『オカンの嫁入り』あらすじ・ネタバレ感想!宮崎あおい×大竹しのぶが織りなす母娘の感涙ストーリー

映画『オカンの嫁入り』あらすじ・ネタバレ感想!

出典:U-NEXT

宮崎あおい、大竹しのぶ、桐谷健太、日本の名優が熱演!

原作は咲乃月音、第3回日本ラブストーリー大賞ニフティ/ココログ賞受賞作品!

家族をまったりと温かくユーモラスに描く素敵な監督・呉美保が脚本も手掛けた映画です。

ポイント
  • 宮崎あおいのコテコテ関西弁が超絶かわいすぎ!
  • 母が命を削ってまで守った娘との生活、娘への想いと深い愛に涙する。
  • 人がつけた心の傷のエグさ、癒すために要した時間の長さ…人の残忍なところと、とびきりあったかいところが赤裸々に描かれている。

観た後に「家族」や「大切なひと」に会いたくなる、尾を引くほど愛が溢れる物語。

日本映画の名優たちが演じる大阪のあったかい人情味濃いめの熱演にじんわり感動させられます。

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『オカンの嫁入り』作品情報

作品名 オカンの嫁入り
公開日 2010年9月4日
上映時間 110分
監督 呉美保
脚本 呉美保
原作 咲乃月音
出演者 宮崎あおい
大竹しのぶ
桐谷健太
音楽 田中拓人

【ネタバレ】『オカンの嫁入り』あらすじ・感想


突然の母の再婚宣言!?穏やかな日々に突如訪れた衝撃の出来事

森井月子(宮崎あおい)は、産まれる前に父が他界して…25年間、母娘で生きてきました。

しかし、どしゃ降りの雨が降る真夜中、月子に予想だにしないことが起きます。

酔って帰ってきた母・陽子(大竹しのぶ)が「お土産~」といって持ち帰ってきたのが「見知らぬ若い男の人」でした!

見知らぬ若い男の人…の名前は、服部研二・通称ケンちゃん(桐谷健太)。

母にお持ち帰りされてきたケンちゃんの容姿が独特!謎の出で立ちなのです。

襟足長めの金髪リーゼントで赤いジャケット、見た目はゴリゴリのヤンキー…それでいて30歳という彼。

あまりにもダサめのファッションと髪型!

お持ち帰りでも驚いたのに、次の日の朝、母が衝撃の発言!

陽子「わたくし森井陽子は、昨夜、こちらの服部研二さんにプロポーズされて…お引き受けしました!」

研二「(立ち上がり一礼しながら)宜しくお願いしますっ!」

なんと一回りも年下の謎の男・ケンちゃんと「再婚する!」と月子に宣言するのです。

月子は、信じられない様子で目を見開いて呆然。

突拍子もない母の言動に、動揺しまくる月子。無理もない反応です…

しかも、ずうずうしくもケンちゃん、そのまま森井家に住みます。

母娘水入らずの生活に突如入り込んできた彼。

一体、何のつもりで?と月子は不信感を抱くのでした。

月子の父親を「最初で最後の男やねん」と言い切っていた陽子。

その母の変わり様についていけず、月子はとうとう家出!といっても、お隣の大家さん家にですが…母娘はバラバラに住むことになりました。

ですが、陽子が再婚をしたい理由、ケンちゃんが強引に同居しだした理由…「オカンの嫁入り」には意味があります。

その事情を知ったとき、身体を流れる血液の温度がほんのり温かくなるような気分になります。

謎多きケンちゃん…実は超苦労人。でもなぜ働かない?

ケンちゃんは天涯孤独です。

両親は産まれてすぐに事故で他界、養子となり一緒に暮らしていた祖母も最近脳溢血で急に亡くなったのだそう。

祖母と研二は小料理屋をやっていたらしく、そこで板前をしていたという経歴をもっています。

とにかく料理の腕前はたいしたモノ!

鯛のこぶ締め、タラの芽の天ぷら、だし巻き、トリ貝と分葱のからし酢味噌あえ、鯛飯…ケンちゃんの作る料理の数々は、見た目もキレイで美味しそう。

まさにお客さんに出せるクオリティーなのです。しかも、台所はピッカピカ、始末までプロ級。

ところがケンちゃん、一向に働こうとせず、家でせっせと陽子のために料理をしています。

どうして働かないのか…それにも訳があるんです!

多くを語らぬ男の「愛」がそこにありました。

いくら疑いの目で見ても、この研二という男、全然悪いヤツに見えない。明らかにどっぷりイイ奴なんです!

ばあちゃんの形見のぬかどこを大事に持ってきた男。

月子の許可なしには家の中で寝られないと、庭で寝袋で寝るような誠実さを持った男。

森井家の飼い犬・ハチも、何の抵抗もせずにお腹丸出しでしょっぱなから懐く男。

ハチがおしっこ出ずに(後に尿管結石と判明)いたときも、いち早く異変に気づいた優しい男なのです。

なんと陽子とは3年前から付き合っていたと言います。

陽子の務める整形外科の患者さん(=亡くなったおばあちゃん)の家族として出会っていました。

イイ奴なのは分かったけれど、3年も秘密にされていた月子は、まだ「オカン騙されてんちゃうか?」感は抜けないのです。

月子の秘密…1年前から電車に乗れず、町から出られなくなった理由

月子は1年前から電車に乗ることができなくなってしまいました。

町からも出られなくなってしまったのです。

「泣いても笑ってても時間は同じだけ過ぎていくねん。めんどくさいことは全部流してまえ。楽やでぇ~」

大家のおばちゃん・上野サク(絵沢萠子)もそう言って月子を諭します。

1年前、月子は会社に勤めていました。

そこで、東京の本社から来た本橋信也(林泰文)というエリート社員に出会います。

仕事を教えるよう上司に頼まれた月子は本橋に教えます。

すると、本橋は「美味しいたこ焼き屋知りませんか?」と聞いてくるんです。

親切にたこ焼き屋を教えてあげましたが、これを機に本橋はストーカーと化します…。

誘い文句を書いた付箋を渡して来たり、似顔絵を描いた手紙をデスクに置いたり、会社の前で待ち伏せし同じ電車に乗ってストーキングするようにまでエスカレート。

ある日、必死で逃げる月子でしたが、自宅最寄り駅の自転車置き場で彼に捕まります。

なんと逆上した本橋は、月子を突き飛ばし、ゲシゲシと自転車を踏みつぶしはじめます。

その様子が「次はお前がこうなるぞ!」と言っているようで恐怖を感じました…そして、月子は足に怪我をしました。

月子は会社に復帰を願い出ます。

ところが、本橋が謹慎から明けて出てくるけど大丈夫?と、あまりにも配慮の無い会社側の対応。

来ない方がいいと思うけど…とでも言いたそうな口ぶりなのです。

会社側はエリートの本橋を大事にしていました…負けじと会社に行こうとした月子は駅のホームまではたどり着きますが、トラウマで電車に乗れなくなってしまいます。

そうして月子は、町から出られなくなってしまったのです。

被害者であるはずの月子に対する会社の対応の冷たさに悲しくなりました。

しかも、本橋は既婚者だったという事実!ひど過ぎる!

『オカンの嫁入り』というタイトルからは予想もできないストーリー。

心に傷を負った月子は、母の再婚でまたひとつ大切なものを失ってしまうような気持ちになるのです。

娘を想う母の気持ちが痛い

再婚話は待ったなし。

月子を置いてどんどん進んでいきます。

そんな中、陽子は恥ずかしそうに「白無垢を着て結婚式したい」と月子に話します。

白無垢を着てお嫁にいくことが、母・陽子の小さいときからの夢だと。

ちょっと良好になりかけた母娘。

しかし、陽子のひと言で再び亀裂が入ります。

「月ちゃん、お母さんと電車に乗って白無垢衣装合わせにいこ。」

このひと言。電車に乗れない月子にとって拷問のような言葉でした。

いつまでもそのままじゃ良くないと母は娘に語りかけます。

月子は「(再婚で自分のことが)邪魔になったんだ!」と反発。大喧嘩に発展してしまうのです。

母が月子に「電車に乗ること」を強いたのには、娘への愛ゆえでした。

なんと、陽子は余命1年…もう長くは生きられなかったのです。

お医者さんが言うには、町から出ることができない娘を案じて「できるだけ今の生活を続けたい」と陽子は無理をしていたのです。

命を削ってまで守った娘との生活、娘への想いと深い愛に涙しました。

唯一知っていたのはケン。

病状を知っても研二は陽子にプロポーズしたのだということを月子は知ります。

そのプロポーズの言葉が痺れるんですよね。

「陽子さんの残りの人生、ボクに守らせてください。ボクは百年一緒におれる他の人より、1年しか一緒におれんでもあなたと一緒にいたいんです」

と、ケンは言ったんだそうです!かっこいい!

怪しんだことを謝りたい。仕事に就かず、陽子のそばを離れないのもそのせいなのでした。

森井家の茶の間には、白無垢の結婚写真が置かれ、月子はまた社会に復帰するんです!

綿帽子をかぶり白無垢を着た母が、三つ指をついて娘に語った言葉が素敵

念願の白無垢を着て、綿帽子をかぶり、嬉しそうな陽子。

陽子は真面目な顔になり、ゆっくり月子の前に来て正座をします。

持っていた扇子を前に置き、三つ指をついて月子に一礼。

まさに「嫁入り前に両親に挨拶」の光景、母娘逆バージョン!

そして、きっとずっと娘に言いたかったであろう言葉を語り出すのです。

月ちゃんを生んで、月ちゃんと一緒に生きてこられて、本当に本当に幸せでした。

ケンちゃんのこと、病気のこと、ずっと黙ってて本当にすみませんでした。

ようやく誰かを好きになれて、そしてその人がどんだけ素敵な人かということを真っ先に月ちゃんに知らせたいのに…言うてしもたら月ちゃんとの何かが壊れてしまいそうで、ずーっと言えませんでした。

でも、病気になって自分の命の限りを知り、「あぁ…このままやったらアカン」って。

残りの時間の中で何をすべきなのかを考えました。

私がいま「すべきこと」、それは私の人生を私らしく幸せに生きることであり、そしてそれを月ちゃんに見せることによって、月ちゃんにも自分の生き方を見つけてもらいたい…そう思いました。

月ちゃん、こんな身勝手でわがままでどうしようもないお母さんですが、どうか最期の日まで…どうか一緒にいてください。

よろしくお願いします。

月子「私はな、お母さんとおれたらそれでええねん。それでええから。」

そう言って母娘は抱き合いました…泣けてしょうがなかった場面です。

『オカンの嫁入り』あらすじ・ネタバレ感想まとめ

映画『オカンの嫁入り』まとめ

(C)2010「オカンの嫁入り」製作委員会

以上、ここまで『オカンの嫁入り』について紹介させていただきました。

要点まとめ
  • 母一人…娘一人。ずっとこのままだと思っていた。
  • 家族がいない天涯孤独の青年、桐谷健太の無骨な演技が光る!
  • 温かい身近な他人の優しさに感動。人はいろんな人に支えられて生きているということを実感した作品

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