漫画家・つくしあきひと原作の同名作品をアニメ化した『メイドインアビス』。
2017年7月から9月まで放送され、可愛らしいキャラクターデザインからは想像できないシリアスな展開と多くの謎を孕みながら進むストーリーで、たくさんのファンの心を掴んだダークファンタジー作品です。
そんな人気アニメが劇場版『メイドインアビス 深き魂の黎明』としてスクリーンに帰ってきました。
ストーリーはテレビシリーズの続きとなっていますが、テレビシリーズを観ていない方でも楽しめるかどうかなどレビューしていきたいと思います。
- 一筋縄ではいかないハードなストーリー
- キュートで魅力的なメインキャラクター
- 謎に包まれたダークファンタジー
ということで今回は劇場版『メイドインアビス 深き魂の黎明』をネタバレなしでご紹介します。
目次
『メイドインアビス 深き魂の黎明』作品情報
作品名 | メイドインアビス 深き魂の黎明 |
公開日 | 2020年1月17日 |
上映時間 | 105分 |
監督 | 小島正幸 |
脚本 | 倉田英之 |
原作 | つくしあきひと |
出演者 | 富田美憂 伊瀬茉莉也 井澤詩織 森川智之 水瀬いのり |
音楽 | ケビン・ペンキン |
『メイドインアビス 深き魂の黎明』あらすじ・感想【ネタバレなし】
あらすじ
人類最後の秘境と呼ばれる巨大な縦穴“アビス”。
底の見えない大穴の中には、人間の想像に及ばない世界が存在していました。
奇怪で不思議な生物や環境、“遺物”と呼ばれる不思議な力を持つ品々。
アビスの淵に広がった街・オースでは、そんな大穴の中の奇妙な世界に命がけで挑み続ける“探窟家”たちが暮らしていました。
オースの孤児院で育った探窟家見習いのリコ(富田美憂)は、伝説の探窟家と呼ばれた母・ライザ(坂本真綾)が潜ったアビスの最深部を目指して、人間にそっくりなロボットの少年・レグ(伊瀬茉莉也)、旅の途中で出会った異形の少女・ナナチ(井澤詩織)と共に冒険を続けています。
深度12000mから13000mの空間である深界5層にたどり着いたリコたち一行は、前線基地(イドフロント)と呼ばれる施設へ向かいました。
そこで非人道的な実験を続けているボンドルド(森川智之)という男と、その娘・プルシュカ(水瀬いのり)に出会います。
ナナチが異形となる原因を作ったボンドルドに対し、警戒するリコたち。
しかし、ボンドルドの魔の手はすぐそこまで迫っているのでした。
テレビシリーズ未視聴でも楽しめる?
テレビシリーズ『メイドインアビス』の続編となっている今作『劇場版メイドインアビス 深き魂の黎明』。
独特な世界観の作品故に、細かい設定や専門用語が飛び交います。
そのため、テレビシリーズ視聴後に観たほうがわかりやすい作品になっていると思います。
しかし、冒頭シーンではテレビシリーズの内容をうまくまとめており、世界観すら共有できる数分間が流れていました。
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とはいえ、キャラクターの背景や過去の出来事など、知っておいたほうが楽しめることは間違いないので、是非テレビシリーズをご覧になってから観てほしいです。
また、『劇場版総集編 メイドインアビス 前編 旅立ちの夜明け』『劇場版総集編 メイドインアビス 後編 放浪する黄昏』というテレビシリーズの総集編もあるので、こちらを観てみるのもおすすめです。
魅力的なキャラクター
『メイドインアビス』のメインキャラクターたちは、幼いながらも人間性と知性に溢れた魅力的な存在ばかり。
可愛らしい見た目からは想像できない行動力や意志の強さに胸を打たれます。
主人公のリコは探窟家見習いで、伝説の探窟家と呼ばれた母・ライザに憧れる純粋な少女です。
ライザはアビス最深部を目指し旅に出て以降、音信不通とされています。
そのため、当時幼かったリコは孤児院で暮らすことになりましたが、非常に活発で冒険心に溢れた明るい少女に育ちました。
身体能力は一般的な子供と変わらないので、そういった場面ではレグに頼ることが多いですが、遺物目録をすべて暗記していることやアビス内の生物・環境について豊富な知識を持つなど、勤勉で博識なことが伺えます。
好奇心旺盛で気になることに対して危険を顧みない危なっかしいところや、感情の起伏が激しい幼い部分もありますが、頭の回転が早く決断力に優れた強い意志を持った少女です。
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もう一人の主人公・レグは、人間によく似たロボットの少年。
アビス内で危険生物に襲われていたリコを助け、その際に昏倒したところをリコに拾われました。
過去の記憶がなく、当初は自分がロボットであることも忘れていましたが、自分が何者かを知るためにリコの冒険についていくことを決めます。
戦闘能力が高く、手から強力な熱線を放つ“火葬砲”を撃つことができますが、その技は非常に危険なうえに、繰り出した後しばらく昏睡状態に陥ってしまいます。
ロボットではあるものの、人間と同じような感情を持ち合わせ、特におばけやオカルトチックなものを怖がるなど子供らしい一面を持っています。
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旅の途中で出会ったナナチは、うさぎを彷彿とする耳とふわふわの身体、長いしっぽを持った獣人のような姿をした異形の少女で、探窟家たちが“成れ果て”と呼ぶ存在の一人です。
元々は人間の少女でしたが、ボンドルドの人体実験によって成れ果ての姿にされてしまいました。
基本的に成れ果ては人格や人間性のすべてを失ってしまいますが、ナナチは人格や知性を保ったまま生存しています。
ボンドルドの元で化け物にされてしまった親友を連れて逃げだしてからは、深度7000mから12000mの空間である深界4層の奥地でひっそりと暮らしていました。
深界4層にたどり着いたリコが大怪我を負った際に何もできず泣いていたレグの手助けをし、命の危険に陥っていたリコを献身的に治療します。
危篤状態だったリコを助けるほどの冷静さと賢さを持ち合わせ、医学や薬学にも精通した頭脳派です。
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リコたちと出会ってからは希望を持って冒険に加わり、亡くした親友のためにも挑戦を続けている勇敢な少女です。
『劇場版メイドインアビス 深き魂の黎明』の悪役となるのが、リコの母・ライザと同じく探窟家の中で最高峰の地位を持つ男・ボンドルド。
深界5層の施設で非人道的な実験・研究を繰り返している筋金入りのろくでなしです。
ナナチを成れ果てにした敵ですが、ナナチの有能さや行動力を高く評価していて、優秀な助手としても気に入っており、リコやレグを連れて施設に戻ってきたことを歓迎します。
実験や研究自体は恐ろしく危険な存在ですが、立ち振る舞いや言葉遣いは紳士のような不思議な男です。
そんなボンドルドの娘であるプルシュカは、リコたちと同年代の少女。
明るく天真爛漫で、父であるボンドルドのことを慕っています。
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今作のキーパーソンとなっています。
『メイドインアビス 深き魂の黎明』見どころ・感想
テレビシリーズのときから映像のクオリティーが高く評価されていましたが、今回の劇場版はさらに映像表現が豊かになっていました。
劇場版『メイドインアビス 深き魂の黎明』はPG12指定からR15指定に引き上げられてしまったことも話題になりましたが、バイオレンスなシーンが高い映像表現によってより残酷に映し出されていることも確かなので、仕方なかったかもしれません。
そんなグロテスクな表現、エロティックな表現もテレビシリーズから続いていますが、根底にはいろんなかたちの“愛”が描かれていると思います。
家族愛、師弟愛をはじめ、仲間や親友を想う気持ちなど、人々の強い想いが観る人の心を揺さぶるストーリーになっています。
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魅力的なキャラクターたちをより魅力的にしているのも、そこにある狂気と歓喜が表裏一体だからなのかな、と思わされます。
urara
理解しがたいキャラクターではありますが、アニメ界屈指の悪役になり得る存在です。
また、ボンドルドの娘であるプルシュカは、悪役の娘とは思えないほど明るく可愛らしいキャラクター。
プルシュカがいることによって印象的になるシーンがたくさんあるので、登場シーンからプルシュカのことをよく目で追ってほしいと思います。
『メイドインアビス 深き魂の黎明』まとめ
2月28日(金)より、劇場版「メイドインアビス 深き魂の黎明」の上映劇場が増えることが決定しました!
また、2月28日以降公開される劇場では、先着で入場者プレゼント(ミニ色紙)がございます。https://t.co/IYQc3iHp48 pic.twitter.com/LNf1NjHo44— アニメ「メイドインアビス」公式 (@miabyss_anime) February 2, 2020
いかがだったでしょうか。
人気のダークファンタジー作品、劇場版『メイドインアビス 深き魂の黎明』。
一度観たら思わず惹き込まれてしまうその世界観にハマる人急増中!
高い映像表現と先が読めない展開に、是非振り回されていただきたいと思います。
テレビシリーズとあわせてお楽しみください。
以上、ここまで『メイドインアビス 深き魂の黎明』について書いてきました。
- シリアスな展開に振り回される
- 根底にある愛と勇気に感動する
- 子供たちの冒険にワクワクドキドキできる