『遠い空の向こうに』あらすじ・ネタバレ感想!ロケット作りを夢見た少年の実話を基にした感動青春映画!

『遠い空の向こうに』

出典:U-NEXT

思春期、閉鎖的な炭鉱の町、兄へのコンプレックス、父親との衝突、夢、仲間、応援してくれる教師。

『遠い空の向こうに』は、少年期の全てが詰まったと言っても過言ではない青春を感じられる作品でした。

ポイント
  • ロケット制作を夢見る少年
  • 炭鉱と父親
  • 最後まで応援してくれた仲間と教師

それでは『遠い空の向こうに』をネタバレありでレビューしていきたいと思います。

『遠い空の向こうに』作品情報

作品名 遠い空の向こうに
公開日 2000年2月26日
上映時間 108分
監督 ジョー・ジョンストン
脚本 ルイス・コリック
出演者 ジェイク・ギレンホール
クリス・クーパー
クリス・オーウェン
ローラ・ダーン
チャド・リンドバーグ
ナタリー・キャナディ
音楽 マーク・アイシャム

【ネタバレ】映画『遠い空の向こうに』あらすじ・感想


October Sky

『遠い空の向こうに』は実話を基にした映画です。

映画の原題は「October Sky」で、映画の原作タイトルの「Rocket Boys」のアナグラムになっています。

とーる

遊び心のあるタイトルですよね。

1957年10月。

ソ連が打ち上げた人類初の人工衛星が、一人の少年の頭上を飛んでいきました。

少年の名前はホーマー(ジェイク・ギレンホール)。

『遠い空の向こうに』

出典:IMDB

町の建物はもちろん、人すらも炭鉱会社の所有物という、炭鉱が全ての町です。

町で育った人間は、特別な才能がない限りは炭鉱で働くことが当然という町でもありました。

兄はアメフトでずば抜けた才能を発揮し、奨学金をもらって大学に行くことが決まっています。

父親(クリス・クーパー)も兄を認め、試合があると毎回足を運んでいました。

そんな中、ホーマーはロケットを作ることを決意します。

しかしロケットを作る知識などありません。

花火の火薬を円筒に詰め、母親お気に入りの柵を吹き飛ばしてしまいました。

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ホーマーは、学校の変わり者でロケットに詳しいクエンティン(クリス・オーウェン)と友達になります。

そこからホーマーと友人3人は、試行錯誤しながらロケット作りを始めるのです。

「全米の科学コンテストで優勝すれば奨学金を受けて大学に行くことができる。」と知った4人。

そのために、まずはロケットを作らなければいけません。

とーる

ホーマーが歩もうとしている道は、友情や学校のことだけでなく、炭鉱の町であるがゆえの問題や、兄しか認めない父親との確執もありました。

一度は学校を辞め炭鉱で働く道を選んだホーマーでしたが、ホーマーが諦めなかったからこそ、ホーマーたちが作ったロケットは科学コンテストで優勝し4人とも大学に行くことができたのです。

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ちなみに実在のホーマーは、最終的にNASAに勤めることができました。実際に、少年の頃の夢が叶ったのです。

仲間との関係

ホーマーにはロイ・リーとオデルという仲のいい友人がいます。

ホーマーがロケットを作ると言い出した時も、バカにしつつ付いてきてくれた友人たちです。

そしてホーマーが、変わり者でロケットに詳しい同級生クエンティンと友達になった時も、ロイ・リーとオデルは文句を言いつつも離れることはありませんでした。

中学生や高校生は、学校の人間関係が全てのように感じることがあります。

ロケットのためとはいえ、学校で変人扱いされているクエンティンを仲間に引き入れることは、少なくともロイ・リーとオデルには抵抗があったでしょう。

とーる

それでもホーマーから離れず、むしろロケット作りが進むにつれて夢中になっていく姿は、夢というものが人間関係を変える力を持っていることを感じさせます。

ホーマーが学校をやめて炭鉱で働くようになった時も、ロイ・リーとオデル、そしてクエンティンの3人は、ホーマーに学校の様子を伝えにきていました。

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ホーマーのロケットに対するひたむきな夢が、3人の人生を変えたのです。

教師との関係

ホーマーたちのロケット作りを誰よりも応援していたのは、教師のライリー(ローラ・ダーン)でした。

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原因不明の森林火災がホーマーたちの作ったロケットのせいにされ、校内でホーマーたちが手錠をかけられた時も、ライリーは校長に激怒していました。

ロケット作りに必要な本をホーマーのために取り寄せたり、ホーマーたちを危険因子と捉える校長に対して何度も立ち向かいます。

ホーマーたちのロケットが成功し、科学コンテストで優勝すると誰よりも強く信じていたのもライリーです。

ライリーがいなければ、ホーマーたちはロケットを作り続けられなかったでしょう。

教師という仕事に誇りと責任を持ち、ホーマーを信じ続けたライリー。

とーる

実はホジキン病という悪性リンパ腫にわずらっており、ホーマーがコンテストに優勝して町に戻ってきた時には、病院で最期を待つ状態でした。

町で最後のロケットを打ち上げることを決めたホーマーたちは、大勢の人たちが見守る中で、ひと際大きなロケットを空に打ち上げます。

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ライリーの名前が刻まれたロケットは白い軌跡を描いてまっすぐ空に飛んでいき、その姿はライリーの病室からもしっかりと見えました。

父親との関係

ホーマーの父親ジョンは炭鉱の責任者として、自身も現場で働いています。

ロケットを作ると言ったホーマーに対し、ジョンはロケット作りをやめるように言うのですが、当然ホーマーは聞きません。

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現実を見せたい父親と夢を追いかけたい息子。

とーる

どちらの気持ちもわかりますし、どちらが悪いとも言えません。きっとジョンも息子の夢を応援したい気持ちはあるはず…しかしこの町にいる限り、炭鉱で働くしか道はないのです。

炭鉱の事故でジョンは大ケガを負い、誰かが炭鉱で働かなくてはならない状況になります。

アメフトで奨学金を受け、大学に通うことになった兄は、長男だから責任持って自分が炭鉱で働くと言います。

しかしホーマーは自分が働くと言ったのです。

兄のアメフトの才能を潰したくなかったのか、いがみ合っていた父親を助けたかったのか、もしくはその両方かもしれません。

とーる

ホーマーが地下に潜るエレベーターに乗って夜空を見上げた時、星空の間を人工衛星が光りながら飛んでいくシーンは、ホーマーの悔しい感情や現実の厳しさといったものが一斉に押し寄せてきて、胸が締め付けられるようでした。

町で最後のロケットを打ち上げる時、ジョンは初めてホーマーたちのロケット打ち上げを見に来ます。

ホーマーはスイッチをジョンに渡し、ジョンにロケットを発射させたのでした。

とーる

親子のしがらみはまだ続くかもしれません。それでも、ホーマーがジョンにスイッチを渡したこと、そしてジョンがロケット打ち上げを見に来てスイッチを押したことは、今までの親子関係が一歩進んだように思えました。

ホーマーとジョンの関係は、ロケットの打ち上げをきっかけにまた一つ前進したのです。

夢は叶う

「夢は叶う」と、自信を持って言えなくなったのはいつからだろうと自問します。

そして、そのような人は少なくないと思います。

それは現実の厳しさを身をもって知ってしまったからなのか、それとも夢というものを持てなくなってしまったからなのか、要因は様々でしょう。

とーる

私は『遠い空の向こうに』を見て、夢を追いかけることが素晴らしいことに改めて気付かされました。夢に向かってひたむきな努力を続けるホーマーが眩しくて仕方ありません。
『遠い空の向こうに』

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『遠い空の向こうに』の原作は、アメリカの、ちょうどホーマーと同じぐらいの学年の教科書にも載っているそうです。

この話を読んで、少年少女たちはどのように感じるのでしょう。

『遠い空の向こうに』が、子どもから大人まで楽しめる映画であることは間違いありません。

同時に、きっと見る年齢によって違う感想を抱く映画でもあると思います。

とーる

何年後かにまた見たい作品です。

『遠い空の向こうに』あらすじ・ネタバレ感想まとめ

『遠い空の向こうに』

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以上、ここまで『遠い空の向こうに』をレビューしてきました。

要点まとめ
  • 「夢は叶う」実話
  • 思春期の少年と、それぞれの関係性
  • ロケットが少年の人生を変えた