松吾郎の音ではなく、自分の叩きたい音を会場に響かせることを決めた雪。これこそが雪の音だと喜ぶものがいる仲、これを受け入れないものも…。
そして、満を持して登場した田沼総一の腕前はいかに！そして優勝は誰の手に！
果たしてこれは“最終回”なのだろうか…
目次
アニメ『ましろのおと』第11話のあらすじと振り返り
弦が切れても最後まで演奏をし続けた梶。そんな彼が奏でた音は、雪の中にしばらく残り続けます。
いよいよ雪の出番という時、梅子は彼に対し、個人戦のようなみったくない音は弾かず、ちゃんと松五郎の音を出せといいます。
結局求められているのは祖父の音かと考え、落胆しながらも舞台の上へ。
いつもよりも大人びた音を鳴らすと、会場からは驚きの声が上がるが、彼の音を知る者たちは、雪の音じゃないと受け入れることはできません。
松吾郎がなくなる前、自分の真似事のような三味線はやめろと言われた雪。松五郎の音を失った彼は青森を出て東京へ。
そこで色々な人と出会い、多くの経験をして今があると気づいた時、雪は自分の音を出し始めるのでした。
【ネタバレあり】アニメ『ましろのおと』第12話（最終話）あらすじと感想
雪が届けたい音は松五郎の音ではなく…
出典:『ましろのおと』公式ページ
松吾郎の真似から自分の音に変えた雪。
まるで別人になったように音が変わったことで、その綺麗な音は会場を包みます。
つまらない音はいらない。今の自分が弾きたいもの、聞いてもらいたいものを雪は懸命に弾き、誰かに伝わればいい、届けばいいなと、雪は願います。
すると、審査員の中に眠る遠い記憶、慕情が蘇り涙。
雪が楽しむことで朱利や若葉は喜び、梅子は苛立ち、舞も悔やむ気持ちを抑えきれません。
そうして、雪の演奏は終わるのでした。
彼が納得する音を奏でて…。会場からは拍手喝采。歓声の量に、雪は驚きます。
KAMUI
大会の大本命、田沼総一の実力とは
出典:『ましろのおと』公式ページ
会場も出場者も、雪の演奏に飲み込まれてしまったため、これと言った盛り上がりがなくなってしまいました。
しかし、最後に出場した田沼総一が登場するとその雰囲気は一気に変わっていきます。
すべての準備を整え、最高のコンディションで挑む総一。腕の振りが大きいが狂いが一切なく、メリハリがある演奏。
さらには呼吸を止めて、目の覚めるような叩きをすることで、観衆の目を引きます。結はこの音を怖いと感じ、4ヵ月前に大会で競った若葉はどうしてまたこんなに成長しているのだと驚きます。
進化が止まらない総一の音は、妹の舞の共鳴とも違うと雪は驚きます。
ひとしきり叩き終えると、会場からはまた更なる歓声が沸き上がるのでした。
総一の演奏で悔しい思いを抱いた舞は、三味線を弾きたいがために一足先にホテルへ。そして雪は、総一に勝ちたいと思うのでした。
KAMUI
「ほんつけなし」他者の評価に雪は苦しみを覚える
出場者全員の演奏が終わると、遂に結果発表に。順位を聞く間、総一に勝ちたいという思いを雪は若葉に吐露します。
雪は3位入賞。こんなのおかしいと梅園チームは言いますが、闘い方を知らない雪は、最初と最後で音色をガラッと変えてしまったことが敗因となりました。
そして2位は荒川潮、田沼総一は堂々の優勝を手にします。
次々とトロフィーが授与されるなか、雪のトロフィーを持ってきたのはなんと梅子。
「おめでとう」と言ったかと思いきや、梅子はこれを落とし、雪にささやくように「このほんつけなしが、私に恥ばかかせた」と言って去っていくのでした。
KAMUI
松吾郎の音に憧れ、そして自分の音を出した雪でしたが、それを恥といわれ、じゃあどう弾けばよかったのだと葛藤します。
最後まで点の付け方に納得がいかない梅園チーム。そして雪の元には神木清流と流絃が現れます。
ＯＢとして祝福する清流、そして流絃は総一にはやはり勝てなかったなと雪を罵り、誰の指導もないまま、上達することはないと言って去っていくのでした。
清流から、音の中にある1本の筋を変えたのが敗因だと雪本人に改めていいます。音は自己表現。
だから他者の存在は必要不可欠。
雪の音は独りよがりだと言われ、雪は苛立ちを覚え、自分は何のために東京へ来たのだと自分で自分に問い、苦しむのでした。
自室に籠り、何を考える
大会から数日後。雪が学校に来ないことを心配する朱利は、様子を見に行こうと言いますが、自分から立ち上がるまで待つべきだと海人は言います。今回の経験から、海人はひざの手術をし、もう一度サッカーを頑張ろうと決意するのでした。
雪の成長が楽しみだという声も上がっている中、彼は1人、自分が叩くべき音は何なのだと考えこむのでした。
KAMUI
アニメ『ましろのおと』の総括
KAMUI
大会に出て、他者から評価をされてその答えが出た。自分が奏でるべき音は何なのか、三味線奏者としてのスタート地点に、雪はついに立ったという所でしょう。
梅子は本当に松五郎の音が好きだったのだなあというのも伝わります。
しかしそのせいで雪自身を見ようとはしてくれていない気がするのです。
両親との関係が良くない雪。前にも書いた気がしますが、そりゃ若葉が苦労人なポジションになりますわ。
是非2期を！このままじゃアニメの雪が報われない！何卒！という気持ちでいっぱいです。
そして、このアニメを見ている間、ずっと良い三味線の音が聞けたのは幸いです。
OP,ED共に良かった。耳が幸せになる作品だったと思います。