月曜日の朝、「また同じ1週間が始まる」。
社会人なら一度はそういったことを感じたことがあるのではないでしょうか。。
でも、『MONDAYS このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない』は、その「感覚」をそのまま映画にしたような作品。
ただのタイムループSFではなく、「仕事」「夢」「人間関係」をテーマにした、笑えてちょっとじーんとくる一本です。
・「上司に気づかせないと終わらない」というユニークな設定
・ラストに向かうほど、じわじわと胸に迫るものがある
それでは『MONDAYS このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない』をネタバレありでレビューします。
目次
『MONDAYS このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない』作品情報
公開:2022年10月28日
監督:竹林 亮
脚本:夏生さえり
出演:円井わん、マキタスポーツ
上映時間:82分
【ネタバレ】『MONDAYS このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない』あらすじ
最悪な一週間のはじまり
広告代理店に勤める吉川朱海(円井わん)は、月末の月曜日にオフィスで目を覚まします。
窓に鳩がぶつかるところから仕事がスタートするという、なんとも気分の悪い朝です。
下請け仕事に追われる日々の中、吉川には大きな目標がありました。憧れの女性社長が率いる大手代理店・木本オフィスへの転職です。
その転職がかかった大事な1週間でしたが、仕事はミスの連続。
彼氏との関係もこじれ、停電でデータは消え、踏んだり蹴ったりな日々が過ぎていきます。
ところが、新しい月曜日を迎えたはずの朝。
「バンッ!!」
窓に鳩がぶつかる音がしました。
もしかしてタイムループしている?
再び始まる1週間になんとなく違和感を覚える吉川。
そんな吉川に、後輩の遠藤(長村航希)と村田(三河悠冴)が告げます。
「俺たち、同じ1週間を繰り返しています」
遠藤は8回目、村田はなんと20回目。
タイムループには「原因」があるはずです。
遠藤と村田が疑っているのは、永久部長(マキタスポーツ)の「グリーンダイヤモンドのブレスレット」。
なんと、願いを叶えてくれる代わりに呪いをかけられる危ないものだというのです。
しかも部長の口癖は、
「50代になりたくない、時間よ止まれー」
遠藤と村田は、「部長がタイムループを認識し、ブレスレットを自身の手で破壊しない限り、このループから脱出できない」と推理します。
立場が上の人に伝えてもらった方が効果的と考え、
吉川→森山(八木光太郎)→平(髙野春樹)→部長
の順で上申し、タイムループを全員に認識させる作戦を実行していきました。
タイムループからの脱出を目指す
社員全員を巻き込んで部長にタイムループのプレゼンをし、ついに部長もループに気づいてくれます。
そして、説得の末、ブレスレットの破壊にも成功しました。
これでループが終わった。
そう安心して迎えた月曜日。
「バンッ!!」
窓に鳩がぶつかる音がしました。
タイムループの本当の原因
また振り出しに戻った社員たちが途方に暮れていると、ずっと存在感の薄かった社員・神田川聖子(島田桃依)が声をあげます。
「私は70回目よ」
聖子はずっと真実を訴え続けていましたが、誰も耳を貸してくれませんでした。
反省した社員たちは、はじめて聖子の話に向き合います。
聖子の推測によると、タイムループの原因は永久部長の「叶えられなかった夢」。
部長の机には、15年前から描きかけのまま眠っている漫画がありました。
一度は賞を獲ったのに、仕事に追われて編集者への約束を果たせないでいたのです。
社員たちは、自分たちで漫画を完成させて編集者へ届けさせようと決意します。
これまで仲間のことなど気にしたことがなかった社員たちが、互いに協力してひとつのことを成し遂げようとする中、吉川だけは転職のチャンスを手放せずにいました。
大切なこと
他の社員が漫画の完成に向けて作業に打ち込む中、吉川は作業での遅れを取り戻すためにこっそり仕事に取り組みます。
「そんなに仕事が大事か」と責める仲間に「やっと掴んだチャンスなの!」と吉川は声を荒げました。
そんなとき、六本木オフィスで憧れの木本社長(しゅはまはるみ)に偶然出会います。
しかし、木本社長が言った「出世したいんだったら自分のことだけ考えた方がいい」の言葉にモヤモヤした気持ちに…。
いつものオフィスに戻った先で見たのは、仕事が遅れている社員のフォローをするために、電話で取引先に謝罪している部長の姿でした。
「部長は自分の夢とみんなのこと、どっちが大事ですか?」
「自分ひとりでできることなんて、そんなにないんじゃないかな」
その言葉を聞いた吉川は、心を決めました。
他の社員に謝罪し、最低限の仕事をしつつ、再び漫画の作成に取り掛かります。
ループの終わりとチームの絆
いよいよ漫画は完成。
迎えた月曜日。
「バンッ!!」
鳩がぶつかる音かと思いきや、それは出社してきた部長が壁にぶつかった音でした。
とうとうループを脱し、喜びにひたる一同。
そのとき、吉川のスマホに着信が入ります。
「企画をずっとお待ちしてたんですけど。仕事ができる人だと思ってたんですけどね。言い訳できますか?」
そう相手に高圧的に言われ戸惑う吉川から、部長がスマホを奪い
「吉川ほど優秀な人材を手放したくないので、今回の件はなかったことに」
と伝え、電話を切りました。
「ごめんね、わがままなこと言っちゃって。でも、もう少し一緒に働いてほしいなぁって」
吉川は
「大丈夫です。そうしたいって思ってました」
と笑顔で言って幕を閉じます。
【ネタバレ】『MONDAYS このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない』感想

(C)CHOCOLATE Inc.
「あるある」な職場描写
無茶ぶりな仕事を「やれます」と引き受けてしまう吉川。
「サクッと飲みに行く人ー?」と空回りする部長。
何十回も同じ1週間を繰り返しているのに、なぜか慣れてしまっている社員たち。
しぃぷ
映画はその感覚を逆手に取って、タイムループというSF設定に落とし込んでいます。
笑えるのに、どこか刺さる。
そのバランスが絶妙でした。
「上司に気づかせる」作戦がじわじわ面白い
非現実的な現象・タイムループに気づかせるために、まずは説得したい人の観察。
次に徹底的に先回りフォローをすることで信頼関係を構築。
そして、信じざるを得ない状況で繰り出されるループの説明。
また、社長を説得する際には、ループしている根拠等をまとめてプレゼンまで用意する徹底ぶり。
しぃぷ
まさかコメディ作品でそれを実感するとは思いもしませんでした。
他の人は1対1で説得しているのに、社長に説明するときは、社員みんなでプレゼンしているのも面白かったです。
プレゼンの中で、部長が言おうとしているセリフを先出ししてループを証明するシーンは思わず声を出して笑ってしまいました。
吉川の心の変化
転職を夢見てひたすら仕事に突き進んでいた吉川。
憧れの木本社長の「自分のことだけ考えなさい」の言葉。
モヤモヤを抱えた先で聞いた部長の「自分ひとりでできることなんて、そんなにないんじゃないかな」の言葉。
そこから「仕事より大事なことがある」と気づく流れ。
しぃぷ
シンプルなメッセージですが、だからこそ胸に響きます。
『MONDAYS このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない』あらすじ・ネタバレ感想まとめ
・タイムループの原因が「上司の叶えられなかった夢」という設定
・ 約80分でテンポよく観られるのに、見終わった後にはしっかり満足感
しぃぷ
笑いながら観ているうちに、いつの間にかじーんとさせられる。
仕事に疲れてクスッと笑いたいときにオススメの作品です。

