『なつぞら』第25週148話は、千遥(清原果耶)がなつ(広瀬すず)を訪ね、再びマコプロダクションへとやってきました。
千遥は自分が杉の子を任されるまでの経緯、そして離婚をしようと考えていることを話し、彼女はなつに言います。
「また…家族になってくれる?」
この言葉は、なつはもちろん、咲太郎(岡田将生)も待っていた言葉です。
そして、千遥が家族に戻ることを決心してくれたことで、一緒に生きてきた信哉(工藤阿須賀)の中で続いていた戦争がやっと終戦。
戦争が終わっても、信哉の中では何も終わっていなかったということを知らされました。
目次
『なつぞら』第25週148話あらすじ
神楽坂の料理屋に行き、千遥(清原果耶)に手紙を渡したなつ(広瀬すず)。
その後、「大草原の少女ソラ」を見た千遥と千夏(粟野咲莉)は、再びマコプロダクションを訪ねてくる。
アニメを見て、改めてなつがどんなふうに育ってきたかを知ったという千遥に、料理を食べてみて、千遥がどれだけ誇りをもって料理をしているかを感じたと話すなつ。
しかし、そんな千遥から突然、お店を辞めたいと思っていると打ち明けられて…。
出典:NHK
【ネタバレ】『なつぞら』第25週148話の感想
料理とアニメ、作品に生き方という「魂」が宿っていた
再びなつ(広瀬すず)のいるマコプロダクションを訪れた千遥(清原果耶)。
食事に来てくれたお礼をする千遥。
なつとしては、千遥が料理人としてしっかりと生きていたことが料理から伝わったので、それに感動。
一方の千遥も、今までなつが作った作品を見てきたことを伝え、これまでなつがたくましく生きていたとわかったと言います。
料理とアニメ、どちらも「作品」には変わりありません。
人を感動させる、心を動かすことができるということは、そこには作り手の「魂」が込められているということなのでしょう。
豊富な経験があるからこそできる。
なつも千遥も、色々な問題にぶつかりながらも、しっかりと生きて来たということが、お互いにわかった瞬間です。
千遥(清原果耶)の人生
なつに何か話したそうだった千遥。
それに気づいたなつは、優(増田光桜)と千夏(栗野咲莉)を一久(中川大志)やマコプロダクションの人たちに任せ、なつは千遥と自宅へと帰りました。
そこから、千遥のこれまでの物語が語られます。
置屋にいた千遥は、杉山家が経営する料亭「杉乃屋」のお座敷に呼ばれているうちに、杉山家の次男の清二(渡辺大)に気に入られ、結婚をすることになりました。
千遥も清二のことが好きだったので、円満に結婚へと事は進んだみたいです。
自分の過去はすべて隠していた千遥ですが、なつや咲太郎(岡田将生)との縁を切ってまで進もうとした道なので、後悔はなかったのでしょう。
清二の父親は、千遥の料理人としての素質を見抜き、調理師免許を取らせるまでに成長させてくれた恩人。しかし、もう故人のようですね。
とても気にかけてくれたみたいですが、旦那の清二は今は別の女と暮らしている様子。
つまり不倫しているということです!これは…抹殺案件。
その末に今は離婚を考えている千遥ですが、問題もあるのです。
それは、自分が浮浪児であったことなど、自分の過去を隠して結婚したこと。
これが公になれば、自分を育ててくれた置屋の女将さん(原日出子)にも迷惑をかけることになります。
なによりも、それが原因で千夏の親権を取られる可能性だってあるのです。
千夏と離れたくないと思う千遥。
今の千遥にとってもっとも大事なのは娘の千夏です。その千夏に、自分のことを偽り続けるのはもう嫌だと千遥は思います。
「堂々と生きられるようになりたい」
千遥の口から出た本音に、涙がポロっと出てしまいました。
千遥が願うことは他にもあります。それは、なつや咲太郎とまた家族になることです。
「また…家族になってくれる?」
恐る恐る聞いてきますが、それはなつが長年待っていた言葉でもありました。
「そんなの当たり前じゃない」
「千遥はもう、自由になっていい。堂々と生きていい。また一緒に生きよう」
なつのその言葉に、千遥の心は救われたような気がしました。
血がつながっていなくてもなろうと思えばなれるもの。
離れていても、また家族になりたいと思えばなれるもの。
大事なのは、そうなりたいという「意思」だということを教えられました。
「千遥は何も悪くない」
そう言ってくれたなつは、千遥にとって最大の味方だと言えるでしょう。
優(増田光桜)「もう言っていいんだ、良かった」
マコプロダクションへと戻って来た千遥は、千夏に自分がなつの妹だということを話しました。
最初、千夏は驚きますが、笑顔で順応。
むしろ、自分が大好きなアニメ『大草原の少女ソラ』を作っている人が叔母というのは喜ばしいことでしょう。
そして優も、千遥から叔母さんですよ言われるのですが、それに対する優の言葉がもう!
「もう言っていいんだ、良かった」
小さいのに気を使って言わないようにしていた。できた娘だなぁと思いました。
そしてふたりとも、麻子(貫地谷しほり)のように「オバはやめて」と言わないんですね。
全然叔母さんって言われるような年に見えないので、ちょっとした違和感も感じますが、ふたりとも母子ともに円満な雰囲気で心が少しスッとしました。
信哉(工藤阿須賀)の中の戦争がやっと終わった
その日の晩、なつの家には咲太郎と信哉(工藤阿須賀がやってきました。
千遥の問題を聞いたことで、信哉は杉乃屋の女将であり、千遥の義母にあたる杉山雅子(浅茅陽子)について調べてきてくれました。
料亭「杉乃屋」を切り盛りする女将なだけあって、一筋縄ではいかないみたいです。
筋の通った人なので、そう簡単に納得させることはできないだろうと、信哉は言います。
なので、千遥が離婚し、千夏と共に杉山家を離れるのは相当難しいと言うのです。
信哉はそこまで調べ上げてくれたんです。
それもこれも、戦災孤児になったときにみんなと家族になったから。
幼い頃の信哉は、自分は親も兄弟もいない、本当に独りだと思っていたのです。
しかし、咲太郎から家族と言われ、なつや千遥からも一緒にいてほしいと言われたことで、心から喜びを感じられたのでした。
血がつながっていなくても「家族」。
それを最初に知ることができたのは、信哉だったんですね。
この経験があったからこそ、信哉はどんなことでも耐えることができました。
信哉が記者になったのも、千遥を探し出したいという気持ちがあったからこそです。
そうしてまた家族として戻りたいから今まで頑張ってこれた…この一本筋の通った生き方が素晴らしいです。
「千遥が家族になったら、僕の戦争もやっと終わる」
千遥がまた家族になってくれると聞いてきたこと、家族になりたいと思ってくれたことで、長く続きすぎた戦争が終わるみたいで本当に良かったと思えます。
『なつぞら』第25週148話まとめ
小さいころからずっと助け合ってきた幼なじみの3ショット。#朝ドラ #なつぞら #広瀬すず #岡田将生 #工藤阿須加 pic.twitter.com/JdujIa7J1W
— 【公式】連続テレビ小説「なつぞら」 (@asadora_nhk) September 18, 2019
父(内村光良)のナレーション「いつまでも家族でいてください」というナレーションで終わった今回の『なつぞら』。
なんだか千遥は、置屋の女将さん以外、母親の存在に恵まれていない感じがしました。
雅子は一筋縄ではいかないと思うのですが、そもそも原因は息子の浮気ですよね?
そこについてどう思いますか?と言いたくなってしまいます。
しかし、杉山家を出たとしても、千遥には帰る場所がある。
それを本人が再確認できたことは、彼女にとってまた力になると思えました。
そして信哉の、「僕の戦争もやっと終わる」という言葉はジーンときてしまいました。
振り返れば、兄妹もいない信哉は、なつたち兄妹に受け入れられたものの警察によって離れ離れにされ、それから咲太郎やなつと再会し、千遥を探すために記者になるというその人生も確実にドラマになります。
というか、人ひとりの人生は、どれもドラマにしていいほどに素晴らしいものなのかもしれませんね。
だから人生って面白い、なんて思ったりもしました。
さて、千遥と千夏の運命はいかに。避けてはならない嫁姑と離婚騒動。
なつや咲太郎には、しっかりと千遥を支えてもらえたらいいなと思います。
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