2014年に韓国で公開され、歴代2位となる大ヒット作となった『国際市場で逢いましょう』。
人気俳優ファン・ジョンミンが激動の韓国の歴史を生きた男を演じ高い評価を受けました。
- 同年公開の『バトル・オーシャン 海上決戦』に次いで韓国歴代2位の観客動員となったヒューマンドラマ
- 「1億俳優」ファン・ジョンミンが1人の男の人生を20代~70代まで演じきる
- 意外と知らない韓国の人々が経てきた激動の時代を約2時間でわかりやすく描く
マルコヤマモト
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目次
『国際市場で逢いましょう』作品情報
作品名 | 国際市場で逢いましょう |
公開日 | 2015年5月16日 |
上映時間 | 127分 |
監督 | ユン・ジェギュン |
脚本 | ユン・ジェギュン |
出演者 | ファン・ジョンミン キム・ユンジン オ・ダルス ユンホ |
音楽 | イ・ビョンウ |
【ネタバレ】『国際市場で逢いましょう』あらすじ
1950年:朝鮮戦争で生き別れた家族
韓国の釜山にある国際市場に、1羽の蝶が舞っています。
雑貨店「コップンの店」を営む老人・ドクスは、今日も立ち退きを求める業者との対立を繰り返していました。
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1950年、朝鮮戦争のさなかにある朝鮮半島の興南(フンナム)。
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アメリカ軍が撤退を強いられ、救出を求め港に押し寄せた多くの人々の中にドクス(ファン・ジョンミン)の一家もいました。
アメリカ軍による救出作戦が始まり、父親に「妹の手を離すな」と言われたドクスでしたが、船にによじ登ろうとした際に背中に背負っていた妹のマクスンの姿が消えたのです。
ドクスの手元に残っているのは、刺繍が入ったマクスンの着物の切れ端だけでした。
ドクスの父(チョン・ジュヨン)は「今から家長はお前だ。何があっても家族を守れ」とドクスに言い残し、マクスンを探しに行ったまま行方不明になります。
無事、韓国の南にある釜山にたどり着いたドクス一家は、叔母の経営する「コップンの店」に身を寄せることになります。
ドクスは父親との約束通り、靴磨きで生計を立てながらダルグ(オ・ダルス)という悪友とともに成長していきました。
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1960~70年代:西ドイツ炭鉱への労働者派遣
ドクスは成長し、自分の時間を犠牲にしてまで家族を養うために市場で仕事をしていました。
そんななか、友人のダルグから西ドイツへの炭鉱員派遣に誘われます。
体力測定などの試験をクリアしたドクスとダルグは無事に西ドイツ行きが決まりますが、炭鉱で地獄のような毎日を送っていました。
ある日、ドクスは川辺で悲しげに歌う韓国人の少女・ヨンジャ(キム・ユンジン)と出会います。
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滞在中に2人は距離を縮めますが、炭鉱でガス爆発が発生し、ドクスとダルグが生き埋めになる事件が発生。
韓国人の炭鉱員たちの協力とヨンジャの献身的な看護により、2人は一命をとりとめました。
そしてドクスはビザが切れて帰国します。
家族はドクスの稼いだお金で立派な家に住むことができ、弟はソウル大に合格。
あとで帰国したヨンジャの妊娠が発覚し、ドクスとヨンジャは結婚して家族になりました。
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1970年代:ベトナム戦争
ドクスは結婚を望む自分の妹を見て、ヨンジャに反対されながらも戦争真っ只中のベトナムへダルグを誘って出稼ぎに行きます。
アメリカ軍への物資調達などの仕事をしていたドクスでしたが、アメリカ大使館の爆破事件に巻き込まれます。
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その際に、ドクスはヨンジャに手紙を送りました。
「辛いことがたくさんあるけど、これを経験するのが自分の子供たちの世代じゃなくて、自分たちで良かった」
ドクスは命の危険にさらされ続けても、前向きに常に家族のことを思い続けていました。
ついに戦場に駆り出されたドクスとダルグは、ベトナムの村人たちと出会います。
彼らはベトコンからもアメリカ軍からも情報を要求されており、この場所に残れば命はないと言いました。
ドクスは朝鮮戦争のことを思い出し、現地の人々を船に乗せて脱出させますが、脚に銃弾を受けて負傷したまま帰国します。
ダルグはその時に出会ったベトナム人の女性と結婚、韓国で初の国際結婚と当時話題になりました。
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1980年代~現在:離散家族の再会と父親との約束
叔母のコップンが亡くなり、叔父が店を売ろうとしていたところをドクスが店を買いました。
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離散家族を探す広場にでかけたドクスとダルグは、貼り出された様々な情報から父親とマクスンの行方を探していました。
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さらにテレビ出演を果たしたドクスは、ついに生き別れた妹・マクスンと再会することができました。
マクスンは幼くあまり記憶がない頃にアメリカに引き取られ、ロサンゼルスに暮らしていたのです。
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マクスンが無事見つかり、家族と再会した1年後に母親が亡くなりました。
現代、ドクスの母親の命日にたくさんの家族が集まります。
子供や孫も増え、ようやく幸せを実感したドクスは1人、自分の部屋へ戻りました。
そして、朝鮮戦争で脱出する際に父親が自分にかけてくれた上着を抱きながら涙したのです。
「お父さん、あなたとの約束をやっと果たしました。…でも辛かった。」
何があっても家族を守るという約束を果たしたドクスは、ようやく父親との約束から解放されました。
「釜山の国際市場にあるコップンの店で会おう!」
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「もう年を取りすぎていて(お父さんは)来ないよ…」
もう父親とは会えないと気づいたドクスは、ついに「コップンの店」を売りに出すことを決意しました。
ドクスとヨンジャ、2人が釜山の街を眺め、空には蝶が舞っています。
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『国際市場で逢いましょう』感想:1人の男が韓国の歴史とともに駆け抜ける
韓国・激動の時代を2時間で駆け抜ける
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まるで大河ドラマを見ているようですが、テンポ良く進むので飽きることはありません。
主人公・ドクスの波乱万丈な人生は、激動の時代背景によるものでした。
朝鮮戦争~西ドイツへの出稼ぎ~ベトナム戦争~離散家族の再会が1つの作品で描かれています。
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西ドイツ炭鉱への労働者派遣は1963年~78年まで続いていました。
また、ドクスの妻となるヨンジャも看護婦として同じように出稼ぎに来ていたように、看護婦の派遣も行われていました。
ドリームというわけではなく、ただ単に経済が苦しく家族を養うために、単身海外へ出稼ぎに行く人が多かったのでしょうね。
離散家族の番組については、1983年にKBS放送が「離散家族を探します」という特別番組を放送したという記録があります。
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ドクスもこの番組で奇跡的に妹のマクスンを探し出し、無事再会を果たすことができました。
激動の時代を生き抜いたドクスですが、ベトナムからヨンジャに送った手紙に「辛いことがたくさんあるけど、これを経験するのが自分たちの子供じゃなくて、自分で良かった」という部分があり、本当にそうだなと思うとともに、ドクスの自己犠牲精神に胸が痛みました。
最後まで一度も涙を流さず、家族に対しての笑顔を絶やさなかったドクスだからこそ、ラストシーンでは解き放たれたように泣いたのでしょう。
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1人の男の人生を演じきったファン・ジョンミン
今作で主人公のドクスを演じたのは、「1億俳優」ファン・ジョンミン。
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悪役から素朴な青年、スパイまで何でもこなすファン・ジョンミンが、『国際市場で逢いましょう』では、主人公の20代~70代までの人生を1人で演じきりました。
70代のドクスは特殊メイクで、メイク時間は3時間を費やしたそう。
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スゴイのが『国際市場で逢いましょう』に至るまでに鑑賞したすべての作品が、面白いということ。
まだ未鑑賞の作品もあるのですが、この人が出ている作品は全部面白いんじゃないか…と勝手に予測しています。
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SNSでのみんなの感想・評判
「国際市場で逢いましょう」ユノのナムジン見たくて行ったけどそんなの全然関係ない映画だった。もう泣きっぱなしだったな〜またこんな素晴らしい映画に出てほしい✨
YUNHO from 東方神起 Burning Down #俳優ユノ名場面 #ユノ祭り開催中 pic.twitter.com/aJYVfVyQzn— kazuyuno (@jonasujonasujon) March 12, 2017
国際市場で逢いましょう
朝鮮戦争の頃から現代までの激動の時代を家族のために生きぬい男性とその家族を描くヒューマン映画。当時の生きるための方法や時代背景が見えて、後半は涙。一家を支える主人公の懸命さに拍手。#국제시장 #ファンジョンミン #キムユンジン #オダルス #ここれぽ pic.twitter.com/mrj267fRS1— ここさん (@_LOKO89) May 19, 2020
国際市場で逢いましょう(2014)❤︎
朝鮮戦争から始まる感動の実話。
最初から最後まで涙が止まらない、、
韓国の時代背景を理解するならこれを見るべき!といえるほど凄く心に残った映画!
この映画を見てから釜山に行きたい pic.twitter.com/jArEMS7H1P— (@_ntis14__) May 2, 2020
1950年代~現代までの韓国の歴史がわかりやすくまとめられている点でも、たくさん知ることがあって勉強になる作品だと思います!
ちょいちょい有名人が登場して主人公に絡んでいく様子も、『フォレスト・ガンプ 一期一会』っぽさがあって面白いアイデアでした。
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その他にもヒュンダイの創設者チョン・ジュヨンや有名ファッションデザイナーのアンドレ・キム、相撲選手イ・マンギなども登場しました。
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『国際市場で逢いましょう』まとめ:ラストにやっと救われた…
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- 1950年代~現在に至るまでの韓国の人々が経てきた出来事がわかりやすく描かれている
- 家族を守るという父親との約束=呪いのようなものでもあったが、呪いが解けたラストに安堵した
- 韓国旅行に行きたい気分にさせてくれる!
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父親との約束はいつしか呪いのようなものになっていて、それが解き放たれた瞬間のドクスの涙には観ている側も、もらい泣きをしてしまうほど。
辛いことばかりだったドクスの人生でしたが、最後にはたくさん家族が居て、とても幸せになったんじゃないかと思います。
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これは「コップニネ」という、映画「国際市場で逢いましょう」のロケ地になった店です。看板の左に映画のポスターが貼ってあります。釜山の人気観光地のひとつ。 pic.twitter.com/bxk3sH2Ge3
— tamarind (@tamarind2015) April 4, 2019
私は釜山・国際市場に実際訪れたことがあるのですが、この作品を知る前だったので今再び行きたい気持ちに駆られています!
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