酪農に寄り添いながら絵を描き、後にアニメーターへの道を突き進む、奥原なつ(広瀬すず)の物語『なつぞら』の第7週40話。
なつは天陽(吉沢亮)の元へ、泰樹(草刈正雄)は小畑とよ(高畑淳子)の元へと向かい、それぞれが胸の内を語り、さらに考えをめぐらすことに。
そして泰樹が、ひとつの決断を下しました。
目次
『なつぞら』第7週40話あらすじ
帯広の菓子店・雪月を訪れた泰樹(草刈正雄)は、とよ(高畑淳子)に、自分の裏切りがきっかけで、なつ(広瀬すず)が東京に出て行く決意を固めてしまったと打ち明ける。
そして、雪次郎(山田裕貴)が東京に修業に行くのなら、いっしょに連れて行ってくれないかと願い出る。
柴田家に戻った泰樹は、なつが東京に行きたい理由は、兄を支えること以外に、別の理由があるのではないかと富士子(松嶋菜々子)から伝えられる…。
出典:NHK
【ネタバレ】『なつぞら』第7週40話の感想
小畑とよ(高畑淳子)、乙女心を語る
なつ(広瀬すず)に対して「今すぐ出ていけ」と言ったことを後悔する泰樹(草刈正雄)は、その足で雪月を訪ねました。
泰樹にとって、なんでも話すことができる人であり、余計なことを考えず思ったことをスパッと話してくれる人なので、相談しやすいですよね。
言って楽になれ。
泰樹はとよ(高畑淳子)に、「雪次郎(山田裕貴)を東京に出すなら、なつも連れて行ってくれ。」と。
何を言い出したのかと、まぁ聞きますよね。
泰樹は、なつと照男(清原翔)を結婚させようとしたことや、自分自身がまだなつを他人と思っていたことを吐露すると、とよからバッサバッサと言われてしまうのです。
「兄弟で結婚しろって言われたようなもんだろ?急に女に見られたと思って恥ずかしかったんだろ。」
自分がわからないなつの感情を言葉にしていくとよ婆ちゃん、さすがです。
「乙女心のことなんだからわかるに決まってる」
「誰が乙女か」
とよは反論もせず、私も乙女ですがなにか?というような顔でした。
泰樹と対等に話す小畑とよ。
この屈しないところがとっても好きです。
天陽(吉沢亮)と照男(清原翔)の恋模様
天陽の元を訪れた照男は、なつに自分の想いを言ったのか聞きます。
もちろん言っていません。
なつが漫画映画を作りたいと言ったなら、そうなるに決まっていますからね。
「何で言わない?」
まぁ当然の質問です。
照男としては、きちんとなつへの想いを言わせるために、スキー大会で奮闘したのですからね。
天陽のなかでは、いつかなつはこの地を離れると、ずっと感じていたみたいです。
その時に、自分が足かせになりたくないからという想いを打ち明けました。
自分の想いを言わないのはなつのためです。
天陽が「好き」と言わずに、なつの望む道へ送り出すことこそ、自分のするべきことだと思ったのでしょう。
ただ、気持ちだけは伝えてほしいなぁと思う今日この頃。
そうじゃないと、これまでの日々がなんかそっけないものになってしまいます!
一方、阿川砂良(北乃きい)に一目惚れをしたであろう照男は、その日の晩に牛乳鍋を作り始めました。
それは、砂良が先日ふるまってくれた料理だったので、いたく気に入ったのでしょう。
牛乳嫌いの夕見子(福地桃子)が嫌だと言っても無理やり食べさせました。
これが意外と美味しかったらしく、夕見子が驚くと、照男もニヤニヤです。
なんだかかわいいなぁ照男兄ちゃん。
そう思った矢先です。
阿川弥市郎(中原丈雄)が砂良と共に柴田家を訪問。
牛乳のお礼にと、木彫りの熊をくれました。
鮭を加えた立派な熊を見ると、明美(平尾菜々花)が「ラブレターを持った熊だ」と言い出しました。
これはなつが、前に砂良がクマにあった時、ラブレターとして鮭を持ってきたという話をしたからなのです。
「バカ、何言ってんだお前、失礼だべ!」
突然ムキになる照男。
夕見子は察しがよく、「なんで兄ちゃんが照れてんの?」と言われてしまいました。
動揺する照男兄ちゃん。
そして、なつがまた森に行っていいかと聞き、砂良が「いつでも待ってるからね」と返します。
「はい」
返事をしたのは照男でした。
照男は兄として返事をしたと主張をします。
いや、今のは完全に惚れ込んでいることの証明です。
照男、その想いは機を見てきちんと言ってほしいですね。
そうじゃないと、天陽にあれこれ言ったじゃないかと、揚げ足を取りにかかりますよ!
泰樹(草刈正雄)の優しさに対し、「私はズルい人間」と思うなつ(広瀬すず)
机の上に並んだノートの中に描かれたたくさんの絵を見たことで、なつが漫画映画を作りたのではないかと察した富士子(松嶋菜々子)は、泰樹にそのことを話してみました。
なつが東京に行きたいと言い出したのは、本当は咲太郎(岡田将生)と暮らしたいからではなく、やりたいことがあるからなのではないかと。
なつの口から聞いた話ではないため定かではありませんが、富士子は確信があったのでしょう。
「何年かしたら」となつが言ったのは、やりたいことが酪農と全く関係がないことだからです。
小さいころから牛飼いとして色々教えてもらったり、農業学校に通わせてもらったのにも関わらず、なつが望む未来に、それが何も関係ないと思うからなのでしょう。
察しが良いというか、もう母親の鑑と思えるほどです。
そしてその日の晩、泰樹はなつに、雪次郎と一緒に東京へ行って来いと言いました。
なつからすれば、やっぱり突き放されるのかと悲しかったでしょう。
しかし、前の日のような「勝手にしろ」「今すぐ出ていけ」というモノではありませんでした。
「なつがもし、家に帰ってきたくなったら帰ってくればいい。ここはお前の家だ。でももし、東京で幸せになることができるなら、それも親孝行だ。」
この泰樹の言葉は、なつへの最大の優しさであり、応援だなぁと思いました。
とよや富士子の言葉を聞いて、改めて自分の娘か孫と思って向き合うことができたのです。
泰樹の心は変わりました。これでなつも東京へ行くことに前向きになるのでは?
そう思いもしましたが…。
『なつぞら』第7週40話まとめ
なんだかんだで仲のよい泰樹さんととよさん。何でも言い合えるうらやましい仲。まるで長年連れ添った夫婦のようですよね…#朝ドラ #なつぞら #草刈正雄 #高畑淳子 pic.twitter.com/dCkCPjKsv1
— 【公式】連続テレビ小説「なつぞら」 (@asadora_nhk) 2019年5月16日
東京の用事を済ませてこいと、泰樹に背中を押してもらったなつですが、翌日には雪月へと行きました。
そして、とよの顔を見るなり抱きついて、今の想いを話し始めました。
「私はズルい」
「じいちゃんを裏切ってしまった」
なつ、まだ何を悩むのだろうかと思いもしたが、よく考えたら心当たりがありました。
なつはまだ、自分の口から漫画映画を作りたいと言っていません。
自分の口で言い、泰樹がそれを知ってなお快く送り出してくれないと、なつはいつまでも引きずるでしょう。
なつ、あと一歩頑張って!
そして、とよ婆ちゃんならきっと良い答えをくれると思うので、これもしっかりと聞きたいですね。
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