つくしあきひと原作の同名作品をアニメ化した『メイドインアビス 烈日の黄金郷』。
決死隊・”ガンジャ”の生き残りだと明かしたヴエコは、”成れ果て村”の忌むべき成り立ちについて、リコたちに語り始めます。
かつて、”還らずの都”へと辿り着いたワズキャン率いるガンジャ隊。
黄金郷を見つけたという喜びも束の間、昇降による呪いのせいで地上へ戻ることができないことに気付きました。
隊員たちは「黄金郷で最初の民として生きていこう」と決意しますが、食糧と水場の確保に難航し……。
早速、アニメ『メイドインアビス 烈日の黄金郷』第7話をレビューしていきたいと思います。
目次
【ネタバレあり】アニメ『メイドインアビス 烈日の黄金郷』第6話のあらすじと振り返り
自分自身を売ってしまったナナチを取り返そうと交渉するリコは、べラフから「両目か、両足か、臓腑の半分か」という三つの選択肢を与えられました。
探窟家にとって致命的な選択であるにもかかわらず意を決したリコを、寸でのところでマジカジャが引き止め、外へ連れ出します。
リコの様子に困ったヴエコは、村に来ている「呼び込み」を見せようとしました。
それどころではないと焦るリコでしたが、その「呼び込み」――原生生物のオオガスミを見て驚きます。
イルぶるの住人たちは村の外に出られないので、定期的に外界の生物を呼び込んでは狩りをしていました。
これは村の価値を上げ、豊かにするための行為ですが、この日現れたオオガスミは、以前も村に来て「清算」まで受けたものの、削り切れないままに逃げたものだといいます。
やがて、オオガスミがプルシュカ=白笛を預けている工房の方へ向かってしまったので、リコは先回りして工房の成れ果て・ポリヨーンから加工された白笛を受け取ります。
続けて、オオガスミは市場を目指して移動を始めました。
自分たちの宝物である市場を守ろうと、ムーギィをはじめとする市場の成れ果てたちが集まっています。
成す術もなく見守ることしかできないリコでしたが、成れ果てたちはオオガスミなど外界のものの知識がないと知り、助けになりたいと考えました。
リコは自分のおさげを対価に、マジカジャに囮役となってもらい、自身もマジカジャに乗ってオオガスミをおびき寄せようとします。
鏡のような膜の前まで追って来たオオガスミは、そこに映った自分自身を見て警戒し、立ち止まりました。
リコの合図で火を扱う成れ果てたちが放火すると、オオガスミは宙に浮きます。
その頭上に張り巡らされた鉄線でオオガスミを捕らえると、地上にいた成れ果てたちが取り押さえるかのように攻撃。
しばらくするとオオガスミは動きを止め、成れ果てたちは歓喜の声を上げました。
大きくて軽い身体をしているオオガスミの特徴に気付いたリコがこの作戦を思い付き、成れ果てたちに協力してもらったのでした。
喜びを分かち合っていると再びオオガスミが動き出し、マアアさんやメポポホンたちが捕まってしまいます。
そんな窮地を救ったのは、突如聞こえてきたプルシュカの声でした。
プルシュカに背中を押されるようにしてリコが白笛を鳴らすと、二人に呼ばれたことを察したレグが現れ、オオガスミを仕留めます。
そこでリコは、白笛が遺物の真の役割を引き出す、というボンドルドの言葉を思い出しました。
場が落ち着いた頃にワズキャンが現れ、リコはナナチを取り戻す方法を知らないか尋ねます。
すると、「ファプタの一部」でもあればもしかしたら……と言って、去っていきました。
一方、ムーギィやマジカジャから見覚えのない顔だと言われてしまったヴエコは、自分が元三賢であることを明かしたうえで、聞いたら後戻りできなくなるという過去の話を始めるのでした。
【ネタバレあり】アニメ『メイドインアビス 烈日の黄金郷』第7話あらすじ・感想
最初の民
ヴエコがリコたちに語る昔話は、ワズキャン率いるガンジャ隊が還らずの都に辿り着くところから始まります。
還らずの都で最初に出会ったのは、干渉器たち。
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学習能力が異常に高い干渉器たちと行動をともにするようになったのも束の間、上昇負荷のせいで上の界層には戻れないことがわかりました。
どうせ故郷を捨てた身……と「黄金郷で最初の民」になる決意をしたガンジャ隊ですが、食糧と水場の確保に苦戦します。
ガンジャ隊には読むことができない現地の文字をイルミューイなら読めるとわかり、これが打開策になりそうでした。
その矢先、帽子の中に何かがいると知らせを受けたヴエコは、そこでヤドネという可愛らしい生物を目にします。
おとなしく人懐っこいヤドネを調べれば、この環境で生きていく情報になるかもしれないと考え、ヤドネたちを飼うことに。
そんなヤドネを気に入り、懐かれているイルミューイは、自分が「子供のできない身体」なのだとヴエコに明かしました。
温かい闇
確保が難航していた水場でしたが、安全そうな場所が何ヵ所か見つかりました。
しかし、飲用に適すかどうかは自分たちで試すしかありません。
透明で匂いのない水を拠点へ持ち帰ることに成功し、隊員たちは煮沸してから飲むようになります。
そんな中、体調を崩し始めたイルミューイは、子供が産めない身体であるが故に呪いだとされ、家族に捨てられ、一族からも見放されたのだと語りました。
――「呪われたものは大穴が生んだから、大穴に還る」のだと。
ヴエコに母性を感じたイルミューイは彼女に甘え、ヴエコも自分が見つけたがっていた「光」とはイルミューイなのだと思うようになります。
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こうして二人が心を通わせ合っていく姿を、べラフはそっと見守っていました。
水もどき
犠牲を出しながらも水や食糧の確保ができるようになり、少しずつ道が拓けてきたかと思われたある日。
イルミューイをはじめ、隊員たちが高熱や下痢に苦しめられていました。
個人差はあるものの皆同じ症状で、下痢の中に透明な卵のようなものが混じっていたり、手足が溶け出して鉛のように固まっていたりと、一行はこの奇病に驚かされます。
治療に必要な水を得るため、水場へ向かったべラフ一行は、その周辺の岩に見えていたものが全て生物の死骸でできていたことに気が付きました。
さらに、食糧の調査を行っていた隊員たちは身体の形が変わり果てた状態で帰ってきて、すぐに息絶えてしまいました。
「神がかりの予言者」と称されるワズキャンは、隊員の荷物の中から卵のような形をした丸い遺物を発見します。
一方、水場から戻ってきたべラフは、水自体が寄生生物――”水もどき”だったと推測し、隊員たちを襲っている奇病は水が原因だと告げました。
集まった三賢は事態の解決のため、先ほど見つけた丸い遺物が何なのか調べることにします。
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欲望の揺籃
三賢は干渉器たちのもとへ赴き、丸い遺物について尋ねます。
干渉器はその遺物を”欲望の揺籃”と称し、「願い(欲望)を叶える卵」だと言いました。
雑多で複雑な人間は使用するには向かず、使わせるなら「幼体」がいいと語ります。
次々に隊員が倒れていく中、ついにイルミューイも身体が変形し、どう見ても悪化していました。
そんな彼女を見ていられないヴエコは、遺物の使用も子供なら上手くいくのではないかとワズキャンに提案します。
干渉器たちからのアドバイスもあり、ワズキャンは「あの子自身の願いに賭けよう」とイルミューイへの使用を許可しました。
遺物のおかげか、すぐにイルミューイは回復しましたが、手は変形したまま……。
さらに、日を追うごとに全身が奇形と化していきます。
痛みなどはないらしく、自覚症状がないことに不安を抱いていたヴエコたち三賢でしたが、やがてイルミューイの金切り声が聞こえてきました。
ヴエコが駆け付けると、イルミューイは出産していました。
赤子はヤドネのような姿をしており、次の日には亡くなってしまいます。
それからイルミューイは何度も子供を産みましたが、次々に息絶えていきました。
地獄のような日々が続き、ついにヴエコも奇病を発症。
薄れゆく意識の中、ワズキャンにスープのような食事を与えられ、目を覚まします。
回復したヴエコは、感動するほど美味しかったあれが何だったのか、気付いてしまいました。
それは晴れやかな表情のワズキャンが「効果てきめんだったね」「みんなにも振る舞ったさ」「あの子がみんなを救ってくれたんだ」と、言葉にしたからでした。
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アニメ『メイドインアビス 烈日の黄金郷』第7話まとめ
いかがだったでしょうか。
村の成り立ちにまつわるガンジャ隊の回想話でした。
ワズキャンが振る舞った謎の肉の正体……予想はつくけど当たってほしくない、知りたいけど知りたくない、そう思っている人も多いのではないでしょうか。
現在のイルぶるがどうしてできたのか、次週いよいよリコたちの時代へと繋がっていきそうですね。
次回、第8話も楽しみです。