2023年4月11日より放送が開始された完全アニメオリジナル作品『THE MARGINAL SERVICE』。
ジャパン・澁宿を舞台に、人間に紛れ込んで共存している”境界人”が起こす犯罪を取り締まり、その存在を徹底的に隠蔽する特殊機関・”マージナルサービス”の活躍を描きます。
ラバーに事の真相を聞いたブライアンは、皆神山でゼノと再会。
一緒に子供たちを助けようと提案しますが、ゼノは「俺だけでケリをつける」と頑なな態度を崩しません。
そんな二人のケンカをよそに、地球壊滅の危機が迫ります。
……グレイショックが再び起きようとしていました。
早速、第12話「クソみたいな世界は必ず終わる」をレビューしていきたいと思います。
目次
アニメ『THE MARGINAL SERVICE』前回第11話あらすじと振り返り
ゼノがイザベラを不当に連行し、大量の武器やデータとともに姿をくらませてしまいました。
ブライアンは捜査させてくれと頼みますが、セオドアはゼノが境界人ではないため、管轄外だといいます。
メンバーたちも出来る範囲でゼノを探しますが、足取りをつかむことはできませんでした。
目撃情報もなく、ダニーの墓の前で落ち込むブライアン。
すると、そこに現れたのはペックでした。
ペックと協力してラバーを脱獄させたブライアンは、ラバーから一連の事件の真相を聞きます。
【ネタバレあり】アニメ『THE MARGINAL SERVICE』第12話あらすじ・感想
アガタの暗躍
ラバーから事の真相を聞いたブライアンは、皆神山でゼノと再会。
一緒に子供たちを助けようと提案しますが、ゼノは「俺だけでケリをつける」と頑なな態度を崩しません。
そんな中、ラバーが攻撃され拘束されてしまいます。
攻撃してきたのは、アガタ率いる国連の武装部隊でした。
ラバーを脱獄させた現況すら、アガタたちに仕組まれていたことだとわかり、怒りを露わにするブライアン。
実は、アガタはグレイショック事件の生き残りであり、この特殊な施設や部隊を取り仕切る裏のリーダーで、マージナルサービスに指示していた存在だったのです。
緊迫した状況を打ち破ったのは、ロビンの声でした。
マージナルサービスのメンバーたちが加勢しに来たのです。
ブライアン、ラバーと行動をともにしていたペックが呼びに戻ったようで、この極秘施設に入ってこられたのもペックのおかげでした。
普段前線に出てこないセオドアも、ユニフォームを着て現場へ駆け付けます。
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メンバーたちは武装部隊たちとの銃撃戦を引き受け、ゼノを子供たちのところへ向かわせました。
10年越しの再会
ゼノは子供たちが収容されている部屋へ突入。
そこで、15歳になった息子・ノア(CV.榎木淳弥)と再会します。
成長したノアの姿に、思わず涙を流すゼノ。
ノアはゼノの顔を見て驚きつつ、見つけてくれたことに感謝します。
そして、母親のことを聞きますが、ゼノはすでに亡くなってしまった事実を言い出せません。
しかし、哀しみに満ちたゼノの表情を見たノアは、その真相を察するのでした。
その時、UFOが光り出し、アガタたちが急ピッチで作業を始めます。
ノアは「やっと終わったんだ……長かった10年が……」と呟きました。
長きにわたって調べていた特殊な子供たちのエネルギーをUFOにチャージし始めるアガタたち。
ブライアンとペックが拘束されていたラバーを解放すると、ラバーは銃撃戦を続けるマージナルサービスと武装部隊の間に立ち、エネルギーの充填をやめるよう提言しました。
このUFOは宇宙人たちにとって偵察機に過ぎず、再び起動してしまえば座標が母艦に送られ、すぐにでも奇襲されるといいます。
アガタはラバーの言葉を聞いて危険を察知し、チャージを止めさせようとしました。
ところが、時すでに遅し……。
UFOは完全に起動してしまい、慌てて施設のハッチを開けると、そこには空を埋め尽くすほど巨大な宇宙船が姿を現していました。
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グレイショックの再来?
危機的状況に、マージナルサービスも、国連も、ラバーも、この場にいる全員が手を取り合うべきだと説得するブライアン。
ラバーは、ブライアンこそが人間と境界人を繋ぐ、本当の意味での「”境界”人」ではないかと微笑みます。
そんな中、巨大な宇宙船から粘液のようなものが次々と降ってきます。
その粘々とした水たまりから発生したのは、グレイタイプエイリアン……。
絶体絶命の状況にアガタたちが恐れおののく中、ラバーが声を上げると、これまでに関わってきた境界人たちが現れました。
ゼノとともにこの場へやって来たイザベラだけでなく、ゲンゾウ・サカキ、ベネット・ウェルズ、ブルース・ギルマンが姿を見せます。
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ラバーを筆頭に共闘の姿勢を見せ、宇宙人たちと戦闘を始めた境界人たちは、この日のために準備していたのです。
マージナルサービスが捜査していたドラッグは境界人専用のエナジードリンク、ロビンとボルツが追った武器商人が用意していたのは、この戦いのための武器でした。
セオドアは戦う境界人たちを見て、古代の壁画にUFOとともに描かれていた神のような異形の存在が、異星人ではなく地球を守る境界人だったのだと気が付きます。
やがて、宇宙船が澁宿方面に向かって砲撃を行おうとしていることがわかり、焦る人間たちでしたが、ラバーとイザベラは余裕そうな表情を浮かべます。
なぜなら、烏天狗のイヅナ・レンが結界を張り、何も知らない人間たちに憶測が広まらないようにエディ・スノーが電波妨害、情報隠蔽を行う手はずになっていたからです。
無事に一度目の砲撃を免れることができましたが、結界は一回きりしか使えません。
ラバーに促されたブライアンは、ペックとともにUFOへ乗り込みます。
一方、マージナルサービス、国連、境界人は協力して宇宙人との攻防を続け、ライラとサイラスは子供たちを救出、保護していました。
その頃、ゼノはせっかく再会できたノアと離れることを躊躇っていました。
壊滅の危機から地球を救え!
ノアは、かつてゼノが「伝説の刑事」だったことを母親から聞いていたと言います。
そして、ゼノなら必ず帰ってこられると背中を押しました。
一方、ロビンとボルツが力技でUFOを送り出そうと尽力し、いよいよ発進できるようになります。
ブライアンは「地球を救いに行ってくるか」と呟き、一人飛び立ちました。
宇宙船からは次々に宇宙人が降り注ぐものの、迎撃の方法がわかりません。
ブライアンが慌てていると、どこからともなく宇宙人が撃ち落とされていきます。
なんと、UFOの上にゼノが乗っており、迎撃してくれていました。
天井を開け機内へ入ってきたゼノを、子供と会えたのに何故来たのかと責めるブライアン。
ゼノは「この世界はクソで失ったものは二度と戻らない」「どう考えたって死んだほうがマシだ」と思いを語りながら、最後にこう言いました。
「お前を一人で死なせはしない……バディだからな」
初めてブライアンに、バディと口にしたゼノ。
お互いを認め合えるようになった二人は、ともに操縦桿を握り、宇宙船へ突っ込んでいきます。
上空では大爆発が起こり、宇宙人は消滅しました。
空を見上げ、感心するラバーとイザベラ、敬礼するロビンとボルツ、涙するセオドアとペック……。
ノアも空を見つめて、悲しみの表情を浮かべます。
すると、彼に寄り添ったサイラスとライラは、「大丈夫だよ」「あの二人が死ぬわけないでしょ?」と優しく声を掛けました。
――とある森の中。
パラシュートとともに木に引っかかっているブライアンとゼノの姿が……。
実は、ゼノはライラに頼んで新しく作ってもらった。パラシュート内臓のユニフォームを着用していたため、緊急脱出に成功していたのです。
何も知らなかったブライアンは憤りますが、言葉を返すゼノの表情が柔らかくなっていたのを認め、そっと笑みを浮かべました。
――こうして、平穏な日々を取り戻したジャパン・澁宿。
ゼノの家を訪れ、ノアと打ち解けた様子のブライアンは、「失ったものは戻らないけど……バディとチキンをつつくことはできる」と考えるのでした。
アニメ『THE MARGINAL SERVICE』第12話まとめ
いかがだったでしょうか。
『アルマゲドン』などのSF作品を想起させるセリフやカットを挟み、最後まで映画のオマージュを入れながら完走した最終話。
第1話のキャラクター紹介をセルフオマージュしたシーンには、思わず「おぉ!」と声を上げてしまいました。
境界人こそが本当の意味での「境界人の尽力《マージナルサービス》」という表現にも拍手を送りたいです。
これまで登場した境界人たちが集結し、協力して本来の敵である宇宙人と戦う展開も、最終回らしい大団円に繋がっていました。
マージナルサービスメンバーのその後の様子が見られたのも嬉しかったですね。
何はともあれ、コミカルでポップなストーリーによく似合うハッピーエンドでした。