千遥(清原果耶)を追いかけてきたものの、会うことが叶わなかったなつ(広瀬すず)。
これで終わりか…と思いきやです。
『なつぞら』第15週85話では、帰ってきた夕見子(福地桃子)が富士子(松嶋菜々子)とまた対立し、なつに新たな気づきを与えます。
また、咲太郎(岡田将生)に対して泰樹(草刈正雄)がかけた言葉が、とても涙を誘うものでした。
目次
『なつぞら』第15週85話あらすじ
なつ(広瀬すず)が帰省中の柴田家に、北海道大学に通う夕見子(福地桃子)が帰ってきた。
さらにはっきりとした物言いになっている夕見子に、富士子(松嶋菜々子)を始め、泰樹(草刈正雄)までもが振り回され、柴田家に賑やかな日常が戻ってくる。
夜、なつと夕見子が久しぶりに枕を並べていると、夕見子はなつの童話集を見て、思いも寄らない感想を口にする。
なつはそれを聞いて、あることを思いつき…。
出典:NHK
【ネタバレ】『なつぞら』第15週85話の感想
夕見子(福地桃子)が人の心をかき回すのは、もはやお約束
家に帰ってくるなり、夕見子(福地桃子)は皮肉をひとつ。
「この家は女がせっせと働き、男は黙って飯を待つ。相変わらず遅れていますねー」
この減らない口こそ、夕見子です。
夜遅くに帰ってきたものだから、みんな驚きです。
千遥(清原果耶)がやってきて、なつ(広瀬すず)も帰ってくると聞いて帰ってきたそうですが、問題はどうやって?というところです。
聞けば、大学の友人がドライブで十勝まで走るので、それに乗せてもらったとのこと。
「その友達は男か!?」
「性別で言えば、男ね。」
サラッというところ、恋人ではない様子。
しかし、親としては心配になるのが当たり前です。
孫のことですから、泰樹(草刈正雄)もしかめっ面。
このことを深く追及するよりも、問題は千遥の話です。
18で結婚…。それは本当に千遥の望んだことなのか?と夕見子は疑います。
さすが夕見子、あの手紙で気持ちの整理を付けようとしているところに水を差してきます。
人の心をかきまわしにやってきたのか?と言いたくなるような言葉でした。
ですが、それこそが夕見子です。
「なつ、普通を疑え」
夕見子のこの言葉が、これからのなつに、何か気づきを与えるかもしれませんね。
千遥が18で結婚することが何が悪いと富士子(松嶋菜々子)が言えば、
「出たよ、古い考え」
富士子、またイラッとします。
見ているこっちからすれば、「出たよ、親子喧嘩」なのですが。
ほんと夕見子は、人の心をかき乱す天才です。
人は誰かのモノになる必要はない。
そう夕見子が提唱すれば、照男(清原翔)が反論。
「別に俺は、砂良(北乃きい)が自分のモノとは思ってねえべ」
これがいけなかったですねー。
「私はあなたのモノだと思ってましたけど」
「俺のモノだ」
「どっちよ」
軽い夫婦喧嘩まで巻き起こす。
その真ん中で笑う咲太郎(岡田将生)。
「なつは面白い家で育ったな」
そうでしょー。私もそう思いますわ。
しかも、夕見子のこの意見は咲太郎が所属する赤い星座で上演した「人形の家」と思想がリンクしているように思いました。
なので咲太郎も、夕見子の考えに共感できるところがあったのでは?なんて思えました。
ヘンゼルとグレーテル
なつは久しぶりに、夕見子と明美(平尾菜々花)と同じ部屋で寝ることに。
枕元にあった童話集を見た夕見子は、なつが短編映画を作ろうとしていること、その原作を考える立場にあることを知り、驚きました。
もうそんなことをやらせてもらってるのかい。
同じ時に大学に進学した夕見子からしたら驚きでしょう。
そこで夕見子は、ひとつの作品を目にして、なつが描くべき作品はこれだと言います。
その作品とは「ヘンゼルとグレーテル」。
登場人物のヘンゼルとグレーテルは、まるでなつや咲太郎のよう。
そして、道に迷わないようにと、ヘンゼルが道に置いていくパンは「絵」。
それを食べてしまい、兄弟たちの帰り道をわからなくしてしまうのは「時の流れ」だと言うのです。
演出的ポイントをしっかり押さえた素晴らしい見解だと思います。
そして、思想家のような言葉のチョイスは、東京で演劇を頑張っている雪次郎(山田裕貴)とお似合いになること請け合いではないかと想像しました。
泰樹(草刈正雄)に孫が増えた気分
なつたちがそんな話をしている頃のことです。
咲太郎は、富士子と剛男(藤木直人)、そして泰樹と晩酌をしていました。
今までのことを振り返ったりなどしていると、泰樹は咲太郎に言うのです。
「ここまでよう頑張った。これからも頑張れ」
少ない言葉ですが、その言葉は咲太郎の心に深く突き刺さったのです。
よく考えれば、柴田家での咲太郎の評価はあまり良いものではありませんでした。
というのも、初対面の夕見子は、咲太郎を紹介され、真っ先に言った言葉が…
「あー、泥棒のお兄さん」
そんなこともありましたねー!
第5週の最後でしたっけ?もう10週も前の話ですよ!
そこで柴田家の人たちの咲太郎の記憶って止まってたんでしたね。
夕見子に言われて、こっちも思い出しましたわ。
泰樹のこういう些細な言葉は、なつを始め、咲太郎の心にも、千遥の心にも響いた気がします。
昔は偏屈なガンコ爺キャラと言われ続けていた泰樹ですが、確実になつたちに出会ったことでキャラが変わってますよ。
そして個人的に面白かったのは、なつが東京へと帰る時です。
「咲太郎、しっかりやれよ」
という泰樹のお言葉。
最後に叱られました。
それはなんだか、幼い時に咲太郎が剛男に言った、
「なつをお願いします。幸せにしてやってください。不幸にしたら許さねえからな!」
というあの言葉に類似しているように思えました。
じいちゃん、良い孫が増えましたね。
『なつぞら』第15週85話まとめ
明美の髪を結うなつのメイキングとオフショット。久しぶりに姉たちに会えて、明美もうれしそうでしたね。#朝ドラ #なつぞら #広瀬すず #平尾菜々花 pic.twitter.com/dsAc7l7XMY
— 【公式】連続テレビ小説「なつぞら」 (@asadora_nhk) 2019年7月8日
千遥に会うことはできなくとも、夕見子と会うことができ、さらには久しぶりに搾乳までやるなつ。
その腕は全くと言っていいほど鈍っていませんでした。
千遥の服はどうするのかと思いきや、それは柴田家に置いておこうと、なつは決めました。
いつか千遥が取りに来るかもしれないから…という期待を抱いてのことです。
もし千遥が道に迷うことがあれば、服を取りに十勝に帰ってくればいい。
千遥にとってのパンは、あの服ということなのですね。
次回からは、また東京でなつたちが頑張る姿が見られる様子。
北海道でリフレッシュしたなつがどんな活躍をするのかが非常に楽しみです。
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