『ノン子36歳(家事手伝い)』あらすじ・ネタバレ感想!坂井真紀×星野源のR-15指定作品

『ノン子36歳(家事手伝い)』あらすじ・ネタバレ感想!坂井真紀×星野源のR-15指定作品

出典:U-NEXT

東京で芸能人としてやっていたが夢破れて、マネージャーだった男と結婚するも離婚。

バツイチのノン子が実家の神社で家事手伝いという名目で過ごしているところに、祭りをきっかけに1人の青年がやってきます。

駄目になってしまった大人が新たな一歩を踏み出すまでの物語です。

ポイント
  • 監督・脚本は『私の男』の熊切和嘉と宇治田隆史
  • 主人公、ノン子と同じくらいの世代で夢も希望もない生活を過ごしている人は見たら何か変わるかもしれません
  • キラキラした世界ではない、妙にリアルで生々しいやるせない世界の話

それでは『ノン子36歳(家事手伝い)』をネタバレありでレビューします。

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『ノン子36歳(家事手伝い)』作品情報

『ノンコ36歳(家事手伝い)』

(C)2008「ノン子36歳(家事手伝い)」Film Partners

作品名 ノン子36歳(家事手伝い)
公開日 2008年12月20日
上映時間 105分
監督 熊切和嘉
脚本 宇治田隆史
出演者 坂井真紀
星野源
津田寛治
佐藤仁美
新田恵利
舘昌美
宇津宮雅代
斉木しげる
鶴見辰吾
音楽 赤犬

【ネタバレ】『ノン子36歳(家事手伝い)』あらすじ


坂東ノブ子、36歳、バツイチ

タバコを買いにちょっと出ただけで持ち合わせもなく昔の同級生・富士子(新田恵利)の営むスナックへ行きツケで酒を飲む女、坂東ノブ子ことノン子(坂井真紀)。

36歳でバツイチ、東京で芸能人を志して上京しましたが夢半ばで挫折し今は実家の神社で家事手伝いをしています。

『ノンコ36歳(家事手伝い)』

(C)2008「ノン子36歳(家事手伝い)」Film Partners

ある時、ノン子の住む町に“水無月祓祭”のチラシを手に降り立った青年がいました。

ノン子が神社の敷地内でタバコを吸っていた時、見慣れない青年から声をかけられます。

青年は藤巻マサル(星野源)、神社での祭に出店を出そうと考えているのだけれど、ゲートを出すならどこがいいか?と尋ねてきました。

下見に来たという彼は“場所取り”と言ってブルーシートを敷きますが、注意されてしまいます。

それでも、お願いしますと頭を下げるマサルは祭の露天商を取り仕切っている安川時生(津田寛治)に会いに行きますが留守でした。

時生の顔はわからないけれど1人で待つというマサルにノン子は「誰か来たら声をかければいいよね」と言って帰ろうとしますが、なんとなく放っておけなくて同級生のスナックに連れていきます。

そこで富士子から冷やかすように芸能人だったころの話をされて、機嫌を悪くしたノン子は「電話してくる」と言って外に出てしまいます。

残されたマサルは酒を飲み、気が付くと朝でした。

目が覚めた見知らぬ部屋はノン子の実家でした。

なぜここにいるのかわからずノン子の父(斉木しげる)に聞いてみると「恥をかかすな」とどうやら怒っている様子。

マサルは素直に祭で出店を出したくて来ただけだと話しますが、結局時生のところに行けと言われてしまいます。

宇田川という男

ノン子とマサルは再び時生を訪ねて行きましたが、業者に頼んでいるから新規の人を許可なく入れるわけにはいかないと突っぱねられてしまいました。

落ち込むマサルにノン子は「時生はああ言ったけど気にしなくていいと思うよ」と言いました。

『ノンコ36歳(家事手伝い)』

(C)2008「ノン子36歳(家事手伝い)」Film Partners

マサルは「自分もそう思ってた。時生はヤクザみたいな人だから、ああいう人たちは結局のところ義理人情だから」と言いました。

そしてそのあと、一緒に来てくれたお礼にとノン子を自転車の後ろに乗せて送り、夜。

マサルが持っている世界地図を見たノン子は、それが何かと聞きました。

マサルは世界に出たいという野望を語ります。

何もないノン子は夢をもっているマサルに「いいなぁ」と言いました。

翌日、ノン子はマサルを家に連れて帰ります。

そして「この子ね、しばらくうちにいるから」と言いました。

祭の設営をしている様子を見ていた時、マサルは「やっぱり行きます」と言いましたが、ノン子は引き留めるように「彼女とかいるの?」と話しかけました。

そしてまたノン子の町に降り立った男性がいました。

ノン子の家に電話をかけ「東亜出版の者ですが」と嘘をつく男は、ノン子の元マネージャーであり元夫の宇田川(鶴見辰吾)でした。

やり直そうか、という甘い言葉

宇田川から呼び出されてノン子は会いに行きます。

宇田川は夫婦としてではなく業界の話として「やり直そうか」と言いました。

知り合いが立ち上げた制作会社に業務提携してタレントを売りだそうと計画していて、ノン子には看板タレントになって欲しいと言うのです。

名刺のサンプルまで見せてきた宇田川ですが、ノン子は以前“全部を駄目にした”宇田川のことを信用しきれませんでした。

宇田川にそそのかされるように絆されて体まで許してしまうノン子。

『ノンコ36歳(家事手伝い)』

(C)2008「ノン子36歳(家事手伝い)」Film Partners

その日は帰らず、翌朝ノン子の母(宇津宮雅代)は「携帯が繋がらない」と言いました。

ノン子のいない朝、どこかへ電話して何かを10箱注文したマサルはノン子の父に声をかけられ丸太を運ぶ手伝いをさせられます。

夜になってノン子が帰って来ますが、家族ともマサルとも話をせず部屋にこもってしまいます。

そんな日の夜中、なかなか寝付けなかったマサルが冷蔵庫を開けているとノン子がビールを飲みに降りてきます。

マサルは昼間に父の手伝いをしたこと、くたくたなのに眠れないことを話しました。

ノン子は唐突に「来ない?あたしの部屋」と言いましたが、ちょっと驚いたマサルが聞き返すと「何でもない」と言って部屋に戻って行きました。

ノン子の傷を癒やす者

神社のお祭りの準備も佳境に入った頃、ノン子の家に大量のヒヨコが運ばれてきました。

いつかマサルが10箱も注文したものでした。

養鶏場でバイトをしていた時に知り合った人からタダ同然で譲ってもらったというヒヨコは天然の色をしていました。

よく祭りで売られているカラフルな色のヒヨコが可哀想で、マサルは天然の色のまま出店で売りたかったと言います。

マサルが庭でヒヨコを見ていると一匹が脱走してしまいます。

すばしっこく走り回って花畑の中を駆け回るヒヨコを、マサルとノン子が追いかけていると冷ややかな声で「本当だ、男が住みついてる」と声をかけてきた女がいました。

ノン子の妹、クミコ(佐藤仁美)です。

夫と娘を連れて帰ってきたクミコは、いい年をして落ち着かないノン子を「イタイ」と言って軽蔑します。

その夜、大荒れのノン子は自転車に乗ってどこかへ出かけていきました。

翌日、マサルが死んでしまったヒヨコを庭に埋めて手を合わせて部屋に戻るとノン子がやってきて突然「キスしよう」と言います。

ひどく落ち込んだ様子で誰でもいいからキスがしたいと言うから、ひそかに想いを寄せていたマサルはノン子を求めますが、ノン子は自分から誘っておいて「誰でもいいのかよ」と突き放しました。

『ノンコ36歳(家事手伝い)』

出典:Netflix

不機嫌なまま家を出たノン子は神社でおみくじを引きます。

結果は大吉。

後ろをついてきていたマサルはそれを見て「こういうのはね、当たるんですよ」と言っておみくじを結びに行きます。

普通にみんなが結ぶところに手をかけたところで、もっと高いところがいいと言うノン子のためにマサルは肩車をして木の高い場所に結ばせようとしました。

もうずっと見ていなかったような無邪気な笑顔で楽しそうに笑う様子を、ノン子の父が見ていました。

ノン子が踏み出した一歩

神社から母屋に戻ってノン子はさっきのことを謝るように「別に誰でもいいってわけじゃなかった」と言いました。

そのまま2人はキスをして、体を重ねます。

行為のあと、マサルはノン子のことが好きだと伝えて、祭りが終わったら一緒にどこかに行こうと誘います。

しかしノン子は東京に戻ると言い出しました。

何もかもめちゃくちゃになればいいと思っていたけれど、まだやれる。頑張ろうと思う、と言うのを聞いてマサルは励まします。

祭りの当日、ノン子は晴れやかな顔で御神楽の練習を見ていました。

そこに現れたのは妙な変装をした宇田川でした。

ノン子は「行ってもいいよ、東京」と言います。

その頃マサルは時生に、場所を貸してくださいと頭を下げていました。

しかし義理も人情もない時生が露天商の輩に「こいつをどうにかしろ」と声をかけ、マサルはボコボコにされてしまいます。

騒ぎになってしまったせいでノン子の父からも「出て行け」と言われたマサルが足を引きずりながら歩いていると、ノン子が宇田川と話しているところを見掛けます。

少し前に宇田川が話していた東京でやり直す話は嘘でした。

実際のところはノン子を借金の保証人にしようとしていただけだったのです。

ノン子が宇田川を殴ったところにマサルが現れて、ノン子は母屋へ逃げるように走って行きます。

外の祭囃子に耳をふさいで「うるさい!」と叫んだ少しあと、急に祭囃子が止んで外が静かになりました。

ノン子を追いかけてきたマサルが庭先にあったチェーンソーを持ち出して祭り会場で振り回し、めちゃくちゃにしていたのです。

ノン子に名前を呼ばれてマサルは神社の外へ逃げようとします。

その途中でヒヨコの入った箱をひっかけて、ヒヨコが箱から逃げ出しました。

地面を覆う黄色を挟んで向こうにいるマサルは、すがるようにノン子に手招きをしました。

2人は手を繋いで、電車に乗って逃げていきます。

靴も履かずにボロボロの顔で、マサルは「どこまでだって行きますから」と笑いました。

やがて到着した終点の駅で、ノン子の代わりにタバコを買いに行ったマサルが戻ってくると、そこにノン子はいませんでした。

季節が夏になった頃、自転車を走らせるノン子は道端で一羽のニワトリを見つけます。

逃げるニワトリを追って河原に辿りつき、やっと捕まえた時。

足をすべらせてそのまま川にダイブして頭からびしょびしょになったノン子は、なんだか楽しげに笑いました。

【ネタバレ】『ノン子36歳(家事手伝い)』感想

駄目な大人たちの物語

vitovito

ノン子36歳(家事手伝い)』は別段めちゃくちゃ好きな映画というわけでもないんですけど、もしかしたらタイトルから知らない人もいるんじゃないかなという所を突いていきたい私としてはいつか記事を書こうと思っていた作品です。

2020年6月、コロナで延期になっていた『MIU404』の放送が始まり、『逃げるは恥だが役に立つ』の再放送もあり、俳優としての星野源が出演している作品について書くならタイミングとしてはちょうどいいかなと思った次第です。

ストーリーとしては夢破れてバツイチにもなった36歳の女性が地元でやさぐれ生活をしているところに、夢を追う純朴な青年がやってきて心を開いていく…という物語。

やさぐれているノン子の駄目な大人っぷりがもう、これ以上ないってほどに“駄目な大人”。

元夫の宇田川も嘘をついてノン子とやり直そうとするあたりマジで駄目だし、組合の手続きとかもせずアポなしで祭り会場に出店を出したい!って乗り込んでくるマサルも駄目。

そんな3人がそれぞれに過ごす数日間の話です。

割と何も省略してないベッドシーンが2度あります。

vitovito

生々しい系のやつです。一般的に「体当たりの演技!」とか言われる感じのやつです。私はあんまりその言い回しは好きじゃないのでしませんけど。おーい!星野源の濡れ場が見れるぜ!くらいのことは言いますけど。

それはさておき、何かが少し違っていたら、誰かと誰かは幸せになったかもしれないと思えるような話でもなく。

もう何をどうやっても結末は同じだっただろうな、という話。

でも最後の場面でのノン子は、祭り近辺の頃のスッピンにダルダルの服にサンダルとは身なりが違っていたからたぶんちょっと生活が変わったんだと思う。

東京に戻って芸能人としてやり直す、とは違う方向で何か人生の転機を掴んだんだと…思いたいです。

vitovito

キャストの誰かしらのファンじゃない限り見る機会のない作品かなぁという気がしますが、駄目な大人がこぞって何もなしえない映画っていうのもたまには悪くないですよ。

星野源という人について

こういう記事において主演について掘り下げて書くのがセオリーかもしれませんが、私は自分が見るきっかけになった星野源についてちょっと書きます。

vitovito

逃げるは恥だが役に立つ』までは、普通の人・どこにでもいそうだけどあんまりいない人を演じるのにちょうどいい人って感じだったなという印象です。個人的には『逃げ恥』の平匡さんがそのイメージの最たるものでありピークだったかなぁと思います。

ノン子36歳(家事手伝い)』のマサルは、まだそっち寄りの“普通の人”な雰囲気だと思います。

純粋というか純朴、みたいな。それなりに傷ついてそれなりに未来を夢みて人並みに生きている人って感じの。

vitovito

だからブチ切れてチェーンソー振り回しちゃったんだね…そうだね…。学校のクラスでおとなしい子が切れると突拍子もないことをするパターンのやつだ…と思いました。それはそれとして。

夢破れて息をするようにやさぐれるノン子にとってマサルはちょっとまぶしいくらいの存在だったんじゃないかなぁなんて感じたりします。

だから最後の方で一緒にどこかに逃げようとした、みたいな。

結局はノン子だけ実家に戻っちゃうわけですけど。

vitovito

私はそこまで星野源という人について詳しいわけではないけれど、演じてきた作品のいくつかは見てきたし『MIU404』も見ています。

ふり幅が広くてどんな役でもできるいわゆるカメレオン俳優、とは少し違うけど彼もまたどんな役にも染まれる人なんじゃないかなと、思います。

だからもっと色んな役を演じるところを見てみたい。

ダンスが踊れて楽器が演奏できて歌も作って歌えてエッセイストとして文章を書けてお芝居もできて多才な人ですよね…素敵だなぁ。

もちろんそれが恐らく“好き”から生じる努力のもとに成り立っているんでしょうけど。

星野源の書く詞、選ぶ言葉には彼にしかない感性があるわけで。

vitovito

時に自分が許されたような気持ちになれたり、はっとしたり、グサっと何かが刺さったりするわけですよ…私は。

そんな彼がお芝居を通して、その役として紡ぐ言葉のニュアンスだったり温度みたいなものを感じるのもまた心地よかったりします。

声に安心するからっていうのもあるかもしれないけど。

vitovito

ちなみに私が一番好きな星野源の歌は「化物」です。

3枚目のアルバム「Stranger」に入っているので機会があったら聴いてみてください。

『ノン子36歳(家事手伝い)』あらすじ・ネタバレ感想:まとめ

以上、ここまで『ノン子36歳(家事手伝い)』をレビューしてきました。

ポイント
  • 駄目な大人たちが少し夢をみたり未来に希望をもってみたりしながら過ごす数日間の物語
  • ノン子やマサルの感情が爆発する場面はこっちまで揺さぶられたりスカッとしたりする…かも
  • フィクションなのにどこか生々しく、同じような経験がなくても胸のどこかがチクっとする作品です

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