韓国と北朝鮮の軍事境界線は、「休戦」として今も緊張感が漂っています。
1950年、中国など社会主義国から支援を受ける北朝鮮が、事実上国境化していた38度線を超え、韓国側へ攻め込んだのが始まりと言われている「朝鮮戦争」。
3年間にも及ぶ死闘の結果、休戦になり今でも38度線を軍事境界線としています。
そんな朝鮮戦争時に「極秘の作戦」と言われた、アメリカが率いる連合軍が仁川に上陸し、北朝鮮からソウルを奪還した「仁川上陸作戦」を描く映画が『オペレーション・クロマイト』です。
- マッカーサーが指示した「仁川上陸作戦」とは?
- イ・ボムスの冷酷で残酷な演技に注目
- 実話を元にした、手に汗握る大作
それではさっそくネタバレありで映画『オペレーション・クロマイト』をレビューしていきたいと思います。
目次
『オペレーション・クロマイト』作品情報
作品名 | オペレーション・クロマイト |
公開日 | 2017年9月23日 |
上映時間 | 110分 |
監督 | イ・ジェハン |
脚本 | イ・ジェハン イ・マニ |
出演者 | イ・ジョンジェ リーアム・ニーソン イ・ボムス チン・セヨン パク・チョルミン チョン・ジュノ キム・ビョンオク |
音楽 | イ・ドンジュン |
【ネタバレ】『オペレーション・クロマイト』あらすじ・感想
戦闘シーンのリアル感がすごい
かとリーニョ
また、アメリカ軍の艦隊が多く並び、仁川沖に上陸するシーンなどもリアル感が半端ないです。
さらに残酷描写もすごいです。
劇中で北朝鮮軍に制圧されている仁川市内では、韓国側の住民もみな「北」の思想や行動に従わなければなりませんでした。
少しでも抵抗した者は、「私は米軍の手先です、人民裁判を受けます」と首から看板をかけられ、深夜に集まった住民の前で即公開射殺。
その後、電柱にかけられさらし者にされるなど、胸をえぐられるほどの残酷なシーンもあります。
かとリーニョ
イ・ジョンジェ、イ・ボムス、リーアム・ニーソン、他、豪華出演者が集結!
『オペレーション・クロマイト』は、イ・ジョンジェが主演し敵役にイ・ボムスという韓国映画界を代表する2大人気俳優が集結しています。
イ・ジョンジェは正義感の強い・心優しい韓国軍将校チャン・ハスクを演じました。
それとは真逆で、なんとも冷酷な悪の北朝鮮将校リム・ゲジンを演じたイ・ボムスがはまり役で驚きました。
イ・ボムスがここまでストレートな悪役を演じたことは今までになかったと思います。
そして、「仁川上陸作戦」を指示した、連合国軍総司令官マッカーサー元帥を演じるリーアム・ニーソン。
かとリーニョ
その他にカメオで出演している俳優も豪華で、イ・ジョンジェ演じるハスクを助けるKLO隊員の団長役に『SKYキャッスル-上流階級の妻たち-』のチョン・ジュノ、同じくハスクたちを助け護送車を手配する役に『ロマンスは必然に』のキム・ソナが出ています。
さらに!ハスクと護送車内で格闘する北朝鮮軍人に、格闘家の秋山成勲(チュ・ソンフン)、冒頭に列車の中で出会う北朝鮮の将校にパク・ソンフン、ハスクの母親役には今は亡きキム・ヨンエなど、映画を視聴中にカメオを探すのも楽しみなほど豪華なメンバーが揃っています。
「大ばくち」と言われた作戦をなぜ強行したのか?
劇中何度も、アメリカ軍の将校が「作戦中止を」と嘆願する中、意志を曲げずに強行するマッカーサー。
実際には「5,000分の1の大ばくち」と言われたこの作戦ですが、劇中ではマッカーサーの胸を打った1人の韓国人将校がいました。
その男こそ、『オペレーション・クロマイト』の主人公チャン・ハスク。
彼の熱い「国を守る」思いと、韓国人の勢いを称賛し、ハスクとの約束を守るために作戦を強行すると言い張るマッカーサー。
実際のところは、「奇襲こそ戦争で勝利を収める最大の要素、作戦は失敗しない、そして10万人の命を救うことになる」と、自信を込めて決行したそうです。
かとリーニョ
劇中のマッカーサーは、「チャン・ハスクとの約束を守り、韓国人の命を救うこと」を作戦の目的に置いています。
そのために、X-RAYスパイ作戦として韓国軍将校と兵士数人を集結させたのがチャン・ハスク率いる『オペレーション・クロマイト』の主人公たちです。
ラスト、作戦は成功したのか?
幾度もの難関を乗り越え、与えられた北朝鮮の仁川での情報を収集するという目的を果たそうとするX-RAYスパイたち。
北朝鮮の悪の将校リム・ゲジンによって何人もの仲間を失っていくチャン・ハスクはなんとか部下2人を引き連れて目的の仁川海岸に到着するも、そこにいる北朝鮮軍の多さに驚きます。
なんとか敵地に侵入できたことで、空砲を撃ちマッカーサーへ「成功」の合図をするハスク。
ですがここでも、しぶとい「ゾンビ将校」北朝鮮のリム・ゲジンがハスクを待ち受けていました。
ハスクはゲジンの銃弾で負傷しますが、その後2人の一騎打ちになります。
どちらも譲らず、最終的にハスクとゲジンは2人とも戦死してしまいます。
そこに無事に仁川沖から上陸を果たしたマッカーサーが、ハスクたちの元に駆けつけ、ハスクの死を確認し敬礼をするのです。
マッカーサーはハスクとの出会いを思い出し、とにかく作戦を成功させるという決断を改めてします。
実在した英雄たちを忘れずに
2020年で朝鮮戦争勃発から70年、日本では終戦75年を迎えます。
この時代の記憶がある方々も減ってきました。
かとリーニョ
映画にするとどうしてもある程度「フィクション」になってしまうので、現実とは違う場面もありますが、映画で興味を持ってから真実を解き明かしていくのも、ありだと思います。
韓国には、この作戦の記念館が仁川(松島国際都市)にあるそうです。
かとリーニョ
また、『オペレーション・クロマイト』で、リム・ゲジンの放った「理念は血よりも濃い」という一言が印象に残りました。
かとリーニョ
ぜひ、この映画を見てその一言に意味を考えて頂けたらと思います。
また、絶対忘れてはいけない過去として多くの方々にごらんになって頂きたいですね。
『オペレーション・クロマイト』あらすじ・ネタバレ感想まとめ
以上、ここまで映画『オペレーション・クロマイト』についてご紹介させて頂きました。
- 朝鮮戦争の過去を忘れないでほしい
- 「理念は血より濃い」ではなく「血は理念より濃い」であってほしい
- 未だ朝鮮半島は「休戦状態」である