「週刊少年ジャンプ」にて人気連載中の権平ひつじ先生によるスパイバトルコメディ『夜桜さんちの大作戦』。
家族を事故で亡くし、心を閉ざすようになった高校生・朝野太陽を主人公に、幼馴染みの夜桜六美とその家族――スパイ一家の夜桜家を取り巻く「大作戦」が描かれます。
爆破システムを停止し、ついに皮下を追い詰めた太陽。
しかし、”種まき計画”はまだ終わっていませんでした。
夜桜兄妹が到着し総攻撃を仕掛けるも、なぜか皮下には全く効果がありません。
余裕の笑みを浮かべる皮下に対し、成す術なく立ち尽くす夜桜兄妹たち。
そんな中、太陽はあることに気付き、今度は太陽を軸に再び総攻撃を仕掛けます。
太陽と凶一郎だけが共有する”第4の任務”、そして、”夜桜前線”は任務達成となるのでしょうか?
早速、第27話「作戦終了/披露宴」をレビューしていきます。
目次
アニメ『夜桜さんちの大作戦』前回第26話あらすじと振り返り
爆破システムの起動装置を前に取っ組み合う太陽と皮下。
その時、”開花”の暴走により太陽の脳裏に流れ込んできたのは、皮下の過去の記憶でした。
――丘の上にある小さな診療所・川下医院。
若き日の皮下は政府からの密命を受け、不思議な能力を持つ女性――夜桜家初代当主・夜桜つぼみの研究に勤しんでいました。
つぼみの血に秘められた未知なる力に魅入られた皮下は、彼女の夢を実現させるため、長い年月をかけ、ついにその手掛かりを掴むのでした。
一方、強制的に情報を流し込まれた太陽は、徐々に衰弱していきます。
諦めかけたその時、桜の指輪を通して六美の存在を強く感じ、彼女を守るべく再び立ち上がりました。
葉桜の力によって異形と化していく皮下に苦戦する中、やがて夜桜兄妹たちが駆け付け、ついに戦いは最終局面へ……!
【ネタバレあり】アニメ『夜桜さんちの大作戦』第27話あらすじ・感想
夜桜前線の行方
自爆してでも”種まき計画”を完遂させようとする皮下は、まさに起爆寸前。
凶一郎は、再び総攻撃の合図を出します。
フォーメーション・”桜の根”、その軸に太陽を指名しました。
太陽以外の兄妹たちは、その意図までは汲み取れませんでしたが、互いを信じて一斉に攻撃を繰り出します。
皮下が「今更こんな礫で何をしようと……」と語る通り、指示を出した凶一郎にとっても「ただの弾幕」である攻撃。
しかし、本命は太陽が気付いた「皮下の足元にある存在」でした。
兄妹たちの連携の陰に隠れ、皮下の足元――最地下まで辿り着いた太陽は、凶一郎と二人きりで共有した”第4の任務”を完遂しようとします。
確信した通り、そこには六美たちの母・零の遺体が保管されていました。
零の遺体の周囲には、微かに見える光る糸が張り巡らされています。
それは”紅い糸”――夜桜の血で紡ぐソメイニンの結晶体でした。
皮下は、死してなお力を持つ夜桜の血と心臓が葉桜を拡散する礎になると考え、この糸で零の遺体と自身を繋げていたのです。
つまり、これをちぎればソメイニンの供給が止まり、皮下は身体を維持できず崩壊しますが、一方で断面から漏れたソメイニンが大気と反応し、大爆発を起こしてしまいます。
そもそも簡単にちぎれるような糸ではない……皮下はそう高を括っていました。
ところが、太陽はこれまで数々の局面で限界を超えてきたこと、そして、六美を守りたいという想いを胸に、全力で糸を引きちぎるのでした。
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繋がれていく想い
太陽の頑張りによって皮下のソメイニン濃度は急速に減少していき、それを観測した四怨の言葉を合図に、兄妹たちが畳みかけるように攻撃を繰り出します。
自身を維持できず崩壊していく皮下は、つぼみの声を聞きました。
「あなたのやり方ではダメでしたね。 あなたは優しすぎた」
その言葉に対し、「わがままを聞いてくれてありがとな」と告げる皮下。
しかし、つぼみは礼を言うのは自分のほうだとしたうえで、「今回得た知見と長年の研究成果は”彼”に引き取らせます」と語りました。
「ありがとう」と「さようなら」、皮下が彼女の言葉に笑みを浮かべたその時、葉桜およびソメイニンの活性停止が観測されます。
皮下の確保、実験体の救助、残党の鎮圧……各地点から報告が上がり、夜桜前線は任務完遂となりました。
*
白骨島の入り江では、百と万が対峙していました。
皮下の敗北を見届け、一人立ち去ろうとする百を薄情者だと評した万は「お前にとって重要なのは”零の心臓”だけ」と、百の持つアタッシュケースを見つめて言います。
娘を返せと訴える万に、夫婦のものだと拒否する百。
交渉は決裂し、万は百に銃口を向けました。
百は特殊な銃弾での攻撃を、これまた特殊な方法で緩和させようとしますが、衝撃を吸収しきれず、桜が散るように爆散します。
静かに別れの言葉を告げて……。
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夜桜式披露宴?!
タンポポとの戦いが収束し、皮下は余罪多数で逮捕され、スパイ協会や警察など各組織の協力のもと、処遇の検討が進んでいます。
その他”虹花”らの構成員も罪状や情状酌量を鑑みたうえで、各組織の監視下におかれていました。
報告書を書き上げた六美は、零の墓を整える太陽の姿を見つけます。
供えられた青いカーネーションは、零と六美の花……。
零がこの地で眠れるようになったことに感謝しつつ、太陽と凶一郎が”第4の任務”を秘密にしていた事実は、六美をはじめとする兄妹たちの怒れるところでもありました。
主に凶一郎が二刃に叱られて収まったこの件ですが、太陽は夜桜前線が任務完遂した一方で、百については何もわからなかったことを気にしています。
そんな太陽に、六美は太陽の家族の墓前にも挨拶に行かなければと、優しく微笑むのでした。
*
その後、突如として催されたのは、太陽と六美の結婚披露宴。
裏稼業の人々が多数集まる「業界向け」の宴であり、太陽は突然のことに驚かされます。
しかし、披露宴といっても、ただの祝いの場ではなく「夜桜式披露宴」。
凶一郎によると、同業者として祝うに足る存在なのか測る場でもあるとのこと。
つまり、太陽と六美が仕事相手としてふさわしいか、命懸けで証明する披露宴なのです。
早速といわんばかりに、万や凶一郎ら親族から攻撃を仕掛けられる太陽。
さらに、参列者からの殺意に慌てたその時、会場のモニターに映し出されたのは、在りし日の零の姿でした。
新たな門出
「こら凶一郎、いい加減にしなさい」
優しくも厳しいそれは、六美を溺愛する未来の凶一郎に対する、零の言葉でした。
映像の中には零だけでなく、まだ幼い当時の兄妹たちの姿が……。
六美の披露宴用に撮影されたこのビデオレターは、生前の零が二刃に託したものでした。
百が任務で死にかけたことをきっかけに、自分も長くないと悟った零が遺したのです。
未来の六美の旦那――太陽へのメッセージもあり、新郎新婦の二人は手を繋いで想いを新たにします。
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こうして披露宴は無事終了……かと思いきや、最後に待っていたのは参列者からの弾幕の中を新郎新婦が駆け抜けるというイベント。
バージンロードを進むことすら命懸けの伝統に物申したくなる太陽でしたが、六美に手を引かれ、親族に護衛されながら駆け抜けていきます。
これが、六美と太陽と夜桜家の、新たな門出となるのでした。
アニメ『夜桜さんちの大作戦』第27話まとめ
いかがだったでしょうか。
最終話らしい特殊OP、EDも観られた第27話。
タンポポとの激しい戦いの後、披露宴を経た太陽と六美の絆はますます強くなり、夜桜家の一員としての太陽の想いもハッキリしたものに。
一方で、つぼみが皮下に遺した言葉や、百の行方など、まだまだ謎は深まるばかり……。
早速、アニメ第2期の製作も決定し、この続きが映像で楽しめるということで、期待が高まりますね。
「週刊少年ジャンプ」で連載中の原作も要注目です!