賞金稼ぎと殺し屋の歪な関係を描くラブサスペンス『殺し愛』。
リッツランの行方を追うシャトーのもとへ、彼の回線から連絡が入ります。
しかし、相手は社長ではなく、リャンハでした。
指定された場所へ辿り着いたシャトーは、その惨状を見て絶句することに。
一方、襲撃者・ジノンと対峙するも逃げられてしまったリャンハは、シャトーの客室で彼女と合流しますが、冷ややかな表情で銃口を向けられてしまいます。
前回第6話ではリッツランの死を匂わせていましたが、それを受けてシャトーとリャンハが取る行動とは一体?
早速、アニメ『殺し愛』第7話をレビューしていきたいと思います。
目次
{ネタバレあり}アニメ『殺し愛』前回第6話あらすじと振り返り
出港から3時間が経過した豪華客船にて、警護する要人――リッツランの妻であるホークを遠巻きに見守っていたシャトーですが、そこへリャンハが現れます。
リャンハは自分がホークを狙っているかもしれないと半ば脅迫のように告げ、自分がシャトーの監視下にあるうちは何もしないと提案しました。
こうしてリッツランからも許可を得たシャトーは、リャンハに付きっきりになります。
出航から7時間が経ち、シャトーとリャンハはリッツランの監視下にある客室で過ごしていました。
監視カメラ越しにリッツランが見ているとはいえリャンハと二人きりの空間……寝付けずにいるシャトーに気付いたリャンハは、自分がいたベッドまで抱きかかえて運びます。
強制的に運ばれて怒りを露わにするシャトーでしたが程なくして眠りにつき、リャンハは無意識のうちに信用されていると感じました。
翌日、いつものパンツスーツしか持ってきておらず、セレモニー会場で明らかに浮いていたシャトーに、リャンハは夜会用のドレスを贈ります。
そんなリャンハを見て、シャトーは自分が彼を監視しているのではなく、彼が自分を監視しているのではないかと考えるようになりました。
その矢先、リッツランはリャンハと電話で話したいと言い、「シャトー・ノーブル」という名を知っているか問います。
そこで言葉を失ったリャンハと現状を打破したいリッツランは、この件について直接話すことに。
夜になると、リッツランはジムに警護の指揮を任せて客室を去り、リャンハもシャトーが見ていない隙に、懐に拳銃を隠して部屋を出て行きました。
やがてリャンハの姿が見えないことや、リッツランと連絡が取れないことに気付いたシャトーとジムは慌て始めます。
その頃、リャンハと会うために甲板へ出ていたリッツランの背後に、スニーカーを履いた何者かが近付いていました。
リッツランがそれに気付いて振り返った時にはもう遅く、彼の首元にはナイフが突き刺さっていました。
【ネタバレあり】アニメ『殺し愛』第7話あらすじ・感想
謎の襲撃者
――大型客船・アルテミシア。
連絡が取れなくなったリッツランと姿の見えないリャンハを探すシャトーのもとに、リッツランの回線から連絡が入ります。
しかし、そこから聞こえたのは居場所を伝えるリャンハの声でした。
同時に医者も呼んだ方がいいと告げたリャンハに、シャトーの気は動転していきます。
リッツランは「即死を免れただけ」で瀕死の状態であり、か細く息はしているものの時間の問題でした。
回線を切ったリャンハは、上の階のデッキからこちらを見ていた少年――ジノンの存在に気が付きます。
即座に追いかけるも彼が投げてきたナイフが銃を狂わせ、逃げられてしまいました。
去り際、ジノンは「まだ船から降りないでくださいね、“二人とも”」と笑顔で言います。
その一言でリャンハの表情は曇るのでした。
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恐ろしく俊敏で楽しそうで、可愛らしいはずの笑顔が怖い!
ジノンとほぼ入れ違いで現場に辿り着いたシャトーは、リッツランの状態を見て言葉を失います。
「リャンハじゃない。 だから、シャトーちゃんのせいじゃない」
リッツランは朦朧とする意識の中で、苦しみながらささやくようにそう呟きました。
シャトーから連絡を受けたジムとホークが救急要請をし、リッツランはヘリコプターで搬送されていきます。
その頃、そこにシャトーの姿はありませんでした。
とにかく何かを知っているはずのリャンハと合流しようとしていたシャトーの目の前に、ジノンが現れます。
彼はシャトーの名を呼ぶと、「ちょーっとだけ、お時間もらえます?」と話し掛けるのでした。
君の味方
客室で拳銃を調整していたリャンハのもとに、シャトーが戻ってきます。
すると、シャトーは冷ややかな、それでも戸惑いが混じった表情で、リャンハに銃口を向けました。
リャンハは自分が犯人ではないことを彼女が理解していると知ったうえで、ジノンに会ったのかと尋ねました。
続けて何を吹き込まれたのかと問うと、シャトーは怯えたような顔を見せるのでした。
――つい先程。
ジノンは録音機器を取り出すと、とある会話音声を流しました。
そこから聞こえてきたのは、シャトーの母・アンナと宅配業者の会話。
会話自体は何でもない世間話ですが、それはアンナが殺される可能性を示唆していました。
ジノンはこれを聞かせてからだと交渉がしやすいと何者かに言われたらしく、そこから本当に交渉を始めます。
「ソン・リャンハさんを僕に売ってください!」
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笑顔でそう告げたジノンの言葉を受けて、シャトーはリャンハに銃口を向けていました。
リャンハは拳銃を取り出すと、床に落として両手をあげます。
「生死問わず? 引き渡し方法は? ちゃんと確認した?」
次々に質問をするリャンハを見て、拳銃を持つシャトーの手はますます震えだします。
その様子に、リャンハは「君の味方だ」と言いました。
すると、シャトーは銃口を下げ、次の寄港地で生きたまま引き渡すよう言われたことを零します。
他力本願
実は、シャトーは一度ジノンの提案を断っていました。
リャンハは自分の手に負えないと、他を当たってくれと、そう伝えました。
すると、表情を消したジノンは「ダメですよ」と否定し、母親を殺すことやリッツラン以外の誰かを襲撃することを匂わせてきたのです。
どこまでも脅してくるジノンに、シャトーは絶望の色を見せていました。
リャンハと関わり続けることで、今回のような事態が起こると容易に想像がついたはずなのに、彼を拒絶しきれなかった自分自身を責めます。
シャトーにそう告げられたリャンハは自分がそういう風に仕向けたのだと言いますが、彼女の口からは次々に本心が転がり出してきました。
過去の記憶も思い出も、自分のことが曖昧で何もわからないのに、リャンハのことだけは頭にこびりついているのだと。
リャンハはシャトーに冷静になるよう言い、冷たい飲み物を勧めます。
それでも彼女は珍しく饒舌で、リャンハのことを「信用している」と零しました。
そして、いつも自分が一方的に助けられている状況の中、リャンハの言う「何とかする」とはどこまで何とかしてくれるものなのかと、不安定になっていきます。
「いけませんね、他力本願は」
シャトーはそう呟くと、自分のこめかみに銃口を突き付けました。
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きな臭い大型客船
シャトーが引き金に指をかけたその時、リャンハは彼女を抑えこみ、間一髪のところで阻止します。
周りの人々を巻き込むくらいなら自分が死のうと考えたシャトーに、リャンハは言います。
ただ、「それは僕が困る」と。
その言葉にシャトーは反発しようとしますが、次の瞬間には形勢をひっくり返され、首を絞められてしまいます。
動脈を抑えつけられて意識が遠のいていくシャトーの表情を「死にたくないって顔」だと評するリャンハ。
そうして彼女が完全に意識を手放す寸前、「素直にならなきゃ、ね」と小さく語りかけるのでした。
一方、リッツランが集中治療室に入ったことを伝えるため、ホークは船内に残った護衛チームと連絡を取っていました。
騒ぎになっていないか心配していたジムとホークをよそに、船内は落ち着いています。
あんなことがあったのに、何事もなかったかのように航行を続けていました。
そう、この客船自体が元より黒幕の手のひらの上だったのです。
その頃、書斎のような場所で船内の何者かと電話をしているドニーの姿が。
傍らには自身を「俺」と呼ぶ少女・ミファ(日笠陽子)がおり、ジノンがしくじったのだと責めるように言います。
ドニーは、ジノンにとっては初めてのおつかいだから悪く言わないでくれと、ミファを窘めました。
同じ頃、客室でリャンハに首を絞められていたシャトーは、いよいよ意識を手放します。
リャンハはその時、「ごめんね」と呟くのでした。
――何年も昔。
学校で「留学生」と呼ばれていたリャンハ少年(増田俊樹)は、大事な人が会いに来るのだと言って颯爽と帰っていきます。
リャンハ少年が迎えたのはドニー。
彼を「先生」と呼ぶリャンハ少年は、内容もわからない頼み事に二つ返事で頷くほど懐いているようでした。
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アニメ『殺し愛』第7話ネタバレ・感想まとめ
いかがだったでしょうか。
リッツランが一命を取り留めていたものの、安心はできない状態。
精神的に不安定になっているシャトーと、次の一手がありそうなリャンハの今後が気になります。
エンドロール後には、今よりも若いドニーと、彼に拾われたらしいリャンハ少年の姿がありました。
リャンハ少年=ソン・リャンハではなさそうですが、一体どのような関係なのでしょうか。
ところで、リャンハ少年の声を担当している増田俊樹はオープニングテーマである『Midnight Dancer』を歌っています。
オープニング映像も楽曲のMVもかっこいいので、どちらも注目してみてください!
次回第8話も楽しみです。