映画『長いお別れ』あらすじ・感想!認知症が進行する父と向き合う家族をリアルに描く感動作【ネタバレなし】

映画『長いお別れ』あらすじ・感想!

出典:『長いお別れ』公式ページ

映画『長いお別れ』は、中島京子による同名の小説を原作とした実写映画。

原作小説の著者、中島京子がアルツハイマー型認知症を患い亡くなった自身の父を見送った経験が基になっており、原作小説は第10回中央公論文芸賞と第5回日本医療小説大賞を受賞しています。

ポイント
  • 認知症が進行していく父と向き合う家族をリアルに描いた作品
  • 何気ない言葉、何気ない出来事に救われていくシーンが、観る者を励ます
  • 誰にでも起こりうる家族介護の現実について考えさせられる

それではさっそく『長いお別れ』をレビューしたいと思います。

映画『長いお別れ』作品情報

『長いお別れ』

出典:映画.com

作品名 長いお別れ
公開日 2019年5月31日
上映時間 127分
監督 中野量太
脚本 中野量太
大野敏哉
原作 中島京子
出演者 蒼井優
竹内結子
松原智恵子
山﨑努
北村有起哉
中村倫也
杉田雷麟
蒲田優惟人
音楽 渡邊崇
音楽 優河「めぐる」

映画『長いお別れ』あらすじ


2007年、父・昇平(山崎努)の70歳の誕生日で久々に帰省した長女の麻里(竹内結子)と次女の芙美(蒼井優)は、厳格な父が認知症になったことを知る。

2009年、芙美はワゴン車でランチ販売をしていたが、売り上げは伸びなかった。

麻里は夏休みを利用し、息子の崇と一緒に実家へ戻ってくる。

昇平の認知症は進行していて、「帰る」と言って家を出る頻度が高くなっていた。
出典:シネマトゥデイ

映画『長いお別れ』みどころ

『長いお別れ』みどころ

直木賞作家・中島京子の実体験に基づく小説を、『湯を沸かすほどの熱い愛』などの中野量太監督が映画化。

認知症の影響で徐々に記憶を失っていく父と、彼と向き合う家族を描く。

認知症の父を『モリのいる場所』などの山崎努、家族を『彼女がその名を知らない鳥たち』などの蒼井優、『春の雪』などの竹内結子、『ゆずの葉ゆれて』などの松原智恵子が演じるほか、北村有起哉、中村倫也らが共演。
出典:シネマトゥデイ

映画『長いお別れ』を視聴できる動画配信サービス

『長いお別れ』は、下記のアイコンが有効になっているビデオ・オン・デマンドにて動画視聴することができます。

なお、各ビデオ・オン・デマンドには無料期間があります。

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注意点
  • 動画の配信情報は2019年5月21日時点のモノです。
  • 動画配信ラインナップは変更される可能性もありますので、登録前に各サービスの公式ページにて必ずご確認ください。

ご覧のとおり、2019年5月21日現在はどこのビデオ・オン・デマンドでも配信開始となっておりません。

動画配信が開始になり次第、追って情報を掲載させていただきます。

映画『長いお別れ』感想レビュー【ネタバレなし】

アルツハイマー型認知症の進行を生々しく描く

本作『長いお別れ』は父(山崎努)のアルツハイマー型認知症の進行を軸として、認知症発症から7年間の家族それぞれの人生を生々しく、ユーモラスに描いた作品です。

直前の記憶が飛んで会話が成り立たなくなったり、スーパーで万引きをしてしまったり、認知症の症状が丁寧に描かれており、その場の空気や緊張感まで伝わってくるようでした。

知識だけでは実感できない、映画ならでは擬似体験です。

一方で、認知症が進行していても毎日24時間の生活の中では笑顔になれる日常の時間ももちろんあって、家族の間を流れる温かい空気も丁寧に切り取られているので、鑑賞中に和む瞬間も多くありました。

決して重たい余韻だけが残らないこともこの映画の魅力です。

何気ない言葉、何気ない出来事に救われる

認知症を軸にした作品ですが、個人的には次女の芙美(蒼井優)の人生を一部抜き出した物語として観ると、まとまりが良くて勇気づけられる内容になっており感動しました。

中学校の校長だった厳格な父は、娘2人に教師の道に進んでほしいと願っていました。

しかし、芙美はスーパーでアルバイトをしながら自分のカフェを持つ夢を追いかけています。

やがて自前でキッチンカーでの移動販売を始めるものの、売り上げは芳しくありません。

また、恋愛も上手くいかないことが続いてすっかり気落ちしていましたが、認知症が進行して絞り出すようにしか喋れなくなった父の言葉に救われる場面があります。

娘の現状をどれだけ理解しているか分からないし、ほんの何気ない一言かもしれませんが、芙美の心を動かしたことは間違いないのです。

その言葉を本記事に書くことは控えますが、その父の一言と、前を向いて歩き出す芙美の姿にとても励まされました。

もう1人、劇中で度々スポットが当たる人物で印象に残ったのは、長女麻里(竹内結子)の息子、崇(杉田雷麟/少年期:蒲田優惟人)です。

麻里の夫の転勤でアメリカに移住して、アメリカの学校に通っている崇は、日本にいる家族と接する時間も少ないのですが、祖父の認知症が発覚した直後に帰国した際、祖父に漢字を教えてもらう場面があります。

祖父はこの時すでに自分の孫を認識できていませんでしたが、漢字に詳しい祖父を尊敬する崇との間に生まれた絆は確かなものとして心の奥底に残り続けることになります。

その絆が不思議と爽やかなラストシーンに繋がっていくのです。

ほんの少しの時間に漢字の読み書きを教えただけの、それだけの出来事が崇にどんな影響を与えるか…ということも本記事に書くことは控えます。

この感動は、ぜひ本編で確かめてください!

人ごとではない家族介護の現実

私は本作『長いお別れ』をTBSラジオ「ジェーン・スー生活は踊る」の特別試写会で鑑賞したのですが、上映後のトークショーでの気づきについても書きたいと思います。

ラジオパーソナリティのジェーン・スーとTBSアナウンサーの長峰由紀によるトークショーでした。

お二人とも認知症ではないものの親の介護を経験しており、実体験と重なる部分や、より生活と密着した介護の現実を掘り下げてお話してくださりました。

前述の通り、私は芙美や崇に感情移入して観ていましたが、お二人は認知症の父が亡くなったあとの母(松原智恵子)の生活について言及しており、自分があまり意識していなかったのでハッとしました。

たしかに長女の麻里にはアメリカでの生活があり、次女の芙美は実家の近くに住んでいるものの収入がやや不安定だったり、不安要素がありますね。

誰の立場で考えるか、自分だったらどう行動するか、視点を変えて観てみると、また新しい発見がある作品だと思いました。

映画『長いお別れ』まとめ

こちらの公式Twitterにある通り、ハッシュタグ“#長いお別れ寄付”をつけて感想を投稿することで、1投稿あたり10円の寄付がされます。

本作品をご覧になった方は、ぜひ感想を投稿するようにしましょう。

2019年5月31日より全国公開です。

要点まとめ
  • リアルな認知症の描写と思わず笑顔になる家族の日常
  • 父の言葉や行動で前向きに変わっていく登場人物たちに勇気づけられる
  • 自分だったらどう行動するか?という視点で観るべき作品