『マロナの幻想的な物語り』舞台挨拶:のん「見る人によって感じ方が変わる素敵な作品」と想いを語る

『マロナの幻想的な物語り』舞台挨拶

(C)ミルトモ

2020年の東京アニメアワードフェスティバル(TAAF)にて長篇アニメーション・グランプリを獲得した話題作『マロナの幻想的な物語り』。

ルイ・ヴィトンがトラベル・ブック“パリ編”に選んだイラストレーター、ブレヒト・エヴァンスをはじめ、ボローニャ国際絵本展で注目のサラ・トーステンセンといったヨーロッパの才能あるクリエータが集結し、2Dと3Dを融合させた映像が見どころとなっている今作。

8月20日、渋谷・ユーロスペースにて吹替え版キャストを務めたのん、小野友樹、夜道雪、平川新士が舞台挨拶に登壇しました。

『マロナの幻想的な物語り』舞台挨拶:のん、小野友樹、夜道雪、平川新士

『マロナの幻想的な物語り』舞台挨拶:のん、小野友樹、夜道雪、平川新士

(C)ミルトモ

−−まずは一言ずつご挨拶をお願いいたします。

のん「マロナを演じさせていただきましたのんです。ハート型の鼻をしたかわいいワンちゃんです。今日はよろしくお願いいたします。」

『マロナの幻想的な物語り』舞台挨拶

(C)ミルトモ

小野友樹(以下、小野)「小野友樹です。曲芸師のマローナ役をやらせていただきました。ぜひよろしくお願いいたします。」

『マロナの幻想的な物語り』舞台挨拶

(C)ミルトモ

夜道雪(以下、夜道)「マロナと共に少女から大人に成長していく等身大の女の子、ソランジュ役を演じさせていただきました声優の夜道雪です。よろしくお願いいたします。」

『マロナの幻想的な物語り』舞台挨拶

(C)ミルトモ

平川新士(以下、平川)「平川新士と申します。工事現場監督のイシュトヴァン役を演じさせていただきました。よろしくお願いいたします。」

『マロナの幻想的な物語り』舞台挨拶

(C)ミルトモ

−−日本語吹替版の完成おめでとうございます。作品をご覧になっての率直な感想はいかがですか?

のん「すごく素敵な作品でした。映像表現のアート性が強くて、こんなに個性的な絵のキャラクターが共存している映像は他にないんじゃないかと思って、すごく面白かったです。」

−−犬の声を担当すると決まった時はどう思いましたか?

のん「嬉しかったです。動物の役を演じるのはすごく面白そうと思ったので、少し緊張しましたががんばりました。人間のことを外側の視点から見ている子だったので、それら全てを受け入れて人に尽くしているところがマロナの素敵なところなので、そこの部分を大事にしました。」

『マロナの幻想的な物語り』舞台挨拶

(C)ミルトモ

−−小野さん、のんさんの声はいかがでしたか?

小野「原作の声にすごく近い印象を受けました。意思を汲み取りつつ、のんさんなりのニュアンスを残しながらやってらっしゃって、すごく耳に染み入る感覚があるんですよね。大きな感情を出さなくても伝わってくるものを感じました。」

のん「嬉しい…!」

『マロナの幻想的な物語り』舞台挨拶

(C)ミルトモ

−−この映画をご覧になってみていかがでしたか?

小野「のんさんもおっしゃってましたが、この芸術性ですね。日本においてのアニメの描かれ方と土壌が大きく違うなというのは感じました。世界に誇る日本アニメーションに誇りを持っているんですけど、芸術に全振りするとこういう描かれ方になるんだっていうのがカルチャーショックに近いような衝撃を受けました。すごく面白かったです。」

−−夜道さんはどうでしたか?

夜道「皆さん見ていただくと分かりますが、実際の人間では有り得ないような動き方をされてるところもひとつの表現として魅力的です。のんさんとは収録が別だったんですが、実際にのんさんが吹き替えをされている完成したものを見て鳥肌が立って、思わず感動してしまいました。完成品が宝物になりました。」

−−夜道さんは、ソランジュの声をどのように生み出していましたか?

夜道「ソランジュは外国の女の子ですが、女性なら誰しもが自分も小さい頃はこういうことあったなって思ってもらえるような普通の女の子なんですね。思春期特有の感情の揺れは自分にもあったので、素直に演じることができました。」

『マロナの幻想的な物語り』舞台挨拶

(C)ミルトモ

−−平川さん、イシュトヴァンの役をやられてみていかがでしたか?

平川「彼は性格的な部分がおおらかで、優しくて、頼りがいがあってというところが難しくて、自分にないものをどこから持ってこようかというのが芝居をやる上で心を砕いた部分です。ただ、自分もペットを買っているのでマロナに対しては、等身大の自分の愛しさみたいなものが伝わればなと思いながらやらせていただきました。」

−−映画をご覧になっていかがでしたか?

平川「アーティスティックで抽象的な場面が多いなと思ったんですけど、ストーリーラインはすごくシンプルで、キャラクターそれぞれの生き方であったり、理念みたいなものも見えやすいのでスッと心に入ってくる良い映画だなぁと感じながら見させていただきました。」

『マロナの幻想的な物語り』舞台挨拶

(C)ミルトモ

のん「私も見たときにすごく満たされた気持ちになって、本当に参加させていただけて嬉しいなという気持ちでいっぱいです。」

−−今回のアフレコで印象に残ってることや、大変だったなぁというエピソードはございますか?

のん「ソランジュの幼少時の頃のレコーディングを見学させていただいて、『こんなに話している時と違って役に合わせた声を演じるんだ』という光景を目の前で見てて、『すごい…!』って感動して勉強させていただいてから自分のレコーディングに臨めたのが一番印象に残っています。」

−−自分もやらなきゃ!だったり、プレッシャーみたいなものはなかったですか?

のん「マロナが愛情を持って飼い主に尽くす気持ちに素直に入れた感じがしました。」

『マロナの幻想的な物語り』舞台挨拶

(C)ミルトモ

−−夜道さんは何か印象に残っていることはありますか?

夜道「他のキャラクターと違うところが、ソランジュは劇中で成長していくので声や演技感が変わってくるんですね。小さい頃のソランジュ、少し大人になったソランジュ、思春期を迎えた反抗的なソランジュ、少し落ち着いたソランジュっていう色々なソランジュがいるんですけど、その成長過程も見てくださっている方々に伝わるように声の演技を変えていくというのが少し大変でしたけど、新鮮ですごく楽しかったです。」

−−小野さんは一番ロマンチックな部分でしたが、いかがでしたか?

小野「印象的だったのは、普段やらせていただいているアニメのお芝居から引き算をして大丈夫という演出をいただいたことです。大きな表現をするということではなく、そのままの感情をそのまま伝えてくれて基本は大丈夫ですと、その代わりポイントで作品を大きく描きたい感情として伝えたいところだけアクセントをつける形でバランスを取らせていただきました。」

−−平川さん、いかがでしたか?

平川「一番印象に残っているのは『愛が足りないよ!』って言われて、『俺の愛もっと出てこい!』と思いながらやったんですけど、マロナへの愛が皆さんに少しでも伝わればいいなぁと思います。」

−−皆さん、動物がお好きかと思うのですが、何かペットとの思い出はございますか?

のん「ハムスターを飼ってたことがあって、砂場でハムスター友達と遊んだ日があったんですけど、砂の山を作ってハムスターにトンネルの穴を掘ってもらうという遊びをしていて、トンネルが抜けた時にみんなで『できたー!』って言いながら山を潰した後に、『私のハムスターだけがいない』ってことに気付いて…」

一同「えーーっ!?」

のん「そしたら、山の下にいて無事に救出して、その後もたくさん生きてくれました。」

一同「よかったーー(笑)」

のん「今でも心が痛いというか…。」

『マロナの幻想的な物語り』舞台挨拶

(C)ミルトモ

−−ハムちゃん、天国から今聞いてますよ。

のん「(上を向きながら)ごめんなさい!」

小野「僕は犬を飼ってて、まだ1歳なんですけど。好きすぎて歌を作りました。気になる方は、ぜひダウンロードして聞いてください(笑)」

『マロナの幻想的な物語り』舞台挨拶

(C)ミルトモ

夜道「私は今まで猫5匹飼ったり、犬もいましたし、ハムスターもいましたし、生物も動物もすごく大好きで、だからソランジュが自分とすごく重なる部分があります。特に最初に飼った猫が印象に残っていて、私が学校に行けなくて悩んでた時期があったんですけど、その子が来てから少し明るくなれて、今の芸能の仕事を目指してみようって前向きになれたので、不器用な自分を変えてくれたペットに感謝です。」

『マロナの幻想的な物語り』舞台挨拶

(C)ミルトモ

平川「僕はファンシーラットというネズミを飼ってまして、家に帰ると僕のあぐらの中に入ってきてしばらく撫でるっていうのが日課です。」

『マロナの幻想的な物語り』舞台挨拶

(C)ミルトモ

−−この映画はマロナに出会った人々が大切なものに気づくのもひとつのテーマだと思うのですが、のんさんにとって今大切なものは何でしょうか?

のん「見てくださる人が楽しんでもらうことがすごく大切だなと思います。自粛ムードの大変な時期にこの作品を送り出せるのが嬉しくて、心が温まるような作品に参加して、表現できたことを大切に思っています。」

−−最後に、のんさん代表して映画を楽しみにされている方へメッセージをお願いいたします。

『マロナの幻想的な物語り』舞台挨拶

(C)ミルトモ

のん「『マロナの幻想的な物語り』はすごく心を打つ作品になっています。見る方によって、この映画がどう見えてるんだろうとか、どういう風に捉えてもらえるんだろうっていうのが、それぞれの心の中で全然違う作品になると思うので、ぜひたくさんの方に見ていただきたいです。よろしくお願いいたします。」

『マロナの幻想的な物語り』作品情報

『マロナの幻想的な物語り』作品情報

© Aparte Film, Sacrebleu Productions, Mind’s Meet

吹替版キャスト:のん、小野友樹、平川新士、原涼子、夜道雪、笹島かほる、南條ひかる、川上晃二、浅水健太朗、拝師みほ、武藤志織、駒形友梨、弦徳、林瑞貴、福山あさき
監督:アンカ・ダミアン
脚本:アンゲル・ダミアン
キャラクター・デザイン:ブレヒト・エヴェンス
背景美術:ジナ・トーステンセン/サラ・マゼッティ
音楽:パブロ・ピコ
プロデューサー:アンカ・ダミアン、ロン・ディエンス、トマス・レイヤース
提供:リスキット、マクザ厶、太秦、カルタクリエイティブ
配給:リスキット
後援:ルーマニア大使館
協力:キヤトルステラ、stylab、げんべい商店

公式サイトhttps://maronas.info/
公式Twitter@maronas_fantasy
公式Instagram@maronas_fantasy
公式Facebook@maronasfantasy

『マロナの幻想的な物語り』は8月29日(土)より、渋谷・ユーロスペースにて字幕版を先行公開、2週間後の9月12日(土)より吹替え版を含め、全国順次公開です。