2009年に公開された宮藤官九郎監督作品、宮崎あおい主演の「パンク」映画!?
伝説のパンクバンド「少年メリケンサック」を巡り、レコード会社契約社員の主人公・栗田かんなとオヤジたちが繰り広げるドタバタ青春喜劇です。
- 全編通して笑って泣ける、クドカン印の秀逸音楽コメディ!
- 宮崎あおいがとにかくかわいい!細い!
- 劇中の音楽や演奏にも注目!ボーカルの若い頃には銀杏BOYZ峯田和伸を起用!
「パンク」に縁のない人、わからない人でも楽しむことができ、観終わった後は大笑いで気分爽快です!
また、音楽好きにはたまらない小ネタや出演者も見逃せません。
それでは『少年メリケンサック』をネタバレありでレビューしていきます!
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目次
『少年メリケンサック』作品情報
作品名 | 少年メリケンサック |
公開日 | 2009年2月14日 |
上映時間 | 125分 |
監督 | 宮藤官九郎 |
脚本 | 宮藤官九郎 |
出演者 | 宮崎あおい 佐藤浩市 ユースケ・サンタマリア 木村祐一 田口トモロヲ 三宅弘城 勝地涼 |
音楽 | 向井秀徳 |
『少年メリケンサック』主要キャスト
宮崎あおい / 役:栗田かんな
- メープルレコードの契約社員で新人発掘を担当している。
- 職当日に見つけたバンド「少年メリケンサック」が社長の目に止まりスカウトすることに。
- 家では彼氏のマサルと同居しており、シンガー・ソング・ライターである彼の歌を楽しみにしている。
佐藤浩市 / 役:作並秋夫
- 「少年メリケンサック」のリーダーでベース担当だがギターも弾くことができる。春夫の兄。
- 昼間から居酒屋で飲んだくれている50歳だが、かんなからのスカウトを受けて、バンドの再結成に熱意を燃やす。
- メンバーの中では一番破天荒な性格で、女性であるかんなに対しても色々と容赦ない。
木村祐一 / 役:作並春夫
- 秋夫の弟で「少年メリケンサック」のギター担当と作詞を担当している。
- 過去にメジャーバンドで活躍していたこともあったが、秋夫の策略により覚せい剤所持の罪を着せられ逮捕されたことがある。
田口トモロヲ / 役:清水/ジミー
- 「少年メリケンサック」のヴォーカル担当。
- バンドの解散ライブの際に春夫と秋夫の喧嘩によりギターで頭を強打され後遺症が残った。
- 車椅子生活で言葉もろくに喋ることができないが、バンドの再結成で調子を取り戻していく。
三宅弘城 / 役:岡本/ヤング
- 「少年メリケンサック」のドラム担当。モヒカンと紅白のメイクが特徴。
- 若い頃はヤンキーであり、ジミーと春夫が組んでいたバンドのライブを仲間たちと妨害した。
- 25年後には人が変わった?と思わせるほど大人しく礼儀正しい男に変貌していた。
【ネタバレ】『少年メリケンサック』あらすじ・感想
奇跡のバンド発見される!
レコード会社の契約社員の主人公・栗田かんなはネットでの新人発掘作業に明け暮れていました。
契約社員としての最終日、かんなはとあるサイトで凶悪かつ強烈なサウンドを持つパンクバンド「少年メリケンサック」を発見します。
かんなは怒られることを覚悟で、社長の時田にバンドの映像を見せました。
「少年メリケンサック」のライブは非常に激しく、歌詞も何を言っているかもわかりません。
2人が同頑張っても「ニューヨークマラソン」とわけのわからない歌詞しか聞き取ることができませんでした。
しかし、「少年メリケンサック」は過去に自分もパンクバンドをやっていた時田の目に留まり、かんなは契約を更新する代わりにバンドをスカウトするように命令を受けます。
バンドのホームページにあった連絡先に向かうかんな。
しかし、連絡先にあったのは高円寺の居酒屋でした。
「少年メリケンサック」のメンバーである秋夫を探していると言って店内に乗り込むかんなに、店の奥から酔っ払いが声をかけてきます。
なんと、その酔っぱらいこそが「少年メリケンサック」のベース担当・秋夫だったのです。
秋夫は昼間から酒を飲んだくれている髭の生えた、どうしようもない男でした。
そしてかんなは、自分が見たライブ映像が25年前のものだと知りました。
時田に事実を伝えようとしましたが、時すでに遅し!
バンドの映像はネットで拡散され、10万アクセスを突破していたのです。
時田はすでに「少年メリケンサック」の地方でのライブも決めていました。
時田に契約か退職かを迫られたかんなは、時田にはバンドの秘密を隠して再結成させることにしました。
秋夫からの再結成の条件はひとつ。「オリジナルメンバーを集めること」でした。
かんなはギターを担当していた春夫を訪ねましたが、兄の秋夫との間に確執があるために断られてしまいます。バンド再結成は難航しました…。
冒頭からの激しいライブシーン、銀杏BOYZ峯田和伸のリアルなライブパフォーマンスに釘づけ!
この映像を見た、宮崎あおい演じるかんなの表情もコミカルで最高です!
バンドの連絡先に電話をかけた時に映った居酒屋バイトのパンク青年の後ろ姿。
観客には「秋夫なのかな?」と思わせておいて実際は全然違う人、しかもバンドもやっていないという設定に笑いました。
「少年メリケンサック」再結成!
いよいよ、スタジオにバンドメンバーが集まり「少年メリケンサック」再結成のときがやって来ました。
しかし、集まったのは秋夫同様どうしようもないおじさんばかり…。
ドラムのヤングは痔!立ってしかドラムを演奏できません。
ヴォーカルのジミーに至っては、解散ライブ時に秋夫と春夫による喧嘩の巻き添えになり受けた傷の後遺症が残り、車椅子生活を余儀なくされていました。
そんなとき、再結成を断った春夫がスタジオに現れます。
オリジナルメンバーが揃い、いよいよ音出し!
でしたが…ブランクがありすぎて、オヤジたちはろくな演奏ができません。
演奏を聴いたジミーが車椅子から立ったことに一度は奇跡を感じたかんなでしたが、お粗末すぎる演奏にブチ切れてしまいます。
そして「少年メリケンサック」ツアー初日の名古屋公演の日がやってきました。
名古屋のライブハウスには「少年メリケンサック」を一目観ようと、大勢のファンが押しかけていました。
もちろん社長の時田もライブを観に来ていましたが、かんなはまだ「少年メリケンサック」の秘密を打ち明けることができずにいます。
ステージに現れたのは4人のオヤジ。
醜態とも言える「少年メリケンサック」のライブを観たかんなは、思わずライブハウスを飛び出して飲んだくれていました。
時田からの連絡で、ライブハウスに戻ったかんなが目撃したのは喧嘩する春夫と秋夫。
もう終わりにしようと言い出すかんなでしたが、時田の判断でツアーは続けることに。
かんなとオヤジたちの珍道中が始まります。
かんなとオヤジたちの珍道中
かんなの実家の回転寿司屋のイラストが入ったワゴン車で、バンドの旅が始まります。
大阪では同じ事務所の「GOA」(ジェネレーション・オブ・アニメーション)という若手バンドとの対バンの際に、ディスられたことから春夫がステージ上で喧嘩を起こして大騒ぎ。警察沙汰になってしまいます。
オヤジたちが気づかずかんなを置いていくというハプニングや、仕事を諦めようと逃げ出したかんなが不在の中、自分たちで広島のライブハウスへ向かうために努力をしたりなどで、メンバー内の結束を深めていました。
ライブハウスにたどり着いたかんなは、オヤジたちのライブに盛り上がる観客の姿を観て喜びます。
かんなとオヤジたちの心の距離も近づいていきました。
しかし、良いことは長くは続きませんでした。
秋夫と春夫の生まれ故郷、仙台でのライブの際に事件は起こります。
春夫の前に美しい妙齢の女性が現れました。
彼女は美保。昔の「少年メリケンサック」のファンで、春夫と一夜を共にした女性です。
しかし、それは秋夫が春夫を陥れるための策略でした。
秋夫は春夫だけがチヤホヤされるのが気に入りませんでした。
秋夫の指示で、美保がぬいぐるみの中に仕込んだ覚せい剤の存在がバレて春夫は逮捕されてしまった…という過去があったのです。
美保が謝りますが、春夫は美保のことが本当に好きだったので過去のことは気にしていないと許します。
しかし、美保には息子がいました。その息子は秋夫と美保の間にできた子供だったのです。
その事実を知らなかった春夫は動揺しました。
また、春夫から「父親は死んだ」と言われていた秋夫が実家に帰ると寝たきりの父親がまだ生きていたことから、秋夫もひどく動揺しました。
仙台のライブは春夫と秋夫が最悪の雰囲気の中で行われました。
ライブの終わりに2人が楽器を振りかざした瞬間!
今回はジミーに当たることはなく、楽器はお互いの腕に直撃し2人は腕に怪我を負ってしまいます。
「少年メリケンサック」のテレビ出演が決定していた矢先の出来事でした。
「2人で1人前だ!」
かんなは春夫と秋夫のあまりのプロ意識のなさに激怒し落胆しました。
ですが、かんなは良いことを思いついたのです!
映画『少年メリケンサック』の気になる結末
「少年メリケンサック」テレビ生放送出演の当日、メンバーは5人に増えていました。
秋夫がベースを弾けない代わりに、かんなは浮気が原因で別れたシンガー・ソング・ライターの元彼マサルの頭を半分丸刈りにし、新たな「少年メリケンサック」のメンバーに加えたのです。
秋夫と春夫は怪我が治るまで、二人羽織のような形で2人で1つのギターを演奏することに。
いよいよ、25年ぶりに再結成された「少年メリケンサック」の演奏が始まります!
しかし、バンド活動を続けていくことで体の調子を戻したジミーがしっかりと発音できるようになったことで、「ニューヨークマラソン」が「農薬飲ませろ」と歌っていたことが判明!
ほかもテレビで放送できるような歌詞ではありません!
かんなは1人、車でテレビ局を飛び出します!
「少年メリケンサック」衝撃のテレビ出演からしばらく経って、かんなはレコード会社を辞めて実家の回転寿司屋を手伝いながら、ライブの日は「少年メリケンサック」のスタッフをするという生活を送っていました。
「少年メリケンサック」の人気はおかげさまで上々。
ライブ中にかんなが「暴れろ」という鼻をさわるサインをするとジミーが客席にダイブ!
バンドのライブが大盛り上がりしたところで物語は終わります。
映画『少年メリケンサック』の感想
よく行っていたバーのマスターが『少年メリケンサック』が大好きで、何度も観ていました。
もう10年も前の作品ですが、いつ観ても面白いことに変わりはありません!
パンクがなにかよくわからない人、パンクをよく知っている人、どちらも楽しむことができるエンタメ作品です!
過去のバンドメンバーには銀杏BOYZ峯田和伸が起用されているので、リアルなライブパフォーマンスに説得力があり、すぐに物語に引き込まれます!
また宮藤官九郎自身もバンド経験者なので、出演者の人選などがわかっていらっしゃる!!
冒頭の証言シーンや、ちょい役には日本を代表するパンクバンドの面々が登場しているので、音楽好き、パンク好きも唸ってしまうのでは…!
今年亡くなった「スターリン」の遠藤ミチロウさんも、居酒屋の店主役で出演しています。
また、劇中歌もいちいち秀逸すぎて笑える!
宮藤官九郎はEテレなど子供番組でも作詞を手がけるなど実力もあり!
劇中歌の殆どを向井秀徳と共に製作しており、これまた音楽ファンを虜にする要素のひとつです。
個人的には若手バンド「GOA」のギターボーカルを演じている星野源が、佐藤浩市にボコボコにされるシーンは大爆笑してしまいました。今となっては考えられない扱いですね(笑)
たくさん笑って、観終わった後はとても元気になれる作品です。
ひとつだけ誤解してほしくないのは、ライブハウスやパンクは怖いものではないということ。
興味があれば、ぜひ足を運んでみてください!
音楽に人生を委ねる人間の姿を見て、なにか感じることができるかもしれませんよ。
『少年メリケンサック』あらすじ・ネタバレ感想まとめ
以上、ここまで映画『少年メリケンサック』について紹介させていただきました。
- パンクに詳しくなくても作品を楽しむことができる。
- 宮藤官九郎×向井秀徳が製作する劇中歌が秀逸かつ笑える!
- その気になれば誰でも青春を取り戻せる!笑って泣けるパンク映画!
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