韓国で大ヒットし、日本でもドラマ化された映画『ミッドナイト・ランナー』のキム・ジュファン監督最新作『マイ・ハート・パピー』が2024年1月2日(火)に公開されます。
最新作は「犬ロードムービー」であり、『バニシング 未解決事件』のユ・ヨンソクや、映画『神と共に 第一章 罪と罰』などに出演するチャ・テヒョンが共演した暖かいドラマが見どころの作品です。
・動物映画としても純粋に楽しめる!
・コメディというよりはほっこりドラマ
それでは『マイ・ハート・パピー』をネタバレなしでレビューします。
目次
『マイ・ハート・パピー』あらすじ【ネタバレなし】
愛犬ルーニーと暮らすミンス
小さな出版社に勤める真面目な青年ミンス(ユ・ヨンソク)。残業は一切せず、定時ダッシュを決めるミンスには、急いで家に帰りたい理由があった。ミンスは愛犬のゴールデン・レトリーバーのルーニーと暮らしており、ルーニーのためなら定時ダッシュも全力だ。
今のミンスには親兄弟がおらず、ルーニーをまるで自分の弟のように溺愛している。そんなミンスだが、彼にとってその日は人生最大のイベントの日だった。しかし、そんなミンスに思わぬ事態が起きる。ある理由から、ルーニーと暮らすことができなくなってしまったのだ。
困り果てたミンスは、数少ない親戚のひとり・ジングクに助けを求める。
金欠崖っぷちのジングク
ミンスの従兄弟・ジングクは、自分のカフェを潰してしまい、今は借金返済のためにジムで働く日々。そんな中でルーニーを手放さなくてはならない話を聞いたジングクはある提案をする。
それは自身のSNSを駆使して、ルーニーの里親を探すというものだった。見ず知らずの人にルーニーを託すことに抵抗のあったミンスだが、様々な人たちと出会うなかで、何がルーニーにとって最良の選択なのか悩み続ける。
そこでジングクは更に視野を広げるため、遠く離れた場所まで旅をしながら里親を探そうと提案する。
里親を探すはずが、増える犬?
ところがこの旅の道中で、ミンスとジングクは犬たちとの運命的な出会いを繰り返す。最初はルーニーの里親を探すはずだったのに、気づけばさらに7匹の犬の里親も探すことに?!
果たしてふたりは無事にルーニーとその仲間たちの里親を見つけることはできるのか?
『マイ・ハート・パピー』感想
ユ・ヨンソクとチャ・テヒョンが15年ぶりの共演
主人公・ミンスを演じるユ・ヨンソクといえば、ドラマ「賢い医師生活」をはじめ、近年では『バニシング:未解決事件』にてオルガ・キュリレンコと共演を果たすなど、幅広いジャンルでの演技に定評のある人物。
今作でも生真面目で、犬のルーニーを心から愛する青年を熱演しています。ルーニーへの愛が溢れすぎて文字通り「定時ダッシュ」を決めるシーンは必見です笑
そんなミンスの従兄弟・ジングクを演じるチャ・テヒョンといえば『猟奇的な彼女』での演技が日本でも注目を集めた俳優です。
ほかにも、映画『神と共に 第一章 罪と罰』や、ドラマ「番外捜査」などさまざまな作品に出演しました。
『マイ・ハート・パピー』ではどこか抜けてて、あらゆる発言に説得力がないにも関わらず、なかなか憎めない男を演じました。
脇を固めるキャストも豪華で、ミンスのフィアンセ、ソンギョンを「裸足の消防士」 などに出演するチョン・インソン。里親候補のひとりで一児の母・ミソンには『サニー 永遠の仲間たち』で俳優デビューを果たしたパク・ジンジュが抜擢。
ほかにも「雲が描いた月明かり」などで演技大賞を受賞した人気若手俳優キム・ユジョンや、韓国で圧倒的支持を持つトップモデルのイ・ホジョンなど、個性豊かなキャストが出演しています!
ウ・ドファンを探せ!
本作では『ディヴァイン・フューリー/使者』などに出演するウ・ドファンも登場します。
『マイ・ハート・パピー』の公式サイトでは、唯一名前だけの記載で場面写真がなく、どんな役で登場しているか、ビジュアルがわからないようになっています。
カメオ出演なので、気になる方は注意しながらの鑑賞がおすすめです!笑(公式サイトにはなんの役で出演したのかは書いていますが…筆者は見つけられませんでした…汗)
動物映画としても純粋に楽しめる!
「愛するペットと離ればなれで暮らさなければならい…」
ペットを飼っている人からすれば、想像するだけで辛い話ですが『マイ・ハート・パピー』はけっしてしんみりしたストーリーではありません。
ペットと暮らす楽しさや尊さをはじめ、難しさや苦労などを(基本的には)明るいトーンで描いています。
少し似た内容の作品で『旅猫リポート』(18)もありますが、作品のトーンは全く違うものでした。
さらに『マイ・ハート・パピー』ではゴールデン・レトリーバーのルーニーのほかに、7匹の犬たちと出会います。どの犬たちも最高にキュートではありますが、ミンスたちが引き取った犬の中には、悲しい理由で引き取られたものもいます。
動物を愛おしいと思う気持ちが強くなる一方で、人間の身勝手な部分も見せられるので、人間嫌いの感情も芽生えること必須です…汗
コメディというよりはほっこりドラマ
キム・ジュファン監督の新作と聞くと、どうしても『ミッドナイト・ランナー』のようなコメディをイメージするかもしれません。
『マイ・ハート・パピー』も二人の男が主人公なので、バディものとしての共通点もあります。
しかし今作はコメディ要素以上に、暖かいドラマが魅力的な作品です。
ミンスとルーニーといった人✕動物という関係だけでなく、ミンスとそのフィアンセ、今はいないミンスの家族についてのドラマなども描かれています。
そして旅の道すがら出会う人や犬たちから「出会いと別れ」がひとつのテーマとなっており、ドラマものとしての魅力を持つ作品となっていました。
笑って泣ける!とはちょっと違う、ある意味で監督の新境地となる作品かもしれません!
『マイ・ハート・パピー』あらすじ・感想まとめ
・動物を飼っている人にはぜひ見て欲しい作品
・ほっこり動物たちの姿を堪能できる!
以上、ここまで『マイ・ハート・パピー』をレビューしてきました。
キム・ジュファン監督の過去作『ミッドナイト・ランナー』よりはコメディ要素が薄い反面、動物の愛くるしい姿や、しんみりしがちな話を明るく描く手腕はさすが!
ペットを飼っている人からすると、ミンスの決断をどう思うのか、考えさせられる内容でもありました。