2023年4月11日より放送が開始された完全アニメオリジナル作品『THE MARGINAL SERVICE』。
ジャパン・澁宿を舞台に、人間に紛れ込んで共存している”境界人”が起こす犯罪を取り締まり、その存在を徹底的に隠蔽する特殊機関・”マージナルサービス”の活躍を描きます。
半魚人の長から、ラバーにロビンとボルツが連れ去られてしまったことを知らされる”マージナルサービス”。
ゼノとブライアンは二人を奪還するため、グランパス島へ向かいます。
一方、ロビンとボルツは別々の部屋に囚われましたが、各々脱出を試みていました。
その脱出の最中、ロビンはボルツの過去を、ボルツはロビンの過去を知ることとなり……。
早速、第7話「仲直りはケンカの始まり」をレビューしていきたいと思います。
目次
アニメ『THE MARGINAL SERVICE』前回第6話あらすじと振り返り
ラバーの逃亡先としてヒガシノ島という、とある島が浮かび上がりました。
ラバー確保のため、船で島に向かわねばならないのですが、自然が嫌いなサイラスは気が乗りません。
一方のブライアンは意気揚々と、「とりあえず”アレ”さえ忘れなければいい」と言います……そう、”海パン”です。
そして、始まる船上の釣り対決ですが、釣り上げたのは魚ではなく……そう、サメでした。
そのサメは、実は”境界人”であり、脳腫瘍を患っていました。
いち早くその事実に気付いたサイラスは、行き着いたヒガシノ島の海岸で緊急手術を行い、見事に成功させます。
ヒガシノ島の近海には、人間社会と距離を置き、群れで暮らす半魚人の”境界人”が棲んでおり、術後で安静にする必要のあるサメの”境界人”を引き取ると申し出ました。
さらに、半魚人の長は別れ際、行方がわからなくなっていたボルツとロビンが、ラバーに連れ去られたという情報を教えてくれます。
【ネタバレあり】アニメ『THE MARGINAL SERVICE』第7話あらすじ・感想
ボルツの苦い思い出
次なるラバーの潜伏先は「グランパス島」。
ヒガシノ島と同じくドラゴントライアングルに位置しており、終戦後に討ち捨てられ、戦争遺跡となった島だといいます。
最近になってやっと海図に載ったらしいグランパス島を根城としたラバーは、そこへボルツとロビンを連れ去ったようでした。
ゼノとブライアンは二人を奪還するため、グランパス島へ向かいます。
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一方、両腕を拘束され意識を失っていたボルツは、過去の事件を思い出していました。
それはボルツが傭兵部隊にいた頃のこと、同僚から撤退命令を知らされたボルツは、避難車両へ急ぎます。
どうやら関係者の女が裏切ったらしく、敵に居場所がバレてしまい、空爆される危険があるようでした。
いざ車両に乗り込もうとした時、部隊で飼われていた軍用犬・アーニー(CV.左座翔丸)が見当たらないことに気付き、ボルツは一人で戦地へ戻ります。
しかし、そこで目にしたのは、空爆に巻き込まれるアーニーの姿でした。
――ハッと目を覚ましたボルツのそばには、ラバーがいました。
ラバーは敵意を剥き出しにするボルツに対し、「ディスコミュニケーションの極み」「君たちは僕を勘違いしている」「世界の苦しみは平等」など、意味深な言葉を連ねます。
そして、「ただ強くなってほしいだけなんだよ。 人類にも、”境界人”にも……」と告げ、去っていきました。
ラバーは死の商人?
グランパス島に到着したブライアンは、野犬に噛みつかれて大慌て。
一方のゼノは、木の枝を投げて野犬の気を引き、その場を切り抜けます。
その頃、別々の部屋に囚われていたボルツとロビンは、各々脱出するために四苦八苦していました。
最終的に二人とも力技で手枷を破壊し、部屋から出ることに成功。
さらに、すぐ合流することができました。
いつもはケンカばかりのボルツとロビンですが、こんな時ばかりは協力して監視役の”境界人”たちを倒していきます。
やがて、大型タコの”境界人”・クラーケンが出現し、武器を持たない二人は噛みついて対抗しました。
嫌気が差したのかクラーケンは撤退していき、さすがに丸腰ではと考えたボルツとロビンは、二手に分かれて武器を探しに行くことにします。
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時を同じくして、ラバーの根城に辿り着いたゼノとブライアンは、武器や資料の置かれた倉庫を発見。
そこには、ラバーが世界各地に武器を送っていたことがわかる証拠が多数残されていました。
ゼノは淡々と資料をめくりますが、ブライアンは驚き動揺します。
それらに驚いたのは、ブライアンだけではありません。
別の場所で情報を手に入れたロビンは、自身が所属していた諜報機関にも手が及んでいたことを知り、衝撃を受けます。
ロビンの切ない恋
かつて諜報員をしていたロビンは、同業者のマリア・ラクシュミー(CV.園崎未恵)と交際していました。
しかし、とある戦地で敵に追われたマリアが負傷したため、ロビンは彼女を抱えて逃げようとします。
ところが、追手が迫ってきた時にマリアが選択したのは、ロビンを逃がして自分が犠牲になることでした。
マシンガンで銃撃してくる傭兵に、拳銃ひとつを持って出て行ったマリアの運命を思い、ロビンは絶望しました。
――ラバーの武器庫でロビンが見つけたのは、諜報機関の情報の中にある自分とマリアの顔写真、そして、マリアと対峙した男の顔写真でした。
その男は間違いなく傭兵時代のボルツであり、ロビンはボルツがマリアの仇だったことを知ります。
時を同じくして、別の武器庫に行き着いていたボルツも、マリアの恋人がロビンだったことを知りました。
ボルツからしてみれば、マリアの裏切りがなければアーニーが死ぬこともなかったため、ボルツとロビンは互いの大切な存在を奪った因縁の相手だったのです。
そんな悲しみと憎しみの表情を浮かべる二人の姿を、ラバーは監視モニター越しに眺めていました。
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「ケンカのいいところは、仲直りできること」
武器庫で情報収集を続けるゼノと、ボルツとロビンの捜索が先だと言うブライアンは、またしてもぶつかります。
仲間を失いたくないと叫ぶブライアンに、ゼノは「まだ死んだ同僚を気にしているのか」と投げかけるのでした。
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一方、互いが因縁の相手だとわかり、銃を向けあうボルツとロビン。
ボルツは良きパートナー、ロビンは最愛の恋人を失い、その苦しみをぶつけるように戦います。
やがて銃弾がなくなり、戦いは肉弾戦へと変化。
ボルツとロビンが激しく殴り合っているところを目撃したブライアンは、二人のもとへ駆け出します。
何か言いたげなゼノは、そっとスマホを取り出すのでした。
殴り合うボルツとロビンの間に入り、邪魔だと言われても代わりに殴られ続けるブライアン。
「これ以上、仲間を失うところは見たくねぇんだ……」と呟くブライアンに、ボルツとロビンはハッとさせられます。
そこへやって来たゼノは、「これほど無駄なケンカは見たことがないな」と言い、スマホの画面を見せてきました。
画面の中には、なんとマリアの姿が……。
実は、マリアはロビンを騙して戦地から逃亡後、諜報機関の協力で第二の人生を生きることになっていたのです。
現在は地中海でバーを経営しており、「今は幸せにやっている」とロビンに伝えます。
すると今度は、ゼノの背後からブライアンを襲った野犬が現れました。
その姿を見るなり、ボルツは「アーニー……?」と呼び掛けます。
そう、アーニーも生きており、行方不明となっていただけだったのです。
軍用犬も武器と捉え、ラバーが拾ってきたようでした。
ボルツとアーニーの感動の再会も束の間、ゼノの予想通り、アーニーがここにいることもラバーの仕業だとわかります。
ラバー本人が登場し、「その通り!」と高らかに笑ったからです。
そして、「マージナルエクスプロージョン」の言葉を合図に根城が爆発し、代わりに白旗が立っていました。
降参を表すラバーは言います。
「人間も”境界人”も手を取り合って目指すべきは……LOVE!」
アニメ『THE MARGINAL SERVICE』第7話まとめ
いかがだったでしょうか。
ボルツとロビンが過去の因縁を理由にぶつかり合う第7話でした。
二人の大切な存在が生きていたという展開にはホッとしましたが、それらの情報を上手く利用したラバーには驚かされましたね。
対”境界人”用の武器が効かないことも判明し、ラバーの強キャラ感は増す一方ですが、肝心の目的がイマイチわからないところ……。
人間と”境界人”の対立構造を社会から取り除こうとしている、というだけなら聞こえは良いのですが、その先にあるものがなかなか見えてきません。
そもそも、ボルツとロビンのような関係性の二人が、何も知らず同じ職場にいるということも偶然ではないように思えてきます。
ラバーの協力者が”マージナルサービス”側にいるのだとしたら……?
次回、第8話も楽しみです。