「週刊少年ジャンプ」にて人気連載中の権平ひつじ先生によるスパイバトルコメディ『夜桜さんちの大作戦』。
家族を事故で亡くし、心を閉ざすようになった高校生・朝野太陽を主人公に、幼馴染みの夜桜六美とその家族――スパイ一家の夜桜家を取り巻く「大作戦」が描かれます。
ついに皮下のいるアジトの最深部に到達した太陽と凶一郎。
しかし、そこで目にしたのは、ボロボロになった七悪の映像でした。
数刻前、実験体たちの脱出を助けていた七悪に”虹花”のミズキとアイが立ちはだかりました。
ミズキから噴出される催眠ガスを中和する七悪に、アイの重い打撃が炸裂します。
無益な戦いを止めようと、七悪は葉桜の除去と社会復帰の支援を訴えますが、ミズキはその申し出を拒否。
そして、社会を恨む彼の悲しい過去が明かされ……。
早速、第25話「アイとミズキ」をレビューしていきます。
目次
アニメ『夜桜さんちの大作戦』前回第24話あらすじと振り返り
自らの「開花」と向き合うことで、辛三はクロサワを撃破。
太陽たちとの合流を目指すべく、辛三は突進してくる複数の傭兵を迎え撃とうと構えますが、何故か相手が次々と倒れていきます。
別の通路で太陽たちと戦っていた傭兵も突如全滅。
これらは、夜桜一家を道連れにアジトも研究体も手放す判断を下した皮下の手によるものでした。
残り時間はあとわずか……「種まき計画」用爆破システムを制圧するべく、四怨&嫌五がチャチャ&アオヌマと激突。
それぞれが開花の能力を解放し、虹花メンバーの猛攻を打破していきます。
そんな中、太陽と凶一郎はついにアジト最深部へ到達。
そこには皮下が待ち受けていました。
【ネタバレあり】アニメ『夜桜さんちの大作戦』第25話あらすじ・感想
タンポポが在る意味
アジト最深部にて、ついに皮下と対峙することになった太陽、凶一郎の二人。
しかし、皮下が見せてきた映像には、ボロボロになった七悪の姿が……。
実は、七悪は実験体たちの脱出を助けていたところ、アイとミズキに襲撃されていたのです。
ミズキから噴出される催眠ガスを中和しようとする七悪に、アイの重い打撃が炸裂しました。
苦しむ七悪は無益な戦いを止めるべく、自分の研究で葉桜に依存しない身体にできること、社会復帰の支援もできることを必死に伝えます。
困惑するアイに反して、ミズキはその申し出を即座に拒否。
葉桜の除去方法などすでにある、戻るべき社会もないと告げ、自身の家族が社会に殺された、とある事件について語り始めました。
それは、化学工場による土壌汚染で、たくさんの周辺住人が奇病にかかり亡くなった事件でした。
工場の後ろ盾は大企業であり、被害者団体が裁判に勝てるはずもなく、風評被害にも悩まされるようになります。
そんな中、奇病に侵され病床に伏していたミズキは、葉桜の被検体として皮下に拾われました。
自身の経験から、”タンポポ”は居場所を失った者たちが行き着く最後の地だと語るミズキ。
自分たちを救おうとする七悪の言葉に激昂し、さらなる攻撃を仕掛けます。
七悪の浄華
皮下は苦しむ七悪の姿を見せながら、太陽に問います。
また弟が死ぬ様子を見るか、このまま家族諸共みんなで死ぬか……。
太陽は呼吸を震わせながら答えます。
「お前と戦っているのは俺だけじゃない」
瞬間、映像の向こうで鈍い攻撃音が聞こえました。
七悪を助けにやって来たのは、ヒナギクの翠と王牙。
そして、仏山をはじめとする警察、ヒナギク、スパイ協会がアジト中で応戦していました。
こうして、七悪は翠と王牙と共闘し、アイとミズキに立ち向かいます。
アイは自分たちの居場所がなくなってしまうことを恐れ、翠と王牙に猛攻を仕掛け始めました。
七悪はそんなアイの姿を見て、特殊犬・大神犬の遺伝子を葉桜の力で埋め込んだキメラだと分析。
そして、最前線で戦う兄たちを支えるべく、自身の開花の能力「適応」を使い、ミズキの毒を吸収、ガス濃度を減らしていきます。
それぞれの適応できる環境を奪い、皮下と葉桜に依存させるタンポポのやり方に疑問を呈しながら、「浄華」の能力でミズキの毒をすべて浄化させるのでした。
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アイとミズキ
ミズキが倒れた矢先、翠と王牙と戦っていたアイも突然倒れます。
開花のまま瞳孔が開いているアイの姿を見た翠は、葉桜の過活性ショックに耐えきれず寿命を迎える、その様子だと分析しました。
七悪はソメイニン――自身の血で葉桜を中和しようとアイの手を取ります。
しかし、葉桜の比率が小さすぎてソメイニンに身体が負けてしまい、上手くいきません。
すると、起き上がったミズキが近寄り、自身のパラソメイニンを全量注入することで均衡を取ると説明しました。
アイは確かに回復していきますが、七悪は彼らの身体が完全に葉桜に依存していることを理解していたため、そんなことをすればミズキの身体がもたないと告げます。
ミズキはもちろんわかっていましたが、自分が身代わりになってでもアイを助けるつもりでいました。
アイを虐待していた彼女の親を殺したのは、ミズキです。
皮下とともに適合者を探しに行った先で、死んだ娘に似ているアイを救ったことが、アイとミズキの始まりでした。
ミズキは、アイを光の下に戻してあげてほしいと七悪に頼み、意識を取り戻したアイに手を握り返されながら、穏やかな表情で爆散しました。
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皮下の過去
たったひとり、アイのために死んだミズキをバカだと評した皮下へ、太陽は銃口を向けます。
四怨から攻撃可能の合図を受け、強力な光線を浴びせました。
しかし、倒れることもなかった皮下には傷一つなく、凶一郎はすかさず鋼蜘蛛の攻撃で皮下の頭部や四肢を切断します。
すると、切り落とされた皮下の身体は元に戻ろうと動き始めました。
太陽は唖然としますが、こうなることを見越していた凶一郎曰く、皮下――本名・川下真は、1914年生まれだという驚愕の事実が……。
四怨が皮下の経歴を追ってみると、彼が元陸軍軍医であり、100年に渡り歴史の陰でうごめいていたことがわかったのです。
皮下は大戦開始直後、夜桜という超人の家系を調査し、生物兵器として実戦投入するという密命を受け、実際に実用化の一歩手前まで研究を進めていたといいます。
ところが、敗戦とともに研究内容はもみ消されてしまいました。
凶一郎は、かつて政府直属だった夜桜家は1895年に独立しており、大戦中に協力した記録はないと言いますが、皮下は意味ありげに「支障はなかった」と答えます。
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そして、どんな世の中でも、夜桜の血・”葉桜”だけは分け隔てなく人々に力を与え、平等と平和を作れるとし、一家族に留めておくにはもったいないと語りました。
さらに、皮下は自身の開花「再生」の能力で、研究体の遺伝子を記憶し、バックアップとして再生できるといいます。
そこから彼が生み出した黒々しい巨大な物体は、葉桜とは思えない凄まじい再生力を持っていました。
凶一郎は、皮下が夜桜純血の開花・”花の目”を持っていたことを太陽に告げ、あの目を人工的に再現する術は存在しないと語ります。
そんな不可解な点を直接本人に問いただすべく、凶一郎は黒い物体の相手を引き受け、太陽を皮下のもとへ向かわせました。
アニメ『夜桜さんちの大作戦』第25話まとめ
いかがだったでしょうか。
アイとミズキを踏破し、戦いの中心はいよいよアジト最深部、太陽&凶一郎vs皮下へ!
皮下の経歴を知り、余計に難しい戦闘が繰り広げられると予想されますが、凶一郎は太陽を先に皮下のもとへ向かわせます。
この采配が吉と出るか凶と出るか……戦いの行方が気になりますね。
次回、第26話も楽しみです。