2023年4月11日より放送が開始された完全アニメオリジナル作品『THE MARGINAL SERVICE』。
ジャパン・澁宿を舞台に、人間に紛れ込んで共存している”境界人”が起こす犯罪を取り締まり、その存在を徹底的に隠蔽する特殊機関・”マージナルサービス”の活躍を描きます。
犯罪者である”境界人”を収容するために改造されたショッピングモール――まるでエリア51のような施設に、ラバーが収容されます。
”マージナルサービス”がラバーを移送し終え、サイラスがラバーの身体チェックをする中、メンバーたちはそれぞれにショッピングモールを楽しんでいました。
しかし、モール内ではある異変が起き始め……。
早速、第8話「ゾンビはショッピングモールがお好き?」をレビューしていきたいと思います。
目次
アニメ『THE MARGINAL SERVICE』前回第7話あらすじと振り返り
半魚人の長から、ラバーにロビンとボルツが連れ去られてしまったことを知らされる”マージナルサービス”。
ゼノとブライアンは二人を奪還するため、グランパス島へ向かいます。
一方、ロビンとボルツは別々の部屋に囚われましたが、各々脱出し合流。
その脱出の最中、ロビンはボルツの過去を、ボルツはロビンの過去を知ることとなり、互いが互いの大切な存在を奪った因縁の相手だと発覚しました。
銃を手に殺し合いを始めた二人の戦いは、やがて肉弾戦へと発展し、ブライアンは自身がサンドバックとなって必死に止めようとします。
そこへ事の真相を知ったゼノがやって来て、死んだと思われていたボルツとロビンの大切な存在は今も生きていて、無事でいることを明かしました。
ボルツとロビンの騒動はひと段落しましたが、こうなるように仕向けた者こそラバーだと判明。
その矢先、ラバーがその場に姿を現すのでした。
【ネタバレあり】アニメ『THE MARGINAL SERVICE』第8話あらすじ・感想
収容所はショッピングモール
セキュリティの問題で、犯罪者である”境界人”の収容施設を新たに用意しなくてはならなくなった政府は、とあるショッピングモールを改造し、収容施設としました。
まるでエリア51のようなそこは、収容施設となってもなお、囚人の刑務作業も兼ねてモールとしての娯楽を維持しています。
マージナルサービスのメンバーは各々興味のある場所へ駆け出しますが、グランパス島で逮捕したラバーを受け入れるため、誰かは迎えに行かなければなりません。
結果、ブライアンがサイラスに捕まり、ヘリコプターで移送中のラバーを迎えに行くことになります。
その頃、移送ヘリの中では、ラバーが私物の香水を返してほしいと頼み、ゼノが問答無用で拒否するというやり取りが行われていました。
そのやり取りの最中、ゼノは気分が悪いような素振りを見せ、ラバーはその原因に思い当たることがあるようでした。
やがてヘリは収容施設に到着し、まずサイラスがラバーの身体チェックを行うことに。
ラバーはいつも身に付けているボディスーツを着ていましたが、採血と心電図を取るので脱ぐよう指示します。
すると、ラバーはそれを拒否し、さらにサイラスの辛い過去について言及しました。
それはボディスーツを脱ぎたくない何らかの理由を誤魔化すための、精神攻撃のようにも思えます。
少なくともサイラスは躊躇わず、ラバーのボディスーツを脱がせにかかりました。
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ネガティブゾンビ大量発生?!
ボルツとロビンはゲームセンター、ライラはサロン、ペックはドッグラン兼ペットショップと、メンバーがそれぞれにモール見学を楽しむ中、ブライアンとゼノは映画館で鉢合わせます。
映画鑑賞中、突如としてスクリーンを突き破って現れたのは、まさかのゾンビの群れ!
囚人服を着ているので、元々は施設に入れられていた”境界人”のようです。
人を襲おうとはしてくるものの大して強いわけでもなく、ブライアンとゼノが映画館から出ると、モール内は囚人服のゾンビだらけになっていました。
その中には、なんとゾンビ化したペックの姿も……。
同じ頃、ボルツやロビン、ライラまでもが、それぞれの場所でゾンビと化していました。
そんなことはまだ知らないブライアンとゼノは、何とか意思疎通の取れたゾンビが「脳みそがつらい」と苦しそうにしているのを見て、彼らがネガティブになっていることに気が付きます。
さらに、ゾンビ化したサイラスが過去の後悔を呟きながら歩いているところに遭遇し、彼がマネキンにガスマスクを付けたことから、空気感染でゾンビ化していると予測しました。
マスクを探しつつ監視カメラのモニター室にやって来たブライアンとゼノは、画面越しにラバーの真の姿を目撃します。
ボディスーツを脱いだラバーは、ネオンカラーの羽根を背中に生やし、鱗粉のようなものを撒き散らしながら歩いていました。
ゼノは、ラバーの匂いは吸引した者の脳に作用し、後悔やトラウマなどの負の記憶を呼び起こす力があるのではないかと考えます。
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つらい過去を思い起こしてゾンビ化してしまった人たちのことを想い、ゼノはガスマスクを付けてラバーのもとへ向かいました。
幻覚をも見せるラバーの力
普段はボディスーツで匂いの拡散を抑え、特殊な香水で覆い隠していたラバー。
逮捕された時に香水を押収され、身体チェックの際にボディスーツを脱がされ、抑える術を失くした彼は、悠々とモール内を闊歩していました。
そんなラバーのもとへ向かう途中、ブライアンはゾンビ化したライラに襲われ、付けていたガスマスクを落としてしまいます。
ラバーの匂いを吸引しないよう、ゼノと交代でひとつのガスマスクを使いながら、襲い来るゾンビの群れと戦うことに。
その矢先、少なからず匂いを吸引してしまったブライアンは、朦朧とする意識の中で倒れ込むゼノを目撃します。
ゼノは自分の限界を感じたのか、「お前は立派なマージナルサービスの一員だ」「ラバーを捕まえるんだ」などと、ブライアンに後を任せるような発言をしました。
どのセリフもゼノらしくないと不可解に思ったその時、ブライアンはハッとします。
ブライアンはラバーの匂いを吸ったことで、幻覚を見ていたのです。
目を覚ましたブライアンのそばにいたゼノは、ムカつく発言を投げかけてくる普段通りのゼノでした。
二人分のガスマスクを取り戻したブライアンとゼノは、ようやくラバーのいるフードコートへ辿り着きます。
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世界をひとつにすること
ラバーを前にしたブライアンは、布団圧縮袋を手にしていました。
ボディスーツの代わりに袋に閉じ込め、匂いの拡散を抑えようとしたのです。
袋詰めはごめんだと呆れたように笑うラバーに、ゼノは「なぜ”境界人”まで苦しめるのか」と問いかけました。
ラバーは自身の行動原理が、この世界をひとつにするためという考えに基づいていることを明かします。
人間は人類と”境界人”を線引きしたがる、それでは争いはなくならないといいました。
誰もが抱える悲しみを忘れるのではなく、乗り越えることで強くなる……強さは優しさ、優しさは平和に繋がると語ります。
それを聞いていたゼノは、乗り越えられない過去はあり、過去を抱えて生きていかなくてはならない、この世界はクソなのだと返しました。
ブライアンは問答を繰り返す二人を見ていられず、ラバーに飛びかかり、圧縮袋に閉じ込めるのでした。
そして、「過去がどうとか知るかよ」と言うブライアンに、ゼノは「お前の言う通りかもな」と呟きました。
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――ラバーは拘束され、より高度な施設へと移送されることに。
現場にやって来たセオドアによってモールは爆破され、新たな収容施設が作られることを知らされます。
マージナルサービスのメンバーたちをはじめとするゾンビ化した人々は、脳に大きな影響はないとのことで、しばらくしたら元に戻るそうです。
ひと安心したのも束の間、ブライアンとゼノはセオドアから驚くべきことを聞かされます。
ラバーから手を引けという上からの通達が入り、捜査が打ち切られることとなったのです。
アニメ『THE MARGINAL SERVICE』第8話まとめ
いかがだったでしょうか。
まさしくゾンビ回だった第8話。
舞台がショッピングモールというのも、映画『ドーン・オブ・ザ・デッド』や『アイアムアヒーロー』を想起させます。
そんな第8話では、ようやくラバーの目的が判明したにもかかわらず、何の情報も得られないまま捜査打ち切りを言い渡された”マージナルサービス”が描かれました。
セオドアは「上からの通達」と言いましたが、一筋縄ではいかない裏がありそうですよね。
次回、第9話も楽しみです。