つくしあきひと原作の同名作品をアニメ化した『メイドインアビス 烈日の黄金郷』。
ファプタの笑顔や泣き顔など、記憶の断片が蘇りつつも、依然はっきりと過去を思い出すことができないレグ。
暴れ続けるファプタを止められないまま、攻撃を受けて気を失ってしまいます。
レグと戦闘を終えたファプタはさらに怒りの矛先をリコに向けて襲い掛かりますが、ガブールンが身を挺して止めに入りました。
ショックを受けたファプタは、怒りが収まらず再びリコを襲おうとしますが、そこへ現れたのは……。
早速、アニメ『メイドインアビス 烈日の黄金郷』第11話をレビューしていきたいと思います。
目次
【ネタバレあり】アニメ『メイドインアビス 烈日の黄金郷』第10話のあらすじと振り返り
レグの火葬砲によって成れ果て村へ入れるようになったファプタが村を破壊する中、べラフのもとで眠っていたナナチが目覚めます。
べラフは自らの記憶と価値をナナチに託したうえで解放しますが、境界線を越えると「ミーティは消える」と告げました。
ミーティと再び別れてリコとレグのところへ向かうか、留まってミーティと一緒に居続けるか、ナナチは選択を迫られます。
以前はレグの火葬砲で葬ったミーティを、今度は自分の手で送り出せる……ナナチはべラフに礼を言うと、ミーティを連れて境界を越えていきました。
一方、火葬砲を使った反動で昏倒状態にあったレグが目を覚ますと、成れ果て村は壊滅的な状態になっていました。
レグは自分が眠っている間、リコが飛び出したりせず耐えてくれたことに礼を言うと、ファプタを止めるために前へ出ていきます。
ファプタは過去のことを忘れてしまったレグの記憶を取り戻させようと、レグの口から手を突っ込み、身体の内側から攻撃を与えました。
その時、ファプタの頭にあったのは、レグと出会った時のことでした。
ファプタの名前に「果ての姫(不滅の尊い娘)」という意味があると知ったレグは、お転婆な彼女に「姫なら淑やかにしてくれ」と言います。
この時、ガブールンが「母上の言葉で話の区切りに”そす”を付けると淑やかになる」と教えたため、ファプタは「~そす」という口調になったのです。
「取り繕うのも存外に大事だと師匠も言っていたしな……」と呟いたレグは、自身の装備の一部をファプタに渡します。
……「友好の印」としてのそれを、ファプタは今でも大事に身に付けていました。
やがて降り始めた鉄の雨から逃れようと必死な住人たち、ガブールンに何とか守られているリコたちを見て、ワズキャンは村へ屋根をかけるように膨大な触手を伸ばしていきます。
その様子にレグが驚くのも束の間、ファプタは攻撃の手を止めません。
――過去、鉄の雨が降り注ぐ中、あの村が母なのだと語るファプタの姿がありました。
ハク(=宝物)のマークや意味、ファプタが村の中に入れないこと、村を破壊することで母を解放しようという考え……レグはその時すべて聞かされていたのです。
レグは自分もハクを探して穴を登っていると告げ、その頼まれたことを終えたら、ファプタに手を貸すと言いました。
さらに、ファプタの宿命に決着がついたらずっと一緒にいること、ともに冒険へ出ることを約束していたのです。
現在のレグはそのすべてを忘れていましたが、ファプタの好奇心に溢れた優しい顔ばかりが去来すると告げます。
身を滅ぼしながら復讐を果たそうとするファプタを、どうにか止めたいと涙を流すレグ。
ファプタはそんなレグを「優しい」けれど「愚か」だと言って、必死の形相で攻撃するのでした。
【ネタバレあり】アニメ『メイドインアビス 烈日の黄金郷』第11話あらすじ・感想
最後の謁見
ファプタを止められないまま、気を失ってしまったレグ。
そんなレグを抱えて村の中へ戻ってきたファプタの怒りの矛先は、リコへ向きます。
リコは白笛を使ったことで消耗しており、白笛たるプルシュカも同じように消耗していました。
ファプタがリコに攻撃を仕掛けると、ガブールンが身を挺して守ります。
ショックを受けたファプタは、さらに憎悪を抱え、再びリコを襲おうとしました。
ムーギィたちが何とか盾になろうとリコを囲んだその時、何者かが現れます。
それは、ナナチとべラフでした。
「たった一度の、最後の謁見だ!」
ナナチはべラフにそう呼び掛けます。
ファプタはべラフから「母の匂い」を強く感じ、べラフが兄妹たちを食べた者だと気付くと、真っ先に攻撃を仕掛けてきました。
すると、べラフは「(イルミューイは)これだけは奪ってくれなかった……受け取ってほしい」と言って、ファプタに自らの記憶を見せます。
ナナチの時と同じように匂いから過去の記憶を体感したファプタは、べラフの視点を通して知る当時のイルミューイたちの様子に、涙を流しました。
「君の価値を君自身が決める時が来る」
「恐れず進め。 君の冒険を楽しんでほしい」
ファプタにそう告げ、べラフは倒れました。
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神がかりを侮るな
呆然とするファプタの隙を突こうとする住人たちに、ナナチは危険だと呼び掛けます。
村の膜が破られ、守りがなくなっているため、いつ原生生物たちが入ってきてもおかしくない状態でした。
ナナチは住人たちにリコを連れて地下へ下るよう指示し、自身はレグを起こすのだと言います。
そんな中、ナナチはべラフの記憶を通して知った事柄から、ワズキャンの狙いを想像していました。
ワズキャンがリコと欲望の揺籃を介して新たな村を作ろうとしているのではないかと考えたナナチは、倒れたべラフを見て「(ワズキャンに)二度とそんな道は選ばせない」と唱えるのでした。
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一方、現状を見てひと安心している様子のワズキャンは、すっからかんの身体でヴエコを抱え、転がるようにして地下へ向かいました。
弱肉強食
ついに村の中へ入ってきてしまった原生生物の群れ。
その中にはレグの装備すら削いでしまうリュウサザイもいます。
成れ果てたちを容赦なく喰っていく原生生物に対し、自分の獲物を奪われたと憤るファプタ。
生きる理由を奪われながら、自身の身体も喰われていき、身も心もボロボロになってしまいます。
何のための不滅なのかと絶望する中、兄妹である黒いねばねばたちさえ滅ぼされ、ファプタはいよいよ立ち尽くしました。
そこでリュウサザイと対峙したファプタを救ったのは、壊れかけのガブールンでした。
ガブールンは最後の力を振り絞ってその一発を撃ち、ファプタに感謝の言葉を告げると、リュウサザイによって破壊されてしまいます。
ショックを受けたファプタはリュウサザイに攻撃され、吹っ飛ばされた先で気を失いました。
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価値
目を覚ましたファプタが見たのは、自らの身体の一部を差し出す成れ果てたちの姿でした。
成れ果てたちはそうして自分の価値をファプタに与え、彼女だけでも生き延びてほしいと願います。
ファプタのボロボロになった身体は成れ果てたちを食べることで修復され、再び戦えるほどの状態に戻っていきました。
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原生生物から身を隠していたその場所はいよいよバレてしまい、また一人の成れ果てが喰われていきます。
肉体を取り戻したどころか、これまでよりパワーアップしたファプタは、原生生物を攻撃し、成れ果てを喰らうと、咆哮をあげました。
リュウサザイが2体に増えても臆さないファプタは、心中でべラフからの言葉に返答します。
「勝手に決めるな。 価値は自ら知りにゆくそす」
次の瞬間、ファプタの瞳には紋章が浮かび上がっていました。
アニメ『メイドインアビス 烈日の黄金郷』第11話まとめ
いかがだったでしょうか。
痛ましいグロ描写から目を背けたくなった反面、べラフの散り際や、成れ果てたちがファプタに価値を与える様子など、目を離せないシーンばかりだった第11話。
ファプタの目に紋章が浮かび上がるラストカットは、あまりに印象的でした。
劇場版並みの作画や演出が続く中、いよいよ次回が最終回。
一週開けての1時間スペシャルということで、さらに期待が高まります。
次回、第12話も楽しみです。