2003年公開の『オールド・ボーイ』は、『JSA』のパク・チャヌク監督が日本の漫画を原作に映画化したバイオレンスアクション。
クエンティン・タランティーノが審査員長を務めた第57回カンヌ国際映画祭で見事パルムドールを受賞したほか、世界中の映画祭を席巻しました。
突然拉致されたのちに15年監禁された男が復讐の果てに見たものとは!?
マルコヤマモト
目次
映画『オールド・ボーイ』作品情報
作品名 | 『オールド・ボーイ』 |
配信開始日 | 2004年11月6日 |
上映時間 | 120分 |
監督 | パク・チャヌク |
脚本 | パク・チャヌク
ワン・ジョユン イム・ジュンヒュン |
出演 | チェ・ミンシク
ユ・ジテ カン・ヘジョン チ・デハン |
音楽 | チョ・ヨンウク |
映画『オールド・ボーイ』あらすじ【ネタバレあり】
15年の監禁後、突然解放された主人公・デス
ごく平凡な生活を送っていたサラリーマンのオ・デス(チェ・ミンシク)。
雨の夜に突然何者かによって拉致され、狭い部屋に15年間監禁されます。
部屋の中にはテレビもあり食事も提供されますが、なぜデスが監禁されたかその理由は不明のままでした。
そして監禁されている最中に妻が殺害され、自分が指名手配犯になっていることを知るのです。
デスは監禁中に部屋の中で体を鍛え上げ、脱出するために部屋の壁に穴を開けながらいつ終わるかわからない監禁生活を耐え忍んでいました。
監禁生活が始まってから15年目のある夜、部屋にやってきた女に催眠術のようなものをかけられて眠らされたデスは、その後突然解放されます。
「一体誰が何のために!?」
街に出たデスは見知らぬ男から携帯電話を渡され、電話をかけてきた相手から「自分の人生の復習をしろ」と謎のメッセージを言い渡されます。
その後デスは、導かれるように出会った女性寿司職人のミド(カン・へジョン)の助けを借りて、「失われた15年」を見つけるため、そして自分を監禁した相手への復讐を果たすために正体を探りはじめました。
ミドと共に15年間毎日食べさせられた餃子の味を手がかりに、「監禁ビジネス」を経営しているパク(オ・ダルス)という男にたどり着いたデスは、パクに拷問を与えて自分を監禁した相手を吐かせようとします。
廊下で待ち受けていたパクの手下達からの攻撃を受けたデスは、傷つきながらも手下達を薙ぎ倒し、限界を迎えて道路で倒れてしまいます。
ある日そんな2人の前にウジン(ユ・ジテ)と名乗る謎の男が現れ、「5日以内に謎を解き明かせ、期限が守れない場合はミドを殺す」と互いの命を賭けたゲームを仕掛けるのでした。
ウジンによる恐るべき復讐計画
行動を共にするうちにいつしかミドはデスに愛情を抱くようになり、デスもミドの愛に応えるように。
デスは高校時代の友人・ジョンファン(チ・デハン)が経営するインターネットカフェへ出向き、ミドが見知らぬ相手とチャットをしていた記録から、かつて自分とジョンファンが在籍していたサンノク高校の同窓会ページにたどり着きます。
そして卒業生のアルバムの中から自分を監禁したイ・ウジンという青年を発見しました。
さらに当時「筋金入りのアバズレ」と噂されていたイ・スア(ユン・ジンソ)という女生徒が在学中に死んだことを知ったデスは、ウジンとスアが姉弟だった事実を知るのです。
ミドの身を案じたデスは自分を監禁していたパクの監禁部屋にミドを預け、高校時代の自分の記憶をたどりながら謎を解き明かします。
高校時代、サンノク高校を転校する前日にデスは屋上の実験室でウジンとスアが愛し合っている姿を目撃し、そのことを友人のジョンファンに話しました。
それからウジンとスアの噂はあっという間に広まり、追い詰められたスアはダムに落ちて自ら命を断ったのでした。
デスの15年間にわたる監禁は、姉を愛し続けたウジンによる復讐だったのです。
デスは聖書からウジンが住んでいるペントハウスの場所を導き出して向かいました。
マルコヤマモト
映画『オールド・ボーイ』感想【ネタバレあり】
復讐に次ぐ復讐!そして衝撃的な結末…!
パク・チャヌク監督の『復讐者に憐れみを』『親切なクムジャさん』と並ぶ「復讐三部作」の2作目として公開された『オールド・ボーイ』。
マルコヤマモト
15年にわたる監禁劇から始まり、最後に明かされる衝撃の事実まで目が離せない作品です。
オ・デスの復讐劇かと思いきや、イ・ウジンの復讐劇に華麗に移行していくストーリー展開が秀逸。
さらにウジンのわざわざ15年という年月をかけて成し遂げたかった復讐の計画性にはゾッとします。
今作のキーとなるキャラクターは、オ・デスが解放された後に出会った女性寿司職人のミド。
物語が進むにつれてカンが良い人はわかってしまうかもしれませんが、ミドは成長したオ・デスの娘・ヨニだったのです。
解放前日にデスの前に現れた女性催眠術師はミドにもコンタクトを取っており、2人が愛し合うように術をかけていました。
ウジンの思う通りに2人は愛し合う結果になり、衝撃的な事実を告げられたデスはウジンに「ミドにだけは事実を知らせないように」と哀願し、最後には自分の舌を切り落とします。
「口は災いの元」とはこのことで、無事復讐を終えたウジンはこれ以上やることがなくなり自分の頭をピストルで撃ち抜き自害。
マルコヤマモト
迸るバイオレンス!華麗なるアクションがカッコ良すぎる
第57回カンヌ国際映画祭で見事グランプリを受賞した『オールド・ボーイ』。
クエンティン・タランティーノが審査委員長を務めただけあって、そのバイオレンス描写はお墨付き!
特に主人公のデスがハンマーを持って敵に立ち向かっていくシーンでの、横スクロールのカメラアングルはゲーム画面を見ているような躍動感で斬新で、この映画のお気に入りシーンの1つです。
R-15作品なのでそれなりにグロい描写や性描写なども登場しますが、荒さが画面にあっていることが不思議とカッコよく感じました。
画面を通して「痛さ」を感じることも韓国映画の特徴の1つだと思います。
主演を務めたチェ・ミンシクもパンチが強すぎて、こんな役者が韓国には居るんだ!と恐ろしくなると同時に感動を覚えました。
マルコヤマモト
SNSでのみんなの感想・評判
基本的に他人の映画鑑賞ライフに意見しない主義だが、ある女性が「お父さんと『オールドボーイ』という映画を観ようと思うんだけど…」と言ったときは、さすがに止めた
— 加藤よしき (@DAITOTETSUGEN) February 22, 2019
オールドボーイ鑑賞!
やはり韓国映画はこういうジメジメした残酷な展開が多いね。
だがそれが好き!! pic.twitter.com/fJIXrqBGOS— ぬん澤。 (@1BihMAsisOEzuzg) May 23, 2020
本日は「ヨンギマンシブ!(誰もが知る演技うまい俳優特集)」開催中のシネマート心斎橋にて『オールド・ボーイ』を鑑賞。2003年公開の作品ですがほぼ予備知識なしで初めて鑑賞できました。バイオレンスとユーモアとミステリーが渾然一体となった凄絶な映像世界に驚嘆。評価の高さも頷ける傑作でした。 pic.twitter.com/y04JQhp0VV
— あさやん (@asa_yang) June 27, 2021
2000年代の韓国映画を代表する作品になった『オールド・ボーイ』。
公開から20年以上経ちますが、何度も観たい名作であることは間違いありません。
マルコヤマモト
映画『オールド・ボーイ』あらすじ・ネタバレ感想まとめ
韓国映画『オールド・ボーイ』について、ネタバレありでご紹介しました。
- 名作度…★★★★★
- バイオレンス…★★★★★
- どんでん返しのストーリー…★★★★★
マルコヤマモト
ドラマ性がある作品や純愛モノがウケていた韓国映画でしたが、『オールド・ボーイ』の圧倒的なバイオレンス描写は世界でも評価され、韓国映画の面白さを世界に売り込むきっかけにもなりました。
2014年にはスパイク・リー監督、ジョシュ・ブローリン&エリザベス・オルセン出演でハリウッドリメイクもされている『オールド・ボーイ』。
マルコヤマモト