アニメ『メイドインアビス 烈日の黄金郷』第12話(最終話)あらすじ・ネタバレ感想!終焉を迎えた成れ果て村……そして冒険は続く!

©つくしあきひと・竹書房/メイドインアビス「烈日の黄金郷」製作委員会

©つくしあきひと・竹書房/メイドインアビス「烈日の黄金郷」製作委員会

つくしあきひと原作の同名作品をアニメ化した『メイドインアビス 烈日の黄金郷』。

崩壊していく「成れ果て村」の中を、マジカジャたちと一緒に避難するリコ、レグ、ナナチ。

その道中で動けなくなったワズキャンと対峙します。

「ここに来れてよかったかい?」とリコに問うワズキャン。

そして、自身が成し遂げたかったこととは何かを語り始めます。

一方、新たな記憶や価値に触れたファプタは、自ら役目を果たすため、村を襲う原生生物たちに再び戦いを挑み……。

ついに迎えた最終話は1時間スペシャル!

早速、アニメ『メイドインアビス 烈日の黄金郷』第12話をレビューしていきたいと思います。

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【ネタバレあり】アニメ『メイドインアビス 烈日の黄金郷』第11話のあらすじと振り返り

気を失ってしまったレグを抱えて村の中へ戻ってきたファプタ。

彼女の怒りの矛先は消耗しているリコに向きますが、ガブールンが身を挺して守ります。

ショックを受けたファプタの怒りは上昇し、再びリコに襲い掛かろうとした時、ナナチとべラフが現れました。

べラフは立ち向かってくるファプタに自らの記憶を見せると、「君の価値を君自身が決める時が来る」「恐れず進め。 君の冒険を楽しんでほしい」と告げ、ついに倒れます。

一方、ナナチは住人たちにリコを連れて地下へ避難するよう指示し、自身はレグを起こそうとしていました。

その中で、べラフの記憶を通じて見たワズキャンの思考に不安を感じます。

時を同じくして、リュウサザイを筆頭に原生生物の群れが現れ、いよいよ村の中へ入ってきてしまいました。

成れ果てたちを容赦なく喰っていく原生生物に対し、自分の獲物を奪われたと憤るファプタは、生きる理由すら奪われている現状に、身も心もボロボロになっていきます。

絶望的な状況でリュウサザイと対峙したファプタでしたが、壊れかけのガブールンに救われました。

ガブールンは最後の力を振り絞ってファプタへの感謝を告げると、リュウサザイに破壊されてしまいます。

ショックを受けたファプタもリュウサザイに攻撃され、吹っ飛ばされた先で気を失いました。

目を覚ましたファプタが見たのは、自らの身体の一部を差し出す成れ果てたちの姿でした。

成れ果てたちはそうして自分の価値をファプタに与え、彼女だけでも生き延びてほしいと願います。

ファプタのボロボロになった身体は成れ果てたちを食べることで修復され、再び戦えるほどの状態に戻っていきました。

肉体を取り戻したどころか今までよりパワーアップしたファプタは、原生生物を攻撃し、成れ果てを喰らうと、咆哮をあげます。

リュウサザイが2体に増えても臆さないファプタは、心中でべラフからの言葉に返答しました。

「勝手に決めるな。 価値は自ら知りにゆくそす」

次の瞬間、ファプタの瞳には紋章が浮かび上がっていました。

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【ネタバレあり】アニメ『メイドインアビス 烈日の黄金郷』第12話あらすじ・感想

姫君と守護者

崩壊していく成れ果て村の中で、ファプタは力を取り戻すどころか増強し、咆哮を響かせていました。

ファプタに噛みつかれた原生生物たちは内側から蝕まれるように倒れていきます。

彼女は「止めれるものなら、止めてみるそす!」と、リュウサザイにも挑んでいきます。

そんなファプタの過去は、ガブールンとともにありました。

まだ言葉を持たなかった頃のファプタは、破壊され動けなくなっていたガブールンと出会い、懐いたように一緒に過ごすようになります。

言葉や知識の吸収があまりにも早いファプタと意思疎通を交わすまでには時間がかからず、ガブールンは自身を修理するために必要な素材集めを彼女に頼むようになっていました。

母であるイルミューイと同じ言葉を覚えていくファプタに、ガブールンは教えます。

シイ――最初の価値、欲の始まりやささやかな願い。

クウ――価値の重なり、欲の先、積み重なる願い。

グツ――願いの凝結、価値の結晶、純粋さ。

メイ――途方もない価値、願いの解放、清濁や混沌。

そして、ハク――最も高い価値、願いの顕現、魂の形。

ハクとはかけがえのないものだと教わったその時、ガブールンから「果てぬ姫君」を意味するファプタという名を付けてもらった彼女は、干渉器を名乗るガブールンにも名を与えます。

それが、「女王の守護者」を意味するガブールンという名前でした。

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お互いがお互いの名付け親であるファプタとガブールンは、姫君と守護者であり、親子のような関係であり、一心同体でした。

時は流れ、リコたちが深界六層へやって来ます。

眠るレグの姿を見たファプタは、久々に帰ってきた彼が自分を呼ばないことに不服そうです。

そして、人の子――リコを見ると、レグのハクかと考えながらも、その魂がどこから来たものなのか訝しげに見つめます。

さらに、首にかけられた白笛を見てハッとした様子を見せました。

果ての子――ナナチにおいては香ばしいにおいを感じ、レグのシイかと考えます。

白笛を優しい瞳で見つめるファプタはそれをガブールンのもとへ持っていくと、喋れずにいる石の者――プルシュカを案じていることを伝えました。

村に石を化粧できる者がいると知り、渋々ガブールンに託したファプタは、リコとナナチの毛髪を取ってきていました。

脆い二人に安全をもたらすため、獣除けを仕掛けようとしていたのです。

ガブールンは直接レグたちに声を掛けられないファプタを心配しましたが、彼女は照れ隠しにガブールンを小突きました。

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物語冒頭のファプタの行動の種明かしでした、彼女なりの優しさだったんですね。

予言者が見ていたもの

昏倒していたリコはムーギィたちに見守られ、マジカジャの背の上で目を覚まします。

レグとナナチも一緒にいることに安心したのも束の間、現状を見て三者三様に落ち込んでいました。

そんな中、途中で行き倒れていたワズキャンに遭遇します。

ワズキャンは現状を「それぞれを想って行動した結果、積み重ねで起きたこと」だと言い、リコに問いかけます。

「ここに来れてよかったかい?」と。

リコは迷わず「めちゃくちゃ来てよかった!」と答え、ヴエコが持っていた羅針盤を自分も手にしていたことを明かします。

今度はナナチが、ワズキャンの目的を尋ねました。

べラフの意志がナナチに受け継がれたと気付いたワズキャンは、「人以上のものになりたかった」のだと語ります。

人を人以上たらしめるのは、「途方もない年月を奈落と寄り添い培ったしたたかさが、果てを目指す好奇心と純粋さが、導かれた申し子が混ざり継いでいった”積み重ね”だけ」だと。

そして、その末端にいるのがリコたちであり、ファプタであると告げると、身体がサラサラと砂のように崩れ始めます。

「せめて夢を叶えて絶望しておくれ」と言い残したワズキャンに、リコは笑顔で「あなたの言う通りになんかならないよ」と返しました。

「いいねぇ」という返答が最期の言葉となったワズキャンに対し、”神がかりの予言者”と呼ばれた彼にはどこまで見えていたのかと、心中でべラフに語りかけるナナチなのでした。

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「夢を叶えて絶望してくれ」という台詞は、ボンドルドの「溢れんばかりの呪いと祝福を」という言葉に似たものを感じます。

そこへファプタの奇声が聞こえてきます。

ムーギィたちはファプタに呼ばれていると感じ、彼女のもとへ向かうことにしました。

リコたちも一緒に行くと決め、再びマジカジャの背に乗り込みます。

すると、ムーギィとマジカジャはライザの封書の一部を取り出し、リコに手渡しました。

レグが持ってきたファプタの一部と引き換えに、市場の成れ果てから譲り受けていたようです。

リコは彼女らにお礼を伝え、これまでずっと行動をともにしてくれたマアアさんにも感謝するのでした。

それぞれの価値、それぞれの役目

ワズキャンと一緒にいたはずのヴエコを心配するパッコヤン。

そのヴエコは、ファプタのいるところを目指していました。

崩壊していく成れ果て村を見ながら考えるのは、リコたちが無事なのかどうか、そして過去のガンジャ隊のことでした。

さまざまな決心をしてきたであろうリコを思ううちに、自分自身が選択してきたものたちを思い出します。

そのうち、階段を一段一段上っていたヴエコの身体が崩壊を始めました。

痛みを感じた時にはすでに遅く、成れ果てと化していきます。

「大穴の呪い」――つまり、それは深界六層の上昇負荷でした。

そこで本当に自分がまだ人間のままだったと気付いたヴエコは、イルミューイに向けて「ごめんね」と呟き続けます。

意識を失いかけたところに「ヴエコ!」と呼び掛ける声がしました。

声の主はパッコヤンで、彼女は成れ果ててしまったヴエコを抱えると、階段の下のほうまで放り投げます。

ヴエコを助けるために村の境界を越えてしまったパッコヤンは、涙を流しながら消滅しました。

ナナチがヴエコのそばに駆け寄ると、ヴエコは身体こそ成れ果てているものの、人間性までは完全に失っていない状態でした。

パッコヤンの意志を継ぎ、ナナチはヴエコを連れていきます。

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ナナチがヴエコのことを「ヴエロエルコ」と呼ぶのは、受け継いだ記憶の中のべラフがそう呼んでいたからでしょうか。

一方、リュウサザイと戦うファプタのもとに駆け付けたレグは、ファプタとムーギィたちを引き合わせるために時間稼ぎ役を申し出ます。

レグがリュウサザイとやり合うには白笛の力が必要だったので、迷わず笛を吹いたリコはまたしても昏倒してしまいました。

その間に、ファプタとムーギィたちが顔を合わせます。

ファプタは村の成れ果てたちから価値を捧げられたことによってイルミューイから力を奪う方法を知ってしまい、今更なる力を得るために再びその価値を欲していました。

ムーギィやメポポホンはそれを理解したうえで、己の身を差し出します。

その頃、レグは二体のリュウサザイを村の外におびき寄せ、橋を崩してその場から突き落とすことに成功。

成れ果てたちを喰らい力を得たファプタも、彼らの記憶や価値を噛みしめながら、役目を果たそうと声を上げます。

そんなファプタの姿と崩壊する村を見たヴエコは、イルミューイの声にならない声を思っていました。

彼女が欲しかったのは子供だけじゃなかったこと。

その手が自分に伸びていたことを。

イルミューイを看取ることができたヴエコは「ありがとう、大好きだよ」と伝え、涙を流しました。

黄金……そして新たな冒険へ

村を壊すために、イルミューイを解放するために、全ての力を使い果たしたファプタは、マジカジャやマアアさんのことも食べておけば余力が残ったかもしれないと考えます。

二人にリコとナナチを村の外へ逃がすという別の役目を与えたのは、他ならぬファプタだったからです。

役目を果たすために走り続けていたマジカジャの上にいたレグは、気を失って落下してきたファプタを保護します。

目を覚ましたリコは、見守っていたマアアさんにぬいぐるみを渡しました。

それは清算の時に失ったマアアさんのお気に入りを模したものの作りかけでしたが、マアアさんは幸せそうな表情を浮かべます。

そんな中、ついに全ての足が動かなくなってしまったマジカジャは立ち止まり、本体である気体として現れると、ファプタの身体に入り込みました。

ファプタの身体に入ったマジカジャは嬉しそうに飛び上がり、最後の力で村の崩壊からリコたちを守ります。

リコはマアアさんに眼鏡をかけてもらったことで起きますが、振り返ると手渡したぬいぐるみだけが残っており、マアアさんの姿はありません。

それが完全に村の外へ出たことを示していました。

ヴエコは意識を取り戻したファプタに這い寄ります。

声が出せないヴエコの言葉がわかるらしいファプタは、イルミューイにはヴエコがいたことを知りました。

娘のファプタに全て明け渡したかと思えたイルミューイの意志ですが、ヴエコだけは渡したくなかったのです。

それを知った時、「クズでも黄金に換えてくれるんだってよ」という言葉を思い出したヴエコは、ファプタに「イルミューイ」と話しかけます。

ファプタもそれを受け入れ、ヴエコのイルミューイへの想いを聞きながら彼女を看取りました。

ファプタはヴエコを埋葬すると、その近くにイルミューイとヴエコを模したように石を積み上げ、墓としました。

やがてガブールンを失ったことを思い出して泣き始めたファプタを、レグが冒険に誘います。

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実際に誘ったのはレグですが、リコやナナチも同じ思いを持っていることがわかる、でもレグが伝えた方がいいことも理解している、という素敵なシーンです。

ファプタは涙を浮かべ、レグに記憶がないことを拗ねたように咎めました。

しかし、レグは「僕は君と出会ってしまったんだ!」「僕は君と……冒険に行きたい!」と思いの丈を伝えます。

すると、ファプタはリコに、出会ったことを大事にしたいというのがリコの役目だったと言いました。

プルシュカがそう言っているのだと。

ファプタは「見て、触れて、集める」のだと宣言してから、レグからの誘いに「考えておくそす」と返事をしました。

じゃれ合うレグとファプタの様子を見たナナチが「(レグは)ふわふわだと見境ねえのかな」と呟くと、リコは「私もそうは思っています」と返します。

旅立ちを決めたファプタに、ヴエコの声が重なりました。

……愛こそが呪いだと知っているのに、行く末には闇しかないと知っているのに、だからこそあんなにも眩しいのだ……。

そうして、ファプタの声がします。

――みなのもの、いってきます。

アニメ『メイドインアビス 烈日の黄金郷』第12話まとめ

いかがだったでしょうか。

原作を忠実に再現しながらも、過去と現在の物語を上手く組み合わせたアニメオリジナルの演出が取り入れられ、重厚感がプラスされた本作。

オープニングやエンディングも、最終話まで観た今だからこそ感じるものがたくさんあり、さまざまな気持ちがこみ上げてきます。

希望も絶望もごった煮にされたような物語、その最終話は涙なしでは観られず、1時間があっという間でした。

ファプタが仲間になったことで、今後の冒険がより楽しみになっているのは、リコたちも私たちも一緒なのではないでしょうか。

まだまだ続いている原作をチェックしつつ、いつか3期が放送される時には、リコさん隊とともに冒険をしたいですね。

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