2022年でデビュー10周年を迎えるアイドルグループ・乃木坂46は卒業生、現役生から女優を多数輩出していることも特徴です。
今回は乃木坂46に所属、過去に所属していた女優のおすすめ映画を一挙に紹介します!
目次
乃木坂46現役・元メンバーが出演している映画
西野七瀬
まずは、現役時代、2013年ごろからずっと人気1位だった中心メンバー・西野七瀬のおすすめ出演映画です。
孤狼の血 LEVEL2
2018年に公開された映画『孤狼の血』の続編で、原作にはない白石和彌オリジナルの続編。
松坂桃李演じる刑事・日岡が主役を引き継ぎ、彼と敵対する狂犬的ヤクザ上林を鈴木亮平が怪演し話題を呼びました。
とにかくこの上林が巻き起こす惨劇から目が離せず、彼が出てくるたびに恐ろしいと同時にワクワクしてしまいます。
そんな彼の凶行に対するリアクションをするキャスト陣の演技も素晴らしく、本作で初めてR指定作品に出演した西野七瀬も主人公と親密な仲のスナックのチーママ、近田真緒を熱演しました。
色っぽい場面も体当たりで演じたほか、村上虹郎演じる弟の幸太(ちんた)の身に起きる悲劇の時の叫びの演技派鬼気迫るものがあります。
鳩の撃退法
佐藤正午の同名ベストセラーミステリーを映画化し、藤原竜也が主演で得意のトリッキーな役を演じた予測不能なミステリーサスペンスです。
直木賞を受賞したこともある小説家・津田伸一は、鳴かず飛ばずの日々を経て、突如担当編集者の鳥飼に執筆した新作小説を読ませ始めます。
最初はどうなるかわからないストーリーにワクワクする鳥飼でしたが、津田の話を聞いていくうちに妙にリアルな内容のせいでそれが本当に起きたことにしか思えないようになっていきました。
そして、津田の小説が本当か否か検証を始めた鳥飼は、驚愕の事実を知ることになります。
藤原竜也の回想形式で進んでいく本作はいくつも仕掛けがあり、映像で見せられていることも本当とは限らない足元がぐらつくような感覚が味わえる画期的な映画です。
西野七瀬はその中に登場するカフェ店員の沼本(ぬもと)を演じています。
うらぶれてやさぐれた雰囲気ながらも確かな魅力のある役を実在感たっぷりに体現しており、後半では重要なキーパーソンの役割も果たすので注目です。
齋藤飛鳥
13歳で乃木坂461期生に加入し、今や圧倒的人気メンバーとして君臨している齋藤飛鳥。
暗くて変な趣味を持つのも魅力の美少女のおすすめ出演作です。
映像研には手を出すな!
大童澄瞳の同名コミックが原作で、NHKで湯浅政明がアニメ化して話題にもなった作品の実写映画版です。
『賭ケグルイ』や『東京リベンジャーズ』でも知られる英勉監督が独自のセンスで、アニメーション制作に打ち込む女子高生たちのエキセントリックな物語を描いています。
齋藤飛鳥が主役の人見知りだけど非凡な才能を持つ監督・浅草みどりを演じてるだけでなく、アニメーターを目指すモデルのお嬢様・水崎ツバメを山下美月、金集めは超得意なプロデューサー・金森さやかを梅澤美波と、乃木坂46の3人が中心となったファンにはたまらない映画です。
伊藤沙莉がアテレコしたアニメ版のイメージとはまた別のひねくれオタク女子を、独自の解釈とはつらつとした魅力で演じきった齋藤飛鳥の名演は大きな見どころです。
もともと幼く見える見た目と、美少女ながら普通じゃない佇まいの彼女にははまり役でした。
松村沙友理
かつては白石麻衣、橋本奈々未と一緒に92年生まれのお姉さん組・御三家と呼ばれた人気メンバー松村沙友里ももう29歳。
女優として大人の女性の魅力を放つ作品に出演し始めています。
ずっと独身でいるつもり?
『君が世界のはじまり』のふくだももこ監督がおかざき真里の同名コミックを実写化した、都会に生きる女性のリアルな恋愛、結婚事情とさらにもっと深いジェンダーの問題を描いた作品です。
36歳のかつてのベストセラーライターの本田まみを中心に、独身主義ながら孤独なアラフォー女性や、パパ活で生きる20代女子、インスタで人気ではあるものの家庭にとらわれている主婦などいろんな女子の事情が描かれます。
結婚してないだけで周りからとやかく言われたり、子育てや家事を当たり前のように任される女性の生きづらさが絶妙なリアルさで描写されているのが見どころで、松村沙友理はパパ活とパーティのサクラをして生計を立てているイマドキ女子・美穂を演じています。
彼女は最初はいけ好かないイケイケ女子として描かれますが、彼女なりの生きづらさも克明に描写されていました。
彼女の若さと不安定さに付け込む男のクソさにも嫌になってしまいますが、最後は一番成長を見せる役でもあり、松村は持ち前の色気と天真爛漫さを発揮しています。
与田祐希
3期生屈指の人気メンバー与田祐希も、『日本沈没 希望のひと』などで女優として注目されています。
ぐらんぶる
『賭ケグルイ』や『映像研には手を出すな!』などでも乃木坂46と仕事をしている英勉監督が、井上堅二と吉岡公威の同名青春コメディ漫画を実写映画化した作品。
美しい海を舞台にし、ダイビングが題材のはずながら、それよりも関係ないくだらなさすぎるギャグが優先的に描かれる原作の内容を自由闊達に再現しており、ギャグのつるべ打ちで呼吸困難になってしまうくらいのコメディです。
美しい海に囲まれた大学に入った伊織が、夢見ていた「キラキラな大学生活」とはかけ離れた破天荒な飲みサーダイビングサークルに入れられてしまう悲喜劇を描きます。
酒、下ネタ、その他お下劣ネタなど頭のおかしいコメディ展開ながら、美男美女が多数出てくるのも見どころであり、与田祐希は主人公の従妹で初恋の相手・千紗を演じています。
持ち前の抜群の可愛さも発揮しつつ、ふてくされ顔やブチギレ顔も見せるコメディアンヌぶりを発揮しました。
桜井玲香
乃木坂46の初代キャプテン・桜井玲香も2018年に卒業したのち、舞台やドラマで女優として活躍し始めています。
シノノメ色の週末
『月極オトコトモダチ』の穐山茉由監督がオリジナル脚本で、桜井玲香主演の等身大な20代女子3人の悩みを描いたドラマです。
桜井玲香のほかに、三戸なつめ、岡崎紗絵のトリプル主演で、廃校になる女子高を舞台に卒業生の女性たちのそれぞれの悩みが描かれます。
桜井玲香はモデルをやりながらもうまくいかない日々過ごす大月美玲を演じています。
メイン3人の制服姿の違和感のなさも見どころですが(笑)、かつての自分の夢とは違うリアルを描いた物語は女性だけじゃなく万人に響くのではないでしょうか。
「卒業してから10年」「廃校」「タイムカプセル」など誰もがエモく感じてしまう要素を組み合わせた良作です。
若月佑美
男らしいキャラクターでも人気だった若月佑美は福田雄一作品の常連。結婚も発表し、これからどんどん本格的に女優としてステップアップしていきそうです。
今日から俺は!! 劇場版
西森博之の人気漫画をコメディの奇才・福田雄一が実写化したドラマの劇場版。
隣町の凶悪校・北根壊高校が急遽自分たちと同じ校舎にやってきたことで、主人公の三橋と伊藤たちが抗争に巻き込まれていきます。
映画から柳楽優弥や山本舞香ら更なる豪華キャストが参戦し、大ヒットしました。
若月は橋本環奈演じるスケバン京子の舎弟・明美を演じており、相変わらずの気合とツッコミを披露しています。
コメディエンヌとしての彼女の今後に期待が高まります。
深川麻衣
愛がなんだ
恋愛映画の気鋭の監督・今泉力哉の作品群の中でも最も話題を呼び、物議をかもし、いろんな人が語り合った特殊で普遍的な恋愛映画。
角田光代の同名小説の映画化ながらも、「人が人を好きになることのわけわからなさ、説明のつかなさ」「幸せの形のつかみきれない歪さ」「善悪で割り切れない展開」など今泉力哉節が存分にさく裂しています。
年下のマモちゃんに恋をしてしまったアラサーOL・テル子の七転八倒が描かれており、深川麻衣はそんな彼女の親友・葉子を演じています。
清純派の乃木坂時代のイメージを打ち破り、年下男子のナカハラにベタぼれされつつもそれを利用してしまうずるい女を、緩い喋りと優しい表情はそのままに絶妙なバランスでリアリティたっぷりで演じています。
葉子とナカハラの迎えるラストは主人公二人よりもある意味エモいし、ゾッとする恋愛の業も描いていて、忘れがたいです。
水曜日が消えた
カメレオン俳優の中村倫也が本領を発揮し、曜日ごとに人格が入れ替わってしまう青年を演じ、そんな彼の水曜日の人格が消えたことで起きるサスペンスを描いた異色のオリジナル作品です。
中村倫也の熟練の演じ分けと、予想のつかないシナリオ、アーティスティックな演出の数々にぐいぐい引き込まれる佳作。
だんだんと明らかになっていく主人公「火曜日」が直面する現実の恐ろしさも描きつつ、普通に生きられない男の悲哀もたっぷり表現されて切なくなってしまいます。
深川麻衣は「水曜日」と仲がいいが、「火曜日」が好きになってしまう図書館司書の女性・瑞野を演じました。
事情を知らない彼女と主人公のやり取りには恋愛映画としての甘酸っぱさもたっぷりあり、そんな関係が破綻するシーンの切なさも本作の大事な要素になっています。
伊藤万理華
メンバー随一の丸顔で童顔で、オタクなキャラで親しまれていた伊藤万理華ももうすぐ26歳、2021年は映画と連ドラの主演を務め、女優として躍進しています。
個展も開くなど芸術面での才能も持っているので今後の活躍が楽しみです。
サマーフィルムにのって
勝新太郎に心酔する時代劇オタクの女子高生が映画制作に挑む姿を、SF要素を織り交ぜながら描いた青春映画です。
伊藤万理華主演、禱キララ、河合優実と若手有望株の女優がそろい、脇まで絶妙にハマるキャストたちがチームワークで映画を作り上げていくさまがとても気持ちいいですし、映画と言う芸術の未来を憂いたとあるSF設定、そして甘酸っぱい恋愛模様など随所に気が利いた良作。
伊藤万理華は20代半ばとは思えない童顔とコロコロ変わる表情の豊かさで、才気と映画愛溢れる主人公を熱演しました。
自分の好きなものの話になると鼻息が荒くなる感じは、演技もありつつ本人の素にも近いので、かなりのはまり役となったのではないでしょうか。
衛藤美彩
お姉さんメンバーとして飾らないキャラクターで人気だった衛藤美彩は、卒業メンバーの中ではいち早く結婚もし、女優としても活動の幅を広げています。
静かな雨
『わたしは光をにぎっている』などの静かなヒューマンドラマの名手として知られる中川龍太郎監督が、仲野太賀と衛藤美彩を主演にして撮った切ないラブストーリー。
記憶が一日でリセットされてしまう恋人との日々を描く、という点では『50回目のファーストキス』にちかいのですが、あちらがコメディとちょっとファンタジーともいえるハッピーエンドに向っていったのに対し、こちらは静かにリアルに病気の深刻さと、自分との思い出が好きな人に蓄積されていかない切なさを真摯に描いています。
衛藤美彩は映画初主演にして、眠ると記憶がリセットされ、恋人への印象が出合った当初のままという難しい設定の役を自然に演じきりました。
病気のことだけでなく、過去の恋人との因縁の展開もあり、多面性のある役を初主演でしっかり表現しており、これからの女優としての活動に注目が高まります。
松井玲奈
2014年にSKE48と乃木坂46を兼任した人気メンバー松井玲奈も、もう30歳。
もともとの清楚な魅力と不思議なキャラはそのままに、女優として風格も増し、ドラマ、映画で活動の幅を広げています。
小説家としてもデビューしているなどマルチな才能の持ち主です。
今日も嫌がらせ弁当
反抗期の娘に対してあえてキャラ弁を作り続けたシングルマザーのブログをもとにした同名エッセイの映画化で、篠原涼子と芳根京子のw主演映画です。
様々なキャラ弁がギャグのつるべ打ちのように出てきますが、その背後にある母の愛にいつの間にか泣かされてしまうヒューマンドラマ。
八丈島の美しい風景も見どころの作品です。
また、佐藤隆太演じるシングルファーザーなど主人公のブログに感化された人々のサイドストーリーも見どころ。
松井玲奈は主人公一家の長女にして、同じ島で一人暮らしをしている自由人な姉を演じています。
母と妹両方に寄り添い、調整役としてうまく家族を回すしっかり者で、松井玲奈の年齢以上の不思議な大人っぽさにハマる役でした。
魔女見習いをさがして
人気アニメ『おジャ魔女どれみ』、にハマっていた女児たちが成長して、子供から大人への成長する時期特有の、恋愛、仕事、将来に悩むドラマを、アニメと同じスタッフが同じ絵柄で描くというメタ構造込みの画期的なアニメ映画。
『おジャ魔女どれみ』に込められていたメッセージによって彼女たちが少しずつ前を向いて成長していくさまを描いており、アニメのファンだった人は涙なしでは見れない作品でしょう。
またアニメは未見でも、自分の好きなものやそれから受けた影響という普遍的な題材なので、置き換えて見て楽しむことも可能です。
森川葵、松井玲奈、百田夏菜子の『おジャ魔女』ドンピシャ世代の3人が、声優顔負けの名演と愛のこもった名演で主人公3人を演じています。
松井玲奈はいちばんお姉さんのキャリアウーマン・吉月ミレを好演。
一番リアルタイム世代に近く、すでに社会でもまれている等身大の女性を演じました。
幕が下りたら会いましょう
松井玲奈の映画単独初主演作品です。
実家の美容室を手伝いながら売れない劇団をしている主人公・麻奈美は、かつて妹・尚の脚本で賞を獲っただけでずっとくすぶっています。
そんな中、尚が急死したという知らせが入り…。
松井玲奈は人生に悩む等身大のアラサー女子を演じており、共感を集める主人公を体現しました。
能條愛未
乃木坂46の冠番組などでバラエティ担当として愛されていた能條愛未も、卒業後は大人の魅力あふれる女優として地道に活動中。
舞台、ドラマ、映画で徐々に活躍の場を広げています。
未成仏百物語 AKB48 異界への灯火寺
AKB48のメンバーが深夜にお寺に集まって、いろんな怪異の再現VTRを観たり、事故物件や霊媒のプロにインタビューする半分ホラーバラエティのような異色の劇場作品。
大盛真歩、小栗有以、行天優莉奈、倉野尾成美、込山榛香、坂口渚沙、鈴木優香、武藤十夢らのAKBメンバーが中心になっていますが、再現VTRにはいろんな俳優が出ています。
「見逃し」「宇宙人」「お泊まり」「あそぼう」の4つの短編のうち、能條愛未は5人の女子の幼馴染が山荘で怪異に見舞われる「宇宙人」に出演しています。
過去に『死の実況中継』でホラー映画に主演しているだけあって、不安から徐々に恐怖にさらされていく演技はさすがでした。
山下美月
3期生のなかでも屈指の人気で、センターも務め、2021年は連ドラ『じゃない方の彼女』でヒロインを演じるなど飛ぶ鳥を落とす勢いの山下美月も、今後の女優としての躍進が楽しみなメンバーです。
日日是好日
エッセイストの森下典子が約25年間も通った茶道教室の日々をつづってまとめてエッセイ化した本の映画化で、黒木華主演、樹木希林の遺作となった作品です。
茶道を通して日々を丁寧に生きることの大切さ、できないことができるようになる尊さ、どんなことでも人生の糧になる、というメッセージが染み渡るような優しくて静かなテイストで描かれます。
女優陣の丁寧で美しい所作も見どころで、一挙手一投足に注目したくなる作品。
山下美月は、途中から茶道教室にやってくる女子高生・ひとみを演じました。
出番は多くはありませんでしたが、筋のいい新人として主人公に刺激を与える役でもあり、茶道は年齢関係なく誰でも始められて楽しめるということを教えるための重要な役。
映画初出演の初々しさもありつつ、しっかり女優としての技量、才能も発揮しています。