『Malu 夢路』東京国際映画祭TOKYOプレミア2020招待作品Q&Aオフィシャルレポート!キャストと監督が登壇!

『Malu 夢路』東京国際映画祭TOKYOプレミア2020招待作品Q&Aオフィシャルレポート!

©Kuan Pictures, Asahi Shimbun, Indie Works, Mam Film

アジアの新鋭、エドモンド・ヨウ監督による、日本・マレーシア共同製作映画作品『Malu 夢路』が11月13日(金)より日本公開することが決定!

そして本作は第33回東京国際映画祭TOKYOプレミア2020招待作品として出品され、11月8日(日)には永瀬正敏、水原希子、エドモンド・ヨウ監督が登壇し、Q&Aを実施いたしました。

今回はその様子をたっぷりとお届けしようと思います。

『Malu 夢路』公開Q&Aレポート

『Malu 夢路』東京国際映画祭TOKYOプレミア2020招待作品Q&Aオフィシャルレポート!

©Kuan Pictures, Asahi Shimbun, Indie Works, Mam Film

日時:11月8日(日)22:30~23:00
場所:TOHO シネマズ六本木 スクリーン9(港区六本木 6-10-2 六本木ヒルズけやき坂コンプレックス内)
登壇:永瀬正敏、水原希子、エドモンド・ヨウ監督

冒頭の挨拶で、エドモンド監督が「『Malu 夢路』を監督したエドモンドです」と流暢な日本語で挨拶すると、会場は大きな拍手に包まれました。

現在マレーシアはロックダウン状態で劇場は一切空いていないと語ったエドモンド監督。

「映画館にお客様が入っているこの光景を目にすることができて、とても感激しています」とあわせてコメントしました。

水原希子は「エドモンド監督も2週間の隔離をしてまで来日してくれたこと、そして、映画を楽しんで下さった皆さんと素敵な時間が過ごせることをとてもうれしく思います」と笑顔で会場を見渡しました。

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©Kuan Pictures, Asahi Shimbun, Indie Works, Mam Film

舞台挨拶は遅い時間のスタートだったこともあり、永瀬正敏は「皆さん、終電は大丈夫でしょうか?」と観客に呼びかけ、笑いを誘うと、続けて「なるべく巻いて話しますので、どうぞよろしくお願いいたします」と挨拶し、あたたかな雰囲気に包まれながら舞台挨拶がスタートしました。

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©Kuan Pictures, Asahi Shimbun, Indie Works, Mam Film

Q&Aセッションでの最初の質問は、水原、永瀬の2人へ向けられたものでした。

マレーシアとの縁について訊かれた水原は「堤幸彦監督の映画『トリック劇場版 ラストステージ』で演じた呪術師役でマレー語のセリフがありました。これが本当にマレー語だったかどうかちょっと確かめたいです。」と、まだ丸暗記しているという当時のセリフをエドモンド監督に披露すると、エドモンド監督は「だいたい伝わります」と笑顔で返答し、水原が「本当に?」と確認すると「実は、よくわからなかった」とコメントし、会場の笑いを誘いました。

水原は「これが私のマレーシアの思い出です」とニッコリ。

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永瀬はアジア6ヶ国の若手監督が同じ主人公(永瀬)を起用して競作する「アジアンビート」シリーズで、初めてマレーシアに行ったことを明かし、「その後、オムニバス映画『アジア三面鏡2016:リフレクションズ』の行定勲監督作で再びマレーシアを訪れた際に、エドモンド監督とお目にかかりました」と初対面を振り返りました。

エドモンド監督も「2016年に会いましたね」とうれしそうに微笑み振り返りました。

水原との初対面は本作の撮影直前だったが、映画『ノルウェイの森』のロケが早稲田大学で行われていた当時、同大学の学生だったというエドモンド監督。

「水原さんの存在はその頃から知っていました」と教えてくれました。

本作で描かれる“父”の存在について、エドモンド監督は「永瀬さんが本作で演じるのは父親のような存在でもありますが、どちらかというとカメレオンのような存在。父であったり、愛人であったり。相手によって役割が変わるキャラクターです」と解説。

複雑な役どころを演じた永瀬は役作りについて「余白を大事にする作品だったので、あまり考え過ぎずに、監督、そして監督の脚本を100%信じて身を委ねて演じました」と解説。

「僕は“謎の男”という役でした。クレジットにも“謎の男”って書いてあって…。」と微笑む永瀬にエドモンド監督は「脚本には名前が書いてあったのですが、映画の中で名前を呼ばれることがなかったので、最終的にクレジットでは“謎の男”となりました」とエピソードを披露。

続けて「水原さんの役も“ルームメイト”というクレジットになっています。こちらも作中で名前を呼ばれることが1回くらいしかなかったので…」とお詫びする場面も…。

「全然、大丈夫。だって、誰も私のこと役名で呼ばなかったから」と水原が微笑み、会場は和やかなムードに包まれました。

出演を決めた理由について、水原は「エドモンド監督の作品は、どれも美しいものばかりでした。オファーがあったのは英語と中国語と日本語を話すキャラクター。私自身、英語が少し話せること、またちょうど中国語も勉強中だったので、語学力が活かせる!チャレンジしてみたい!という気持ちも正直ありました。でもやっぱり何よりも、このチームで作品を作ったらとても素敵なものができ上がるという期待が決め手でした」とコメント。

『Malu 夢路』東京国際映画祭TOKYOプレミア2020招待作品Q&Aオフィシャルレポート!

©Kuan Pictures, Asahi Shimbun, Indie Works, Mam Film

永瀬は「マレーシアで会ったときに“いつか一緒に作品を作りたいね”という話をしていました。ちょうど第30回東京国際映画祭のときにエドモンド監督が監督賞を受賞したのですが、そのとき僕は審査員で参加していたので、僕が監督賞をあげました」といたずらっぽく笑いながらも「あのときはとても嬉しかった」と懐かしそうな表情を浮かべ、一緒に作品をという願いが実現したことを感慨深く思っている様子でした。

コロナ禍で見えた映画と観客の関係性についてエドモンド監督は「パンデミックな状況でも我々のやることは変わらないし、チャレンジを止めることはないと感じました。こういう状況でもストリーミングやオンラインなどで、皆さんに観てもらう方法はあるんだなと思いました。とはいえ、やはり映画館という場所で、見知らぬ人同士が同じ作品を観るというのは素晴らしい経験です。世界中で今の日本のように映画館で映画が観られる日が、1日でも早く戻ってくればいいなと思います」と胸の内を明かかしました。

続けて水原は「コロナ禍でさまざまなムーブメントが起きる中、映画を観る方法はたくさんあると感じながらも、やはり映画館は特別だということを改めて感じました。日本は少しずつですが、映画館で映画を楽しめる状況が戻っていることを喜ばしく思うと同時に、これからも一生懸命がんばろうと思いました」と力強く語ってくれました。

永瀬は「映画は作っただけでは完成しません。お客様に観ていただき、進化させていただくものだと思っています。先日参加した“なら国際映画祭2020”で映画を観終わった後のお客様の表情を見て、とても感激しました。お客様に観ていただくことがどれだけ自分たち(作る側)の力になっているのかを改めて感じた瞬間でした。今日も、こうやってたくさんの方に観ていただいて、本当にうれしく思いますし、また頑張って映画を作ろうという気持ちになりました。ありがとうございます」と、感謝の意を述べました。

最後の挨拶でエドモンド監督は「アートハウスもあまりないこともひとつの要因なのですが、実は、私の映画はマレーシアで上映されていないんです。私が映画人になるきっかけは、日本のアニメ、漫画、ドラマ、そして映画です。日本の文化に育てられた私にとって、日本での上映はとても意味があることです。日本の皆さんに本作を観ていただけることを心からうれしく感じると同時に、映画を作ってよかったなと改めて思いました。ありがとうございます」と深々とお辞儀。

水原は「仕上がった作品を観て、とても感激しました。幻想的なシーンもたくさんあり、これは夢なのか妄想なのか、現実なのか、とても不思議な気分になる作品です。そこに細野晴臣さんの音楽も重なって、エドモンドそして『Malu 夢路』の世界観にグッと引き込まれます。たくさんの方にこの世界に没頭していただきたいと思います」とアピール。

永瀬は「エドモンド監督の余白の美学を劇場で体感していただきたいです。本作は11月13日公開です。日本でこの映画が盛り上がれば、またエドモンドが日本で作品を撮り、この場所に戻ってきてくれると思うので、ぜひ劇場に足を運んでいただければうれしいです」と呼びかけ、イベントは幕を閉じました。

『Malu 夢路』作品情報

『Malu 夢路』

©Kuan Pictures, Asahi Shimbun, Indie Works, Mam Film

監督・脚本:エドモンド・ヨウ
音楽:細野晴臣
プロデューサー:飯田雅裕、メイジュン・タン、エドモンド・ヨウ、大木宏斗
撮影監督:コン・パフラック
出演:セオリン・セオ、メイジュン・タン、水原希子、永瀬正敏、リン・リム、シー・フールー
製作:Kuan Pictures、朝日新聞社、Indie Works、MAM FILM
配給:エレファントハウス
公式ホームページhttps://malu-movie.com/
2020年/マレーシア・日本/112分

あらすじ


心を病んだ母のもと、幼い頃に引き裂かれた姉妹ホンとラン。

母の死を機に20年ぶりに再会し、他人も同然になった姉妹の奇妙な同居生活が再び始まる。

ある朝、姉のホンが目を覚ますと、そこに妹ランの姿はなかった。

数年後、ホンのもとに知らせが届く。

ランの遺体が日本で発見されたと言うのだ。

居てもたっても居られず、仕事も家庭も放り出して日本へ旅立つホン。

初めて訪れる街を彷徨いながら亡き妹の姿を思う。

ある男、ある女、残された日記、懐かしい白のサマードレス…。

その向こうに浮かび上がる、彼女の謎めいた微笑みと眼差し。

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『Malu 夢路』は11月13日(金)より日本公開!

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