷いなく均を“大樹”と呼び、息子として接してきます。

何が何だかよくわからない均は正直に本当のことを話してお金も返すと言いました。

しかし“母”も息子が何を言っているのかよくわからないといった様子でした。

どこまで行っても平行線の会話に痺れを切らした均が「自分は息子の大樹ではない」と言ったところで“母”に頬を叩かれ、泣かれてしまいました。

“母”はそのまま均の家に一泊しました。

翌朝、“母”が帰る先が気になった均は後をつけていきます。

成り行きで大樹の実家にお邪魔することになり、大樹には姉がいること、姉は結婚していること、姉夫婦には息子がいることを知りました。

写真を見ながら話をしていると、“母”は大樹がカメラマン志望であるという話をします。

そして大樹と“母”が二人で写っている写真を見て均は驚愕します。

大樹の顔は均とそっくりだったのです。

そんな馬鹿なと均が自分の実家に帰ると、母は「またあなたなの?いい加減にして」などと言いました。

さらに「また昨日と同じことするつもり?」「警察を呼ぶわよ!」などと言われましたが、均には身に覚えがありません。

まるで他人のように振る舞う母に対して「昌枝さん」と呼んでみますが、態度は変わりませんでした。

揉めているところに現れたのは、均にそっくりな別人の“俺”。

“俺”は名刺を出せば警察には連絡しない、と言うので渋々渡しました。

さやか(内田有紀)との出会い、増殖していく“俺”

“俺”は均に連絡をしてきました。

母に対して「昌枝さん」と呼びかけたことで、均が本物であると気付いていたのです。

“俺”は均がオレオレ詐欺を働いた時に生まれた、大樹でした。

大樹は均に、もう一人“俺”を名乗る学生くらいの雰囲気の男がいることを告げました。

均と大樹は、そのもう一人の“俺”に会うことになります。

そいつはナオ、茶髪でちょっとバカっぽい大学生です。

3人はナオの部屋で冷やし中華を食べながら乾杯します。

性格も考えることも同じ、味の好みも同じ。

なんだか居心地が良く盛り上がった3人は、ナオの部屋をアジトにして“俺帝国”を作ろうと合鍵を手にしました。

そのころ、均が働く家電量販店でカメラを万引きしようとした女性客がいました。

君塚さやか(内田有紀)という既婚者です。

『俺俺』

(C)2012 J Storm Inc.

万引きしようとしたことをごまかそうとするさやかから、均はカメラを奪い、何気なくシャッターを押しました。

撮れた写真を見て気に入ったさやかは「一緒に仕事をしない?」と誘います。

均はさやかの言う“仕事”がどういうものかよくわかりませんでしたが、指定されたところにある一軒家の写真を撮って渡すと、十分すぎるほどの額の報酬を渡されました。

同じころ、均はたまにナオに仕事を代わってもらっていました。

ナオは値引き交渉してきた女性客に対して、代償としての見返りを要求しました。

そんな日々を過ごしていく中で、ナオが「大学に“俺”がいる」と言い出します。

そして、アジトに5人もの“俺”を連れてきました。

オタクっぽい外見だったり、刺青の入ったいかつい外見だったり、女性だったり。

“俺”だけど“俺”じゃない彼らに、均と大樹は嫌悪感を抱き「劣化コピーは排除しないと」と言ってしまいました。

“記念日”を境に始まる“削除”

均は仕事を通してさやかとの距離を縮めていきました。

『俺俺』

(C)2012 J Storm Inc.

その間も“俺”の劣化コピーは増殖していきます。

ある時、均とナオが一緒にいるところにさやかが出くわしますが、さやかは「別の人でしょ」と言わんばかりに均とナオを見分けました。

均が家に帰ると、大樹が洗面所で何かを洗っていました。

血のようなものが見えましたが、追及しようとしたところでナオが缶チューハイを片手に「今日は記念日だ」とか言いながらゴキゲンで帰ってきて話が逸れてしまいます。

3人で酒を飲もうと買い出しに出た帰り道、大きな衝突音がして車が爆走して行きました。

音がした方へ行ってみると、自転車に乗っていた男性が轢き逃げされたところでした。

轢かれた男性は均と同じ顔をしていました。

事故現場から逃げ出し、部屋に戻った均はナオを問い詰めます。

さっき言っていた「記念日」とは一体何のことなのかと。

するとナオは「劣化コピーの“俺”を一人削除した」と言いました。

毎日増殖していく“俺”と、そのスピードを競るように削除されていく“俺”。

劣化コピーが削除、排除されていくのだとすれば、均・大樹・ナオも狙われる可能性があるということに気付いていきます。

削除の果てに、残ったのは…?

やがて、均は自分が本物かどうかがよくわからなくなってしまいました。

ある日、家に帰った均は血の付いた封筒が落ちているのを見つけます。

誰かが殺されたんだと気付いた時、ナオからメールが届き、添付されていた写真には均の死体が写っていました。

茫然自失となった均はさやかの元を訪れました。

さやかは「一番最初に戻りなさい」と慰めました。

翌朝、均はシャワーを浴びているさやかに声をかけましたが返事がありません。

様子を見ると、さやかは殺されていました。

俯せのその死体をひっくり返して顔を見たら“俺”の顔をしていました。

怖くなり立ち去った均は“俺”の顔をした警察官に追われ、発砲されます。

死に物狂いで逃げ込んだアジトにはナオの姿はなく、大樹がいました。

「俺は削除されてしまった」とナオからの写真を見せながら狼狽える均に対して、大樹は「削除が増殖を上回った」と言います。

そして大樹はナオを探しに、均は最初に戻ることにします。

均が大樹の実家の前に着いたとき、ナオが近づいてきました。

バタフライナイフを構えて突進してくるナオに対し、均は警察官からせしめた拳銃で迎え撃ちました。

均は目の前に現れたのがナオの振りをしている大樹だと気付いていたのです。

ナオのメールに添付されていた死体こそがナオだったのです。

死体がつけていた腕時計の色で均はそれに気付いていました。

そしてナオを殺したのが大樹であることも、大樹が均をも殺して“本物の俺”になろうと考えていることも察していました。

均は大樹の実家のチャイムを鳴らして、出てきた大樹の母に90万を返しました。

そして実家で自分の母に初めて、「昌枝さん」と呼びかけるのでした。

『俺俺』感想

私、この映画を観ていて途中で気が付いたんですよ。

vitovito

世にも奇妙な物語みたいだな、って。

監督・脚本を務めた三木聡、『世にも~』の脚本やったことある人なんですね。

だからそういう系の話が好きな人には楽しめる作品なはずです。

怖い系のタイプじゃなくて、ブラックユーモアみたいなタイプの系統が好きな人には特に。

そもそも自分が何人もいて、次第に増殖しまくって身近な人すら自分になってしまって、道行く人たち全てが自分になっていって…なんて奇妙でしかないですけど。

誰かの振りをして「俺」と名乗ってしまった人物が、自分になってしまうっていうルールの元に大樹が出てきたのはわかるんですけど。

ナオとか、それ以降に自分として現れた人たちがどういう経緯でそうなったのかがわからなくて、途中からそればっかり考えて見てしまいました。

vitovito

それなのに結局わからないままっていう。

オレオレ詐欺っていう悪いことをした罪悪感からの内面の葛藤を具現化した表現なんだろうなとは思いつつ、ルールとか設定とか気になってしまう方なので発動条件が今もこれを書きながらモヤモヤしてます。

vitovito

原作読んだらわかるのかなぁ…どなたかご存知でしたら教えてください。まじで気になる。

均と、大樹と、ナオ

あらすじにも書いたように、均と大樹とナオが3人集まって冷やし中華を食べる場面があるんですけど。

3人とも均だから、考えることも食の趣味も何もかも同じで、気が楽で。

人といてこんなに気楽になることないってキャッキャするのが可愛い場面です。

全部亀梨なんだけど、全部タイプが違ってすごい。

変な感じがするんだけど、3人とも同じ顔してるんだけど、なぜか違う人に見える。

vitovito

不思議!!

普通~な感じの均を軸にして、ちょっとバカっぽいギャル男的なナオと、固そうなインテリ風の大樹という絶妙なバランス。

これはやっぱり付き合うなら誰か選手権やっちゃうしかないんじゃないかなって思うので勝手に書きますね?

vitovito

私の好みはダントツで大樹です。インテリ系大好き。

それでいて「言えや」とかいう口調のギャップ。

とても良いと思います。

vitovito

でもナオが眼鏡かけてるのも凄い好き。可愛い。

バカっぽい子が眼鏡かけてるっていうギャップ。

とても良いと思います。

均の好きなところは変なタイミングでする前歯を出す顔です。

物語の冒頭で90万を手に入れて、引き出しに隠した封筒から取り出して扇子状に広げた時にするのが最初かな。

あれ何か意味があったのかなぁと深読み厨の私は思ってしまったんですが、たぶん意味なんてないんだろうなぁ。

ストーリーの面白さもさることながら終始目が楽しいというか、そんな映画です。

『俺俺』まとめ

『俺俺』

(C)2012 J Storm Inc.

要点まとめ
  • 多分だけど深読みしないでひたすらカオスになっていくストーリーを追うと単純に楽しめると思います
  • 『世にも奇妙な物語』とか、ブラックユーモア系が好きな人にはハマる作品
  • もし自分が増殖して、削除されていくようになったとして…オリジナルの自分は最後まで生き残れるか、なんて妄想も捗る作品です