2023年4月11日より放送が開始された完全アニメオリジナル作品『THE MARGINAL SERVICE』。
ジャパン・澁宿を舞台に、人間に紛れ込んで共存している”境界人”が起こす犯罪を取り締まり、その存在を徹底的に隠蔽する特殊機関・”マージナルサービス”の活躍を描きます。
国連幹部の息子が誘拐される事件が発生し、”マージナルサービス”は現場へ向かいます。
誘拐された子供の部屋を調べている最中、ゼノは壁に描かれた奇妙なマークを発見しました。
途端、「この事件は俺一人でやる」と言い出し、単独行動を始めるゼノ。
”マージナルサービス”の基地にも戻っていない状況に心配するメンバーたち。
ブライアンはゼノの過去を聞き出そうとセオドアに詰め寄ります。
早速、第10話「殴りたい時におまえはいつもいない」をレビューしていきたいと思います。
目次
アニメ『THE MARGINAL SERVICE』前回第9話あらすじと振り返り
ラバーの身柄は国連上層部に管理されることとなりました。
ゼノは尋問が出来なくなったことに激しく憤慨しますが、煮え切らないセオドアの様子に何かを隠しているのではと疑い始めます。
しかし、具合の悪さと激昂が重なり、倒れてしまいました。
サイラスの研究室で目を覚ましたゼノは、ブライアンに「セオドアの様子がおかしい……」と持ち掛けます。
ゼノを筆頭にペックを除くメンバーたちでセオドアの尾行を開始すると、一人、また一人とメンバーが行方不明に……。
ゼノはラバーの件をきっかけに過去のトラウマに苛まれていたため、たった一人取り残されてしまうと、どんどん疑心暗鬼に陥っていきました。
やがてメンバーたちが迎えに来て、強制的に基地へ連れ帰られたゼノは、予想外の展開に驚きます。
実は、セオドアを筆頭にゼノのバースデーパーティーの準備をしていただけだったのです。
ひと安心したのも束の間、国連幹部の子供が誘拐される事件が発生します。
【ネタバレあり】アニメ『THE MARGINAL SERVICE』第10話あらすじ・感想
誘拐事件発生
――失ったが最後、大切なものは二度と戻ってこないからだ……。
ゼノがそう回想するのは、10年前の出来事でした。
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そして、20XX年現在。
国連幹部であるリョウ・アガタ(CV.三上哲)の息子・ケイ(CV.高橋雛子)が誘拐される事件が発生し、”マージナルサービス”は現場へ向かいます。
ライラが事情を聞いたところ、家族やメイド(CV.佐藤しのぶ)が気付かぬうちに姿を消しており、ケイがいたはずの子供部屋の窓が開いていたそうです。
アガタは実質”境界人”を迫害することとなる法案の賛成派であるため、誘拐犯は境界人の可能性があります。
それを裏付けるかのように、「子供を返して欲しかったら法案を否決しろ!」という旨の犯行声明文も届いていました。
ラバーと誘拐犯との関係も疑われる中、子供部屋を調べていたゼノは、壁に描かれた奇妙なマークを発見しました。
途端に「この事件は俺一人でやる」と言い出し、単独行動を始めます。
”マージナルサービス”の基地にも戻っていない状況に、心配するメンバーたち。
ブライアンはゼノの過去を聞き出そうと、説明を渋るセオドアに詰め寄ります。
容疑者はフライングヒューマノイド
――10年前。
5歳の子供ばかりを狙った不可解な誘拐事件が起こり、その被害者の一人がゼノの息子・ノア(CV.川井田夏海)でした。
当時、現役刑事だったゼノは誘拐犯と思しき容疑者の男に詰め寄り、子供の居場所を聞き出そうと路地裏で尋問していました。
しかし、男は何者かに指示されただけで詳しいことは知らないと言って逃走後、ゼノの目の前で車に轢かれ、死亡してしまいます。
そのまま捜査は進展せず、誘拐された子供たちも誰一人見つからず、ゼノは責任を取って退職。
事件自体も、時効を迎えてはいないものの迷宮入りで、捜査は打ち切られていました。
ゼノの悲しい過去を知ったメンバーたちは、彼が他人と深く関わろうとしない理由もそこにあるのだと気付き、今回の事件に躍起になっていることを心配します。
一方、幹部宅の近隣で聞き込みを開始すると、ゼノが先回りして捜査していることが発覚。
さらに、近辺でUMA・”フライングヒューマノイド”が目撃されていることも判明しました。
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そんな中、法案の採決が行われ、可決されるというその時。
ビルの高層階にもかかわらず、窓の外に何者かの影が……。
どうやら噂のフライングヒューマノイドが会議の行方を見張っていたようでした。
単独行動していたゼノは基地から対境界人用のロケットランチャーを持ち出しており、近くのビル屋上からフライングヒューマノイドを狙い、撃ち落とします。
その爆破とともに発覚したのは、フライングヒューマノイドの正体が、ラバー邸で警備隊長をしていたハーピーの境界人・イザベラだということでした。
一人突き進むゼノ
イザベラを基地に連行したゼノは、彼女を誘拐犯だと決めつけ、何度も同じ質問を繰り返していました。
時に「子供はどこだ!」「子供を返せ!」と声を荒げ、乱暴に尋問を行うゼノを、ブライアン、ボルツ、ロビンが抑えます。
ライラは奇妙なマークの調査を進めますが、こちらも特に収穫はなく、イザベラも黙秘を続けているため、捜査は難航していました。
やがて尋問の合間にイペ茶が用意され、「またイペ茶か……」とうんざりした様子のゼノは、お茶を飲まずに部屋の外へ出て行きます。
一方、イペ茶に口をつけたブライアン、ボルツ、ロビンには異変が……。
めまいのようなふらつきに襲われた三人はその場に座り込んでしまい、ゼノがイペ茶に境界人の間で流通していたドラッグを仕込んでいたことがわかりました。
三人が意識を失い始めた頃、ゼノはイザベラを連れ出します。
ブライアンは床を這いつくばってゼノの足を掴み、「もっと違う方法がある」「このままじゃ(ゼノは)過去に囚われたままだ」と訴えますが、ゼノは聞く耳を持たず去って行きました。
しばらくして、異常事態に気付いたライラとサイラスによって起こされたブライアンたち。
ブライアンは子供を見つけない限りゼノが止まらないと考え、誘拐された子供の発見を急ぎます。
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解決と疑問
ゼノがイザベラを連れてきたのは、かつて妻のリリー(CV.三石琴乃)、息子のノアと暮らした自宅でした。
そこでゼノは、ノアが誘拐され、容疑者の男が逃走中に事故死し、絶望したリリーが自死を選んだことを明かします。
ノアが誘拐されたその日に限って出掛ける際のハグをしなかったこと、普段は名前で呼んでいるのにあだ名で呼んだことを悔んでいたゼノ。
リリーが亡くなった時点で、糸が切れたようにノアのことも諦めてしまったといいます。
「本当に大切なものは失ってみなければわからない、だったら誰も大切なものを手にすることなんてできない」
そう言って、ゼノはもう一度イザベラに「子供はどこだ」と問いかけました。
すると、イザベラは「違う、まだ失ってなどいない」と答えます。
その瞬間、セオドアにゼノの自宅を聞いたブライアンが駆け込んできて、「子供が見つかった」と伝えました。
実は、子供はずっと家の屋根裏にいたのです。
犯人はメイドのサトウシホ――10年前の事件で誘拐された5人の子供のうちの一人、その母親でした。
メイドは、仕事を理由に子供の5歳の誕生日を祝わず放ったらかしの両親を見て、大切な息子を失った自分と同じ目に遭わせてやりたいと思い、このような行動に出たといいます。
イザベラは別件で幹部宅を見張っていた最中、メイドが子供を屋根裏に匿うところを目撃し、誘拐を黙っている代わりに協力しろと脅迫して、犯行声明に利用したそうです。
子供が見つかったことで事件はひと段落しましたが、ゼノは不服そうな表情をしていました。
そんなゼノに、ブライアンは「今度は一人救えたんだ」「先に進もうぜ」と声を掛けます。
それにはゼノも「そうなのかもな……」と呟きました。
――後日。
結局、法案が可決したことに対し、複雑な感情を抱くマージナルメンバーたち。
10年前の事件が解決しなかったことも引っかかります。
その頃、ゼノはイザベラのもとを訪れていました。
なぜなら、イザベラの言った「まだ失ってなどいない」というセリフが気になっていたから……そして、奇妙なマークの謎が解けたからでした。
10年前の事件について何か知っている様子のイザベラに、ゼノは再び尋問を開始します。
アニメ『THE MARGINAL SERVICE』第10話まとめ
いかがだったでしょうか。
ゼノの悲しい過去が明らかになり、シリアス成分が多めだった第10話。
物語は10年前の誘拐事件を軸に、終幕へと向かっていきそうです。
10年前の事件にイザベラがどう絡んでくるのか、ラバーは今どうなっているのか、そもそも誘拐事件の真相など謎は尽きませんが、どのように着地するのでしょうか。
もっと言えば、ブライアンの幼少期にいなくなったという父親の行方も気になりますが……。
次回、第11話も楽しみです。