ムーロ王国の公爵令嬢マリーアは、四人の姉を持つ末っ子でありながら、長年「家を継ぐ者」として育てられてきた。
しかし弟テオドリーコが誕生したことで、突然その役目を失い、今度は一人の令嬢として結婚相手を探すことになる。
マリーアは、遠縁の親戚であるアイーダを頼り、隣国ルビーニ王国へ留学することに。
新たな人生を歩み始めたマリーアだったが、学園のパーティーでいきなりルビーニ王国第一王子レナートから「婚約破棄」を言い渡されて…?
・レナートの過ちからのマリーアへの惹かれるスピードが速すぎて面白い。
・アイーダとプラチドなど応援したくなるキャラクターが盛りだくさん。
目次
『逃がした魚は大きかったが釣りあげた魚が大きすぎた件』声優・キャラクター紹介
マリーア・アンノヴァッツィ/声優:芹澤優
・ムーロ王国の武道の名家アンノヴァッツィ公爵家の令嬢。
・周囲からはミミという愛称で呼ばれている。
・「武術の才能」を見出され跡取りとして英才教育を受けていた。
レナート・ディ・ルビーニ/声優:田丸篤志
・ルビーニ王国の第一王子。
・とある事情からアイーダとの婚約を破棄する。
・真っすぐな性格のマリーアに徐々に惹かれていく。

©ももよ万葉・三登いつき・ながと牡蠣/SQUARE ENIX・逃げ釣り製作委員会
アイーダ・アメーティス/声優:早見沙織
・ルビーニ王国、アメーティス公爵家の令嬢。
・マリーアとは遠縁の親戚で幼い頃からの友人。
・模範的な淑女で穏やかな性格。プラチドに想いを寄せている。
プラチド・ディ・ルビーニ/声優:梅田修一朗
・レナートの弟で、ルビーニ王国の第二王子。
・朗らかで理知的な性格で、多忙なレナートの仕事をサポートしている。
・アイーダを一途に想っている。
ライモンド・チガータ/声優:八代拓
・ルビーニ王国、チガータ侯爵家の令息。
・常にレナートを一番に考える優秀な側近。
・忠誠心が厚く、冷静沈着だがマリーアの奔放さに振り回される。
イレネオ・マルケイ/声優:花江夏樹
・マルケイ侯爵家の令息で、レナート・プラチドの従兄。
・軽薄な性格の優男で、大の女性好き。
・マリーアにも付きまとう要注意人物。
『逃がした魚は大きかったが釣りあげた魚が大きすぎた件』あらすじ・感想
跡取りから令嬢へ――突然の環境の変化とレナートとの出会い
マリーアは四人の姉を持つ末っ子だったが、弟が生まれるまでは公爵家の跡取りとして育てられていた。
そのため、令嬢としての教育だけでなく、跡取りに必要な知識や武術の鍛錬も身につけている。
しかし、テオドリーコが誕生したことで跡取りの座は弟へ移り、マリーアは急遽、結婚相手を探すことになった。
ところが、ムーロ王国の貴族子息たちはすでに婚約済み。そこでマリーアは、遠縁の親戚であるアイーダを頼り、隣国ルビーニ王国へ留学することになる。
ルビーニ王国で学園生活を送ることになったマリーアは、卒業パーティーに参加する。そこで彼女の前に現れたのが、ルビーニ王国第一王子レナートだった。
ところが、レナートはマリーアに対して、身に覚えのない婚約破棄を宣言する。
話を聞いてみると、レナートは完全に相手を勘違いしていた。
自分の間違いに気づいたレナートと側近のライモンドは、マリーアに謝罪する。マリーアは二人の謝罪を受け入れるが、レナートが自分をアイーダと見間違えたことについては納得できず、「眼鏡を買ったほうがいい」とはっきり告げる。
その後、マリーアは帰りの馬車の中でアイーダから、プラチドに想いを寄せていることを知る。そして正式な謝罪のために開かれた食事会で、レナートが婚約破棄を申し出た本当の理由が明らかになる。
レナートは、アイーダと弟プラチドがお互いに想い合っていることに気づいていた。そのため、自分がアイーダとの婚約を解消すれば、二人が結ばれるのではないかと考えていたのだ。自分の行動によって周囲に迷惑をかけたと落ち込むレナート。
そんな彼を元気づけるため、マリーアは弟を笑わせるために普段から行っている体操を披露する。マリーアの予想外の行動にレナートは大笑いし、二人の距離は少しずつ近づいていく。
そして、レナートはマリーアにプロポーズ。こうして、最初は勘違いから始まった二人の関係は、正式な婚約へと進んでいく。
Mai
しかし、マリーアの凄いところは大変な想いをしながらも誰一人として恨むことなく、受け入れている所ですね。
むしろ跡継ぎとして生まれてきた弟の存在を誰よりも喜び、慈しんでいました。そんなマリーアが出会ったレナートとの衝撃の初対面。
親友アイーダに間違えられ身に覚えのない婚約破棄をされながらも、レナートの眼の悪さを指摘し、アドバイスを送るシーンは思わず笑ってしまいます。
そんないつでも素直で真っすぐなマリーアにレナートが惹かれるのも当然の展開だと思ってしまいます。

©ももよ万葉・三登いつき・ながと牡蠣/SQUARE ENIX・逃げ釣り製作委員会
王妃を救ったマリーア――婚約者として王族に認められていく
レナートからプロポーズされたマリーアは、婚約の話を進めるため、王族との顔合わせの日を迎える。
王族を前にすることになるため、マリーアは淑女らしく振る舞わなければならないと考える。
しかし、城内で迷ってしまい、王族たちが探し回ることになる。ようやく見つかったマリーアは、同じく迷子になっていた王太后の愛犬と一緒に姿を現す。
その姿を見た周囲は微笑ましく受け止めるが、王妃だけは厳しい表情を崩さない。
マリーアはそんな王妃とのお茶会に招かれるものの、そこで思わぬ事態が発生する。
お茶会の最中、王妃を狙った襲撃が起こる。マリーアはいち早く危険に気づき、とっさに王妃を守るために身を挺して立ちはだかる。
それまで厳しい視線を向けていた王妃だったが、マリーアが自分を守ったことをきっかけに態度を一変させる。マリーアの行動を高く評価し、興奮した様子で彼女の勇敢さを称えるのだった。
さらに、その後マリーアはレナートの従兄イレネオと出会う。イレネオは女性関係が派手で、アイーダからも「女性の敵」と評されている人物だった。そんなイレネオからデートに誘われたマリーアだが、彼女はその誘いをあっさり断る。
ライモンドに追いつかれたことで、その場を離れるマリーア。その後、彼女は意外な事実を知ることになる。厳しい態度を取っていた王妃は、実はマリーアのことを気に入っており、すっかり彼女のファンになっていたのだ。
その後、マリーアはレナートとの婚約が決まったことで、一度故郷のムーロ王国へ戻ることになる。
帰国途中には国境付近で山賊騒ぎにも遭遇。
しかしマリーアたちの馬車の前に現れたのは近くの村の住人だった。
彼らは困窮した末に犯行へ及んでいたことが分かるが、事情を聞いている最中、本物の山賊が近くで悪事を働いていることが判明する。
マリーアと迎えに来た二人は山賊を撃退。
事件が解決すると、マリーアは村人に自分のハンカチを渡し、「これを持ってライモンドのところへ行けば力になってくれる」と伝える。そして自分の名前を名乗ることなく、その場を後にするのだった。
Mai
しかしよく思われてないと思っていた王妃様の態度が、全てファンとしてマリーアに変な表情を見せないためのものだったのは驚きました。
しかしマリーアが身を挺して守ったことで感情が爆発した王妃様の状態は、むしろ好感しか覚えないものになりました。
それから一度故郷へ帰るマリーアですが、マリーアと長く離れることになると若干すねた様子のレナートが可愛らしいシーンもありました。
きちんとしたフラグ回収で騒動に巻き込まれるマリーアですが、迎えに来たムキムキ2人と一緒に華麗に立ち去るところはカッコよさが際立っていていいシーンでした。

©ももよ万葉・三登いつき・ながと牡蠣/SQUARE ENIX・逃げ釣り製作委員会
ムーロ王国への里帰り――父とのわだかまりを解消し、再び家族のもとへ
ムーロ王国へ戻ったマリーアを、母と四人の姉は温かく迎える。
マリーアは弟テオドリーコの成長した姿を見て喜ぶ一方、家族が今回の婚約をどう受け止めているのかを気にしていた。
特にマリーアと父親の間には、どこかぎこちない空気が流れていた。
これまで父は、マリーアを公爵家の跡取りとして育ててきた。
しかしテオドリーコが生まれたことで、マリーアは跡取りではなくなった。父親自身も、長年跡取りとして接してきた娘に、これからどう接すればいいのか分からなくなっていたのである。
マリーアもまた、その変化を感じ取っていた。自分はもう父に必要とされていないのではないか――そんな思いが、彼女の中にあった。
しかし、二人の関係を変えるきっかけとなったのが、マリーアが留学中も鍛錬を続けていたことだった。
父とマリーアは組み手を行い、互いの力を確かめ合う。跡取りとして育てられてきたマリーアが、留学したからといって鍛錬をやめたわけではないことを父は身をもって知る。
組み手を終えた二人の間には、以前のような関係が戻っていた。マリーアが跡取りではなくなったとしても、父と娘であることに変わりはなかったのだ。
こうして父とのわだかまりを解消したマリーアは、再びルビーニ王国へ戻ることになる。
しかし、その帰路でも事件が起こる。里帰りの途中で、ナヴァーロ村の娘ヴェロニカが行方不明になっているという話を聞いたマリーアたちは、村へ立ち寄ることにする。
調査の結果、ヴェロニカがナルディ伯爵家の馬車に乗せられていたことが判明。マリーアは伯爵家の屋敷へ向かい、一人で内部へ潜入する。
屋敷では警備の者たちがマリーアの前に立ちはだかるが、マリーアは持ち前の身体能力を発揮して次々と突破。そして屋敷の中でヴェロニカを発見する。
しかし、ヴェロニカは単純に誘拐されていたわけではなかった。
彼女はナルディ伯爵家の子息ウーゴと恋仲になっており、二人は逃げ出す方法を考えていたのだった。
その後、ナヴァーロ村の特産物を保管している倉庫が賊に襲われる事件が発生。マリーアたちは賊を撃退するが、その特産物には幻覚のような作用を引き起こす秘密があることも明らかになる。
Mai
父との体を張った対話は迫力満点でしたし、意外な父の幼少期の顔がテオドリーコそっくりだということが明かされたりと驚きも混ざっていて、コメディ部分もしっかりを入れてくれています。
あっという間の帰省からの王国への帰り道、マリーアは再び事件に巻き込まれていきますが、マリーアはどっちかというと自分から飛び込んでいっているので、ある意味騒動を起こしている側ともいえるのでしょうか?
屋敷に侵入した際の身のこなしは流石の一言ですが、一方で村人からマリーアのハンカチを受け取り勇み足でマリーアの元へ駆けつけるレナートが嬉しそうな様子を隠さない所も微笑ましいシーンでした。
レナートとの関係がさらに深まる一方、アイーダとプラチドの恋も動き出す
ナヴァーロ村での騒動の途中、逃げ出した賊を追う中で、マリーアはレナートと再会する。
しかし、マリーアはレナートへ向かう賊を止めようとしても手が届かない状況に陥ってしまう。
そこへ駆けつけたレナートが、マリーアから教わった十八番「38番」を咄嗟に繰り出し、賊を撃退する。
その後、二人は美しい水上都市へ立ち寄る。レナートから誘われたことで、マリーアとレナートはお忍びでデートをすることになる。
二人は街を歩きながらデートを楽しむが、レナートはどんな格好をしていても美貌が目立ってしまうため、まったくお忍びになっていない。
マリーアがそんなレナートを連れ回す形で街を楽しみ、二人は楽しい時間を過ごす。
ところが、二人がいい雰囲気になりかけたところでライモンドが現れる。せっかくの二人きりの時間を邪魔されたマリーアの叫び声が街に響き渡るのだった。
一方、王都ではアイーダとプラチドの関係が進展せず、二人はお互いに顔を合わせることを避けるようになっていた。マリーアから二人のことを聞いたレナートは、もう一度アイーダの気持ちを確かめてみるよう提案する。
そんな中、プラチドはアイーダに対する酷評を耳にする。プラチドはその言葉を許すことができず、男子生徒に決闘を申し込む。その話を聞いたアイーダも決闘の場へ駆けつける。プラチドは勝負を終えると、アイーダに対して改めて自分の想いを伝える。これによって、距離を取っていた二人の関係も再び動き始める。
マリーアとレナートの婚約が進む一方で、アイーダとプラチドも互いの気持ちを確かめることになり、二組の恋がそれぞれ次の段階へ進んでいく。
Mai
直接の訓練もなくただ、観ただけで賊を撃退できるほどの威力を出せるレナートは流石の一言です。
その後の二人のデートですが、レナートが質素な服装になることで逆に綺麗なお顔が浮き彫りになるシーンは面白すぎます。
何とか楽しむことができた二人でしたが、いつの間にか傍に控えているライモンドには驚かされました。
婚前交渉がないようにと目を光らせていたようですが、マリーアが気づかないほど気配を絶つことが出来るライモンドはかなり優秀な部類と言えるのでしょう。
イレネオの騒動を乗り越え、二組のファーストダンスで物語は幕を閉じる
マリーアとレナート、アイーダとプラチドの二組が婚約者として正式にお披露目される「夜会」が開催されることになる。
夜会では、二組が大勢の来賓の前でファーストダンスを披露することになっていた。
しかし、マリーアにはダンスの経験がほとんどない。そこでアイーダによる厳しいダンスレッスンが始まる。
アイーダだけでなく、プラチドやレナートもマリーアの練習相手となり、マリーアは少しずつダンスを覚えていく。夜会の日が近づくにつれ、ファーストダンスの準備も着々と進んでいった。
ところが、マリーアは招待客の名簿を確認する中で、イレネオの名前がないことに気づく。
レナートに理由を尋ねるものの、詳しい事情は教えてもらえない。
そして迎えた夜会当日。イレネオは離れのベランダから夜会の様子を眺めていた。
そこへマリーアが通りかかり、イレネオから夜会で出される桃のタルトの話を聞く。マリーアはイレネオにも桃のタルトを食べさせようと考え、タルトを手に入れて一緒に食べることにする。
しかし、そこへ一人の女性が現れる。
それはイレネオと関係のあった令嬢ザイラだった。
ザイラはマリーアに対して嫉妬心を向け、ナイフを向けてくるが、それを止めたのはマリーアだった。
しかし、初めてのお酒を気持ちよく飲んだことで酔っていたマリーアが暴れたことで、事態はさらに大きくなっていく。
そこへレナートが駆けつけ、騒動を収める。イレネオとザイラについては、頭を冷やすために牢へ入れることが決まる。騒動に巻き込まれたマリーアだったが、夜会そのものは続いていた。マリーアたちは会場へ移動し、いよいよファーストダンスの時間を迎える。
緊張で震えていたのは、マリーアだけではなかった。アイーダもまた大勢の来賓を前に緊張していた。
そんなアイーダの手にマリーアがそっと手を添える。二人は互いに励まし合いながら、ダンスの場へ向かう。
そして、マリーアとレナート、アイーダとプラチドによる二組のファーストダンスが始まる。
これまで練習を重ねてきた成果を発揮し、二組のダンスは見事に成功。
会場からも温かな視線が注がれる。
その中には、マリーアの家族の姿もあった。ムーロ王国で跡取りとして育てられていたマリーアが、今はレナートの婚約者として新しい人生を歩み始めている。
その姿を家族も温かく見守っていた。
Mai
女好きというのも王位継承権を放棄したと見せかけるため、余計な騒動を起こさないようにするために振る舞いであったことがわかりますが、それにしても女性が好きなのは間違いないのでしょう。
そんなイレネオを狙いザイラが襲い掛かってきますが、ここにきてマリーアのまさかの酔拳が発動。
手が付けられないほどの騒動となってしまいますが、レナートが一声かけるだけで落ち着くなど、レナートもマリーアの扱いが板についてきた様子が見受けられるシーンでもありました。
レナートがイレネオを警戒する理由もわからなくもないですが少しずつでも関係が改善していくといいなと感じます。最後のダンスシーンも、マリーアとアイーダそれぞれの良さが前面にでていて素敵な演出でした。
『逃がした魚は大きかったが釣りあげた魚が大きすぎた件』キャラ/声優・あらすじ・ネタバレ感想まとめ
・レナートのマリーアとの出会いからの表情の変化ににやけるシーンが盛りだくさん。
・家族や親友との温かいやりとりが見られる素敵なシーンと、戦闘シーンとのギャップ。
ライトノベルなどでよくみられる「〇〇の件」というタイトルですが、この作品のタイトルの意味は割と最初の段階から察することができます。
しかし、ラブコメディといっても主人公のマリーアは武道の名家出身という事で、自身がとても強いキャラクターとなっていて、戦闘シーンなども安心して見ていられることが多くなっています。
そんなマリーアに早々にプロポーズをしたレナートはまさに運命の出会いだと思ったのかもしれません。
素直でどこまでも真っすぐなマリーアと、その言動に振り回されるも温かく見守ったりと見どころ満載な作品となっておりますので、皆さん是非ご覧ください!

