2023年4月11日より放送が開始された完全アニメオリジナル作品『THE MARGINAL SERVICE』。
ジャパン・澁宿を舞台に、人間に紛れ込んで共存している”境界人”が起こす犯罪を取り締まり、その存在を徹底的に隠蔽する特殊機関・”マージナルサービス”の活躍を描きます。
クリスマスの朝、ブライアンは知らぬ着信音で目を覚まします。
誰かからの笑えない悪戯に憤慨しながら”マージナルサービス”の基地へ向かうと、基地にも一通の不審なメールが届いていました。
ライラの制止もむなしくメールは開かれ、サイバー攻撃を受けることに。
さらなる攻撃を食い止めるべく捜査に乗り出す”マージナルサービス”は犯人に翻弄されていきますが、ライラはその犯人に心当たりがありました。
早速、第5話「セクシーサンタは聖火を灯す」をレビューしていきたいと思います。
目次
アニメ『THE MARGINAL SERVICE』前回第4話あらすじと振り返り
澁宿で爆発テロ事件が多発し、”マージナルサービス”の基地も狙われました。
”境界人”の犯行の可能性が高いと捜査を始める”マージナルサービス”。
ロビンとボルツが膨大な量の犯行映像を調べる一方、ブライアンとゼノは”境界人”の情報を得ようと、ラバー・スーツと関係性の高いイザベラ・ソーンに話を聞きに行きました。
ブライアンはそこで”境界人”が受けている待遇を知り、虐げられている”境界人”が少しでも笑顔になれる展開を目指します。
【ネタバレあり】アニメ『THE MARGINAL SERVICE』第5話あらすじ・感想
最悪なクリスマスプレゼント
ブライアンが幼い頃、旅芸人をしていた父が失踪した日、それがクリスマスでした。
以来、クリスマスが苦手になったブライアンは、「ジングルベル」のメロディを聞いて目を覚まします。
スマホから流れる、設定した覚えのない着信音に、また爆弾が送り込まれてきたのかと警戒するブライアン。
結局、爆発することはなかったものの、何故かスマホの待ち受けには筋トレ中のボルツの画像が設定されていて、誰かからの笑えない悪戯に憤慨します。
”マージナルサービス”の基地へ出勤してみると、他のメンバーも同じように悪戯されていました。
ところが、画像はボルツのものではなく、ブライアンを隠し撮りしたような画像ばかりです。
それらは街中のウェブカメラや監視カメラから切り取った画像に見え、”マージナルサービス”への悪質な嫌がらせかと話し合う中、基地のパソコンにも不審なメールが届きました。
危険を察知したライラの制止は一歩遅く、セオドアがメールを開いてしまいます。
urara
メールの開封がサイバー攻撃のきっかけになってしまい、機密情報の流出を防ぐために奮闘するライラ。
しかし、あと3秒でブロックできるというところでゼノが登場し、ディスプレイを椅子で殴りつけ、力技で止めようとしました。
もちろん、ディスプレイを破壊したところで流出が止まるはずもなく、全システムがシャットダウンしてしまいます。
さらなる攻撃を食い止めるべく、メンバーたちは手分けして捜査に向かいました。
IT社会の闇
関係するシステムがシャットダウンされた影響で、”境界人”の収容施設が危険な状況になっていました。
収容されている”境界人”が世に放たれてしまうことを防ぐため、現場へ向かったゼノ、ボルツ、ブライアンが、システム復旧まで抑えます。
その頃、ブライアン、ライラ、サイラスは、ブライアンのスマホを基点にメールの送信元を捜査していました。
とある場所に心当たりが生まれたライラについていくブライアンは、ライラの能力を見て彼女は何者なのかと問います。
サイラスによると、ロシアのスパイ、MITの博士、フランスの王族など、ライラの過去や出自についての噂は絶えないものの、本当のところは謎なのだそうです。
やがて、ある教会に辿り着いた一行。
教会らしからぬ量の監視カメラや移動式のレーダー銃の存在を警戒する中、ライラがチャフを取り出して突き進んでいきます。
ブライアンとサイラスは、堂々とした彼女に感心しつつも苦笑するのでした。
urara
教会に突入すると、そこは安全保障局の基地となっていました。
都市伝説級の秘密機関が実在したことに驚く暇もなく、オカルトで誤魔化すのはよくある手なのかもと納得するブライアン。
この施設のシステムの一部が乗っ取られたらしく、防犯システムがハックされるに至ったようで、詳しく話を聞こうとしたところ、突然レーダー銃が作動しました。
どうやら遠隔操作されており、ライラは「IT社会の闇」だと語りながら、犯人に心当たりがあるといいます。
容疑者の名前は、エディ・スノー(CV.前野智昭)――ライラの元カレでした。
元恋人は”境界人”
3年前までホワイトハッカーだったというエディは、実は”境界人”でした。
エディと別れたのは彼の病気――全身が少しずつ動かなくなる難病が原因だったそうですが、実際には”境界人”だとバレたくなかったのではないかと語るライラ。
子供ができたら結婚するつもりだったものの、なかなかそうはならなかったため、おかしいとは思っていたそうです。
なぜなら、人間と”境界人”の交配は難しいから……。
そんな会話を交わしていると、車での移動を妨害するように信号やナビが誤作動を起こし始めました。
周囲を走る車にも衝突され、またもや遠隔操作での攻撃を受けていることがわかります。
ブライアンのスマホにも犯人らしき人物からアプローチがあり、最後にはスマホ自体を破壊されてしまいました。
とはいえ目的地は目の前……一行は現場へ急ぎます。
urara
一方、”境界人”の収容施設にて、ゼノに電報が届きました。
ゼノは内容を確認すると、収容されていたサカキに声を掛けます。
セクシーサンタの贈り物
ブライアンたちが辿り着いたのは、澁宿でいちばん大きな電波基地。
ライラの予想通り、エディはそこにいました。
会って話そうと交渉してみるものの、さすがに警戒するエディ。
するとライラは、エディが見ているであろう監視カメラの前で服を脱ぎ、全裸になって丸腰であることを証明しました。
一人で来るならと交渉に応じたエディのもとに、ライラは全裸のまま乗り込みます。
urara
”境界人”の個人情報やプライバシーが尊重されない管理社会に思うところがあったエディは、ジャパン政府への反抗として今回の件を起こしていたようです。
「オープンに生きればいいじゃない」と提案するライラに、エディはレーダー銃を向けます。
実はライラが丸腰ではなく、背中に銃を貼り付けていたことに気付いていたのです。
テープを使って背中に銃を隠し持つのは、二人の思い出のアクション映画(『ダイ・ハード』)と同じやり口でした。
しかし、ライラにも対抗策がありました。
それこそ、ゼノに頼んでいたサカキの存在です。
透明になる能力を持つサカキは、透明化した状態でライラの背後に潜んでいて、ボディガードのような役目を果たしていました。
形勢逆転したライラが銃を向けると、いつの間にかエディは透けていました。
目の前にいるエディはホログラム――すでに病気で肉体を失ったAIゴーストだったのです。
ネット上のあらゆる情報を察知して操作することが出来るため、彼の意志ひとつでサイバーテロを起こすことは容易く、ライラに脅し文句を突き付けます。
どうしたら止められるのかと問うライラに、エディは「愛してる」という言葉を求めました。
そうすればライラとの美しい思い出を胸に消えると言います。
ライラは、エディと過ごした時間は今でも鮮明に思い出せると微笑みますが、次の瞬間には椅子を掲げていました。
「過去は、過去よ! ……昔話に興味はない、私は今を生きているから」
そう言って目の前の機械を椅子で破壊し、エディのデータ諸共、爆発させるのでした。
一件落着したところで、エディがブライアンへの嫉妬から嫌がらせをしていたことがわかります。
なぜなら、ラバー邸への潜入の際に、ライラをエスコートするブライアンの姿を目撃していたからです。
こうして、エディとラバーが繋がっていた事実から、ラバーの居場所――ヒガシノ島という孤島を突き止めることに成功した”マージナルサービス”。
一方その頃、ラバーは”マージナルサービス”に見つけてもらうことを心待ちにしているのでした。
アニメ『THE MARGINAL SERVICE』第5話まとめ
いかがだったでしょうか。
映画『ダイ・ハード』ネタで攻めてきた第5話は、謎多き美女・ライラ回でした。
AIゴーストの登場からは『攻殻機動隊』のようなシリアスさも感じましたが、前半のゼノと同じく後半のライラが機械を破壊する展開を見て、通常運転のコメディムーブに思わず肩の力が抜けました。
一方、幼少期も現在も、女性の行動によってクリスマスにトラウマを植え付けられていくブライアン……。
そんな彼を多少気の毒に思いつつ、ラバーと”マージナルサービス”の遭遇を待ちたいと思います。
次回、第6話も楽しみです。