賞金稼ぎと殺し屋の歪な関係を描くラブサスペンス『殺し愛』。
ついにドニーと対面するリャンハ。
ドニーがリャンハを連れてきた理由――それは、二人の過去にまつわる「因縁」とも言えるものでした。
そして、囚われのリャンハにジノンとニッカの狂気が迫ります。
一方、リャンハに借りを作ってしまったシャトーは、彼の行方を追うためにある決断をすることに。
自ら敵の前に身を晒したリャンハと、彼を追うシャトーが行き着く先とは一体……?
早速、アニメ『殺し愛』第9話をレビューしていきたいと思います。
目次
アニメ『殺し愛』前回第8話あらすじと振り返り
ホークから連絡を受け、リッツランの無事を知ったジムは、シャトーたちが乗っている客船の寄港地・バロセラに向かっていました。
しかし、その道中でドニーの手下であるトムに襲撃されてしまいます。
一方、バロセラに到着したリャンハは、気を失ったままのシャトーを船内の倉庫のようなところに隠してから下船し、ジノンに連れられて彼の仲間であるニッカと合流しました。
車に乗せられると、ニッカは彼らの長であるドニーの本名を明かしてまで、リャンハとドニーの関係を知りたがります。
その後、リャンハにはぐらかされたニッカは声を荒げましたが、ジノンが自分の手柄であるリャンハに手を出されるのを嫌がってナイフを構えていたこともあり、渋々手を引きました。
それでも一発、拳銃でリャンハの頭を殴打し、抵抗されなかったことに拍子抜けします。
同時に、リャンハが場慣れした手練れであることを実感しました。
その頃、ジムがバロセラに到着し、船内に隠されていたシャトーを発見。
襲撃の恐れがあるため、船からの脱出を急ぎますが、追ってきたトムと鉢合わせてしまいます。
シャトーとジムは協力してトムを撃退しますが、シャトーはそこでリャンハが投降したことを知り、動揺するのでした。
時を同じくして、大きな屋敷に連れて来られたリャンハは、手錠と目隠しをされた状態でドニーの前に突き出されていました。
目隠しをされた状態の彼に、ドニーは言います。
「ようこそ、ソン・リャンハくん」
【ネタバレあり】アニメ『殺し愛』第9話あらすじ・感想
ドニーの子供たち
リャンハを迎え入れたドニーは語り始めます。
紛争地域で少年兵として育てられた子供、貧困から実の親に売り飛ばされた子供、薬漬けにされ麻薬の売人に仕立てられた子供、収容所で生まれながらに罪人の烙印を押された子供……。
ドニーはそういった子供たちに名を与え、自分の手元に置いているようです。
そんなドニーがリャンハを追っていた理由は、「ソン・リャンハ」という名前や転居歴、学歴や病歴など、かつて一人の子供に与えたのと同じものを、彼が意図的に使っていたからでした。
そして、ドニーに何者なのかと問われたリャンハは、子供たちに名を与えるドニーを「ブリーダー」と揶揄し、その割に躾がなっていないと小さく嘲笑います。
すると、その言葉を聞いたジノンが怒りのままにナイフを振りかざしました。
しかし、ニッカは自身が怪我を負ってまで、それを制止します。
ドニーのそばから離れず黙っていたミファも、ジノンが間違ったことをしたと責めるように言いました。
ドニーはジノンが船旅で疲れているのではないかと庇い、皆に休むよう告げるのでした。
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一方、シャトーとジムは無事に客船から脱出し、トラックを調達して移動を始めていました。
そのトラックの荷台で、襲撃してきたトムを拘束し、銃口を突き付けて情報を引き出そうとします。
トムは自分が戻らなければシャトーは追われ続けることになると言い、ボスであるドニーの名を口にします。
さらに、ドニーが巷では「戦争仕掛け屋、トリガー」と呼ばれていることを明かすのでした。
シャトーの覚悟
ドニーは怒りのままリャンハに手をかけようとしたジノンに対し、ドニーが仕掛けるまでは火種でいなければならないと説いていました。
ジノンはあまり理解できていない様子でしたが、ドニーは続けて言います。
「激情は秘めておきなさい、今はまだ」
別室では、ニッカがリャンハの見張りをしていました。
リャンハに興味があるらしいニッカは、年齢は30歳前後であろうと予想したり、出身を聞いたりと話し掛け続けます。
さらに、リャンハが隠し持っていた針金で手錠のピッキングをしていると気付いたうえで、わざと彼の両手が自由になるのを待ち、戦闘に持ち込みました。
リャンハは手錠が外れた瞬間に飛びかかりますが、ニッカに脇腹を殴られ、ホーに負わされた傷が開いてしまいます。
騒ぎに気付いた他の見張りが部屋に入ってきますが、彼らはニッカに気を取られているうちにリャンハに銃を奪われ、一瞬で殺害されました。
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その頃、リャンハを探しに行くと決めたシャトーは、ジムに二つ頼み事をします。
一つは、シャトーの実家に護衛を付けること。
もう一つは、シャトーをリッツランサポート商会から除名することでした。
リャンハの過去
リャンハが見張りを殺したことで屋敷の警備が強化され始めた頃、シャトーはトラックを運転していました。
屋敷に向かって猛スピードで突っ込んでいき、警備員ごと門を突き破って敷地内に侵入します。
一方、リャンハは怪我を負いながらも見張りを殺し、屋敷から脱出しようとしていました。
しかし、傷口からの出血が激しく、途中で倒れ込んでしまいます。
朦朧とする意識の中、過去の出来事を思い出していました。
車の運転席には、ドニーに名を与えられたリャンハ少年。
後部座席で寝息を立てているのは、幼少期のシャトー。
そして、助手席に座っている少年こそ、若き日のリャンハでした。
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その頃、ドニーは屋敷内に響き渡る警報音を聞きながら、「酷い夜になってしまった……実に悲しい」と呟いていました。
ジノンはそんなドニーの言葉を聞いて、一人部屋を出ます。
二人の手
倒れ込んだままのリャンハに近付いてきたニッカ。
古傷が開いて弱っているリャンハを、楽しそうに見下ろします。
リャンハは諦めたように「つまんない死に方…だな……」と呟き、自ら意識を手放そうとしていました。
すると、ニッカは残念そうにその場から離れ、去り際にシャトーが外まで来ている可能性を匂わせるのでした。
ニッカの言葉通り、シャトーは屋敷の外の森を駆け回っています。
除名しろと言った自分を温かく送り出してくれたジムの言葉を思い出しながら、リャンハの行方を追っていました。
シャトーが来ているかもしれないと知ったリャンハは再び立ち上がり、モニタールームまで辿り着くと、監視カメラに映る彼女の姿を確認します。
一方、ニッカを待ち伏せていたジノンは、リャンハを逃がしたことを問い詰め、ナイフを向けます。
ニッカは怯むこともなく笑みを浮かべ、「死に体の獲物なんてつまんねぇだろ」と言い放ちました。
やがて森の中にいたシャトーは、警備に捕まってしまいます。
地面に抑えつけられ、身動きが取れなくなってしまいますが、周りの様子がおかしいと思った瞬間、自身を捕らえていた警備が撃ち殺されます。
自由になった身体を起こして振り返ると、そこには血を流しながら微笑むリャンハの姿がありました。
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アニメ『殺し愛』第9話まとめ
いかがだったでしょうか。
リャンハを助けるために覚悟を決めたシャトーと、シャトーの存在を糧に生きることを選んだリャンハ。
二人は過去、すでに出会っていたことがリャンハの回想シーンで判明しましたが、リャンハだけが覚えていて、シャトーは忘れているという状況のようです。
シャトーとリャンハ、そしてドニーに名を与えられたリャンハ少年、三人がなぜ一緒にいたのか気になるところですね。
一方、ドニー側の人間でありながらリャンハに強い興味を持ち、結果として逃すこととなったニッカは、ドニーたちと敵対するかたちになるのでしょうか。
ラストスパートに向けた展開に期待が高まります。
次回第10話も楽しみです。