北海道で酪農に携わる傍らで絵を描き、漫画映画の影響を受けたのちに、東京でアニメーターへの道を歩む、奥原なつ(広瀬すず)の生き様を描いたドラマ『なつぞら』の第7週37話。
泰樹(草刈正雄)の言葉にショックを受けたなつは、猛吹雪の中で遭難。
次に目が覚めると、見たことのない場所で寝ています。
新しい出会いと見たことのない絶景に、なつはまた心を動かされていきます。
目次
『なつぞら』第7週37話あらすじ
天陽(吉沢亮)に会いに行く途中、吹雪で立ち往生し、倒れてしまったなつ(広瀬すず)。
目を覚ましたなつの目に飛び込んできたのは、狩猟生活を思わせる動物の毛皮や猟銃、木彫りの熊や彫刻だった。
人里離れた森の奥で暮らす、阿川弥市郎(中原丈雄)と砂良(北乃きい)親子が、なつを助けていた。
見知らぬ人に助けられたと思ったなつだったが、弥市郎と砂良は、あることでなつと接点を持っていたようで…。
出典:NHK
【ネタバレ】『なつぞら』第7週37話の感想
十勝の深い森に住む阿川親子はあの人の知り合い
吹雪の中で倒れたなつ(広瀬すず)が次に目を覚ました場所は、
十勝の深い森に住む、阿川弥市郎(中原丈雄)と娘の砂良(北乃きい)の家でした。
クマの木彫りで埋め尽くされた家で目を覚ましたなつは、それはそれは困惑したことでしょう。
急いで帰ろうともしましたが、外は吹雪なので出ないほうが良いと咎められます。
柴田家からも、山田家からも向こうの家にいると思われているなつは、このまま遭難すれば、誰にも知られずに死んだことになります…何とも恐ろしいですね。
しかも砂良は、なつのことを知っていました。
それもそのはずです。
弥市郎と砂良は、十勝農業高校演劇部顧問の倉田隆一(柄本祐)の知り合い。
あの『白姫伝説』を見に行ったので、なつのことも知っていました。
そして何を隠そう、あの白姫伝説の元となった話を倉田に話したのは、この弥市郎だったのです。
ということは、砂良がなつが演じたペチカのモデルなのかと、ひとり喜び、焼いてもらったオショロコマを食べます。
弥市郎から学ぶ、こみ上げる感情の収め方
東京で教師をし、軍事教育をしていた弥市郎。
戦争で妻を亡くし、砂良と共に北海道に住処を変え、十勝の深い森で木彫りの民芸品を作っています。
それゆえに、弥市郎も戦争に対して深い憎しみを持った人物でした。
この想いに触れることができたからこそ、倉田はなつの舞台を見に来るように言ったみたいです。
戦争で家族を亡くしたものの、懸命に生きるなつの姿には、ふたりに何か感じさせるものがあったのでしょう。
だからこそ、砂良もなつを見かけたとき、舞台で役者をやっていた女の子だと気づき、吹雪の中で倒れているところを助けたのです。
戦争に対する憎しみや悲しみ、それ以外にも人から言われた言葉によって感情が沸き上がることは多々あります。
しかし、なつはこれの鎮め方を知りません。
だからこそ、なつは弥市郎に聞きました。
どうやって感情を収めているのかと。
すると弥市郎は応えます…その想いを「作品」に込めると。
クマの木彫りは、どれも迫力があり、生き生きとしています。
しかしそれは、弥市郎の腕だけでできるモノではなく、そこには彼の「想い」「感情」そして「魂」が込められているのです。
そうして何かに自分の「魂」を込め、それを作り上げて「表現する」。
この言葉に、なつの心は震えたような気がします。
倉田が何度も言っていた「魂」という言葉が、ここにも出てきましたからね。
そうして自分の想いを込めて表現することで、人に伝えることができる。時には心を動かすこともできます。
この言葉も、なつがアニメーターとして活躍していくひとつの大事な言葉になっていきそうですね。
森を抜けた先の世界には、熱い光があった
吹雪が止み、朝になると、なつは牧場に戻ろうと準備を始めます。
なつは弥市郎に、森をまっすぐに抜けるようにいわれ、その言葉の通りに進みます。
細い木の間を何本も何本も抜け、その先に待っていたのは、広い雪原と山、その後ろに隠れる朝日でした。
その景色を見たなつは涙を流します。
山にまだ隠れていた太陽は、その光だけでも存在感は十分にあるのです。
白い大地と相まって、オレンジ色のその光が一際熱く感じました。
照男(清原翔)兄ちゃん、叫ぶ
翌朝、柴田牧場に突然やってきた天陽(吉沢亮)。
柴田家の人たちは、なつのことを心配しながらも、山田家にいるだろうと言い、山田家でも、なつは柴田家にいるのだろうと考えました。
しかし、約束を破るわけがないなつですから、吹雪であろうと外に出たかもしれないと、考えるでしょう。
なつが一緒にいる相手であろう天陽に、「なっちゃん、いますか?」と言われた瞬間、柴田牧場の面々はハッとした顔をしました。
遭難したのではと慌てふためいたり、どうしようと焦る泰樹(草刈正雄)や剛男(藤木直人)、富士子(松嶋菜々子)の姿は容易に想像できます。
が、この状況に一番動揺したのは、照男(清原翔)でした。
自分が天陽のところに行けと言ったからこうなったんだと叫ぶと、なつを探しに牧場を出ようとします。
しかし宛もなく探してもダメ、感情的になるなと思う天陽たちは必死に照男を抑えました。
感情が高ぶった兄ちゃんを抑えるためには、天陽一人では無理です。
戸村菊介(音尾琢磨)と2人がかりで抑えますが、じゃっかん引きずられていく様子。
照男の中にある妹・なつへの罪悪感は、それだけ深いものがあることを表現されたと思われます。
しかし、なつは何事もなかったかのように牧場へと帰ってきました。
さて、ここからどうなるのか…えっ、終わり?
…もう15分経ったんですか。
『なつぞら』第7週37話まとめ
遭難したなつを助けてくれた阿川親子。スタジオ前で中原丈雄さんと北乃きいさんの親子2ショット。#朝ドラ #なつぞら #中原丈雄 #北乃きい pic.twitter.com/QvqqNhq4Yo
— 【公式】連続テレビ小説「なつぞら」 (@asadora_nhk) 2019年5月12日
魂の込められた作品は、人の心を動かすことができます。
その姿は、熊の木彫り、馬の絵、演劇、アニメーション、さらにはバターと様々でしょう。
魂を込めることは誰にでもできることです。
それをどれだけ本気に取り組むか…これを教えられた気がします。
さて、みんなが心配する中、何事もない笑顔で戻ってきたなつ。
次回はどんなお話しが待っているのでしょう。
続きは明日なのに待ち遠しいです。
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