『愛のむきだし』あらすじ・ネタバレ感想!宗教、エロ、暴力…実話を基に作られた上映時間237分の超大作

出典:AbemaTV

奇才・園子温監督による代表作であり、最高傑作との呼び声も高い『愛のむきだし』。

本作は、実話をベースに描く究極の純愛物語。

罪と罰・欲望と禁欲・キリストと新興宗教・家族や共同体など、様々な要素を複雑に絡み合わせた237分に及ぶ超大作映画です。

ポイント
  • 奇才!園子温監督の最高傑作
  • 4時間と長い映画でしたが目が離せない!
  • なんというか「凄い」映画

それではさっそく『愛のむきだし』をネタバレありでレビューしたいと思います。

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『愛のむきだし』作品情報

映画『愛のむきだし』

出典:映画.com

作品名 愛のむきだし
公開日 2009年1月31日
上映時間 237分
監督 園子温
脚本 園子温
出演者 西島隆弘
満島ひかり
安藤サクラ
尾上寛之
清水優
永岡佑
広澤草
玄覺悠子
中村麻美
渡辺真起子
渡部篤郎
綾野剛
音楽 原田智英

【ネタバレ】『愛のむきだし』あらすじ・感想


上映時間237分!長い映画ですがそれを感じさせない手腕は見事

前作『紀子の食卓』が世界的に評価された園子温監督が、実話をベースに描く純愛の物語です。

今まで4時間超の映画は見たことがなかったですが、初めて最後まで鑑賞できました。それほどこの物語は惹きつける何かがあるのだと思います。

宗教、エロ、暴力など、かなり強烈なものをテーマにした映画ですが、園子温監督独特の「間」とコメディタッチが強めたなため、クスクスしながら見れると思います。

主人公を演じるのはアーティスト「AAA」の西島隆弘さん。

敬虔なクリスチャンの家庭に育った男子高校生ユウをかなり熱く演じています。

アーティストとしての西島さんしか知らなったため、このぶっ飛んだキャラクターを演じているのを見て目が点になりました。

簡単に言うと「パンチラ、盗撮、暴力、変態、盗み、宗教、勃起」など…かなり危険な役を演じています。

童顔なので高校生役を演じていても全く違和感がないのが良かったですね。

彼は幼いころに母親を亡くして理想の女性「マリア様」を見つけるまで冒険を続けています。

そしてユウの父、敬虔なクリスチャンの神父、角田テツを演じるのが渡部篤郎です。

本当に優しい息子想いの良い父親を演じています。テツはいい神父としてみんなに好かれ、親子2人で平凡ながらも平和で仲睦まじい暮らしをしていました。

ですが”ある女”が現れてから二人の生活は一変します。

その女はカオリ(渡辺真起子)といい、テツの教会に来て、神父のテツに対して「あなたが欲しい」と翻弄しだします。

最初は断るテツでしたが、次第に二人は惹かれあいテツとユウと三人で暮らし始めます。そしてナオミは一方的な理由でテツに別れを告げます。

ショックを受けたテツはユウに対して冷たくなり性格も急変します。

息子のユウに対して「今日あったことを懺悔しろ」と言うようになり、今までの父とは違うことに戸惑ったユウは、何とか父との繋がりを取り戻すために、懺悔することのないユウは、わざと罪づくりに励みだします。

ユウの罪づくりは次第にエスカレートしていき、彼は気づかないうちに女性のパンティを盗撮する盗撮魔となっていました。

そのことを父に懺悔しにいくと「お前は馬鹿か!この変態」と言われ殴られます。

殴られたことをきっかけに、ユウはこれこそが父の愛情表現だと確信し、仲間とともにプロの盗撮魔へと変貌していくのです。

このユウの盗撮の仕方が凄い…!アクロバティックで側転しながら撮ったりと凄くカッコいい盗撮となっていますw

いい子は絶対真似してはダメですけどね。

そして仲間とスゴイ盗撮選手権で負けたユウは、女装(通称サソリ)して街をふらついて女性にナンパして最後にはキスするという罰ゲームを強要されます。

街をふらついていたユウは、いかつい男たちにナンパされて無理やり連れていかれそうになっている女子高生を目撃し、助けに行こうとしまうが、なんとその女子高生は男たちをカンフーでなぎ倒していました。

ユウと協力して男たちを全滅させた後、女子高生ヨーコ(満島ひかり)はサソリ(ユウ)に恋をしてしまいます。

対するユウも今まで女性に対して生まれてから一度も勃起させることがなかったのですが、ヨーコのことを見て「マリア様だ!」と言い、生まれて初めて勃起をします。

サソリに対するヨーコの恋愛感情は増していきます。そしてユウもヨーコのことを思うと胸が痛くなるのでした。

二人は相思相愛のように見えますが、実はヨーコには秘密があり、幼少のころ父親に性的なイタズラをされてから男に恨みを女性だったのです。

この男性に恨みをもった女子高生を演じた満島ひかりの演技はものすごい怪演だと思います。

カンフーをする姿などはマジでかっこよく狂気を感じさせる迫力ある演技は本当にすごいです。

この作品をきっかけに実力派女優の名を世間に知らしめることとなりましたよね。

ヨーコは男性嫌いなのですが、キリストとニルヴァーナのボーカリストであるカート・コバーンのことだけは真の男として認めています。

そしてユウは、サソリとしてしかヨーコと会えないもどかしさにモヤモヤしていまいました。

「私は変態なのかもしれません」というヨーコに対して「変態には変態の生き方があるわ」と慰めるシーンは切なさとほろ苦さで胸が張り裂けそうになりました。

この後、二人はどういう関係になっていくのか目が離せませんでした。というかこの辺でまだ前半の2時間です(笑)

後半は漫画のような展開に笑ってしまいます

ユウがヨーコに本当のことを言えずにモヤモヤしていると、高校に転校生が入学してきます。そうです、ヨーコでした。

中二病のような展開になんなんだこの映画は?!と思わざるえませんでした。

そしてテツのもとにナオミが戻ってきてヨリを戻すのですが、なんとナオミの娘がヨーコというこれまた漫画のような展開になるのです。

これがきっかけでユウとヨーコは義理の兄妹になってしまいます。ヨーコは男に対して強い恨みをもっているので、ユウのことが全く好きになれませんでした。

むしろ嫌っており、ヨーコはあのとき助けてもらったサソリのことしか頭にありませんでした。

ですが、ナオミのためになんとかユウのことを好いている素振りを見せます。

仲良くなりかけた二人のもとに新興宗教「ゼロ教会」のボス、サソリがやってきて家族もろとも入信させようと暗躍します。

サソリに扮するのは最近映画『万引き家族』やドラマ『まんぷく』でも一世を風靡している安藤サクラが演じています。

幼少時クリスチャンの父から性的な虐待を受け、性欲を罪としか感じれなくなった女性を演じています。圧巻の怪演は注目です。

コイケはサソリになりすましてヨーコを虜にして、ユウとヨーコのなかを引き裂きます。

そして、ついにヨーコとテツとナオミを洗脳してゼロ教会に入信させられてしまうのでした。

ヨーコを取り戻すためにユウは奮闘する

家族とヨーコをゼロ教会から脱出させるために、ユウは一人教会へ乗り込みます。

ここでもカンフーと刀をもって敵をぶった切るのでかっこいいこと間違いありません。

敵の本拠地を爆破させてヨーコたちを救出させれれるのですが、それと引き換えにユウは精神を崩壊してしまいます。

ヨーコは今までユウにしてもらった無償の愛に気づき、無償の愛で恩返しすることでユウを覚醒させようとします。

「お兄ちゃん起きて!お願い」ユウは勃起させて眠りから覚めます。涙なしでは見れませんでした。

本作『愛のむきだし』は、色んなモノがむきだしになっていて、地上波では絶対に放送できない衝撃作となっています。

4時間…愛について深く考えさせられる映画だと思いますので、ぜひ見てみて下さいね。

『愛のむきだし』まとめ

以上、ここまで『愛のむきだし』について感想の述べさせていただきました。

要点まとめ
  • パンチラ姿が美しい満島ひかりが見れる
  • 4時間もの長い映画だが出演者の演技が凄いの見れてしまう
  • 監督の間の抜けたシュールな演出が見事

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