賞金稼ぎと殺し屋の歪な関係を描くラブサスペンス『殺し愛』。
クールな賞金稼ぎの女・シャトーは、謎多き最強の男・リャンハに気に入られ、なし崩し的に協力関係を結ぶものの、リャンハを狙う組織との抗争に巻き込まれていきます。
リャンハがシャトーに接近する理由、シャトーに秘められた過去……。
奇妙な運命を辿る二人の歪んだ愛の物語が、ついにアニメ化です。
「月刊コミックジーン」にて連載中のFeによる同名コミックを原作に、アニメ『この音とまれ!』などで知られるプラチナビジョンが制作にあたりました。
無口な賞金稼ぎのシャトー・ダンクワースを『ウマ娘 プリティダービー』のメジロマックイーン役や『食戟のソーマ』の新戸緋沙子役で知られる大西沙織が、最強の殺し屋であるソン・リャンハを『鬼滅の刃』の我妻善逸役や『進撃の巨人』のコニー・スプリンガー役で知られる下野紘が演じ、一筋縄ではいかないストーリーを引っ張ります。
早速、アニメ『殺し愛』第1話をレビューしていきたいと思います。
【ネタバレあり】アニメ『殺し愛』第1話あらすじ・感想
君の名前は?
賞金首を追うシャトー・ダンクワース(大西沙織)は、とある“仕事場”で一人の男に遭遇します。
男の名は、ソン・リャンハ(下野紘)。
最強の殺し屋と謳われる人物でした。
彼はシャトーが向けた銃口にびくりともせず、自身の銃は弾切れであることを明かします。
そして、休戦を提案すると、勢いよくシャトーに近付いてきました。
咄嗟に銃を構えたシャトーが撃った弾はリャンハの頬をかすめますが、彼はそれを物ともせず掴みかかってきます。
シャトーは銃を持った手でリャンハの頭部を殴りましたが、血を流した彼はふっと微笑み、素早く、どこか丁寧にシャトーを拘束するのでした。
リャンハは馬乗り状態でシャトーを仰向けに抑え込むと、名前を尋ねます。
見覚えのない顔の新人賞金稼ぎに対する言葉に、その意図が読めないシャトーは黙っていました。
それでも、リャンハは明るく話し続けます。
名前を聞く理由を堂々と「ナンパ」だと宣言し、何度も名前を尋ねてきました。
「教えてよ、名前」
urara
――街中に立っていたシャトーは、自身が所属するリッツランサポート商会の社長であるエウリペデス・リッツラン(堀内賢雄)からの電話に出ていました。
単独行動をしたことを咎められ、面倒に思ったのか早々に電話を切り上げます。
電話を切られたリッツランは、経理担当のジム(天﨑滉平)に茶化されていました。
ジムはシャトーに手を焼いているリッツランを辛辣な物言いで困惑させます。
父親の恩人の娘という縁でシャトーを雇っているリッツランは、彼女がどうして賞金稼ぎを始めたのかまでは知りませんでしたが、その活躍には著しいものがありました。
ジムはシャトーの後ろに何か「相当やばいの」がついているのではないかと、冗談半分で予想するのでした。
ターゲットはソン・リャンハ
「おはよう。 いい天気だね」
「今何してるの?」
「次の休み教えて」
「食事でもどう?」
シャトーのもとに送られてくるメッセージは、すべてリャンハからのもの。
たくさんのメールや電話はもちろん、仕事場にも先回りしてくるリャンハはまさに神出鬼没。
遭遇したあの日から、シャトーは彼に付き纏われるようになっていました。
やがてリャンハから賞金首の情報を提供されるようになったシャトーは、リッツランとともに向かった新たな案件の話し合いの場で、リャンハをターゲットとした依頼を受けます。
リャンハは8年前に凶悪犯罪組織だった香港三檮会の通訳係として現れ、5年前には三檮会の重役18人を殺害し、組織を解体に追い込んだとされる人物です。
そんな危険人物であるため、様々な組織から狙われている賞金首の一人でした。
リッツランは身入りのいい案件だと評しつつ、あまりにも危険だと述べ、勝手な行動をしないようシャトーにきつく釘を刺します。
そして、まだ若いシャトーに危険な仕事をする理由を問いかけながら、他にも働き口はあると促すのでした。
リッツランが妻からの電話に出るために席を外すと、後ろからリャンハの声が聞こえてきます。
彼はシャトーとリッツランの会話をずっと聞いていたようです。
場所を変えようと言われて連れて来られたのは広々とした公園。
そこで、シャトーはリャンハから送られてきた動画を見せます。
動画の中ではリャンハが一人の男を拘束していましたが、それはシャトーが追っている賞金首でした。
こうして賞金首を先回りで始末するリャンハに、シャトーは「取り引き」か「冷やかし」かと問います。
しかし、リャンハはシャトーに構ってもらうための口実だと明かし、こんなに「いいパトロン」はいないと、自身を大事にするよう言いました。
そして、無口ながら反抗的な態度のシャトーに、今回の取引条件を告げます。
「24日、クリスマス。 デートしてよ」
urara
クリスマスイブ
リャンハは場末のホテルの一室と思しき場所にいました。
洗面台を前に、服の袖口をスンッと嗅ぐと、小さく舌打ちをします。
そして、バスルームを出ると、ベッドに座る女性を無視して部屋を出ようとしました。
「お客さん……まだ時間ありますけど?」
露出の激しい格好をした女性はそう声を掛けますが、苛立ちを隠せない様子で誰かに電話を掛け始めます。
その瞬間、銃声が響き渡りました。
リャンハが放った銃弾は扉を貫き、その先の廊下にいた男性の頭を撃ち抜いていました。
即死状態の男性の懐では着信音が鳴っていて、リャンハは通話ボタンを押して電話に出ます。
部屋の中では通話相手である女性が涙を浮かべて固まっており、リャンハはそんな彼女へ向けて電話越しに囁きました。
「時間、まだあるんだっけ」
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一方、リッツラン商会のオフィスでは、ジムがクリスマスツリーの飾りつけをしながらはしゃいでいました。
シャトーが休暇を取っていたために、リッツランと二人きりのクリスマスだということを残念がるジムでしたが、仕事が終わってからケーキを買いに行く許可を得ると再びはしゃぎ始めます。
噂のシャトーはというと、渋々リャンハとの待ち合わせ場所を訪れていました。
予定より1時間遅れてやって来たシャトーに文句を言うリャンハでしたが、その不機嫌を利用して帰ろうとするシャトーを懸命に引き留めます。
街中のショーウィンドウにアクセサリーを見つけたリャンハは、シャトーにプレゼントしたいと伝えますが、シャトーは素っ気ない様子で歩いていってしまいます。
リャンハはふと目に入ったシャトーの耳元に興味を持ち、そこを覆っている髪をそっと避けると、耳たぶにピアス跡を見つけました。
「ピアス跡あるじゃん……なぁんだ、ちょっと安心した」
そう言って笑うリャンハに、シャトーはうんざりした青い表情を浮かべるのでした。
ショーウィンドウの前で、ケーキ屋で、大きなクリスマスツリーの前で……人混みにもかかわらず堂々としているリャンハに、シャトーは言います。
「あなたは、もう少し人目を憚るべきです」
リャンハは無表情でシャトーの横顔を見つめた後、人目を憚るためにホテルへ行こうと提案します。
ディナーとケーキはそこで、というリャンハの言葉に、シャトーは再び帰ろうとしました。
見かねたリャンハは去っていくシャトーにメッセージを送ります。
すると、シャトーは立ち止まり、小さく振り返るのでした。
平気な匂い
高級ホテルにやって来た二人は、夜景を見ながら会話をします。
先ほどリャンハがシャトーに送ったのは、賞金首の死体とその愛人の写真。
それはあの場末のホテルで、リャンハが対峙していた男女でした。
シャトーはリャンハの行動の意図が読めず、自分をどう利用しようとしているのかもわからないものの、貢がれるものに自身の存在は見合っていないと言います。
しかし、リャンハは「奉仕のつもり」だと返し、何事も取引にしようとするシャトーを慮ってか、「取引に戻ろっか」と声を掛けました。
そして、仕方なくテーブルについたシャトーとのディナーを楽しむのでした。
一方、約束通り仕事を終わらせてから街に出ていたリッツランとジムは、道路を挟んで反対側の道にシャトーの姿を見つけます。
リッツランはシャトーの隣にいる男があの「ソン・リャンハ」だと気付き、驚きの表情を浮かべ、思わず立ち止まってしまいました。
見られたとは思ってもいないシャトーは、家まで送ると言ってきかないリャンハを駅の改札口で追い払おうとしていました。
ようやく諦めたリャンハは「一つだけ確認させて」と言うと、シャトーを抱きしめます。
そのまま息をするようにしてシャトーの匂いを確認したリャンハは、異常に他人の匂いが気になる自分が、シャトーの匂いは気にならないのだと告げます。
シャトーはリャンハを振り払うと、さっさと改札を通り抜けていってしまいました。
urara
――この愛の終着駅が君の涙でできているのなら、僕らの進む道には死の花が咲き誇っているだろう。
通報のあった不審車両を確認しに来た警官たち。
その車内で眠っていた一人の少女。
運ばれていく同乗者と思しき人物。
「嬢ちゃん、名前言えるか」
そう問われた少女が答えた名前は……。
アニメ『殺し愛』第1話ネタバレ・感想まとめ
いかがだったでしょうか。
賞金稼ぎと殺し屋が織り成す物語が、ここに始まりましたね。
あの仕事場での遭遇が、初めての出会いではなさそうなシャトーとリャンハ。
二人の過去に何があったのか。
過去の出来事がどう繋がって来るのか。
次回からの展開が楽しみです!