野島伸司脚本ドラマおすすめ10選!名言多し!王道恋愛ドラマから社会派、問題作まで代表作を総まとめ

野島伸司脚本ドラマおすすめ10選!名言多し!王道恋愛ドラマから社会派、問題作まで代表作を総まとめ

出典:FODプレミアム

野島伸司は1963年生まれ、新潟県出身のドラマ・映画の脚本家です。

88年『時には母のない子のように』で第2回フジテレビヤングシナリオ大賞を受賞し、同年フジテレビ系連続ドラマ『君が嘘をついた』で脚本家デビューをします。

4作目の『101回目のプロポーズ』でブレイク後、人気脚本家としてヒット作・問題作を世に出し続けています。

初期のラブストーリーもののトレンディドラマを多く生み出した後、暴力、いじめ、障害者、自殺問題など現代社会の暗部を独自の視点で鋭く切り取った作品を多く手がけはじめました。

自分を固定していない、完成していない、いろいろなものに刺激を受けやすい若者をターゲットとする姿勢は変わらず、批判を受けたり視聴率に伸び悩んだとしても作品としてクオリティが高く、後に忘れられない“いいドラマ”を残したいという姿勢を崩していません。

主役とバーターで主題歌を決められることに抵抗があった野島は、自分が良いと思ったテーマソングを使い続けることにもこだわっています。

そんな野島の作品はどれも面白く感動的ですが、あえておすすめ10選してみました。

野島伸司脚本ドラマおすすめ10選

『高校教師』

『高校教師』

出典:U-NEXT

高校教師』は1993年1月期TBS系「金曜ドラマ」枠で放送されました。

主演は真田広之桜井幸子です。

教師と生徒の恋愛・同性愛・強姦・近親相姦・自殺など、当時すでに問題となっていた「社会的タブー」を真正面から扱った作品として、大きな反響を呼びました。

登場人物らの背景に何があるのか、最終回の結末はどうなるのかなど、サスペンスの要素を織り込んだことも、それに拍車をかけました。

続編が2003年1月期に放送されますが、ここではより感銘を受けた第1期の『高校教師』に限定してレビューします。

野島伸司は「近親相姦」をテーマとした作品を提案しましたが、当初プロデューサーらは嫌悪感を抱いたそうです。

しかし、野島の「ギリシャ神話のような作品を作りたい」という言葉に感銘を受け、直接的な性的描写を抑えた、繊細で透明感のある作品を目指しました。

ドラマでは大人同士を除いてキスシーンがなく、全てそれを連想させるだけにとどめた演出になっています。

『高校教師』は、完成度の高いドラマです。

野島伸司がきちんと世界をつくっていて、撮影に入る前に最終話まで台本が書き上がっていたということです。

人はなぜ人を愛してしまうのか、聖職の中ではタブーとされていた教師と生徒の恋を描くことにより、野島氏は愛とはなんなのか?を伝えたかったとのことです。

主人公の羽村隆夫(真田広之)は、生物教師とし日向女子高校へ赴任する日の朝、駅の事務局で、同校の生徒・二宮繭(桜井幸子)と出会います。

教師と生徒という関係はいつしか素直な自分をさらけだせる存在へと変わっていきます。

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野島氏はあえて社会のモラルを壊したものを作りました。時代のこれから起こる事件を、常に先読みしていたのかもしれません。

ドラマの中では羽村の心情がナレーションとして読まれていて、情緒的でドラマの中に入り込んでいく効果があります。

羽村は繭との出会いを「君は覚えているかい?あの頃から、僕たちは徐々に自分の存在を互いの心の中に見ることができたんだね。」と語っています。

とても詩的なセンスがあります。

羽村には繭に向かって泣いてしまう弱い男の部分もありました。

男性として成熟しきれていない危なさが描かれています。

野島氏の求めている愛は、永遠の少年が愛とか恋に夢を見ているような揺らぎ感があります。

繭は実の父から性的暴行を受けていました。

繭の父に強姦されてしまうシーンを目撃してしまった羽村は、その後の複雑な心理を語っています。

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「心の中で小さく安堵のため息をもらしていた。あの時の僕は、君の顔をまともに見ることすら、きっとできなかった。」弱い男の象徴でしょうか。

繭を父からかばうために、自分のアパートにかくまっている羽村は「あの頃の僕たちは、ただ、そこに砂の城を築こうとしていたんだね。」と語っています。

野島氏は砂の器のような崩れゆく脆いものの象徴をラストシーンにしたかったのです。

羽村が繭の父をナイフで刺してしまうシーンの後で、「いつか君と僕は、同じ一線で結ばれた優しい放浪者だった」と語ります。

ギリシャ神話の悲しい王子様、お姫様さながらで詩的だなあと感じました。

最終話では新潟県柏崎市青海川が舞台になり、繭と羽村が愛の逃避行をするシーンで幕を閉じます。

駅のホームのバックには日本海がゴーゴー流れていてまさに愛の氷結のような映像でした。

『高校教師』

出典:U-NEXT

野島氏は新潟県柏崎市の生まれで、あえて故郷を最後のラストシーンに持ってきたのです。

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ドラマの中に出てくる素敵な映像のシーンも印象的です。窓ガラス越しのキスシーン、 駅のホーム越しの秘密の会話、 理科室での真っ暗な部屋で映写機に映る先生の影で抱きしめあう、 ラストシーンの電車の中で赤い糸を小指と小指で結びあう…映像の演出は、記憶に残ります。

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『101回目のプロポーズ』

101回目のプロポーズ』は1991年7月期フジテレビ系「月9」枠で放送されました。

浅野温子と武田鉄矢のダブル主演で話題となりました。

トレンディ女優の代表であった浅野の相手役としてトレンディとはかけ離れたイメージの武田が抜擢され、当初は否定的な意見が多かったのですが恋愛に不器用な中年男を熱演した武田が大きな評判となりました。

言わずもがなの野島伸司の代表作です。

社会派ドラマを描き始める前に、こんなラブコメの名作を描いていたのです。

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野島伸司の振り幅の広さに驚きます。名ゼリフ、名シーンを残すのが野島作品の特徴ですが、今も脳裏に浮かぶほどやはりあのシーンは強烈です。

第6話のラストシーンでした。

再び恋人を失うことを怖いと告白する浅野が演じる薫の前で、武田が演じる達郎がダンプカーの前に突如飛び出し、間一髪の所でダンプカーが止まった後に達郎が絶叫します。

「僕は死にましぇん。僕は死にましぇん! あなたが好きだから、僕は死にましぇん。僕が、幸せにしますからぁ!」武田は熱演の余り「僕は死にません」を博多弁で「僕は死にましぇん」 と発音し、それはそのまま同年の新語・流行語大賞となりました。

ダンプカーのシーンはスタントマンを使わずに武田自らが演じたものだというから大した度胸です。

ドラマのBGMはピアノやクラシック音楽を重点的に使用して音楽面を重視しており、本作から月9枠のドラマはステレオ放送となりました。

主題歌はCHAGE&ASKAの「SAY YES」、あのシーンを思い浮かべると自然と流れてきます。

浅野温子演じる矢吹薫〈30〉はオーケストラのチェリストです。

3年前、結婚式の当日に事故死した元婚約者のことが忘れられませんが、母親の強引な仕切で不本意ながらお見合いをし、達郎と出会います。

断りを入れても食い下がってくる達郎を疎ましく思っていましたが、達郎のひたむきさ、一途さに徐々に惹かれていくようになります。

恋の病というのはほんとにあるんだなというくらい、恋に狂う様が見事に表現されていました。

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純粋で真っ直ぐな気持ちが見た目に勝るくらい人を惹きつけられるのだということも伝わってきました。

兄想いの達郎の弟・純平(江口洋介)も爽やかで良かったです。

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『人間・失格〜たとえばぼくが死んだら』

人間・失格〜たとえばぼくが死んだら』は、1994年7月期TBS系の「金曜ドラマ」枠で放送されました。

野島伸司脚本のイジメに関する問題をテーマに綴られた社会派ドラマです。

当時はイジメの問題が深刻化し始めてきた頃で色々と問題にはなっていました。

しかし、なんの解決策もなくイジメられた子の自殺という悲しいニュースが次から次に報道される時代になっていました。

そんな社会に向けて、問題提起をするかのようにこのドラマはスタートしました。

名門私立中学校を舞台にした物語で、イジメ、体罰、虐待、自殺、父親の復讐、親子の絆などが描かれました。

大きく分けると前編が名門中学での誠(堂本剛)への陰湿、過激なイジメ問題を中心に描写され、後編からは誠を殺した者たちへの衛(赤井秀和)の復讐劇が中心です。

前編の話にかなり過激なイジメや体罰描写があり、倫理的・道徳的にタブーとされる話題を数多く扱ったことから視聴者からの批判が多くありましたが、後半の展開で徐々に視聴率を上げていきました。

問題作ではありますが、「衝撃的」という意味ではとにかく「すごい」ドラマです。

本作をきっかけに堂本剛と堂本光一の2人は俳優として注目を集めることとなり、その後のブレイクに繋がりました。

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とくに名演技を見せてくれていたのが堂本剛です。彼は壮絶なイジメに遭い憔悴する難しい役柄を見事に演じていました。赤井英和にとっては本作が連続ドラマ初主演で、これまた当たり役となりました。

主題歌がサイモン&ガーファンクルの「冬の散歩道」で最終回に流れた曲が「明日に架ける橋」でした。

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野島伸司が未来に希望を紡いでゆきたい気持ちを表したかったのでしょう。残念ながら、その未来である現在もイジメの問題が後を絶ちません。根が深い問題です。

『ひとつ屋根の下』

ひとつ屋根の下』は第1作は1993年4月期、第2作は1997年4月期、ともにフジテレビ系列「月9」枠で放送されました。

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今のドラマにピンと来なくても当時の名作ドラマがとても懐かしく感じることがあります。「ひとつ屋根の下」はそんな名作ドラマの1つです。熱く切ないドラマだったことは忘れられません。

チューリップの「サボテンの花」にのってドラマが展開されていました。

このドラマは両親の死後離ればなれに暮らしていた兄妹たちが、再び一つ屋根の下で暮らすという家族愛をテーマにしたドラマです。

野島伸司の脚本力でドラマ大ヒットし、フジテレビの連続ドラマ史上最高の視聴率を記録し、達也のセリフ「そこに愛はあるのかい?」は流行語になりました。

またトレンディドラマの象徴的枠「月9」でホームドラマが記録的ヒットとなったことにより、ホームドラマブームが一時復活するきっかけとなりました。

主人公で長男の柏木達也(江口洋介)が自身の結婚を報告する為に離れて暮らしていた弟や妹達を訪ねていく所からドラマは始まります。

妹の小雪(酒井法子)以外の兄妹は反応が悪く、達也は落胆してしまいます。

末っ子の文也(山本耕史)が車椅子生活をしているのを見た達也は、文也を引き取り一緒に暮らすことを決め結婚は破談となります。

達也の家には次第に兄妹達が集まってきて一緒に暮らすようになりました。

達也が小梅のアルバイト先の先輩を好きになりますが、他の男性と結婚することを知り身を引きます。

傷ついた達也に対し、達也のことが好きな小雪は自分の気持ちを打ち明けましたが、達也は小雪を妹以上に考えたことはありませんでした。

一方雅也(福山雅治)は小雪が柏木家に来た時からずっと小雪を愛してきました。

雅也も小雪に自分の気持ちを打ち明けますが、小雪は、雅也の気持ちに応えることはできませんでした。

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このドラマの見どころは、達也、雅也、小雪の三角関係の行方です。

達也の気持ちに変化が見られた場面があります。

続編『ひとつ屋根の下2』で小雪が白血病になり入院している時、達也はふと見かけたウェディングドレスを買ったところです。

この時の達也は小雪を女として見て愛してあげたいという気持ちに変化が生まれていたように感じました。

しかし、小雪が実際に選んだ相手は雅也でした。

闘病中もずっと支えてくれた雅也に気持ちがあることに小雪は気付いたのでした。

この結末はいい意味で裏切られました。

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余談になりますが、このドラマの出演陣がすごいです。俳優はその時代を一世風靡しても時と共に忘れ去られていくものですが、『ひとつ屋根の下』の役者は現在も当時以上に活躍している人が多いのです。

雅也役の福山雅治の「あんちゃん」や「小雪ぃ…」というセリフは、現在でも芸人がモノマネをしています。

現在も役者として歌手としてバリバリです。

主人公・達也役の江口洋介は昔は長髪でしたね。

今は様々な方面の役もこなす俳優さんに成長しました。

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和也の恋人役の松たか子の風呂場シーンと、コスプレシーンは今やお宝映像です。

文也役の山本耕史は、車椅子に乗った歩けない役を見事にこなしていました。

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『愛という名のもとに』

愛という名のもとに』は1992年1月期フジテレビ系列の「木曜劇場」枠で放送されました。

主演は鈴木保奈美

最終回は脚本の野島伸司から「もう少し書きたいので時間を延長して欲しい」との要請もあって、当時としては異例の15分拡大版で放送されました。

トレンディドラマで高視聴率を記録したプロデューサー・大多亮が1967年の森川時久監督の映画『若者たち』と岡林信康のイメージで青春群像を発案し、野島伸司に話を持ちかけました。

一方、野島は1985年のアメリカ映画『セント・エルモス・ファイアー』と浜田省吾のイメージでそのアイデアを膨らませました。

この4つのイメージから本作の世界観が生まれました。

主題歌は浜田省吾「悲しみは雪のように」です。

ドラマ全体が浜省カラーで染め上げられ、ドラマのタイトルを浜田の曲の中から『愛という名のもとに』を選んだ他、ドラマ各回のサブタイトルにも浜田の曲名が並んでいます。

浜田は一部の熱狂的なファンに支えられている存在でしたが、本作起用でファン層が飛躍的に拡大しました。

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このドラマは、脚本家・野島伸司にとっても分岐点となるドラマです。

野島はデビューして以来コンスタントにヒット作を送り出してきましたが、取材というものをほとんどしてきませんでした。

しかし、このドラマでは様々な分野の人に取材をし、その意義を実感しています。

野島はこのドラマでその後の社会派ドラマ路線への足がかりを得たと言われていいます。

大学のボート部で青春時代を共に過ごした男女7人の仲間が、大学卒業から3年後に恩師の葬儀をきっかけに再会しますが、新しい生活と年月による思想の変化を実感します。

そして各人の持つ様々なトラブルが浮上してきます。

それぞれの理想と現実のギャップに悩み、もがき苦しみながらも、友情に支えられ前を向いて生きていこうとする姿が描かれています。

『愛という名のもとに』

出典:RakutenTV

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やはり、主演の鈴木保奈美、そして彼女を追いかける対照的な2人、江口洋介唐沢寿明の3トップがいい味を出しています。
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『プライド』

プライド』は2004年1月期フジテレビ系列の「月9」枠で放送されました。

トレンディドラマというジャンルを確立したプロデューサーの1人である大多亮が現場復帰後初の月9で野島伸司とタッグを組んだドラマです。

野島伸司は90年代にヒット作を次々と世に送り出し「野島神話」と言われましたが、90年代後半に視聴率が低迷し、野島伸司は時代遅れと言われることもありました。

そんな野島にとってこの『プライド』は久しぶりのヒット作となりました。

ドラマは、氷上の格闘技といわれるアイスホッケーに情熱を燃やす青年の奮闘をメインに、それに絡むOLとの恋愛模様、また選手との人間関係をリアルに描いた「スポ根ラブストーリー」です。

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主題歌や挿入歌にQueenが使われていたのは、氷上の女神(クイーン)と掛けていたのでしょうか?

改めて見ると無理があるなという箇所がなくはありませんが、若かりし頃の木村拓哉は文句なくかっこいいし、竹内結子はめちゃくちゃ可愛いです。

「時代遅れ」感は当然ありますが、今の時代から見ると「古き良き」にこそ新鮮さがあるとも言えます。

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それがこのドラマの世界観になっているのですが、この点は賛否両論別れそうです。

ドラマも木村に合わせて作られるのかなと思いましたが、やっぱり野島伸司の脚本だ!というものが随所に感じられました。

もう最後はこうなるだろう、というのがわかっているにもかかわらず、それを逆手にとって 魅せる魅せる、見ている人を引き込むその手腕はやはりすごいです。

主人公・里中ハルは実業団のアイスホッケーチーム・ブルースコーピオンズのキャプテンです。

ユニフォームに記載された名前は”HALU”。

恋愛をゲームに見立てて真剣に人を愛そうとしませんでしたが、亜樹が自分の求める「古き良き時代の女」ではと感じ変わっていきます。

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口癖は「maybe」ですが、最後の最後、ハルの「MustBe!」には完全にやられてしまいました!

今時ないしっかりした恋愛物かなと思います。

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『美しい人』

『美しい人』

出典:Paravi

美しい人』は1999年10月期TBS系の金曜ドラマで放送されました。

『TBS野島伸司シリーズ』の第5弾として知られる作品です。

作風は今までの4作と比べかなり過剰なシーンが減少しました。

田村正和と常盤貴子の連続ドラマ初共演で2人の恋愛物語が話題となりました。

野島脚本の中では、今までにない独自の雰囲気を持つ“大人の恋愛”ドラマとなりました。

田村が演じるのは腕利きの美容整形外科医。

この外科医に「自分の顔を変えてくれ」と頼み整形する女を常盤貴子、顔を変え逃げる妻を執拗に追っていく夫を大沢たかおが演じます。

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女性を慈しみ静かに愛する男と、狂ったように刹那的に女性を愛す男。このタイプの違う2人の男が繰り広げる“男の対決”、そして田村と常盤の愛の行方が描かれます。

岬京助(田村正和)は他人と何かを争ったり憎み合ったりする人たちが苦手で、欲望や自己顕示欲とは無縁の人間です。

かつては大学病院の外科部長を務めるほど優秀な外科医でしたが、他人と競争を好まない性格から、美容整形外科医の道に転じ開業しました。

ある日、美しい顔立ちの女(常盤貴子)が「あたしの全てを変えて欲しい」と京助を訪ねてきました。

不審に思った京助は依頼を拒否しますが、夫の暴力から逃げたいという理由を聞いた京助は女の顔を変える決心をします。

「好きな顔にしていい」という女の言葉に戸惑いながらも、京助は亡き妻の顔を新しい女の顔に選んだのでした。

このドラマの見どころは、対照的な男2人の演技です。

争いを好まず静かに暮らしている美容外科医役の田村正和ははまり役で、このドラマ全体に流れている空気感を作っていました。

それに対する大沢たかおは一見、優しそうな性格なのですが心の奥に「キングコブラ」のような凶暴性を持っている役で、こちらもシックリきました。

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そして、ストーリーが野島伸司の脚本っぽく、ちょっと社会派な感じや人間の暗い闇の部分を含めながら進行していく感じが、視聴者を引き込んでいきました。

ジェーン・バーキンの曲が使われており、オープニングで「哀しみの影」、エンディングで「無造作紳士」が流れます。

このちょっと「ささやき」系の歌声がドラマの雰囲気を彩っていて、ドラマの世界観や全体的な雰囲気ととてもマッチしています。

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『理想の息子』

理想の息子』は、2012年1月14期日本テレビ系の「土曜ドラマ」枠で放送されました。

「三度の飯よりも母が好き」というマザコン高校生と、「私のために家を買え!」と心の中で叫び続けながら息子を思うように操縦する母親を描いたコメディドラマです。

Hey! Say! JUMPの山田涼介鈴木京香のダブル主演です。

脚本は野島伸司が手掛けました。

ヒューマンドラマを根底に、愛らしくもおかしい母子のバトルを描いています。

さらに、野島は主題歌「SUPER DELICATE」の作詞も手がけておりそちらも話題となりました。

鈴木海(鈴木京香)は女手一つで必死に働きながら息子を育ててきました。

そして、母ちゃん大好き“ネオマザコン”高校生の鈴木大地(山田良介)は美しい母に言い寄ってくる男を排除しながら、必死で母を喜ばせようと成績優秀、素直で性格良の完璧な息子として育ちました。

ある日、海が新しくはじめたパートは超極悪な生徒ぞろいと地元では有名な男子高の学食でした。

「母ちゃんはオレが守る!」と一大決心した大地は通っていた有名進学校を勝手にやめ、母と同じ学校へ転校します。

不良たちに巻き込まれながらもその不良たちを変えていこうと努力する大地の奮闘物語がはじまります。

大地のクラスメートで“依存型マザコン”の小林浩司を「Hey!Say!JUMP」の中島裕翔、母に捨てられたという過去を持つ、大地の高校の先輩の三船憲吾を「Kis-My-Ft2」の藤ヶ谷太輔が演じており、ジャニーズファンにも見逃せません。

“超極悪”な生徒ぞろいの学校で、大地は次第に仲間を増やしながら友情を学んでいきます。

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友情とは何か、母性愛とは何かを学びながら成長していくドラマで、子どもを持つ親だけでなく子どもたちが見ても楽しめます。野島伸司でコメディー?と思いました。

「アホらしい」「極端すぎ」「幼稚」なのですが、次第に「やりすぎでアホらしくて面白い」と、徐々に巻き込まれていく感がありました。

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シリアスな演技の多い鈴木京香ですが、コメディーでもイキイキしていました。クールな役を演じてきた山田涼介は、セリフ回しのなめらかさやテンポの良さ、豊かな表情などが自然でコメディーが似合っていました。

ドラマ内では、「母の勘違い・思い込み→息子への無理難題」「柔道部先輩の頼みによる主人公の女装」「主人公がいたぶられる」など、お約束のパターンが毎回繰り返されます。

しつこく長くお約束ばかりを重ねていきますが、そのイライラ感の先にあるのはこれまたお約束の結末=主人公・鈴木大地が放つ「マザコンコアラパンチ」という爽快感です。

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このイライラ感と脱力感からくる笑いが何とも言えません。

『プラトニック』

プラトニック』は2014年5月期NHK BS日曜『プレミアムドラマ』枠で放送されました。

中山美穂主演、キャッチコピーは「愛したときが、彼が死ぬとき。」です。

心臓疾患を抱える娘を持つシングルマザーと彼女の前に突如として現れた、救世主のような謎の青年との悲劇的なラブストーリーです。

野島伸司書き下ろしのオリジナル作品であり、野島がNHKでのドラマの脚本を担当するのは初です。

本作のキャスティングについては中山美穂・堂本剛どちらも野島の強い希望により実現したそうです。

BSという衛星放送のため視聴率という枷から自由になり「無償の愛はありえるか」というテーマが深く追求されており、純度の高い作品となっています。

主題歌にはビリー・ジョエルの代表曲である「ストレンジャー」「オネスティ」を起用しています。

オープニングかエンディングかはその回によって入れ替わり、ドラマの中で出てくるセリフに歌詞が被さるシーンにも使われるなど文字通り「ドラマの主題を表す歌」として扱われています。

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野島作品が渋い主題歌選びに戻ってよかったです。

物語は心臓病の娘を抱えるシングルマザーの望月沙良(中山美穂)が、自殺志願者が集まるネットの掲示板に「どうせ死ぬなら、娘に心臓をください」と書き込むところから始まります。

ほとんどのコメントが罵詈雑言の中、沙良は「僕のハートを差し上げます」というコメントを見つけます。

心臓病のドナーとなるという意味と、心を全て捧げるという愛の告白のダブル・ミーニングとなっている実に気の利いた言葉です。

沙良は書き込みをした青年(堂本剛)と面談すると、青年は脳に腫瘍ができていて余命わずかでした。

はじめは青年を疑っていた沙良でしたが、徐々に信用するようになります。

そして第三者からの直接の心臓提供は、臓器売買となり禁止されているため2人は偽装結婚をします。

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これだけで、すごい展開にワクワクします。

ストーリーもさることながら、登場人物も野島作品らしく一癖も二癖もあり魅力的です。

特にここ数年はコメディドラマが多かった堂本剛演じる青年の、天使のような“浮遊感”のある演技が実に素晴らしく目が離せません。

また演出を担うディレクターがNHK職員ではなく、大塚恭司という日本テレビに籍を置く人間だということもこのドラマの面白さを高めています。

今後、他局ディレクターがBSやWOWOWで撮るケースが増えていくのかもしれません。

『お兄ちゃん、ガチャ』

お兄ちゃん、ガチャ』は2015年1月期土曜日深夜日本テレビ系で放送されました。

鈴木梨央と岸優太のW主演です。

また本作品の漫画化が決定し、千里みこ作画で「別冊フレンド」2015年2月号から連載されるという逆パターンになっています。

本作は野島伸司のオリジナル脚本で、小学生の女の子が理想のお兄ちゃんを探す姿を描くファンタジーです。

家族から家事全般を任されさえない毎日を過ごしていた雫石ミコ(鈴木梨央)は、お兄ちゃんを召喚することができる“ガチャコン”の存在を知ります。

専業主婦のような毎日から逃げたい一心でミコが“ガチャコン”を引きます。

ガチャで引いたカプセルを浴槽のお湯に1日浸けておくと、翌日にはカッコいいお兄ちゃんが誕生し、トイ(岸優太)と名付けます。

トイはお兄ちゃん契約の変わりミコに新しいお兄ちゃんを見つけてあげると約束し、ミコはガチャを引き続けることになります。

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ドSなお兄ちゃん、いつも笑顔なお兄ちゃん、イケメンなお兄ちゃん、ちょっぴり見た目は怖いけどいつも私を守ってくれるお兄ちゃん…そんな夢のような“お兄ちゃん”が次々と目の前に現れてきます。

お兄ちゃんと一緒に暮らし、途中までは「いいなぁ」と思うミコですが、お兄ちゃんの欠点が原因で処分するということが繰り返されます。

主演のトイを演じた岸を筆頭に、お兄ちゃんはジャニーズJr.のアイドルが演じていますが、お兄ちゃんの個性は埋もれてしまった感があります。

これはお兄ちゃんたちが使い捨てにされる入れ替え可能な存在であることを表しているのでしょう。

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それが一番現れているのが、5人の「お兄ちゃんズ」です。ミュージカル風に描かれるお兄ちゃんズの姿はバカバカしいですがどこか哀しいのです。

後半になると、無条件にミコたち妹を愛することが宿命付けられているお兄ちゃんたちの悲哀が際立ってきます。

逆にミコは結構あっさりとお兄ちゃんたちを処分してしまい、子どもの残酷さを通して、視聴者の姿を見せつけられているようです。

結果的に今までお兄ちゃんたちを商品として消費していたミコとナツコが、お兄ちゃんたちに捨てられる形となります。

面白いのはお兄ちゃんズ同士に仲間意識が芽生え、ガチャを作った博士の助手だったレイは博士と一緒に暮らすことを選択するということです。

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このあたりはBL的で、サブエピソードながらも印象的です。

『お兄ちゃん、ガチャ』で野島が描いた世界観こそ、このドラマ枠がジャニーズアイドルを使って描いてきたことの総括です。

『お兄ちゃん、ガチャ』はお兄ちゃん(アイドル)と消費者の関係を描いた問題作だったと言えるでしょう。

野島伸司脚本ドラマおすすめ10選・まとめ

30年以上のキャリアがある野島伸司のドラマは今回紹介した以外にもたくさんあります。

高校教師』『101回目のプロポーズ』など作られてから20年以上たった今でも楽しめて胸打たれるドラマが多いですし、古臭さも逆に今見れば新鮮に感じるかもしれません。

ぜひ見ていただきたいです。