「週刊少年ジャンプ」にて人気連載中の権平ひつじ先生によるスパイバトルコメディ『夜桜さんちの大作戦』。
家族を事故で亡くし、心を閉ざすようになった高校生・朝野太陽を主人公に、幼馴染みの夜桜六美とその家族――スパイ一家の夜桜家を取り巻く「大作戦」が描かれます。
解析のバグにより、モニターに映し出されたオバケを見た二刃が気絶してしまいます。
最も頼れる夜桜家の長女は、なんと「オバケ」や「呪い」が弱点だったのです。
風の音や天井の軋む音、さらには嫌五のイタズラにも震える始末。
一日経てば元の二刃に戻るそうですが、六美に引っ付いて一時も離れようとしません。
さらに、最近の夜桜屋敷では「誰もいないのに物音がする」という噂が……。
太陽たちは、怯える二刃のお世話をすることになります。
早速、第11話「夜桜の怪談/スパイ免許証」をレビューしていきます。
目次
アニメ『夜桜さんちの大作戦』前回第10話あらすじと振り返り
”ヒナギク”のアジトで行われる任務完遂の打ち上げと称した鍋パーティーに、太陽と六美が招かれます。
しかし、六美に無理矢理同行してきた凶一郎と、犬猿の仲であるりんが熾烈な戦いを始めてしまい、アジト内が戦場と化しました。
タイミングを見て打ち上げを抜け出した太陽は、黒顔の遺言通り洞から見つけた小さな箱を見つめます。
そこには太陽の亡き家族に関する情報が入っているようですが、真実を知ることへの不安で開けられずにいました。
気付けば六美は太陽に寄り添い、どんな太陽でも変わらずに受け止める旨を伝えます。
ふとした拍子に箱から転がり出たのは、ビー玉のような球体。
その正体は、レーザーで気泡を配列し光学データを保存する光学保存体でした。
【ネタバレあり】アニメ『夜桜さんちの大作戦』第11話あらすじ・感想
スパイ免許証<ライセンス>
スパイ協会が発行する会員証――「スパイ免許証<ライセンス>」の存在を知った太陽。
スパイ協会とは20世紀初頭に有志により設立された、スパイ同士の相互扶助を目的とした組織で、その会員となった者に贈られるのがスパイライセンスです。
ライセンスを取得すると、協会からの情報共有や任務の斡旋、スパイ年金などの特典が受けられるといいます。
取得のための試験は毎年開催されていて、ブロンズ→シルバー→ゴールドの順にランクが上がっていき、その都度、昇級試験があるそうです。
太陽が試験に挑戦したいと伝えると、二刃は快く賛成します。
一方、凶一郎は受験自体には賛成したものの、夜桜家は歴代全員一発合格していることから、太陽もそれに続くよう圧をかけました。
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二刃の意外な弱点
突然、夜桜屋敷に殺香の泣き声が響き渡ります。
掃除中、ふと配線に触れてしまい、四怨が組んでいる途中だったプログラムをバグらせてしまったようなのです。
太陽、六美、二刃は、泣きながら謝る殺香と、殺香を宥める四怨のもとへ駆け付けます。
その時、大画面に映し出されたのは、某貞子のような幽霊でした。
すると、六美と四怨が慌てて二刃のほうを振り返ります。
しかし、時すでに遅く、二刃はカチコチに固まっていました。
実は、二刃は「オバケ」や「呪い」のような、自らの力で干渉できない存在が弱点だったのです。
一晩経てば落ち着くらしいのですが、それまではみんなで面倒を見ることになります。
風の音や天井の軋む音、嫌五のちょっとしたイタズラにも過剰に反応し、怯えてしまう二刃。
強くて冷静な二刃しか知らなかった太陽は驚きますが、最近の夜桜屋敷では「誰もいないのに物音がする」という噂もあるので、他の兄弟たちとともに二刃のお世話に励みます。
夜になり、なかなか眠れない二刃のため、六美は「仁義なき桃太郎」という見慣れない昔話の本を取り出しました。
太陽の知る「桃太郎」とはだいぶ別物でしたが、途中で寝落ちてしまった六美に代わり、太陽が読み聞かせをします。
――かつて親友だった鬼を手にかけ、桃太郎は静かに泣いた
――人は誰しも人生という戻れぬ川の流れに身を任せるしかないのだ
そんな最後のフレーズを読み上げる頃、二刃はすっかりいつものペースを取り戻していました。
二刃にとっては母がよく読んでくれた思い出の本だそうで、当時は怖いものなんてなかったと振り返ります。
ところが、母が亡くなり、どんなに強くなってもどうにもならないことがあると思い知ってからは、力の通じない存在は容赦なく大事なものを奪っていくと、恐ろしくなってしまったのです。
オバケの類を恐れる理由もそこにありましたが、兄弟たちには「ただオバケを怖がっている」と思われているほうが幸せだと、二刃は語ります。
義理の弟だからか太陽には話すことができたという二刃に、太陽は自分自身も同じような経験、思いを抱えつつ、だからこそ早く強くなり、守れるものを増やしていきたいと伝えました。
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いざ試験へ!
スパイライセンス、試験当日。
さまざまな課題を好成績でこなす太陽は、夜桜のスーパールーキーとして注目されていました。
しかし、太陽は賞金首でもあります。
応援に来ていた六美のもとで休憩していると、同じ受験者の男が襲いかかってきました。
その時、太陽を庇ったのは、やはり試験に参加していた星降月夜(CV.福山潤)でした。
六美曰く、星降は老若男女問わず手を出すことで有名なスパイ界きってのプレイボーイ。
そんな星降に、太陽は随分と気に入られているようで、妻である六美の牽制も虚しく、試験中も激しくアプローチされました。
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太陽の”人間性”
やがて試験が終了し、太陽をはじめとする最後まで残った面々には、スパイライセンスが与えられることに。
ところが、まもなく機密情報保護のために会場ごと破棄されるというアナウンスが流れ、受験者たちはライセンスを手に入れるべく駆け出しました。
建物が崩壊する中、数々のギミックが仕掛けられており、続々と脱落者が現れます。
太陽はゴールを目前に、先ほど命を狙ってきた男に殴られ、転倒してしまいました。
すると、星降が「諦めない君の背中はなお美しい」と言いながら、身を呈して助けてくれます。
しかし太陽は、落下寸前だった星降の手を取り、自らの合格を投げ打ってでも彼を救おうとしました。
そんな太陽の行動に、口元を綻ばせる星降。
実は、星降は受験者ではなく、太陽を担当する試験官だったのです。
スパイ協会の一員として認められるには、技術や能力だけではなく、信頼に足るだけの”人間性”が求められていました。
今回の行動で認められた太陽は無事に合格し、スパイライセンスを取得するのでした。
*
夜桜屋敷では、太陽の合格を祝う食事の席が用意されていました。
そんな中、凶一郎が天井から落下してきます。
二刃を怖がらせていた屋敷での「物音」は、六美を見守るという名目で壁や天井に潜んでいた凶一郎の仕業だったのです。
二刃はいち早くそれを察し、凶一郎に制裁を加えるのでした。
アニメ『夜桜さんちの大作戦』第11話まとめ
いかがだったでしょうか。
後半クールに向け、新キャラクターが登場した第11話。
太陽大好きな星降の存在がどう絡んでくるのか、気になりますよね。
一方、スパイライセンス試験も無事に通過し、またひとつ成長した様子の太陽。
二刃との会話も、今後の糧になったのではないでしょうか。
そしてまた、新キャラが現れるようで……?
次回、第12話も楽しみです。