大ヒットした『太陽の末裔』や『トッケビ〜君がくれた愛しい日々〜』の演出家と脚本家の最強タッグの超話題作で、ケーブルチャンネル「tvN」のドラマ史上最高視聴率を記録。
激動の20世紀頭の朝鮮半島を舞台に、幼い頃に国を追われアメリカで将校となった男と、両親の遺志を継ぎ国の未来に向けて戦う女性の愛と葛藤が描かれたラブストーリーです。
アメリカで将校になり、辛い思いをして朝鮮に帰国したアメリカ海兵隊将校ユジン・チョイを演じたのは、日本でも大人気の韓流スター、イ・ビョンホン。
凛々しい軍服姿のエリート将校の影に見え隠れする祖国への悲しく複雑な思いを絶妙な演技で表現するイ・ビョンホンはまさに名優だと思います。
そして、朝鮮最高の名家のお嬢様ヒロイン・エシン役は、映画『お嬢さん』で名監督パク・チャヌクに見出され、新人賞を総なめにした女優キム・テリ。
信念と愛との狭間で葛藤するエシンを熱演しています。
祖国の未来を憂う若者たちの愛と葛藤、苦しみ・悲しみを描いた究極のドラマ『ミスター・サンシャイン』をレビューしていきます。
目次
『ミスター・サンシャイン』キャスト
イ・ビョンホン / 役:ユジン・チョイ
- アメリカ海兵隊のエリート将校
- 9歳の頃、奴婢の両親を目の前で殺害され、その後渡米
- 30年振りに祖国朝鮮に帰国し、アメリカ大使館の領事代理に就任
キム・テリ / 役:コ・エシン
- 朝鮮最高の名家コ・サホンの孫娘で、世間知らずの令嬢
- 両親が生前義兵だったと知り、その遺志を継ぎ自らも義兵となる
- 突然目の前に現れたユジンに初めて複雑な思いを抱く
ユ・ヨンソク / 役:ク・ドンメ
- 屠殺で生計を立てる最下層の身分「白丁」として生まれる
- 自らの身分の低さに翻弄され、日本に渡った後に刺客として朝鮮に戻る
- 幼い頃、命を助けてもらったエシンが忘れられない
ピョン・ヨハン / 役:キム・ヒソン
- 朝鮮で大金持ちの両班の孫として育つ
- 悪名高い家門が許せなくて、日本に渡り10年間放浪生活を送る
- 勝手に決められていた許婚エシンと10年会えず、やっと会えた彼女に一目ぼれする
『ミスター・サンシャイン』あらすじ・感想【ネタバレなし】
激動の時代に出会った2人
時は19世紀の後半、開国に揺れる朝鮮時代。
奴婢の子に生まれた9歳のユジンは、雇い主である代官の目の前で両親が殺害されるのを目の当たりにし、母親の言葉通り雇い主の家から逃げることに。
途中、雇い主の部下に捕まりそうになりますが、陶工のファン・フンサンの力を借りて、命からがらアメリカの軍艦に乗りこみます。
「神さまがいる国」と期待したアメリカでしたが、そこでは差別と孤独に苦しめられることに。
30年後、差別や孤独に耐え抜いたユジンは「ユジン・チョイ」と名乗り、アメリカ軍のエリート将校となっていました。
そんな中、ある任務のため朝鮮行きを命じられるユジンは複雑な思いを胸に祖国へ帰還しますが、そこでの初任務はアメリカ大使の暗殺でした。
その任務を遂行しようとした時、ユジンは同じ目的を持つ1人の女性に出会います。
彼女は朝鮮最高の名家の当主コ・ホサンの孫娘・エシンでした。
俳優陣の日本語の実力が素晴らしすぎる
『ミスター・サンシャイン』は、朝鮮史において決して避けて通ることができない日本統治時代を、かなりリアルに再現しています。
主要キャストのほとんどが日本人と絡み日本語を話します。
主役のイ・ビョンホンはもちろんユ・ヨンソク、ピョン・ヨハンも日本語の長台詞で熱演を見せています。
また、どのドラマでも日本人役が多く「日本人なの?韓国人なの?」と噂され、ある意味有名になったイ・ワニク役のキム・ウィソンもいますし、伊藤博文を演じた俳優キム・インウは在日3世ともあり韓国俳優への演技指導をしているほど日本語が堪能。
かとリーニョ
とにかく、多くのキャストが日本語を習得している『ミスター・サンシャイン』。
かとリーニョ
歴史に翻弄される義兵たちの思い
『ミスター・サンシャイン』の舞台は、「朝鮮」から「大韓帝国」へと国名が変わり、日本の植民地支配の色が濃くなってきた時代の朝鮮半島です。
そんな中、「義兵」という多くの名もなき兵士たちが、国の未来と誇りを守るため、朝鮮半島各地で立ち上がりました。
祖国は朝鮮でも異邦人として義兵に加わるユジンと、両親が「義兵」だったためその血を受け継いで育ったエシンを中心に、義兵のあり方や、葛藤・苦悩がリアルに描かれています。
人気脚本家の美しいセリフや映画並みの映像に驚き!
『ミスター・サンシャイン』は全24話と韓国ドラマでは普通の長さですが、初回から毎話、胸が苦しく切なくなる展開が続きます。
かとリーニョ
さらに、戦闘シーンは映画を観ているかのごとく壮大でダイナミックに描かれており、スケールに圧倒されます。
日本統治時代の朝鮮の街並みや情景も、リアルに再現され細部まで繊細に描かれているので見とれてしまいます。
『ミスター・サンシャイン』まとめ
ミスターサンシャイン🎩完走
長い長い映画を観た後のよう…
避けられない史実、移ろう善悪、人の業、重いテーマでしたが、ただただ見応えがあり、余韻がひどい。初めてビョンホンに恋しましたわ🥰 pic.twitter.com/0gCz5Mp9kY— よっしぃ☆ (@kakashiyosshi) May 9, 2020
韓国では賛否両論のあった『ミスター・サンシャイン』。
かとリーニョ
韓国ではドラマの内容の他にイ・ビョンホンのスキャンダルなどで色々波乱があったようですが、それでも劇中あれだけ英語と日本語を巧みに使いこなし、さらに名演を披露したイ・ビョンホンは、やはり素晴らしい俳優だと改めて思いました。
また、歳が20歳も離れているキム・テリとの絡みも、噂では「父と娘」など言われたようでしたが、両者の演技力で年齢差をしっかりカバーしていたと思います。
激動の朝鮮で国の未来や誇りをかけて戦った若者たちの美しくダイナミッなドラマ『ミスター・サンシャイン』、ぜひご覧いただきたい作品です。