「週刊少年ジャンプ」にて人気連載中の権平ひつじ先生によるスパイバトルコメディ『夜桜さんちの大作戦』。
家族を事故で亡くし、心を閉ざすようになった高校生・朝野太陽を主人公に、幼馴染みの夜桜六美とその家族――スパイ一家の夜桜家を取り巻く「大作戦」が描かれます。
ハクジャが遺したイヤリングから、ついに”タンポポ”のアジトを突き止めた太陽たち。
タンポポとの決戦まで1週間……皮下の捕獲を目指す夜桜家総出撃作戦・”夜桜前線”が凶一郎によって発令され、これまで関わったスパイの協力のもと各々が力を磨きます。
一方、ハクジャとの戦いで自身の実力不足を痛感していた太陽は、義祖父の万から直々に特訓を受けることに。
百との決戦に向けて能力の開花を目指し、超過酷な特訓に挑みます。
早速、第21話「夜桜前線/開花」をレビューしていきます。
目次
アニメ『夜桜さんちの大作戦』前回第20話あらすじと振り返り
電気を通さないハクジャの髪に、新たな武器・”八重の弐”で対抗する太陽。
その最中、外から戦いを観察する皮下に気付かれないよう、ハクジャは髪の毛を文字に見立てて太陽へメッセージを送っていました。
実は、彼女は生前の太陽の両親と親しく、彼らの死にまつわる闇へ葬られた真実を知っていたのです。
ハクジャもとい雪には、皮下らの目論みによって知らず知らずのうちに葉桜の被検体となり、タンポポへ引きずり込まれた過去がありました。
その雪と懇意にしていた太陽の両親は、何かを知ってしまう前に……何も知らないままタンポポに殺されたのでした。
そして、雪は彼の両親から貰った耳飾りを奪うよう、太陽を諭します。
それがタンポポへの手掛かりになるから、と。
【ネタバレあり】アニメ『夜桜さんちの大作戦』第21話あらすじ・感想
いざ! 夜桜前線
――某日某所。
皮下、百、アイ、ミズキが和やかに過ごす縁側へ、アカイ(CV.小清水亜美)、アオヌマ(CV.小林千晃)、チャチャ、クロサワといった面々が帰ってきます。
皮下が「種まき計画の成功を祈って」パーティーでもしようと提案し、一行は鍋を囲む準備を始めました。
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――その頃、夜桜屋敷。
家族揃っての会議には、ヒナギク室長のりんも参加しており、太陽がハクジャとの戦闘で入手した耳飾りのGPSを手掛かりに、タンポポのアジトが判明したと語ります。
それは、本土から30キロ沖にある小さな島・白骨島。
元々は漁村だった無人島で、タンポポはそこに大量の葉桜を集めているようです。
彼らの詳しい目的はわかりませんが、何か危険な計画を企てていることは明らかでした。
そのため、夜桜とヒナギクは共同戦線を組み、1週間後に白骨島のアジトを襲撃することに決めます。
凶一郎は、夜桜家総出撃作戦・”夜桜前線”を発令し、決戦の日までに各々準備を進めるよう告げました。
*
ハクジャとの戦闘を経て、己の実力不足を痛感していた太陽。
そこへやって来たのは、義祖父母の万と京子でした。
太陽は万の特訓を受けることになり、兄弟たちも訓練をしたという広場へ出ます。
そこで万は、よく百とも稽古をしたと語りました。
「俺たち3人、夜桜の入り婿同士。 ウマが合ったかもな」
そう言って、だからこそ対等に語り合えるよう強くなっておこうと、太陽に発破をかけるのでした。
各々の準備と覚悟
喫茶ヒナギクには、凶一郎、りん、仏山の同級生3人が集まっていました。
ふとした拍子に、普段りんが手に巻いている包帯が解けてしまいます。
その隙間から見えた素肌には、タンポポのメンバーの証である綿毛のタトゥーが入っていました。
実は、りんは元々タンポポの被検体の一人で、タンポポを潰すためにヒナギクを立ち上げたのです。
彼女の部下である翠や王牙も、幼少期はタンポポの実験台でした。
タンポポは孤児や誘拐した子供を収集し、実験台として改造を施しています。
そこから、りん率いるヒナギクに救出され、その一員となった翠たちのような者もいれば、実験の後遺症で助からなかった者も多数存在していました。
七悪は研究のため、翠と王牙に血液を分けてもらい、その成分が夜桜家とそっくりなことに驚かされます。
しかし、そのサンプルと夜桜のデータを照らし合わせれば、葉桜で歪められた身体を治すことができるようになるかもしれません。
七悪が翠たちの協力に感謝すると、翠たちもまた誠意を見せるのでした。
*
その頃、りんから要請を受けた四怨は、部屋に篭ってタンポポの計画調査にあたっていました。
一方で嫌五は、表では玩具メーカー社長を務め、裏では犯罪コンサル会社を経営している鳩田飛鳥(CV.石田彰)のもとへ出掛け、とある依頼品について確認します。
辛三は殺香とともに武器の調整を行い、二刃はゴールドランクスパイの協力を仰ごうと星降を訪ねるのでした。
完全覚醒・”開花”
六美と京子に見守られ、万から直々に特訓を受けていた太陽ですが、やり方が合わないのか、なかなか反応が向上しません。
そこで万は太陽が「半覚醒」であることを思い出し、夜桜の完全覚醒・”開花”を目指す方向に舵を切ります。
ソメイニンが極限まで身体を強化することで花開く能力――夜桜の血を持つ者だけの切り札であり、その能力は人それぞれ……。
半覚醒の太陽がどんな能力を発現するかはまだわかりませんが、その「開花」を優先させることにしたのです。
万は、太陽と社交ダンスのような動きを始めます。
「共鳴ダンス」と呼ぶそれは、すでに開花した者が分泌する気化したソメイニンや、体温や呼吸、心拍などにより、他者の開花を促す行動でした。
その効果に半信半疑の太陽でしたが、実際に覚醒済みの片目だけでなく、両目に桜の文様が浮かび始めていました。
万は3分咲きだと評しながらも「このぐらいは見切れるはず」と言って、不意打ちで発砲します。
太陽は万の読み通り、すでに刀で弾を避けられるほど反応が向上していました。
太陽の身体を慮り、この日の特訓を切り上げようとした万に、太陽は「リスクでも何でもない」と言って続行を求めます。
すると、万は「本当のリスクはこれからだ」と告げ、六美に銃口を向けました。
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六美を守ること
砂埃が舞い、六美に向けて撃たれた銃弾は、彼女を庇うように前へ出た太陽の手に受け止められていました。
開花とともに太陽に発現した能力は”硬化”。
手の細胞の凝固、衝撃緩和のための関節軟化など、攻撃を止めること、その一点に全身が覚醒したのです。
大抵、開花には人間性が反映されるといいます。
例えば、のらりくらりの万に”通過”の能力はピッタリです。
つまり、これまで戦闘に消極的だった太陽の場合、開花のためには最も深い行動原理――「六美を守ること」を刺激する必要がありました。
そう説明する万に対し、太陽は礼を伝えながらも「二度と六美に銃を向けないでください」と殺気だった目で迫ります。
そんな太陽に向けて、謝罪の言葉とともに背中から看板を取り出した万。
そこに書かれていたのは「太陽開花ドッキリ大成功!」の文字。
実は、この一連の流れは万と六美による、太陽を開花させるための狂言だったのです。
*
無事に開花した太陽でしたが、ドッキリの衝撃に意気消沈。
太陽と同じく、万と六美の企みを知らなかった京子は、二人に説教します。
さらに、六美を連れて夜桜屋敷の隠し部屋へ向かう京子。
そこは当主の指輪がなければ行けない複雑な地下空間で、最深部には当主の間・”夜桜の根”が存在していました。
籠城用のそこには”蕾の書”という、夜桜の成り立ちが記された書物がありますが、解除方法はかつての戦火で失われてしまい、京子も読んだことがないといいます。
無理にこじ開けようとすれば、夜桜の隠された歴史を守るため、屋敷ごと崩壊する設計になっているそうです。
京子は、夜桜のために当主として全てを消し去る覚悟はあるかと、六美に問いかけました。
すると六美は、母・零や京子のように覚悟はできていると答え、追いかけてきた太陽と万を迎えます。
扉の外で話を聞いていた太陽は六美を抱きしめると、自分自身の覚悟を新たにし、彼女には何も失わせないと約束するのでした。
アニメ『夜桜さんちの大作戦』第21話まとめ
いかがだったでしょうか。
太陽の能力が開花し、物語はクライマックスへ!
タンポポとの決戦は如何に?!
次回、第22話も楽しみです。