「週刊少年ジャンプ」にて人気連載中の権平ひつじ先生によるスパイバトルコメディ『夜桜さんちの大作戦』。
家族を事故で亡くし、心を閉ざすようになった高校生・朝野太陽を主人公に、幼馴染みの夜桜六美とその家族――スパイ一家の夜桜家を取り巻く「大作戦」が描かれます。
夜桜百の行方を探すため、”タンポポ”の足取りを探っていた太陽たちは、ついにタンポポが持つ”葉桜”の密輸ルートを掴みます。
そのルートのひとつである観光列車に潜入した太陽は、添乗員として忙しなく仕事をこなしながらも、不審な人物に目を光らせていました。
しかし、百の気配どころか、タンポポの手掛かりすら掴めません。
ガセネタだったのでは、と諦めかけていた時、乗客の苦情からとある違和感に気付き……?
早速、第19話「タンポポという薬」をレビューしていきます。
目次
アニメ『夜桜さんちの大作戦』前回第18話あらすじと振り返り
福引で温泉旅行のチケットを手に入れた六美。
どうしても外せない任務と重なり駄々をこねる凶一郎を残して、夜桜一家は完全招待制の裏社会御用達リゾート施設「無限地獄温泉」1泊2日の旅行へ出掛けます。
崖を越え、湖を潜り、ついに旅館へ辿り着き、女将に案内されてリゾート施設で日頃の疲れを癒やす一行。
宴会の席では二刃が酒に酔って暴れ出し、太陽は六美を連れて部屋へ戻ることに。
そこで六美は室内露天風呂に太陽を誘うと、先日屋敷を襲った男が兄弟たちの父親・百であることや、太陽の覚醒すら百に仕組まれていた可能性を明かします。
太陽は不安を抱える六美に対し、改めて想いと覚悟を伝え、ともに前へ進もうと決意するのでした。
【ネタバレあり】アニメ『夜桜さんちの大作戦』第19話あらすじ・感想
観光列車で潜入捜査
夜桜家とヒナギクが協力しても、なかなか出てこない”タンポポ”の情報。
そんな中、殺香が六美に報告したのは、タンポポが持つ”葉桜”の密輸ルートでした。
そのルートのひとつである観光列車には、百と皮下の姿が……。
そして、二人はすでに気付いていましたが、列車には添乗員として太陽が潜入していました。
urara
*
太陽は忙しなく仕事をこなしながら、何か手掛かりはないかと目を光らせます。
ところが、列車の屋根上で休憩中に、辛三から貰った電気銃を落としてしまいました。
すぐには見つからなかったうえ、列車から落としたものを拾いにいけるはずもなく、任務後にGPSで探そうと諦めます。
不思議な女性客
太陽が車内へ戻ると、廊下の窓から身を乗り出し、自力で戻れなくなった女性客を発見。
慌てて手助けすると、白いロングヘアと杖が特徴的な彼女は13号室の白井(CV.佐藤利奈)と名乗り、太陽が落としてしまった電気銃を差し出します。
太陽が電気銃――おもちゃを落とすのを見て拾おうとしたため、先ほどのような状況になってしまったという白井に驚きつつ、太陽は礼を告げて次の仕事へ向かいました。
すれ違いざま、白井の耳飾りがゆっくりと動きます。
太陽には届きませんでしたが、彼女は「優しいところがそっくりね」と呟くのでした。
urara
毒ガスに隠された義父の姿
太陽はひとりの乗客とのやり取りから、車内で頻発するクレームの数々の背後にある、大きな違和感の正体に気が付きます。
いくら掃除してもあちこちにある煤汚れ、味のしない料理、目がかすむといった身体症状……。
それらは、まるで汽車の煙が充満しているような内容でしたが、この列車は改良車で蒸気機関は使われていません。
煙が出るはずのない列車での不審な現象に、太陽は慌てて七悪が製作した毒検知アプリを立ち上げます。
煙ではなく猛毒が充満していることに気付いた太陽は、食堂車の窓を割ることで強引に換気を行い、乗客や添乗員が逃げて行ったところで、ある人物に近寄っていきました。
騒然とした車内で動じることなく、食卓に残った見覚えのない二人組……。
そのうちのひとりは、無色無臭の幻覚ガス・”仮面の霧”を使い、すべての人間の顔が正確に認識できなくなるよう施していたと明かします。
ガスが外へ流出した今、その効果はなくなり、目の前にいた二人組は元の姿――百と皮下に戻っていました。
太陽はそこで初めて、ホテルで邂逅した男と、屋敷を襲撃した六美たちの父・百が同一人物だと認識します。
「初めまして、お義父さん。 六美の夫です……ご挨拶に伺いました」
そう告げて、銃口を向けるのでした。
urara
太陽vsハクジャ
一方その頃、夜桜屋敷に帰宅した二刃は、四怨と六美に呼び出され、太陽が潜入している観光列車に百と皮下が乗車していることがわかったと報告されます。
他の兄弟にも連絡しようとしたその時、ヒナギクのりんから一本の電話が入ります。
*
百に銃口を向ける太陽……。
そこに声を掛けたのは、先ほどの女性客・白井でした。
「その癖っ毛と優しい瞳、やっぱりそっくりね」
意図のわからない彼女の言葉に動揺した太陽は、百に腕を掴まれてしまいます。
そして、白井の長い白髪がヘビのように動き、太陽の身を拘束しました。
皮下から明かされたのは、白井――もとい、ハクジャ(CV.佐藤利奈)が「貴重な葉桜100%の完全適合者」であることでした。
「葉桜の適合者」と「夜桜の適合者」の力量の差を調査するべく、わざと夜桜家に密輸ルートの情報を掴ませて、太陽を単身でここにおびき寄せていたのです。
そのため、太陽とハクジャを置いて、百と皮下は去って行きました。
urara
太陽が対峙するハクジャは、夜桜の血の疑似成分・”パラソメイニン”を触媒に、頭髪の繊維を100%の負荷で稼働させているといいます。
10年前、大病を患った身体を葉桜が生まれ変わらせてくれたと語り、自身のように生命維持のために常用すると、凄惨な最期を迎えると明かしました。
もう寿命が近いというハクジャですが、それは強く生きたいと願った故のこと……。
一方で太陽は、この戦いを制し、列車を止めなければ、いずれタンポポがすべてを吞み込んでしまうと聞かされます。
電気を通さないハクジャの髪に対し、太陽は強硬策で挑みます。
アニメ『夜桜さんちの大作戦』第19話まとめ
いかがだったでしょうか。
太陽とハクジャの戦闘の行方が気になるところですが、ハクジャの「太陽の何かを知っているような台詞」も引っかかります。
皮下の台詞にあった「あの人」や「虹花」の存在も謎ばかり。
太陽と百が「娘婿と義父」として対峙しても尚、タンポポの根幹には近付けません。
また、二刃に連絡が入ったことから、ヒナギクのりんが何かを掴んだように思えますが……。
その内容が、次回以降の夜桜家の動きに影響してきそうですね。
太陽はハクジャとの戦いを制し、前に進むことができるのでしょうか。
次回、第20話も楽しみです。