紺屋の染物職人・久蔵(永山絢斗)は、江戸一番の花魁・高尾太夫(瀧内公美)が描かれた美人画に惚れ込んでいました。
恋わずらいで働けなくなった久蔵を見かねた親方(奥田洋平)は、「3年で金をためさせてやる」と約束。
それから久蔵は一生懸命働き、遂に3年を迎えた日、久蔵はやぶ医者(きたろう)の口利きでついに遊郭へ。本物の高尾太夫と対面するのですが・・・。
目次
ドラマ『にんげんこわい』 前回振り返り
『辰巳の辻占』
伊之助(岡山天音)は、女郎のお玉(山本美月)が自分に夢中なのだと友人・菊次郎(大東俊介)に自慢します。
その話がどうしても信じられない菊次郎は自信があるならその女を試せとけしかけ、伊之助はお玉に嘘をついて一緒に心中してほしいと頼むことに。
なんとお玉はこれを快諾。菊次郎に、橋に足をかけるところまで確認しろと言われた伊之助は、うれしい気持ちを隠しながらお玉と川へ向かいます。
暗闇の中、伊之助は川に飛び込む音を聞きますが、実はお玉は石を投げ入れて飛び込んだふりをし、背後から伊之助を川へ突き落としました。
そして、富くじを手に入れ、笑顔で向かったのは菊次郎の元だったのです。
【ネタバレ】ドラマ『にんげんこわい』第3話あらすじ・感想
恋煩い
江戸の男の憧れと言えば、吉原のトップ遊女『花魁』です。
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そんな高嶺の花に近づけるのは金持ちだけ。
庶民にとっては夢のまた夢なのです。
紺屋の職人。久蔵(永山絢斗)は、ふらっと入った店で出会った花魁・高尾太夫の錦絵に恋をしてしまいました。
おかげで仕事が手につかず、3日も仕事を休んでいます。
心配して様子を見に来た親方(奥田洋平)に、久蔵は言いました。
「恋煩いなんです・・・」
親方は、26にもなって女っ気が一つもない久蔵のことを心配していましたが、恋をしていると聞いて喜びます。ところが、その相手が高尾太夫だと聞いてビックリ仰天。
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親方との約束
久蔵は、高尾太夫と結婚できなければ、一生独身のままでいいと思いつめています。
見かねた親方は、「金さえ払えば会える」と久蔵を励まします。
花魁にかかる費用は少なくとも15両。
1年に5両稼ぐ久蔵が、3年間真面目に働けば生活費などは取らず、そのまま取っておいてくれると約束してくれたのです。
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それからというもの、久蔵は言われた通り真面目に働き、仲間の誘いも断り続けます。
そしてまっすぐ部屋に入って高尾の錦絵に毎日語りかけ、時には一緒に布団に入りました。
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「高尾・・・好きだよ」
大願成就の日
3年後、久蔵は3年ぶりの休みを取りました。
親方に15両貰いたいと言うと、親方はすっかり約束を忘れていたので驚きます。
親方はせっかく貯めた金をたった一晩で女に使うなんてもったいないと言いますが、久蔵はどうしても高尾に会いたいと、いまだ強い気持ちでいました。
ただ、金を積んだところで紺屋の職人にすんなり会ってくれるかはわかりません。
親方は吉原事情に詳しい近所のやぶ医者(きたろう)に仲介を頼むことに。
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やぶ医者は、流山から来た御大尽の振りをしろと言います。
そして、職人だとバレないように藍色に染まった指先はしっかり隠すようにとアドバイスしました。
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高尾太夫
緊張の面持ちで待つ久蔵。
すると、部屋に憧れの高尾太夫(瀧本公美)が入ってきました。
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「初回のお客さんとは最後までしないんだけど、特別よ」
久蔵は、夢のような夜を過ごしました。
朝目が覚めると、高尾は「次はいつ会える?」と聞いてきました。
真面目な久蔵は、次は3年後だと答えます。
「どうして?」
久蔵はどうしても嘘がつけないと、自分が職人であること、錦絵にずっと恋していたことを告白しました。
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「だから、今日が初めてで終わりなんです。ありがとうございました」
来年3月15日
「あんたはどうしようもない馬鹿正直野郎だね!」
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高尾は、来年の3月15日に年季が明けたら、久蔵のところに行くと言います。
「そしたらお嫁さんにしてくれますか?」
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高尾は久蔵に二度と吉原には来ないで、と約束しました。
自分のことだけを考えて待ってて欲しいというのです。
当然、久蔵はその間高尾のことだけを考えて待っていました。
そして、待ちに待った3月15日。高尾は本当に久蔵の元にやってきました。
憧れの高尾と夫婦になれた久蔵は幸せいっぱいでした。
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あれれ・・・?
親方が久蔵の部屋をのぞいてみると、久蔵は1人四つん這いになって、高尾からお仕置きを受けているところでした。
「お仕置きありがとうございます!!」
目の前には、高尾の錦絵が飾ってありました。
ドラマ『にんげんこわい』 第3話 ネタバレ・感想&まとめ
結局どこからが現実でどこからが夢の世界なのかわからず、うすら寒くなるようなお話でした。
ピュアなあまり“あちら側”へ行ってしまった久蔵・・・不憫ですが、本人は幸せそうなのでそれはそれで良かったのかもしれません。
原作の落語は、実はハッピーエンドで、高尾は本当に久蔵の元へ行き、2人で独立して紺屋を開くというオチになっているそうです。こちらは夢のあるお話で良かった!