妖精と人間が共存する世界を舞台に、猫の妖精・羅小黒(ロシャオヘイ)が旅をしながら人間社会を理解していく姿を描いた中国製アニメ『羅小黒戦記 ぼくが選ぶ未来』。
元は中国で2011年から配信がスタートしたWEBアニメシリーズで、国産アニメとして中国で徐々に人気を博し、2019年に劇場版として公開されるとともに大ヒットしました。
日本でも同年に字幕版が小規模公開され、映画ファンやアニメファンの間で口コミから評判が広がり、翌2020年には日本語吹替版が公開された人気作です。
今回、本作を手掛けた寒木春華スタジオによるアニメ『万聖街』(2022年11月11日放送開始予定)のスタートに先駆け、劇場版をTVサイズに編集したディレクターズカット版が同枠で分割放送されることに。
花澤香菜、櫻井孝宏、宮野真守をはじめ、豪華声優陣が吹替を担当した本作を全5話のTVアニメとして新たに楽しめるのは、どこか贅沢な気持ちになりますね。
早速、アニメ『羅小黒戦記 ぼくが選ぶ未来』第1話をレビューしていきます。
目次
【ネタバレあり】アニメ『羅小黒戦記 ぼくが選ぶ未来』第1話あらすじ・感想
猫の妖精・シャオヘイの旅立ち
この世界には妖精が存在し、人間の姿で社会に溶け込んでいる者もいれば、山の奥でひっそりと隠れて暮らす者もいました。
そんな中、静かな森で楽しい日々を過ごしていた猫の妖精・羅小黒(シャオヘイ:CV.花澤香菜)は、人間の手によって森が切り開かれてしまったことで、居場所を失ってしまいます。
新たに暮らす場所を探して放浪する最中、街で悪そうな人間の若者たちに襲われ、路地裏に追い詰められてしまいました。
シャオヘイは普段の小さな黒猫の姿から巨大な化け猫へ変身して、一人対抗しようとします。
すると、どこからともなく現れた青年が若者たちを打ちのめし、シャオヘイを助けてくれました。
その青年――風息(フーシー:CV.櫻井孝宏)は、植物を操る妖精でした。
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新たな居場所、そして仲間たち
出会ったばかりのフーシーを警戒するシャオヘイ。
一方で、優しげなフーシーはシャオヘイを人里離れた島へと案内します。
その島はフーシーたちの隠れ家で、シャオヘイが暮らしていた森とよく似ていました。
猫耳の生えた小さな男の子の姿に変身したシャオヘイは、フーシーの仲間の妖精たち――洛竹(ロジュ:CV.松岡禎丞)、天虎(テンフー:CV.杉田智和)、虚淮(シューファイ:CV.斉藤壮馬)を紹介されます。
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彼らに歓迎され、ここで一緒に暮らすことを提案されると、喜んで受け入れました。
シャオヘイは新たな居場所と仲間を見つけたのです。
最強の”執行人”
新しく手に入れた寝床で朝を迎えたシャオヘイは、島の異変に気付いて目を覚まします。
騒がしい方向へ駆けていけば、そこには無限(ムゲン:CV.宮野真守)という人間がいました。
ムゲンは人間でありながら妖精たちの集う組織に所属しており、問題を起こした妖精を捕まえる”執行人”でした。
フーシーたちは総出で立ち向かいますが、金属を操る「最強の執行人」であるムゲンには敵わず、島から逃亡することに。
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その矢先、ロジュの制止を振り切ったシャオヘイがムゲンに飛びかかっていき、太刀打ちできずに倒れてしまいます。
結果、シャオヘイは一人だけ逃げ遅れるのでした。
子猫と人間、大海原へ
霊道から島を脱出したフーシーたちは、ムゲンがシャオヘイを”館”へ連れていくだろうと予想し、助け出そうと手分けをします。
その頃、島に残されたシャオヘイは、ムゲンへの警戒心を剥き出しにしていました。
塞がれてしまった霊道まで駆けていき、フーシーやロジュの名前を呼びますが、もちろん返事はありません。
ムゲンは島から脱出するために丸太でいかだを作り、抵抗するシャオヘイを連れて海に出ます。
暴れるシャオヘイを取り押さえるのにも、いかだの動力源にも金属の力を使っていました。
ムゲンは言うことを聞かないシャオヘイを拘束し、強引にいかだに乗せましたが、あくまでそこに暴力性はなく、迷子の子供を保護したかのような雰囲気があります。
抵抗を諦め、不服そうな表情を浮かべるシャオヘイの頭に過ぎったのは、フーシーの声でした。
アニメ『羅小黒戦記 ぼくが選ぶ未来』第1話まとめ
いかがだったでしょうか。
猫の妖精・シャオヘイが出会ったのは、妖精のフーシーと人間のムゲン。
キャラクター性も所属も真反対でいかにも敵対しそうな二人は実際に敵対しているようですが、そこへ巻き込まれる形になったシャオヘイにはどんな未来が待ち受けているのでしょうか。
キャスト陣の好演が序盤から輝いていて、くるくる表情の変わるシャオヘイと花澤香菜の愛らしい声の相性の良さに、猫を可愛いと思う気持ちは世界共通なんだな、と考えさせられます。
さらに、優しげなフーシーは櫻井孝宏が演じることで何か裏がありそうに見えてくるし、無表情で朴訥な雰囲気のムゲンは宮野真守が演じることで敵でありながら味方感を覚えました。
劇場版を観た人にとっては新たな発見が、観ていない人にとっては新たな出会いがありそうなTV放送版『羅小黒戦記 ぼくが選ぶ未来』。
次回、第2話も楽しみです。