監督見習いの坂場一久(中川大志)に悩まされるなつ(広瀬すず)。
どこに行ったらいいかわからなくなっていたんですが、『なつぞら』第12週72話は、もう一人どこに行ったらいいのかわからなくなっている人が……。
第12週ラストにとんでもない事態が発生します。
名付けて「雪次郎(山田裕貴)の乱」です。
目次
『なつぞら』第12週72話あらすじ
坂場(中川大志)からの言葉に、不安になるなつ(広瀬すず)。
友人の桃代(伊原六花)を誘って川村屋を訪れると、奥のテーブルで熱心に本を読む坂場の姿があった。
なるべく近寄りたくないなつだったが、桃代に強引に引っ張られ、坂場と同じテーブルにつくことに。
嫌がるなつを面白がる桃代は、さらにけしかけ、なつが坂場に聞きたかったことを聞かせる。
その時、光子(比嘉愛未)が、やって来て…。
出典:NHK
【ネタバレ】『なつぞら』第12週72話の感想
雪次郎(山田裕貴)、劇団「赤い星座」のオーディションに現る
劇団「赤い星座」では、新入団員募集のオーディションが行われました。
蘭子(鈴木杏樹)が主演を務めた「人形の家」に感化された雪次郎(山田裕貴)は、まさかこのオーディションの舞台に立っていたのです。
えっ、何してるの雪次郎!?
オーデションの会場には蘭子を始め、団員が椅子に座って並び、進行役として咲太郎(岡田将生)がそこにいました。
ピアノの音に合わせて何かを表現して、と言われる雪次郎。
課題を出されても何をしたらいいかわからない雪次郎は、ピアノの音に合わせ、勝農高校で行っていた練習を始めてしまいました。
走りながら頭の上で手を叩き、発声の練習です。
これには咲太郎も蘭子も、オーディションを受けに来ていたレミ子(藤本沙紀)も開いた口が塞がりません。
なぜそれをやったのかと唖然としますが、そもそもなんでオーディションを受けに来ているんだと…そっちの方が問題ですよ。
川村屋での修業はどうした!?
まさか!雪月を継がないという選択をしようというのか!
久しぶりに「ペチカ様、ペチカ様!」と叫ぶ雪次郎の演技も見れたのは良いんですがね。
非常にどアップで映し出してくれるものですから、山田裕貴さんの綺麗な顔で画面が埋まってなかなかの福眼でした。
川村屋に一久(中川大志)
坂場一久(中川大志)と衝突したその日の夜。
なつ(広瀬すず)は桃代(伊原六花)と共に川村屋を訪れました。
するとそこには一久が先にいて、本を読みながらカレーパンを食べていました。
一久と衝突して息抜きをしようと思ったのに、またいるのか…とげんなりするなつ。
しかし、桃代が相席をお願いしたことで、なつはまた複雑な気持ちになってしまいます。
しかも、同じ席に座ったら少しか会話をするものだと思うのですが、一久は無視!ひたすらにパンを頬張りながら本を読み続けます。
「なんでここにいるんですか?」
「なぜ?」
「あ、ここ前に私が働いていていた店なんです」
「そうですか。それで?」
「えっ…」
新宿に本を買いに来て、すぐに読みたいからと川村屋を選んだ一久がここにいることと、なつの元職場であったことは単なる偶然。
特別な話ではないという顔をします。
もう完全になつは調子を狂わされます。
そう言いながらカレーパンを食べていると、中のカレーが本に落下。
一久が指でカレーを取ろうとしているので、紙ナプキンを差し出すなつ。
本当に不器用です!カチンコ叩けませんし、カレー落とすし、人との距離感も……。
なつからすればものすごく距離を感じますし、端的に答えられて「会話にならない」と思うのでしょう。
そんな一久でも、「面白い人」と言っちゃう桃代。
なんかフィルターかかってませんか?
イケメンだからちょっと惹かれてますか?
これからなつとバンバン衝突しそうですけど。
一久(中川大志)が見てきた漫画映画
ひたすらにリアリティーを求める一久。
漫画にしかできない表現で子供をワクワクさせたいなつ。
なつが漫画映画に惹かれたのは、子供の頃に見た『ポパイ』や、帯広の映画館で天陽(吉沢亮)と共に見た『ファンタジア』でした。
そして、それを見てワクワクすることができたからこそ、なつは漫画映画を作りたいと思うようになったんです。
では、一久はどうだったのでしょう。
彼の場合は、フランスの漫画映画がきっかけで、ナチスから解放される姿を描いたお話を見て、感化されたみたいです。
漫画映画を通じて、子供にも大人にも色々なことを知ってもらいたい!だから漫画映画を作りたいと思ったのです。
しかし、不器用さゆえに、なつのように絵が描けない一久は監督という道を選んだのです。
「牛若丸の前のめりになるのがおかしくないですか?」
「馬は怖がりませんか?」
「アニメーションにしかできない表現をやれば、リアリティーはいりませんか?」
そんな疑問をなつに投げかけたのは、一久なりの情熱だったのです。
リアリティーのある漫画映画を通じて、多くの人に「何か」を伝えたいと思う一久。
そうか、この考えがあったからこそ、リアル一久こと高畑勲監督は名作『火垂るの墓』を作り上げたのですね。
いろいろと納得しました。
マダム・光子(比嘉愛未)もお手上げ。雪次郎(山田裕貴)の乱
一久との話が淡々と盛り上がりを見せている時、光子(比嘉愛未)がなつの前に現れました。
「ちょっといいかしら」
なつがここで耳にしたことは、雪次郎が川村屋を辞めたいと言ってきたということなのです。
辞めてどうするのかと聞けば、言うことはわかりますよね。
「演劇がしたい」
これを聞かされたなつは、すぐに寮の雪次郎の部屋へ。
「何を考えているの」と、止めに行きます。
しかし、雪次郎はまだ劇団のオーディションに受かっていません。なのに出ていこうとしていたのです。
いや、なつが考える問題はそこではなく、雪月のことです。
たった一人の跡取り息子の雪次郎が継ぐことを辞めたら、雪月はなくなってしまうとなつにでもわかります。
しかし雪次郎は、一人息子だからこそやりたいことができないと反論します。
埒が明かないと思ったなつは、雪次郎を引きずって「風車」へ。
そこには咲太郎と煙カスミ(戸田恵子)、そしてレミ子がいました。
みなさん、雪次郎の思い切った行動に称賛の声をあげますが、小畑家のことを考えるなつはそうは行きません!
「雪次郎くんは役者にはできません!」
「どうして?」
「どうしても!」
雪次郎からすれば、なつは酪農を辞めて漫画映画を選んだ。
だから自分も製菓を辞めて演劇を選ぶと考えたのです。
しかしそれは、柴田家からの後押しがあったから!
雪之助(安田顕)や妙子(仙道敦子)、とよ(高畑淳子)はなんて言っていたと聞けば、
「それはまだこれからだ」
まだ言っていないと来ましたか。
「なして!?ねえそこが一番大事だべさ!ここ辞める前に言うべきでしょうさ!」
ガンガン方言で訴えかけるなつ。
なつ、右に同じです。
これは親子喧嘩勃発だなあと、わかります。
さてどうなっていくのでしょうか!
あら?ここで第12週が終わりました。
『なつぞら』第12週72話まとめ
スタジオの隅に座る山田裕貴さんをパチリ。咲太郎の劇団の試験を受けた雪次郎。どうやら“雪次郎の乱”が始まるようです。#朝ドラ #なつぞら #山田裕貴 pic.twitter.com/h2AD5JKAI9
— 【公式】連続テレビ小説「なつぞら」 (@asadora_nhk) 2019年6月21日
千遥の行方を捜し、ショックを受けたなつが、千遥のために漫画映画を描くと決意した第12週の序盤。
そこから一久が現れ、なつに新たな刺激が生まれたなとわかり、これからまた躍進していくのだろうと思えたのですが、ここでやっぱり雪次郎が演劇に戻っていくという事態です。
蘭子の言葉で明らかに顔色が変わり、毎日のように舞台を見に行っていましたが、ここで思い切った行動をすることになるとは…という感じです。
親の期待を裏切っても役者をやりたいという雪次郎ですが、なつには通じません。
「それは絶対ダメ」
なつの方が意思表示がかなり強いです。
そして、こんな事態を聞いたならば、雪之助が黙ってないでしょう。
雪月を守りたい雪之助と夢を追いたい雪次郎。
きっと取っ組み合いの大喧嘩。
山田裕貴と安田顕。
カメレオン俳優同士の親子喧嘩を拝めることになると思うと、非常に楽しみです。
もちろん、『わんぱく牛若丸』ができあがっていく過程、なつの成長、一久との衝突や、アニメーションとの向き合い方、次週またそんなことがまだまだたくさんあると思うので、こちらも楽しみです。
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