「COMIC FUZ」にて連載中のtoufu先生による人気マンガを原作としたアニメ『Lv1魔王とワンルーム勇者』。
10年前に倒され、なぜか幼女の姿で復活した魔王と、かつて魔王を倒したものの、今や落ちぶれてしまった元勇者・マックスを中心に繰り広げるドタバタコメディです。
宿敵であるマックスの自堕落な現在に落ち込みながらも、彼の面倒を見ることにした魔王。
魔王討伐後、さまざまな事情から身を潜めるようになり、すっかり腑抜けてしまったマックス。
そのほか、魔王の秘書官でなぜかスク水を着ているゼニアや、勇者とともに戦ったかつての仲間であるフレッド、レオなど、個性豊かなキャラクターが登場します。
魔王がやって来たことで、マックスの日常は様変わりしていきますが……?
早速、第1話「魔王復活!」をレビューしていきます。
目次
アニメ『Lv1魔王とワンルーム勇者』主な登場人物・キャスト
マックス/CV.中村悠一
・10年前に魔王を倒した勇者
・世界を救ったものの、数々のスキャンダルを起こして立場を追われた
・以来、なるべく社会と関わらないようにしながら自堕落な生活を送っている
・10年前に比べて体型こそ変わったが、勇者としての実力は衰えていない……かも?
魔王/CV.大空直美
・勇者マックスたちに倒され、10年後に復活を果たした魔族の王
・マックスへの復讐を誓いながらも、落ちぶれた彼を放っておけずお世話をすることに
・魔力の蓄積が足りず未発達な肉体での復活となったが、外出時はナイスバディな美少女に変身する
ゼニア/CV.日笠陽子
・魔王の秘書官で、マックスの家に住み着いた魔王を追って二人のもとへやって来た
・振る舞いの割りには抜けているところがあり、魔法の才能は全くない腕力上等の猪突猛進タイプ
・酒癖が悪く酔っ払うと危険なうえ、服の趣味がいろいろとおかしい
フレッド/CV.松岡禎丞
・勇者マックスとともに魔王を打倒した僧侶であり、現在はベスカー王国魔導庁長官を務める
・回復、補助魔法のスペシャリストとして勇者一行の危機を何度も救ってきた
・有能だがキツイ物言いをしがちなのが玉にキズ
・レオ率いるガンマ共和国の不穏な動きに頭を悩ませている
レオ/CV.下野紘
・勇者マックスとともに魔王を打倒した戦士
・数年前にベスカー王国を離反、王国北部にガンマ共和国を建国し指導者となった
・部下や国民からの信頼は厚い一方で、王国からは北部を不法占拠するテロ組織の首謀者と認定されている
・野生の嗅覚を持つ武闘派
【ネタバレあり】アニメ『Lv1魔王とワンルーム勇者』第1話あらすじ・感想
魔王復活!……が、しかし?
――10年前。
勇者・マックス(CV.中村悠一)、僧侶・フレッド(CV.松岡禎丞)、戦士・レオ(CV.下野紘)、魔法使い・ユリア(CV.小清水亜美)は、三つの目を持った筋骨隆々な魔王(CV.間宮康弘)と対峙していました。
蛾のような羽根を持った巨大な魔王に苦戦を強いられるものの、見事な連携で全力を尽くし、魔王を討伐するという偉業を成し遂げ、人間社会を救ったのでした。
――それから10年が経った現在。
魔王は今際の際に宣言した通り、復活を果たします。
しかし、勇者との再戦を急ぐあまり、早く目覚めてしまったためか、魔力の蓄積が足りずに幼い姿となっていました。
魔王の秘書官・ゼニア(CV.日笠陽子)は、幼女のような容姿になってしまった魔王にセーラー服を着せ、眠っていた間に溜まった公務に就かせようとします。
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一方、魔王はかつての宿敵・マックスの現在が気になる様子ですが、ゼニアは言葉を濁し、全く教えてくれません。
ゼニアが何かを隠していると察した魔王は、額にある第三の目の力を使ってマックスの生体反応を確認すると、蛾のような羽根を羽ばたかせ、人間界まで会いに行ってしまいます。
そして、現在の日本のような景色をひとっ飛びし、とある古びたアパートの一室まで辿り着くと、意気揚々と扉を開きました。
薄暗いワンルーム、ゴミ屋敷さながらの散らかり方、万年床と思われる敷き布団の上……そこにいた見るも無残なおっさんこそ、かつての勇者・マックスでした。
見るも無残な元勇者
魔王を倒すという偉業を成したマックスが、どんな立派な人間になっているのだろうかと楽しみにしていた魔王。
しかし、いざ再会を果たしたマックスは、小汚い部屋で自堕落な生活を送る中年男性になっていました。
予想外の展開になかなか現実を受け入れられない魔王でしたが、ゴミに立てかけられた聖剣・ブレイズブリンガーを発見し、目の前にいる男がマックスなのだと認めます。
10年前の引き締まった身体が見る影もなく、すっかり腑抜けた様子のマックスに、思わず説教を始める魔王。
一度受け入れてしまえば、散らかった部屋を片付けようとしたり、勝手にパソコンを開いたりと、自由に振る舞うようになります。
そうなってしまうと、今度はマックスが戸惑う番でした。
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何はともあれ、マックスとの再戦を望んでいた魔王とは裏腹に、マックスは勇者という肩書きをとうに捨て、社会と関わらないように生きていました。
自分が眠っていた10年の間に何があったのか気になった魔王は、さっき知ったばかりの文明の利器――パソコンを使って、「勇者マックス」と検索します。
そんな魔王の行動を大慌てで止めようとするマックスには、知られたくない過去がありました。
10年の間に一体何が?!
「勇者マックス」の検索結果は酷いものでした。
「不倫疑惑」「一般人に暴力行為で書類送検」「10股交際」など、数々のスキャンダルを起こしていたのです。
相手が人妻だと知らなかった不倫、一般人にリンチされかけて正当防衛のはずだった暴力行為、全くの嘘情報である10股交際……。
同情の余地がありそうなものもありましたが、世間がそれを許すはずもなく、どれもマックスが魔王を討伐したのちに、調子に乗ってしまったことが原因でもありました。
スキャンダルが出る前の、まだ英雄だった頃のインタビュー動画まで見つけ出した魔王は、マックスの黒歴史を掘り返して大笑いします。
「出る杭は打たれるのだぞ」と言ってマックスの自業自得を咎めつつ、部屋に飾られた勇者パーティーの写真を見つけ、仲間とは会っているのかと尋ねました。
どうやら仲間との交流もなくなったらしいマックスの「今の俺と会うメリットがどこにある?」という言葉を聞いて、魔王はマックスの利己主義的な面が原因ではないかと告げます。
そして、マックスの現状をよく理解すると、ゼニアが口を閉ざした理由にも納得がいき、立ち去ろうとしました。
後ろ髪を引かれる思いで、また人間界を滅ぼそうとしていると、マックスの仲間を狙うと零しますが、マックスは気にしないどころか、仲間が死んでも構わないような発言をします。
その瞬間、怒りが沸いた魔王はマックスを背後から襲いますが、マックスは枕を手に振り返り、魔王を殴り飛ばしました。
マックスの腕は健在だったと認めながら、魔王は気を失うのでした。
一方のマックスは、「あいつらが今のお前にやられるタマかよ」と呟きます。
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世にも奇妙な共同生活
気を失っていた魔王は、押し入れの中で目を覚まします。
苦しそうな声を漏らすマックスのほうを覗いてみると、グラビア画像を見ながら息を荒くしていました。
寝ていたとはいえ、来客時にもそういった行為をするマックスに呆れてしまった魔王は遠慮なく声を掛け、マックスは顔を赤らめて慌てるのでした。
……「なぜとどめを刺さなかったのか」と問う魔王に、マックスは「もう勇者じゃねえ」「(今そんなことをしたら)”勇者、隠し子虐待死”みたいに書かれかねない」と言います。
そんなマックスの言葉に納得しながらも、彼はやはり勇者だと認める魔王。
自分が完全に復活した際には再戦を、と望む魔王に対し、マックスは「約束できない」と返します。
魔王の言う通り、自業自得な過去を持つマックスは、「勇者は時代が生むもの」だと考えていました。
次に魔王と戦うとしたら、新しい勇者が現れるのだと……。
その話を聞いて、寂しそうにしながらも帰っていった魔王。
もう会うことはないと、今生の別れだと思っていたのに……数時間後、玄関から「ただいま~」と声がします。
スーパーで買い出しをしてきたらしい魔王は、マックスの世話を焼くために戻ってきたのです。
しかも、変容した人間社会の様子を知るために、しばらくここに住むと言い始めます。
混乱するマックスを置いてけぼりにしたまま、慣れた手つきで野菜を切り始める魔王。
サッと出来上がった鍋は美味しそうで、まともすぎることに驚くマックス。
こうして、魔王と勇者の奇妙な共同生活が始まるのでした。
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アニメ『Lv1魔王とワンルーム勇者』第1話まとめ
いかがだったでしょうか。
テンポ良く進むストーリーに、コミカルでポップな掛け合い……掴みはバッチリな第1話でした。
押しかけ女房と化した魔王が可愛くて、面倒見切れないと言いながら面倒見られる側なマックスがやけに親しみやすさを醸し出していて、今後の展開への期待が高まります。
何より、キャスト陣の自然で軽快なお芝居に引き込まれ、あっという間に時間が過ぎていきました。
他作品でも魔族を演じた大空直美さんの「魔族声」が役にぴったりで、満足感が凄い!!
思った以上によく動く絵や、こだわりが感じられるアングルも、つい見入ってしまいますよね。
次回、第2話も楽しみです。